股関節を動かすと、つまっている、つまった感じがする。開脚をすると、内転筋がつっぱる、膝の内側が痛い、などの症状には必ず原因がある。
全身の状態を徒手検査法でチェックしてみると、症状の出ている箇所以外の問題が検出されることが多い。たとえば、脊柱に関わる筋や関節が連動する状態にないために、股関節を動かすと、つまった感じになる。そうすると、いくら股関節をアプローチしても問題が解決されることはなく、症状の出現が繰り返される。
股関節が硬い場合と、やわらかい場合で、アプローチの方法は異なる。しかし、どちらも大腰筋を股関節の動作で作用できるようにしたい。
▲日本人体解剖学 金子丑之助著
大腰筋の神経支配は、腰神経叢T12~L4なので、腰背部の安定した維持が欠かせない。また、足が前に倒れ、大腿が内旋して脚をキープできない場合は、大腿直筋と骨盤が細分化されていないことが多い。大腿直筋の神経支配は大腿神経L2~L4なので、やはり腰背部の安定した維持が欠かせない。そして、胸椎12番~腰椎1番が安定して維持できていない傾向にあるので、背筋と大腰筋の筋の関係を理解することが大切だ。