ほたるいかの書きつけ -37ページ目

これはきっと航空自衛隊の能力を低く見せる高等戦術に違いない

…なんて思ってしまうぐらい、トンデモな人物である、田母神俊雄ってのは。
 そう、アパグループが募集していた(今回の件があるまで知らんかったけど)、アパグループ第一回「真の近現代史観」懸賞論文 で「最優秀藤誠志賞」*1 を獲得した、前・航空幕僚長の田母神氏のことである。この「論文」―どう贔屓目に見てもカッコつきでしか論文とは呼べないだろう―なるもの、全文が上でリンク張ったページから読めるので、眺めると面白い。

 内容についてはいちいち触れない。バカバカしい。詳細な批判はおそらく専門に近い方がされると思うが、『東京新聞』11/1付のこの記事 で評価については十分だろうから、ここに引用しておく。
  
『小学校から勉強を』 「低レベル」論文内容 識者らあきれ顔

 「わが国は日中戦争に引きずり込まれた被害者」という田母神俊雄航空幕僚長の文章に、近現代史に詳しい学者らはあきれ顔。内容をことごとく批判し「レベルが低すぎる」とため息が漏れた。

 「小学校、中学校から勉強し直した方がいいのでは」と都留文科大の笠原十九司(とくし)教授(日中関係史)は話す。空幕長の文章は旧満州について「極めて穏健な植民地統治」とするが、笠原教授は「満州事変から日中戦争での抗日闘争を武力弾圧した事実を知らないのか」と批判。「侵略は一九七四年の国連総会決議で定義されていて、日本の当時の行為は完全に当てはまる。(昭和初期の)三三年にも、日本は署名していないが『侵略の定義に関する条約』が結ばれ、できつつあった国際的な認識から見ても侵略というほかない」と説明。「国際法の常識を知らない軍の上層部というのでは、戦前と同じ。ひどすぎる」と話す。

 「レベルが低すぎる」と断じるのは纐纈(こうけつ)厚・山口大人文学部教授(近現代政治史)。「根拠がなく一笑に付すしかない」と話し「アジアの人たちを『制服組トップがいまだにこういう認識か』と不安にさせる」と懸念する。

 「日本の戦争責任資料センター」事務局長の上杉聡さんは「こんなの論文じゃない」とうんざりした様子。「特徴的なのは、満州事変にまったく触れていないこと。満州事変は謀略で起こしたことを旧軍部自体が認めている。論文は『相手国の了承を得ないで一方的に軍を進めたことはない』というが、満州事変一つで否定される」と指摘する。

◆文民統制揺るがす

 小林節・慶応大教授の話 田母神論文は、民族派の主張と同じであまりに稚拙だ。国家と軍事力に関する部分は、現職の空自トップが言っていい範囲を明らかに逸脱した政治的発言で、シビリアンコントロール(文民統制)の根幹を揺るがす。諸国に仕掛けられた戦争だったとしても、出て行って勝とうとしたのも事実で、負けた今となって「はめられた」と言っても仕方がない。現在の基準や戦争相手国の視点で見れば、日本がアジア諸国を侵略したのは間違いのない事実だ。世界史に関する“新説”を述べるのは自由だが、発表の場にも細心の注意を払い、学問的に語るべきだ。

◆一行一行、辞職に値

 水島朝穂・早大教授の話 航空自衛隊のイラク空輸活動を違憲とした名古屋高裁判決に「そんなの関係ねえ」という驚くべき司法軽視の発言をした空幕長とはいえ、閣僚なら一行一行が辞職に値するような論文で、アジア諸国との外交関係を危うくするのは間違いない。自衛隊法は自衛官に政治的な発言を過剰なまでに制限し、倫理規程は私企業との付き合いも細部にわたって規制している。内容のひどさは言うまでもないが、最高幹部が底の抜けたような政治的発言をして三百万円もの賞金をもらうのは資金援助に近い。

もう少し詳しく知りたいという方は、kojitakenさんがエントリを上げてらっしゃる ので、そちらが参考になるかもしれない。


 さて、何が問題なのかというと、これがもう色々問題なわけだが、一つは内規違反を空自トップが違反と承知しながら犯したことだろう。政府の公式見解とも異なる内容でもある。問題の質はだいぶ違うが、旧軍が上層部の命令を無視して中国侵略に突き進んでいき、「功績」を挙げることで不問に付させるという構図を思い浮かべてしまった。規律が最も重視されるべき組織において、トップがこれでは国民としても困るのである。

 次に空自トップの知的レベルの話である。この「論文」なるものはは一目見ればわかるように、体裁から何からまったくなってない。引用の仕方(文献の表示の仕方とか、そういう初歩的な話ですよ)からしてなってない。このエントリのタイトルに書いたようなことを思ってしまうほど、内容以前になってないのだ。なんというか、見ていてこちらが恥ずかしくなるレベルだ。このヒトの前職は統合幕僚学校という将官育成学校の校長であったという。そんな立場にいた人が、こんな程度の低い論文を書いているとは、普通に考えたら「自衛隊の知的レベルはこの程度なんだろうな」となるだろう。そうでないとは思うけれども。一体どんな教育をしているんだ、とは思う。

 そして、内容の問題である。事実誤認と陰謀史観のオンパレード。これでちゃんと作戦たてられんのか?と実に不安になる。そして侵略の美化だ。旧軍が起こした陰謀も陰謀と認めず、むしろ相手による陰謀だったのだと開き直る。旧軍との連続性を強調する連隊 (これは陸自だが)までいるわけで、そりゃあ周辺各国は警戒するだろう。
 また、これは過去だけの問題ではない。実際に戦地に行っているのだ、空自は。違憲判決を出されながら も。「そんなの関係ねえ」と言いつつ、ね。
 こいいう人が学校長をしていたくらいだから現状では期待できないとはいえ、やはり戦争責任を引き受けるつもりがあるならば、ちゃんと歴史の定説に沿った近現代史の教育を、少なくとも幹部にはすべきではないのか。

 「国益」という言葉は好きではないけれども、敢えて使うとするならば、これはやはり「国益に反する」行為だろう。どうもこういう人物であることは知ってて幕僚長に任命したようなので、そのあたりの任命責任も問題にするべきではないか、とも思う。


 さて、最後になぜこんな論文が最優秀に選ばれたのか、ちょっと邪推してみたい。
 審査員長はかの渡部昇一センセイだという。渡部昇一といえば、その発言もムチャクチャだし、船井幸雄と共著の本を書いたりするぐらい、トンデモに近い人物でもある。その程度の人物だから、この程度の論文でも、自説に近いということで純粋に支持したという可能性は十分にあるだろう。
 ただ、それだけなのだろうか。こんな論文を公表したら、クビになるのは容易に予想できただろう。裏でなにか話があったのではないだろうか。現役の空自幕僚長が論文を出した、ってのは、彼らにとってはウリになる。クビになっても、おそらく彼らにとっては武勇伝として、逆に「良い話」となるのだろう。そして、そういう経歴の人にこの手のトンデモ歴史観を語らせる。田母神氏にとっても、アパグループにとっても、おいしいことがきっとあるのだろう、と思ってしまう。

 いやもちろん証拠もなにもないのだけれども、いくらなんでもその程度のことを考えずに突っ走るほどのアホが空自のトップだったとは思いたくないので、ね。


*1 「藤誠志」というのは、アパグループ代表・元谷外志雄氏のペンネームである。「正論」でそのことを自ら語っている 。氏のエッセイは、アパグループのウェブサイト内 や、「小松基地金沢友の会 」のウェブサイト内で読める。

『懐疑論者の事典』と並んで@阪大図書館

 kikulogで、『懐疑論者の事典』が阪大図書館に寄贈されたとの告知 があった。そこにつけられていたリンクの先は、阪大図書館への教員寄贈図書の一覧。なんとなく上にスクロールしていくと、どこかで見たような名前が…。

 そうです、奥健夫氏。今は別の大学に移られたが、少し前まで阪大産研のスタッフだった。

 挙がっている本は二冊。
  奥健夫(産研)
  Consciousness, life and cosmology 三恵社 2004
  Hologram of mind and life 三恵社 2005

それぞれクリックしてあげると、前者は

  Consciousness, life and cosmology : harmony of human beings and the universe = 意識・生命・宇宙論 : 人間と森羅万象の調和 / 奥健夫監修 ; 奥健夫,西脇篤史,今西貴之著

後者は

  Hologram of mind and life : spirituality encounters superstring = 心と生命のホログラム : スピリチュアリティーと超弦の出会い / 奥健夫監修 ; 奥健夫 [ほか] 著

「ほか」はすぐ下にリストがあって、
  水木太喜、井上誠哉、尾崎真奈美
となっている。

 強引に量子力学と意識を結びつけるあたりは既にご紹介したとおりだが(ここ とかここ とかここ )、今回は奥氏本人ではなく、共著者の方々をちょっとググってみた。
 …尾崎真奈美氏、なかなか強力。(^^;;

 本人のブログがある。
 心理カウンセラー 尾崎真奈美 天使語同時通訳します
うーん。(^^;;

 最新エントリ(10/31)は、クリスタルチルドレンのこと。ありゃ。クリスタルチルドレンについては、PSJ渋谷研究所Xの「○○の歌が毎日さりげなく放送される。オッケー? 」「クリスタルチルドレンとはなにか 」「クリスタルチルドレンの問いかけるもの 」あたりが参考になると思います。
 というわけでまあ見たままの内容なのだけど(本人プロフィールによると、日本トランスパーソナル学会理事、とか書いてあるし、まあアレ系の学会が並んでいる。ところで国際ポジティブ心理学会ってなんだ?^^;;)。

 ただ、一つ前のエントリがちょっと読ませる。

個と集団に対する誠実さ 」より一部抜粋。

科学主義が問題なのではない。
神秘的で目に見えないものを重んじる昔からの日本人の傾向は、どんなに表面的に科学主義に見えようとも、変化していないことは、宗教意識調査などでわかる。
ほとんどの人が非科学的な儀式などを大切にしているからだ。
信じていないなどと言いながら、従わないことに居心地悪さを感じるのは、どこか深いところで何かを感じているからに違いない。


問題になるのは、むしろ集団意識だ。
個の確立がないままスピリチュアルに行くと、仲間を見つけて安心する。
群れたがる。指導者を探す。自分の意志で行動しない。
スピリチュアルな意識が集団のものとなる。
これはうまくいくとすばらしいけれど、間違ってしまうと、相当に危ういことは、歴史が物語っている。

この問題意識は正しいと思う。必ずしも日本だけの問題ではないと思うけれども、でも少なくとも現代日本において、「自分の意志で行動しない」つまり思考停止につながり自分を集団に合わせる方向に作用している。為政者や経営者にとっては実に都合のよい思想。

 スピリチュアル内部でもこのような発想を持っている人がいるのだなあ、というのは、ちょっと安心でもある。

 ただ、私はいわゆるスピリチュアルというものは自ずからそのような思想を内包するようにできているのではと思っている。尾崎氏は、そういう「俗」なスピリチュアルから脱却すべし、ということを言いたいのだろうけど、でもクリスタルチルドレンなんか言ってるぐらいなので、御本人の意思とは裏腹に、やっぱり「俗」なスピリチュアルにとどまっているのだと思う。


***

あ、『懐疑論者の事典』、こないだ入手しました。パラパラとしか見てないけど、面白そう。日本独自のニセ科学も多いので、これだけで足りるというわけではないけれども、手元に置いておきたい一冊(って上下二冊だけど)だと思います。

世の中問題だらけ

 なんか忙しくしている間に世の中が動いている。
 メモ代わりに。

 沖縄「集団自決」訴訟、大江健三郎氏二審も勝訴
  トーゼン。
 田母神俊雄・航空幕僚長、日本の侵略を正当化する論文執筆で更迭
  自衛隊幹部がこれじゃ、戦前を連想せざるを得ない。
 麻生首相、3年後に消費税増税を明言
  現金だかなんだか給付、ってまるで選挙前の買収じゃない。
  そんなことより消費税減らすべき。すぐにできなきゃ食料品非課税とか。で、法人税を上げる。
 国連、対米キューバ封鎖解除要求決議、17年連続で議決、反対は米、イスラエル、パラオの三か国のみ
  どんだけ孤立してんだよ、アメリカ。
 国連、自由権規約委が日本に死刑制度廃止を勧告
  決めるのは日本だけど、世界が積み上げてきた議論ってものがあるでしょ。スルーはできないよ。

ええと他にもいろいろあった気がするが忘れた。(^^;;

ブックマーク、ID取ろうかなあ。

日本厚生協会?

 某所経由で気づいた。「社団法人 日本厚生協会 」。厚生労働省所管の公益法人 になっている。ここがなんだか怪しい。

 その活動理念を見てみよう。
結核予防を中心とする公衆衛生思想の普及及び向上を図り、文化の昂揚に寄与することを理念とします。社団法人日本厚生協会はすべての生命を大切にする「いのちの環境」を整え、心身ともに健康な社会作りに貢献します。
…「いのちの環境」?続きを見てみると…。
「いのちの環境」について

 大きくは全宇宙に存在するすべての生命によい環境という意であり、地球に存在する動物、植物、鉱物すべての『いのち』をこよなく大切にする心を育み、それを実践することを理念とするものです。

 これまで、とかく人間は人間中心のエゴ意識で他の生命を粗略にしてきたのでは…との反省も込め、少なくとも、私たちの住む地球の自然環境をできるだけ損なうことなく、人間の生命環境のみならず、すべての生命の環境を最優先に考えるという意識改革と実践行動を推進することを『整える』と表現しています。
な、なんだかなあ。「全宇宙に存在するすべての生命」だとか、「…鉱物すべての『いのち』」だとか、「人間中心のエゴ意識」とか、妖怪トンデモ反応がピピッと来るような…。

 「日本厚生協会とは? 」を見ると、次のように書いてある(太字強調は引用者による)。

☆日本厚生協会とは?

 日本厚生協会は、昭和23年5月4日に厚生大臣の許可を得て設立された社団法人です。創立以来、「結核ほか感染症の予防」と「公衆衛生思想の向上」を目的として活動してきました。昭和24年には厚生省保健対策室(当時)との連携でヒロポンほか各種覚醒剤の撲滅に乗り出し、また、昭和39年には当時はさほど深刻には考えられていなかった成人病についても、その対策を講じるような活動をしてきました。


 しかし、ワクチンや抗生物質などの普及によって感染症が激減したこともあって、当協会の活動も沈滞化せざるを得なくなった時期がありました


 そんな中で会長に就任したのが帯津良一医学博士(帯津三敬病院院長、日本ホリスティック医学協会会長)です。帯津博士は、「真の健康」「健全な医療」を考える上で免疫力や自然治癒力に着目し、薬にばかり頼らない感染症の予防や治療を提唱し、当協会でも、西洋医学だけでなく、西洋医学以外の東洋医学や伝統医療、民間療法などを取り入れた医療の必要性を訴える活動を行ってきました。

 
 現在、沢山俊民会長(さわやまクリニック院長、川崎医大名誉教授)のもと、いかにすれば健全な医療が実現できるのか(結果的に感染症の予防と治療の進歩につながります)、協会内部の医療専門家のみならず、外部の医療専門家との学術的な交流をはかり、さらには海外とも連携をとりながら、世の中に訴えるべく積極的な活動をしています。

あー、帯津良一!!帯津良一といえば、あのサトルエネルギー学会の会長を務めている人物だ。そして、この文章を読むと、開店休業状態だった日本厚生協会にうまく喰い込んで、まんまと厚労省の外郭団体会長におさまったという感じだな。

 ついでにサトルエネルギー学会誌2008年2号 のタイトルを見ると、「『地底文明アルザル』サイエンス・エンターテイナー飛鳥昭雄」とあって、とっても気になる。いったい何の学会誌やねん。

 さらに「イベント情報」を見てみると…なんかやたら舌癒着症の講演会が行われている。内容を見てみると、こんなことが書いてある。
これを舌癒着症といいます。舌の裏を一部切る簡単な手術により劇的に症状は改善されます。最近では自閉症、多動症、アトピー性皮膚炎に治療目的で手術を希望される方も多くなりました。
ええとそれは違うんじゃないか?癒着を切り離すことで改善されるものは色々あるだろうけど、ここで挙げられているものは違うんじゃないか?

 さらに、昨年の講師だった池川明という人も、ググってみるとかなり怪しい。「体内の記憶」「赤ちゃんは母親を選んで産まれてくる」(まるで江原啓之だな)「経皮毒」とキーワードがいくつも…。

 まだある。「書籍紹介」のコーナーには、免疫関連の書籍がいくつか紹介されているのだが、安保徹の本が何冊もあったり、血液サラサラの本があったり…。


 パンデミックへの警鐘を鳴らしていたりと全部が全部トンデモというわけではなさそうなのだけど、しかしこれ公益法人でやりますかねえ?厚労省はもう少しきちんと把握したほうがいいんじゃないでしょうか。

空間次元と精神次元

 昨日のエントリ で取り上げたリサ・ランドールの、もう一冊の本、「ワープする宇宙」。最初の方だけ読んだのだけど、噴きそうになったので紹介する。

 この本、各章の冒頭に、話を理解しやすくするための簡単な物語が書かれている。第1章のお話の一部を引用する。

 (前略)
 「どっちも違うわ。そういうことじゃないの。新しい次元を導入したいのよ――たとえば新しい空間次元のような」
 「おいおい、冗談だろう?そうか、もう一つの現実のことを書くつもりなんだな――こことは違う霊的体験をする世界とか、人が死ぬときや臨死体験をしたときに行くような場所のことだろう?* おまえがそういうことに興味をもってるとは知らなかったな」
 「やめてよ、アイク。そんなわけないでしょ。わたしが言ってるのは、別の空間次元のこと――別の精神次元のことじゃないわよ!」
 (後略)

*私は実際にこうきかれたことがある。

いやいやいや、江本せんせいに読ませたい。てか読んだんじゃないのかね?江本勝がリサ・ランドールに触れている件については、こちらこちら のエントリを参照してください。

 なお、『水からの伝言 vol.4 水はことばの鏡』p.142にはこう書いてある。
 最近、「五次元」ということばをよく聞くようになりました。通常私たちが生きている世界を三次元、そこに時間を加えた四次元までは一般的に認識されていると思われます。それを超えた次元を余剰次元といいます。
 最近、ハーバード大学教授のリサ・ランドール博士の『ワープする宇宙――5次元時空の謎を解く』がベストセラーになり、彼女の「ブレーン理論」が注目されてから、一気に五次元がブームとなったように思います。他にも「場の量子論」などの優れた仮説がありますが、いずれも、表現方法が異なるだけで、我々のいう「波動」の概念と同様のことをいっています。
 考えてみれば、古くは宇宙の図書館として有名な「アカシックレコード」や、人の思いや”気”がその場に滞留するという「残留思念」、最近では、自然界の設計図の秘密を探る「形態形成場論」などのように、自然界の情報場については、同じ説が何千年も示唆されてきました。
 簡単にいってしまえば、この世界には、私たち人間が認識できていないだけで、無数の情報がさまざまな場所にさまざまな形で存在していて、あるきっかけで目にすることができるようになる、ということです。
 このことは、まさに琵琶湖や藤原湖で私たちが体験した、「祈り」の効果を裏付ける理論になるのではないでしょうか。
琵琶湖の件についてはこちらのエントリ を見てください。
 というわけで、江本が何を言ったところで、リサ・ランドールの理論は「祈り」の効果を裏付ける理論にはなり得ない。それどころか、彼女自身が、自分の理論はそういった類の話とはまったく関係ないと言明しているわけである。しかも第一章の冒頭で。江本はホントにこの本読んだのかね?タイトルだけ見て「使える」と思ったか、わかってて敢えて無視しているか、理解するだけの能力がなかったか、そのいずれかですね。

 しかし「場の量子論」が「仮説」で、しかも江本の「波動」と同じって…ノーベル物理学賞の朝永振一郎が泣くで。
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