5回以上鑑賞した映画十傑選~洋画編 | 徒然逍遥 ~電子版~

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こんにちは。行政書士もできる往年の映画ファンgonzalezです。
訪問ありがとうございます。


好き過ぎてリピートする作品もあれば、偶然リピートしてしまう作品もある。が、基本的には好きだからこそ。といふパターンで5回以上観てしまった作品が随分とある。
そこで、そんな作品群の中から上位十本選んでみたよ。


ただし、基本的にTV放映は鑑賞回数に含めない。昔はNHK教育TVで旧い映画が字幕版でノーカット放映されることがあった。それは含めることとする。
また、DVD鑑賞も除外するべきか迷ったが、除外してもしなくても大勢に影響ないので一応可とした。


【5回以上鑑賞した映画十傑選~洋画編】

ローマの休日 (‘53 米) Roman Holiday
何と言っても新星オードリーの魅力炸裂の一言に尽きる。この平成の御代が終わろうとしている時代にあっても、未だ頻繁に語り継がれる当時の女優はそうはいまい。
同時に、身分違いの恋。といふ悲恋ものを軽やかなコメディタッチで、しかし〆はぐっとくる。と同時に爽やかに終える物語の展開と演出は一つの教科書的存在として頂点を成す。

赤狩り旋風の逆境にありつつもスタッフに追放組を起用した製作サイドの手腕も映画史に残る。
キャストとスタッフと時代の趨勢の化学反応が生み出した美しく輝く結晶体。はっきり言って、確実に22世紀にまで残るフィルムである。

 *リマスター版DVDのジャケに目もくらむ*


シェーン (‘53 米)Shane
『交渉人』(‘98)の劇中でシェーンの生死が論争になっていた。公開後45年経過しても人口に膾炙する作品であることが浮き彫りに。本邦でも2016年にデジタルリマスター版がリバイバル上映されるなどの人気ぶりだ。
恐らく、十代の頃と成人してからと中年以降になってからとでは、観る度ごとに自分の中での反応が徐々に違ってくることだろう。登場人物への感情移入は年齢を重ねることでより深いものとなるし、登場人物それぞれの立場を理解することにもなる。単純に善悪二元論で割り切れないのだ。そこらへんにもエバーグリーンの魅力が伏流しているに相違ない。

 *名場面(涙)*


燃えよドラゴン (‘73 米・香港)Enter the Dragon
その昔、無料のチケットを複数枚入手したので何度か劇場に足を運んで繰り返し鑑賞した。入替制など無いので、一旦入館したら最低二度観ろ。が鉄則である。

従来の聖林作品には無い類のアクション映画だ。欧米人にはさぞや鮮烈な印象を刻み込んだはず。もちろん本邦の小中高校男子もブルース・リーの虜である。掃除の時間は怪鳥音と雑巾が必須。大いに暴れ回り女子に嫌な顔されたことだろう。

40過ぎて再見したら血沸き肉躍る感覚が甦ってしまい我が事ながら処置に困ったものだった。

 *君はかつて怪鳥音を聴いたことがあるか♪*


スター・ウォーズ (‘77 米)Star Wars
7月1回。8月2回。9月2回。合計5回。これが公開当時の鑑賞回数である。90年代のリバイバル時に特別編も観た。70mmの大スクリーンでのデス・スター進攻作戦は迫力に満ちていた。自転車を飛ばしながらコックピットの操作を真似したものだ。

サウンドトラックも文句のつけようがなく完璧。登場するキャラクターもみな魅力的だった。C-3POの「Where are you R2-D2」が聴き取れたことが嬉しかった。部屋にはポスターを貼り、 “May the Force be with you”のフレーズも覚えた。

だが、40年以上経過してもなおシリーズが完結しないことに少々困惑している。

それと、今ではタイトルが変更されているが、あくまでも公開当時の題名に拘りたい。

 *ダサっwww*


ゾンビ (‘78 米・伊)Dawn of the Dead
当時は単に残虐描写が見たいだけだった。が、中年に至って観直すと、いかにも社会派的なシニカルな視点から構築された世界観に驚きを隠せなかった。こ、これは・・・。ゾンビ映画の開祖的人物は、実は真面目な人だったのでは。と思わしむるに十二分な要素が詰まっていた。

だが、アクションシーン、戦闘シーンも多々織り交ぜて娯楽作品として立派に仕上がっている。説教臭さを感じさせず、この消費文明世界との関わりを再定義するよう促しているのに感心。

シニカルでブラックな笑いと人間ドラマが横溢『ゾンビ』(再掲・追記)

ゾンビDVD-USA *ヴァージョンいろいろあり〼*


エイリアン (‘79 米)Alien
もはや言ふ事なしのホラー映画の金字塔。自分の中で年々評価が高まっていく。自分がエイリアンとのあだ名で呼ばれていたことも懐かしい。

“幾重にも重層化された構造は多様な情報の集積であり、多分野からの解釈と分析をいざなう。
社会学的、文化人類学的、心理学的、哲学的分野からのアプローチ。美術、造形、フェミニズム、企業倫理、帝国資本主義、人種問題などの切り口での研究。などを可能にしている”。

宮崎駿の作品と通底する深読み要素の宝庫なのだ。

エイリアンCD *ジェリー・ゴールドスミスの最高峰*

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シャイニング (‘80 米)The Shining
『エイリアン』と双璧をなすホラー。向こうがモンスターならこっちは狂人である。しかも、その背後にはゴーストあり。なのか?それとも主人公が生み出した幻影か?いずれにせよ彼が正気を失していく過程は薄気味悪いし、その原因を透視する息子の視点も恐怖感を煽りまくる。冬山の閉鎖性・密室性も相俟って不気味さを増す。
やはりここではインディアンの呪いの影響下にあって過去に陰残な事件が発生し、より一層見えない力が強化されて主人公を追い詰めた。と考えれば簡単だが、『エイリアン』同様さまざまな解釈をいざなう作品でありそれがまた魅力でもあると言へよう。

『シャイニング』怖い?怖くない?参加中 ※恐怖映画の怖さを数値化する公式掲載中

 *All work and no play makes Jack a dull boy*


ダイハード (‘88 米)Die Hard
ミランダ警告などなんのその。主人公は問答無用の鉛玉でテロリストたちを掃討。性格破綻者的な刑事の経験と知性をフルに発揮。まさに現場主義のとっさの知恵が降りかかる危機から身を救う。

閉鎖空間に単身でテロ集団に立ち向かう主人公に我知らずエールを送る。R15+指定並みの暴力の連打。凄まじい銃殺シーンなど目を背けたくなる場面が多々あるのに目が離せないこのジレンマ。悪いのに傑作。細やかな脚本とメリハリのある演出で大成功だ。ホントに何度観ても飽きません。

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惑星ソラリス (‘72 旧ソ連)Солярис
165分の長尺にもかかわらずついリピートしてしまうのは何故か。初見の深夜上映では不覚にもうとうとしてしまった。映画館で寝たことのない自分のたった1度の過ちである。それほどに眠気を催すスローテンポなフィルム。

だが、主人公が調査に訪れた宇宙ステーション内での不可解な出来事はホラー映画並みにぞっとする。思惟する海に覆われたソラリスの効果のせいだ。

こちらの好奇心も高まっていく。目が離せなくなる。驚異的長回し。電子音のバッハ。無重力浮揚。水のイメージ。後のタルコフスキー的作風が全開だ。

『ストーカー』(’79)もSF仕様だが、そちらは近未来的装置など一切排除されているのが興味深い。

 *岩波ホールにてロングラン上映達成*


ミツバチのささやき (‘73 西)El espíritu de la colmena
あまりにも好き過ぎてレビューする気にもなれない一本。ちょっと旧い映画だが、前世紀に「高崎映画祭」で鑑賞する機会を得た後リピーター化した。DVDも入手する気にならない。次はいつ鑑賞する機会が巡って来るか分からない。
本作の魅力の一つは1940年代、内戦終結後のカスティーリャ地方の風景にある。素朴かつ貧しさを思わせる耕作地。キノコが生まれる林。スクリ-ン奥へと続く真っ直ぐな鉄道線路。未舗装の道と自転車。小さな村の通りや小学校。しみじみとさせてくれる。
そして子供の頃の心理を思い出させてくれる物語。しかも映画『フランケンシュタイン』(31)を媒介とするなど映画好きが喜びそうな仕掛けである。

政治的寓意を込めた作風なんだろうが、その背景を知らずとも魅了される。

主人公は6歳のアナ。演じるアナ・トレントの大きな瞳は『カラスの飼育』(’76)でも健在だった。

 *21世紀もあと80年余・・・22世紀にまで残したい*
『県民が選ぶ21世紀に残したい映画100』


次点
エデンの東 (‘55 米)East of Eden
中学高校時代はジェームズ・ディーンが大好きだった。ルックスも演技も。劇場で本作と『理由なき反抗』(55)二本立てを観た。一回目は隣町の県都まで出向いた。二回目以降は現在「シネマテーク高崎」が主体となって管理・運営している地元の劇場だ。
彼の鬱屈した青年像は同世代の若者の心を捉へるに有り余るリアルさを伴う。彼の迫真の演技は苦悩やいらだちなど魂の叫びとなって心に響く。当時個人的に選んだ男優ベスト5の一角を占めたのはごく自然な事である。
本邦においては80年代の尾崎豊が彼と似たポジションにあったように思える。

楽天優勝!『ジャイアンツ』はジェームズ・ディーン!!


以上、個人史的な記録・記憶です。
本日も最後までお読み下さりありがとうございました。

 

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