後鋸筋と板状筋、頭部にブレがなく股関節をコントロールする | 股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

股関節が硬い 徹底究明!中村考宏の超スムーズ股関節回転講座

骨盤後傾から骨盤をおこし股関節を超なめらかに。体幹と四肢を連動させ動きの質を追及する。運動とは人の重心が移動することである。運動を成立させるべく構造動作理論(Anatomical Activity)に基づくトレーニング方法と身体観察について綴ります。

背筋の第三層は上後鋸筋と下後鋸筋とからなる。これらの筋は、背筋の中間層と呼ばれ、第一層と第二層の表層筋、第四層から第六層の深層筋との間にある。この層は、ほぼ四角形をなす薄い筋で、上後鋸筋は、C7~T3の棘突起、第二~第五肋骨後部に付着する、下後鋸筋は、T11~L2の棘突起、下位4本の肋骨後部に付着する。これらの筋の作用は、呼吸を助けることが考えられる。

 

背筋の第四層は、頭板状筋と頚板状筋からなる。頭板状筋は、項靭帯、C7~T3の棘突起、側頭骨乳様突起、後頭骨に付着する。頚板状筋は、T3~T6の棘突起、環椎と軸椎の横突起、C3~C4の横突起に付着する。両側の板状筋が作用すると、頭部と頚部が進展する。片側の板状筋が作用すると、頭部と頚部が外側に屈曲し、顔面が収縮側に僅かに回旋する。

 

▲基礎・臨床解剖学 翻訳早川敏之 
 
競技動作で、頭が安定せずグラグラ動いてしまい安定しない場合は、背筋の第一~第二層の表層筋と第四層の深層筋の作用状態が不十分で、肩甲骨が固定されていないことが考えられる。
 
股割り動作で第四層の板状筋の作用状態を検査する場合は、頸椎と上肢帯の位置関係を検査する。股関節を安定してコントロールするためには、頭部にブレがない状態で動作することが重要だ。
 

 

腕の振りを円滑にする大菱形筋、小菱形筋、肩甲挙筋