べっ甲の美しい装飾
今回はべっ甲に施す装飾として、大変美しい「象嵌(ぞうがん)」、「螺鈿(らでん)」、「蒔絵」、「芝山(しばやま)」についてのお話です。

銀座かなめ屋のブログ-べっ甲かんざし
 
【象嵌】
金属、陶磁器、べっ甲や木材などに模様を刻み込み、そこに金や銀のような金属を埋め込んで装飾を施す工芸です。べっ甲では表面に漆(うるし)を塗りその上から金などで作った装飾を埋め込む技法もあります。

【螺鈿】
漆の上に「細かく切った貝」をモザイク模様の様に置いて柄を作る技法。貝に当たる光の加減により、べっ甲に大変豊かな表情を添えてくれます。


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【蒔絵】

漆と金粉・銀粉・貝等を主な材料として絵模様を表す技法です。この装飾はご存知な方も多いと思います。蒔絵の美しさを十分に引き出すため、黒べっ甲に蒔絵を施したものが多いようです。



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【芝山(漆器)】

 

これは漆を使わず、埋める柄と同じ輪郭の凹みを彫り、そこに寸分の狂いもなくピッタリはめ込み固定するという、大変高度な技術が必要な技法です。

 

芝山漆器の歴史は1775年、現在の成田空港の近くに位置する芝山村大野木専蔵という人物が芝山象嵌を作り始めたのがきっかけだといわれています。後に大野木専蔵は芝山専蔵と改名し江戸へと出ると芝山象嵌を広めました。(※伝統物産・伝統工芸より

 

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べっ甲は膠(にかわ)質で出来ているので漆との相性が良く、漆を利用した装飾には非常に向くという性質があります。お手持ちの古いべっ甲製品にちょっと螺鈿や蒔絵を施したりなんて粋かもしれませんね。かなめ屋では、そんな加工も承っております。どうぞお気軽にご相談下さい!(現在は行っておりません。)

 

 

■追記(H24.10.)

最盛期(明治後期~大正頃)には、100人程いたと言われている伝統工芸「芝山」の職人、「芝山師」も数年前に最後の方が他界され、これでまたひとつ、日本の素晴らしい職人技術が、ついに途絶えてしまいました。悲しい限りです。

 


お手持ちのべっ甲製品で、汚れがひどくなった場合や、万が一破損してしまった場合は、当店にて仕上げ磨き、修理加工を承りますのでお気軽にお問合せ下さい。

 

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