「Queen」の楽曲10曲選 | 徒然逍遥 ~電子版~

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高校時代に日常的にQueenを聴いていた。しかし、彼らは売れてはいたものの色物っぽく見られてもいたように思う。確かに、グラムロック的な印象もあったし、フレディ・マーキュリーの趣味の悪そうな衣装や派手なステージはショー的要素が色濃かったし。ホモだとか言われていたし。楽曲そのものも大衆受けする路線で、生真面目なロック支持者からの評価は当然ながら低かった。


が、ABBAを聴いているといふのはちょっと言えなかったが、Queenなら公言できもした。事情通でなければフツーの人にとってはQueenローリング・ストーンズピンク・フロイドもロックとして一括りにされていたろうから。


さて、本年は映画『ボヘミアン・ラプソディ』が封切られ、興行的に大成功だったようだ。Queenが世代を超えて再評価されたことは嬉しい限りである。「昔から聴いてたよ」と得意げに語れるようになりもした。


そもそもは、二つ年長のいとこがくれたカセットテープを聴いたことに始まる。
ビートルズオリビア・ニュートン=ジョンも録音されていたが、自分はQueenに関心が向かった。『懐かしのラヴァー・ボーイ』『ミリオネア・ワルツ』『さまよい』『愛にすべてを』『スウィート・レディ』『ブライトン・ロック』そして『手をとりあって』等々。振返ればアルバム『華麗なるレース』(76)収録曲が中心だった。酷い音質であった。


その後、当時流行っていた貸しレコード屋『ライヴ・キラーズ』(79)をレンタル。SONYのカセットテープに録音してヘビロテしたものだ。


リメンバー貸しレコード屋


当時『レッド・ツェッペリン狂熱のライヴ』(76)、『ラスト・ワルツ』(78)、『アバ/ザ・ムービー』(78)、『ミュージック・ミュージック』(80)など、ミュージシャンを主人公とするドキュメンタリーチックな作風の映画が公開されていた。それらライヴシーンに感激したことも手伝ってQueenのライヴ音源にも触れてみた。


狂熱のライヴだった。今でもこのライヴverを日常的に口ずさんでいる。

そこで、個人的に気に入った楽曲を10曲チョイスしてみたよ。

 

【慣れ親しんだQueen10曲選】
Keep Yourself Alive(炎のロックン・ロール)
イントロのブライアン・メイによるギターソロに期待感溢れる。そして、後のQueenを予感させるロックサウンドが展開。ガチなロックではなく、まだまだシンプルな構成であるが耳残り度の高い疾走感に満ちた活きの好いデビュー・シングル曲だ。外せません。でも、この邦題はマジ使いたくないので原題標記とする。73年のデビューアルバム「戦慄の王女」収録。

Keep Yourself Alive


Brighton Rock
冒頭に雑踏のノイズが流れ、口笛が聞こえてくると徐々にギター音が出現。ボーカルが追いかけてくる。な~んか薄っぺらい曲だなあ。なんて思っているうちに演奏がぐんぐん乗ってくる。そして白眉とも言へる間奏に突入。津軽三味線を模した圧巻のギターサウンドに驚嘆す。個人的にベストに数え上げる1曲。

『ライヴ・キラーズ』のライヴverは必聴ですぞ! 74年「Sheer Heart Attack」

Brighton Rock 『ライヴ・キラーズ』

Brighton Rock


Sweet Lady
イントロがいかにも当時を思わせる音作り。が、脱臼するかのようにサビに突入。その後も安定のシンプルなサウンドが続くが、クライマックスでOh,Runaway.Come on.Yeah yeah,Sweet Lady.のフレーズ以降のギターが聴きどころ。痺れます。75年「オペラ座の夜」

Sweet Lady


We Will Rock You (Fast Version)
一般的には“ずんずんどんっ、ずんずんどんっ”とスローな重低音を連想する向きであろう。が、『ライヴ・キラーズ』収録の別ヴァージョンも聴いて欲しい。ハイスピードでぶっ飛ばす感覚に陶然となる。のっけからBuddy, you’re a boy make a big noiseと高速で力強く、We will, we will rock you, c’mon!と、サビも絶好調。元verと効き比べてもらいたい。その落差が面白い。77年「世界に捧ぐ」収録。

We Will Rock You (Fast Version)


Sheer Heart Attack
ほぼ前フレ無し。いきなりスタートする。何となく女性バンドのランナウェイズを連想する音作りが珍しくも面白い。そして最後もいきなり音が途切れて終わる。しばらくはSheer~~~heart attackが脳内でリフレイン。77年「世界に捧ぐ」

Sheer Heart Attack


We Are the Champions(伝説のチャンピオン)
ボーカルと共にピアノが静かにスタートするもすぐにドラマチックに歌い上げていく。No time for losers. Cause we are the championsとのフレーズは、確かにスポーツイベントの際に相応しいかも知れぬ。敗者にはなりたくない。77年「世界に捧ぐ」

We Are the Champions


Don't Stop Me Now
これもまたピアノ伴奏のボーカルで始まる。もののギア・チェンジで文字通り疾走する感覚で興奮度急上昇。I’m a racing car passing by like Lady Godiva.のフレーズにも吃驚。だが、いちいち考えていたら置き去りにされる超高速。I’m burning through the skyやらI’m travelling at the speed of light. I wanna make a supersonic man out of youやらI’m a rocket ship on my way to Marsとか叫ばれて、200 degrees that’s why they call me Mr. Fahrenheitがリピートされる。問答無用の止めてくれるなおっかさん。個人的にベストに数えたい1曲。英語学習用でもあった。78年「ジャズ」

Don't Stop Me Now


Tie Your Mother Down
何故だろう。イントロが何やら東洋的でブルース・リーが登場しそうな雰囲気だ。そこから彼らの初期サウンドそのままにシンプルな編曲。やはりこんな感じのロックは懐かしい音作りで個人的に大好きである。76年「華麗なるレース」

Tie Your Mother Down


Somebody to Love(愛にすべてを)
後年『Let Me Live』でも明確に取り入れているゴスペル風の萌芽が窺える。コーラスで始まる導入部からピアノ伴奏。全体を通してフレディのボーカルに被さる男性コーラスで編成される。彼らの実験的精神が存分に発揮された。76年「華麗なるレース」

Somebody to Love


Radio Ga Ga
初期の楽曲群の中にあって異彩を放つ1曲。世界的なテクノの影響か、全体が電子音に包まれた感じだ。同時期に大ヒットしたヴァン・ヘイレン『ジャンプ』と地続きのような音作りである。周知の通りレディ・ガガのネーミングの由来。84年「ザ・ワークス」

Radio Ga Ga

 

番外
Bohemian Rhapsody
もはやクィーンならぬキングと名乗ってもおかしくないほどに広く人口に膾炙された彼らの名曲。映画公開にもあやかって、ここはやはり別格扱いとしたい。重層的に打ち込まれた音源が見事なハーモニーを醸す。彼らの実験的手法の頂点と言へる問題作。75年「オペラ座の夜」


Bohemian Rhapsody

 

その他選外で外せないのは『Teo Torriatte』手をとりあって)だ。全世界のマーケットに先駆けて自分たちを認めてくれた日本のファンを思う気持ちなのか、「手をとりあってこのまま行こう。愛する人よ。静かな宵に光を灯し、愛しき教えを抱き」と歌い上げる。

Teo Torriatte(手をとりあって)
 

自分は歌詞全体に通じていないのでどういう文脈で歌われるのかは知らない。しかし、わざわざ日本語を投入するなど、彼らの感謝の念が伝わってきそうなある意味プライヴェートとも言へる楽曲であろう。

「華麗なるレース」収録。


ちなみに、Queen楽曲総選挙なる企画では、①Bohemian Rhapsody Killer Queen Don't Stop Me Now ボーン・トゥ・ラヴ・ユー We Will Rock You 手をとりあって Somebody to Love We Are the Champions 地獄へ道連れ アンダー・プレッシャーがランクイン。

だが、4位のボーン・トゥ・ラヴ・ユーは元はフレディのソロ曲だ。よってアサヒ・スーパードライは好きだが原理主義的な自分は対象から除外した。

ボーン・トゥ・ラヴ・ユー


ともかく、ファンではなかったものの、40年の長きに亘って親しんだQueenがフレディ亡き21世紀この時代に、全世界的な規模でこれほどの注目を浴びるといふのも映画さまさまだ。佳き哉。佳き哉。

 *74年リリース2ndアルバム「QueenⅡ」*

本日も最後までお読み下さりありがとうございました。


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