日本厚生協会? | ほたるいかの書きつけ

日本厚生協会?

 某所経由で気づいた。「社団法人 日本厚生協会 」。厚生労働省所管の公益法人 になっている。ここがなんだか怪しい。

 その活動理念を見てみよう。
結核予防を中心とする公衆衛生思想の普及及び向上を図り、文化の昂揚に寄与することを理念とします。社団法人日本厚生協会はすべての生命を大切にする「いのちの環境」を整え、心身ともに健康な社会作りに貢献します。
…「いのちの環境」?続きを見てみると…。
「いのちの環境」について

 大きくは全宇宙に存在するすべての生命によい環境という意であり、地球に存在する動物、植物、鉱物すべての『いのち』をこよなく大切にする心を育み、それを実践することを理念とするものです。

 これまで、とかく人間は人間中心のエゴ意識で他の生命を粗略にしてきたのでは…との反省も込め、少なくとも、私たちの住む地球の自然環境をできるだけ損なうことなく、人間の生命環境のみならず、すべての生命の環境を最優先に考えるという意識改革と実践行動を推進することを『整える』と表現しています。
な、なんだかなあ。「全宇宙に存在するすべての生命」だとか、「…鉱物すべての『いのち』」だとか、「人間中心のエゴ意識」とか、妖怪トンデモ反応がピピッと来るような…。

 「日本厚生協会とは? 」を見ると、次のように書いてある(太字強調は引用者による)。

☆日本厚生協会とは?

 日本厚生協会は、昭和23年5月4日に厚生大臣の許可を得て設立された社団法人です。創立以来、「結核ほか感染症の予防」と「公衆衛生思想の向上」を目的として活動してきました。昭和24年には厚生省保健対策室(当時)との連携でヒロポンほか各種覚醒剤の撲滅に乗り出し、また、昭和39年には当時はさほど深刻には考えられていなかった成人病についても、その対策を講じるような活動をしてきました。


 しかし、ワクチンや抗生物質などの普及によって感染症が激減したこともあって、当協会の活動も沈滞化せざるを得なくなった時期がありました


 そんな中で会長に就任したのが帯津良一医学博士(帯津三敬病院院長、日本ホリスティック医学協会会長)です。帯津博士は、「真の健康」「健全な医療」を考える上で免疫力や自然治癒力に着目し、薬にばかり頼らない感染症の予防や治療を提唱し、当協会でも、西洋医学だけでなく、西洋医学以外の東洋医学や伝統医療、民間療法などを取り入れた医療の必要性を訴える活動を行ってきました。

 
 現在、沢山俊民会長(さわやまクリニック院長、川崎医大名誉教授)のもと、いかにすれば健全な医療が実現できるのか(結果的に感染症の予防と治療の進歩につながります)、協会内部の医療専門家のみならず、外部の医療専門家との学術的な交流をはかり、さらには海外とも連携をとりながら、世の中に訴えるべく積極的な活動をしています。

あー、帯津良一!!帯津良一といえば、あのサトルエネルギー学会の会長を務めている人物だ。そして、この文章を読むと、開店休業状態だった日本厚生協会にうまく喰い込んで、まんまと厚労省の外郭団体会長におさまったという感じだな。

 ついでにサトルエネルギー学会誌2008年2号 のタイトルを見ると、「『地底文明アルザル』サイエンス・エンターテイナー飛鳥昭雄」とあって、とっても気になる。いったい何の学会誌やねん。

 さらに「イベント情報」を見てみると…なんかやたら舌癒着症の講演会が行われている。内容を見てみると、こんなことが書いてある。
これを舌癒着症といいます。舌の裏を一部切る簡単な手術により劇的に症状は改善されます。最近では自閉症、多動症、アトピー性皮膚炎に治療目的で手術を希望される方も多くなりました。
ええとそれは違うんじゃないか?癒着を切り離すことで改善されるものは色々あるだろうけど、ここで挙げられているものは違うんじゃないか?

 さらに、昨年の講師だった池川明という人も、ググってみるとかなり怪しい。「体内の記憶」「赤ちゃんは母親を選んで産まれてくる」(まるで江原啓之だな)「経皮毒」とキーワードがいくつも…。

 まだある。「書籍紹介」のコーナーには、免疫関連の書籍がいくつか紹介されているのだが、安保徹の本が何冊もあったり、血液サラサラの本があったり…。


 パンデミックへの警鐘を鳴らしていたりと全部が全部トンデモというわけではなさそうなのだけど、しかしこれ公益法人でやりますかねえ?厚労省はもう少しきちんと把握したほうがいいんじゃないでしょうか。