『高橋恵蔵ニュース』

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01Jul
- 久しぶりに投稿
  「新訳　金瓶梅」第62回にて玳安にはすごい！今夢中になって読んでいる本が「金瓶梅」田中智行さんの新訳です。この「金瓶梅」は中国5大文学の一つ。5年ほど前に読んだときはよくわからなかったが、改めて読み返してみるとすごい小説だと思う。さてさて、第62回の玳安デアルが、何がすごいかと言うと「人間とはどういう生き物であるか！」ということをよく理解している。主人公のひとり、西門慶は溺愛していた李瓶児が死んでしまい悲しみに沈む。飲み物も食べ物も取ろうとしない。妻たちがやいのやいのいうが一向に聞き入れない。そこに玳安が登場する。玳安は言う。「友達の応伯爵から言ってもらったらいい。」西門慶にしてみれば妻たちは家族なので一向に聞く耳を持たないが、応伯爵ならば客観的な意見として受け入れることができる。その結果、食事を摂ることができた。同じアドバイスを受けても、家族からのアドバイスはアドバイスでなく、友達からのアドバイスはまともなアドバイスになるのだ。これが人間という生き物なのだ。
12Oct
- 香港旅行その２
  一番思い出に残ることは３日目のことでした。地下鉄（MTR）は封鎖されているので初めてバスに乗ることにしました。香港のバスは市内を縦横無尽に走っています。それぞれ１０分おきぐらいに運行されているのですごく便利です。その分様々な行き場所がありバス停も何箇所もあります。バス会社も４種類ぐらいあります。つまり、どこからどのバスに乗ったらいいかわからない。まして数日しか滞在しない旅行者には理解できません。考えてみてください。日本のバスでもどこから乗ったらいいかわからないし、どんなルートを通って目的地に行くのかもわからない。バスのフロントに表示してある行き場所って終着駅だけでしょう？　途中のバス停で降りるならどれに乗ったらいいかわからない。香港のバスは市内を縦横無尽に走っていて便利なんでしょうが、旅行者にはわからない。だから、前日に私は調べましたよ。目的地はどこで、何番のバスに乗ったらいいか。そのバスに乗るのにホテル近くのどのバス停で待ってたらいいのか。綿密に調べて当日に臨みました！さてさてその日、前日に調べておいたバスに乗車しました。目的地はスターフェリーです。調べたとおりバスはスターフェリーまでやってきました。香港の素晴らしいところは交通費が安いということと「オクトパス」と言われるICカードの利便性です。オクトパスは現金をチャージしておけば精算できるカードです。日本のICOCAカードみたいなものです。１香港ドルは１００セントです。現金で小銭を用意するのは不可能に近いでしょう！？　コインの種類が旅行者にわかると思いますか？　オクトパスは小銭の心配から解放してくれます。いよいよスターフェリーで九龍から香港島に渡りました。香港島に渡ってから香港大学に行ってみようと思い立ちました。iPhoneで出発地点のバス停を調べ、目的地の香港大学を検索して乗車するバスを調べます。私はバス停を探してバスを待っていました。なかなかやってこない。多分その日は日曜日だったので大学行きのバスは本数が少なかったのではと思います。そうこう思い悩むうちにバス停にやってきたのは小型のマイクロバスです。迷ったのですが乗ってみることにしました。マイクロバスが走り出します。私はiPhoneの地図アプリで現在地を確認します。・・・・・・・どうやら香港大学とは逆方向に向かっています。香港の高層ビル群から離れて山の中へ。困った。この時の私の気持ちを想像してみてください。香港の都会から山の中へ続く登り坂をバスが走っていきます。困った。困った。困った。どこへ行くのかわからない。どんどん都会から離れて行く。でも迷っている暇はありません。私は言いました。I’m sorry! I want to go to Hong Kong University!○高橋恵蔵のFacebookページはこちらです。https://www.facebook.com/profile.php?id=100001535037998
09Oct
- 香港旅行その１
  香港へ行くことは私の直感です。直感が「香港へ行け！」と言っていました。メディアによる香港デモを読んでいて強く思いました。「香港へ行け！」と。あんな若い人たちが中国政府に楯突くなんて、すごい。凄すぎる。そのエネルギーを感じたい。ただそれだけです。私の政治的な意見はどちらの味方でもありません。個人的には中国が好きですし、その歴史には学ぶべきことはたくさんあります。中国の文学も好きです。西遊記・紅楼夢・金瓶梅など面白い。ただ、海外旅行をひとりで行ったことがありませんでした。自分ひとりで飛行機・ホテルの手配をして旅行に出かけるなんて。言葉も通じない。英語も喋れるわけではない。飛行機とホテルの手配はネットで簡単に申し込めます。でも、それでどうするの？飛行機に乗って香港空港に着きました。そこからホテルまで。どうして行くの？　何に乗って行くの？　ルートは？　きっぷはどうやって買うの？　仮に空港から電車やバスに乗ったとして、どこで降りるの？　降りる駅を判断できる？　その駅から、あるいはバス停からホテルまで道順は？　予約する時点では働いていたのであれこれ調べている余裕がない。時間がありませんでした。飛行機とホテルの予約はかなり勇気が入りましたね。勇気と言うより覚悟です。覚悟が必要でした。予約を入れても、私の覚悟はできませんでした。旅行当日までお腹の具合が悪かったですから。○高橋恵蔵のFacebookページはこちらです。https://www.facebook.com/profile.php?id=100001535037998
11Sep
- 定年退職のご挨拶
  みんさん、こんにちは。僕は定年退職することにしました。ゆっくりみなさんにご挨拶出来ないのでこのブログ・メルマガで失礼します。長い間お世話になりました。皆さんによくしていただいてたいへん感謝しています。店に異動になった時、エーッ！女性ばっかりの職場でいじめられへんかなと思っていたのですが、みなさんすごく優しく親切で優秀でした。そんな女性に囲まれていて、男としてすごく幸せです。だったら続けて働いたらいいやんと思われるかもしれません。定年後も働き続けますが、別の職場で働くつもりです。人間は何のために生きているのだろう？と考えた場合、僕の答えは「つぎの世代のために生きている。」と思います。よく、地域おこしの成功は、若者、馬鹿者、よそ者が必要だと言われています。これからは、若者ではないけど、馬鹿者、よそ者としてつぎの世代にお役に立てればいいなと思っています。みなさん、本当にありがとうございました。くれぐれもお身体に気をつけて頑張ってくださいね。長い間ありがとうございました。
01Jan
- 明けましておめでとうございます！　2019年
  2019年目標と2018年振り返り#2019年方針１．周りの人たちに感謝する２．英語はアウトプットする３．優先順位は「寝る」・「学ぶ」#具体的目標日記を英語で書く。毎日。図書館蔵書４０冊のlevel2CDをシャドーイングをする。暗記するレベルで。#2018年振り返り2018年の目標は何だったのか？書き出してみよう。洋書を６０冊以上読むのんびり過ごすディズニーランド３５周年に行く黒川温泉に行くエルミタージュ美術館へ行く出口さんに会いに大分に行く三田で職を探すひとつひとつ見てみよう。12月10日（月）時点で１０９冊・26730ページを読む。4月時点で６０冊を読み、目標を変更。年末までに１０万ページとした。冊数を目標としてもその量がわからない。読了ページ数を目標とした。レベルが高くなると読書スピードが下がる。英会話をするのにさほど難しい表現は必要ないと思われる。レベル２を中心にアウトプットすることが必要と考えた。のんびり過ごした。1月に左脚静脈瘤手術を受けた。１週間後高熱を発する。その後喘息を患う。体調が悪かった。5月25日に１０数年飲み続けていた薬をやめた。１ヶ月ほど禁断症状があった。その後体調が戻った。体調不良の要因は薬だった。6月地震・大雨災害・猛暑・台風と自然災害が続いた。それでもやってこれたのは「のんびり過ごす」と決めていたからだと思われる。ディズニーランドには行かなかった。黒川温泉に行った。エルミタージュ美術館へは行かなかった。出口さんに会いに行ったが、大分には行かなかった。大阪梅田紀伊國屋書店の講演会に参加した。職は探せていない。有効求人倍率は１.６２となっている。今無理して探さなくても職はいっぱいある。健康でさえあれば何の問題もないと思われる。現在の職は定年で退職し、退職後職を探す。ロールモデルとしては松坂大輔を目指す。ゼロから出発する。自分の過去は忘れる。それが今の自分の実力だ。#2019年の目標を考えるにあたって留意したこと人生の折り返し地点にある。何のために生きているのかを考えている。それと合わせて自分のしたいこととのバランスをどう取るかで充実した人生が送れる。今の自分があるのは周りの人たちのおかげである。感謝することを第一に考える。今後のグローバル化を見据えて英会話を習得する。目標としてはTOEFLで１００点。
01Jan
- ２０１８年　新年のごあいさつ
  あけましておめでとうございます。今年の目標はつぎのとおりです。洋書を６０冊以上読む。のんびりする。昨年の目標は「悔いのないようにする。やりたいことはやり、会いたい人に会う。」でした。毎日は充実していましたが、身体がついていきませんでした。自分は欲深く、あれもこれもと思ってしまいます。反省して、目標を一つに絞ります。あとはのんびり過ごしたいです。それでもさらにできたらいいなと思うことはつぎのことです。三田で職を探す。出口さんに会いに大分へ行く。ディズニーランド３０周年に行く。黒川温泉に行く。ロシアのエルミタージュ美術館に行く。それでは今年もよろしくお願い申し上げます。
07Oct
- 明るい終活　第２回
  年金についてお話ししてきましたので、次は生命保険について考えていきましょう。生命保険は一切やめました。これは定年を迎え、保障が必要な子どももいないからです。こういうと「じゃあ、もし意識不明の重体になったらどうするの？　残された家族が困るじゃない。」という答えが返ってきます。でも、これ、どうなんでしょうか？僕は次のように考えています。人間は水である。水である人間が意識を失って重体になり、水を飲むことも食べ物を食べることもできなかったら、それは運命に従うしかないのではないでしょうか？自力で水が飲めなかったり、食べ物が食べれないのだからそのままにしておいてください。延命治療は一切お断りします。それは僕の寿命です。寿命によって僕は死ぬのだと思います。それは天から与えられた寿命です。だいたいにして僕の家系は脳の血管が切れて亡くなる場合がほとんどです。生命保険のように一般的日本人の死に方とは違っていると思います。僕の家系の死に方を考慮したほうが判断正しいように思います。でも、例外はあるので意識不明の重体に陥ったら一切延命治療はしないでください。先日まだ若い鳩がカラスに攻撃されて羽がボロボロになって弱っていました。その鳩を保護したのはいいのですが、保健所に電話相談すると次の答えが返ってきました。自然のままにしておいてください。傷ついた鳩を動物病院に持ち込んで命を助けることができたかもしれません。でも、これは自然の摂理に反しているのではないでしょうか？医学が進歩していくらか命は延びるかもしれない。でも、人それぞれなので、寿命を延ばしたければ延命治療をすればいいし、僕みたいに自然の摂理に従いたければそう選択すればいいと思います。次回は僕が死んで、お葬式・お墓をどうするのか？　ということをお話ししていきます。　
04Oct
- セミナー　ライフワークスタイル
  衝撃的でした！！あれからずっとそのことを考えています。隆祥館書店さんで次の企画があり参加してきました。ライフネット生命の出口治明さんによる「今を豊かに生きるためのライフワークスタイルについて」のセミナーこのセミナーで出口さんは次のようにお話しされました。人の悩みのほとんどは人間関係についてである。それはこういうことだ。人は話せばわかる・相手は立派な人に違いないというありえないことを前提に人間関係を考えている。こんなことはありえない。人間関係は２対６対２と考えよ。話せばわかる人が自分の周りに５割ぐらいいれば幸せだと思え。だいたい２割ぐらいの人は変な人だ。その変な人に対して話せばわかる・立派な人だと考えて、わかってもらおうと無駄な努力をするから悩んでしまうのである。その２割の人にわかってもらうことは不可能なのだから、それ以上関わらない。あー、この世の中にはこういう人もいるのだなと思えばいい。自分の周りに２割ぐらい変な人がいれば正常な人間関係が築けているなと思え。５割変な人がいれば転職した方がいい。このことを考えていて僕は次のように思いました。今僕の周りのほとんどはいい人たちばかりだ。僕はなんて幸せなことなんだろうか。先日変な人がひとりいたが、その変な人は僕のことを「変な人だ」と思っているのだろう。僕自身もきっとその変な人から見たら「話せばわかる人」ではなかっただろう。こう考えてみると、相手に自分の正当性を伝えようとか、自分の立場をわかってもらおうとか無駄に努力すること自体が時間の無駄だとわかるだろう。相手によく思われたいと考えなくてもいい。人間関係に悩むこと自体が時間の無駄なんだと考えています。次回は出口さんのお話の続きです。わかっているのだけれど改めて気づかされたことがあります。このことをお伝えしたいと思います。
13Sep
- 近況報告　隆祥館書店企画「ライフネット生命出口さん講演会」と「森耕治さんのゴッホ講演会」
  先日隆祥館書店さん企画、ライフネット生命出口治明さんの「世界史と繋がる日本史　Part3」講演会に参加してきました。隆祥館書店さんってすごく有名で、小さな本屋さんなのですが「作家と読者を繋ぐ」という活動をされていて、著者の方達をお呼びして講演会を企画されています。さて、出口さんの歴史講演はすごく面白く、興味深いものでした。お話の中で出口さんはつぎのようにお話されました。「花には香り、本には毒を」というキャッチフレーズがある。ただ単に知識やスキルを得るために本を読んでいてもつまらない。頭をガツンとどつかれたような衝撃を受ける本が面白い。香りのない花に魅力がないように、毒のない本も魅力がない。毒のある本を読んで頭をガツンとどつかれたようでなければいけない。同じようなキャッチフレーズに「偏見なき思想は香りなき花束である」というのがある。香りのない花束に魅力が欠けるように、偏見のない考えも魅力がない。自分と同じ考えの本を読んでいても面白くない。自分の考えと全く違う考えに触れることが自分の生きる世界を面白くする。まあ、私なりに解釈すると以上のようなことをお話しされていました。そして、私は出口さんの講演会の後、同じく隆祥館書店さんで企画のあったベルギー王立美術館公認解説者　森耕治さんによる「ゴッホ、太陽は燃え尽きたか」の講演会にも参加しました。森耕治さんのお話も面白く興味深いものでした。すごく熱中して聞くことができました。何でも天皇・皇后両陛下に会われた時も予定時間を倍ほどオーバーして両陛下がお聞きになったそうです。森耕治さんのお話は頭をガツンとどつかれたようなお話でした。たぶん、私の頭の中で何かが弾けたと思います。もうすっかり森耕治さんのファンになりました。大阪近辺でご講演があれば無理してでも参加したいと思います。森耕治さんは美術史専門サイトを開設し、広く読まれています。絵画の世界というのはすごく保守的で、絵画自体の解釈もデタラメが多いそうです。偉い先生が解釈されたことを変更しない、新しい事実が出てきても変更しないことが多いそうです。また、美術史研究者でも実際の絵画の書かれた場所を見に行ったり、実物の絵画を見たりして解説することも少ないらしいです。森耕治さんは美術史家のブラックジャックと言われてきて、その古い体質に意見してきたことで有名です。後ろ指を刺されたり、非難・中傷を浴びせられたりされてきました。最近やっとベルギー王立美術館に認められ、日本人で初めての公認解説者とならレました。本当に森耕治さん、おめでとういございます。森耕治さんのように信念を曲げない人が好きですね。憧れです。私のようにちゃらんぽらんな人間には目標となる人です。出口さんの「偏見なき思想は香りなき花束である」に始まり、森耕治さんの信念を貫くというお話をお聞きして、私の頭はガツンとどつかれたような感じになりました。こういうびっくりするような体験って刺激になりますよね。ご興味のある方はぜひネットで検索してみてください。
09Sep
- ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本
  今回は久しぶりに本の紹介をしてみましょう。２０２０年には東京オリンピックです。外国の人たちがますます増えるでしょう。そこで是非とも英語をしゃべれるようになりたいというのが目標です。この本はタイトルどおり簡単な英語勉強の本です。自分の英語レベルにあった英文をたくさん読む。単語は調べない。日本文に訳さない。英語のまま理解する。わかりやすい日本文にしない。わからない英文が出てきてもどんどん飛ばして読んでいく。ざっと要約すればこんな具合でしょうか。この本の最後の方に「The Red Book」という３ページほどのホラー物語があります。難しい単語には日本語訳のルビが載っています。このホラー物語を読んだら面白い。最後のページの最後の行を読んだら背筋がゾクゾクとするのです。英文でこの感覚を覚えたら英文の面白さがわかるのではないでしょうか。大学を卒業して３０数年たちますが、英語なんて全く興味がなかったし、大学時代も英語が苦手でした。そんな私が英会話にチャレンジしようと思わせる面白い本です。今までの英語学習方法が間違っていますよね。日本文に訳す必要なんてないのです。そもそも英語と日本語は言葉が違うのですから同じように表現しないのです。英語は結論からしゃべっています。この「The Red Book」のサブタイトルはつぎのものです。a horror story for beginners結論は　a horror story　です。ホラー物語ですよってことですね。それに　for beginners　がついているのです。初心者のために。今までの英語学習で言えばこう訳されるでしょう。初心者用ホラー物語英文の後ろから訳していきます。でも日本語に訳す必要はないですよね。「ホラー物語」なんだと。それに「初心者のため」がくっついているのです。まだまだ小学生レベルの英語ですが英語の面白さにハマっています。
06Sep
- 働かないアリに意義がる
  よくこう言われることがあります。よく働く人とあまり働かない人がいます。どうして同じように働けないのか？まあ、もっともな意見だし、私も若い頃初めて部下を持った時に同じように思ったものです。今はつぎのように考えています。ひとつは「２割のアリは働いていない」と言うことと、ふたつめには「ひとりひとりよく観察すること」だと思います。ひとつずつ見ていきましょう。「２割のアリは働かない」と言うことをお聞きになったことがあるでしょうか？２：６：２の法則というのがあります。２割のアリは一所懸命働きます。６割のアリはまあまあ。残り２割のアリは働かないのです。アリって虫のアリのことですよ。アリって働き者のように思いますが、実は２割のアリは働いていないのです。面白いことに、この働いていない２割のアリを集団から取り除くと残りの集団からまた２割の働かないアリが生まれます。これはどういうことでしょうか？つぎのように考えられています。アリという集団が全て一所懸命働いてしまうと、もし大規模なアクシデントが起こった場合対処できません。働かない２割のアリはそのための予備群と考えられています。たとえば、アリの巣が他の動物に壊されたとします。非常事態の発生です。全てのアリが一所懸命働いていたらこのアクシデントに対処できる余力が残っていません。その時の予備群が２割の働かないアリなのです。アリという集団を維持していくために、全てのアリが働く必要はないと生物は今までの進化の中で学んできたと考えられています。だから、全ての人が同じように働かないのが生物の世界じゃないかと思います。もうひとつはひとりひとりよく観察することです。その人の人生の中で培われてきたことはひとりひとり違います。「こんなん当たり前にできるやん！」と思いますが、実はみんなが当たり前にできないのです。今まで生きてきた生活習慣が違うのだから、ある人はちょっと説明すれば理解してすぐ仕事ができる人もいれば、ある人は全く経験がなく、言われても全くわかっていないこともあります。その人は一所懸命やっているのだけれど、今まで経験して習慣になっていないことなので仕事の結果は全くなっていない。こんなこともよくありますよね。「２割のアリは働かない」「ひとりひとりをよく観察してみる」ということで、あまりムキにならなくてもいいのではと最近思うようになりました。それよりもよく働く人たちを励ましてもっといい仕事をしてもらう方がいいのでは思っています。働かない２割のアリに働くように力を注ぐのは時間の無駄ではないか？ライフネット生命出口さんがつぎのようのおっしゃっていました。小学生が遠足でハイキングに行きます。２割の小学生は先生に言われてどんどん先に進みます。６割の小学生はそれについて行きます。残り２割の小学生は道端のトンボやセミを追いかけて先頭について行こうとしない。この時、先生の行動で一番やってはいけないことは、先頭の２割の小学生に「ちょっと待ってて」と言って待たせておいて、ついてこない２割の、トンボやセミを追いかけている子どもたちを捕まえにいくことです。この場合、小学生の集団は一歩も前進しません。組織のリーダーが使える時間も労力も有限です。どこに時間と労力を使うのが一番効果的なのか？　ここが一番のポイントだと思いますがいかがでしょうか？
02Sep
- 年賀状を出すのはやめました
  わくわく終活第１回　「年賀状を出すのはやめました」今回から「わくわく終活」というテーマで考えていきましょう。自分の残りの人生は有限だと考えたことがありますか？僕の生活全般についてひとつずつ考え直していきましょう。まず、自分の残りの人生を数えてみましょう。もちろん、人間はいつまで生きるかわかりません。逆に言うといつ死ぬかわかりません。でも必ず死にます。死んでしまうと何もできませんので、生きているうちに自分が死んだあとのことまで考えておきましょう。これが終活だと思います。あと何年生きるだろうか？　と考えて、平均寿命まで生きるとしたら２０年ほどです。春の桜はあと２０回見ることができます。こう考えてみると毎年１回１回の花見はすごく貴重なことのように思うのですがいかがでしょうか？例えば滅多に会わない友人と食事をするとしましょう。あと２０年の時間の中で何回食事ができるだろうか？　と考えてみましょう。１年に１回ぐらいならちょっとリッチなところで思い出を大切にすると言うふうに考えられないでしょうか？　あるいは美味しいと評判のところで食事をするとか。ちょっとわくわく感があることをしたいですね。自分の残りの時間が限られているとして小さなことから始めています。具体的なことをあげると年賀状はやめました。年賀状を書いている時間があれば自分が死んだ後のことを考えておこうと思います。１２月に入って年賀状を書く時間てすごくもったいない。わざわざ暮れの忙しい時に書く必要性があるのだろうかと疑問に思うようになりやめることにしました。きっと年賀状を出す相手も大変な中年賀状を書いていると思います。僕自身は年賀状を出すことはすごいストレスでしたね。パソコンで印刷していた頃は大変でした。年１回だけ使う年賀状ソフトに慣れるのに時間がかかり、滅多に使わないプリンターに戸惑ったり。インクジェッターがなくなり買いに走ったり。それはそれはすごいストレスでした。住所の確認も大変ですよね。年始は僕のウェブサイトでご挨拶します。年賀状を書かない分、遺言状を書いておいたり、ACPと言われる「もしもの時の治療方針」を書き留めておきたいと思います。
30Aug
- 日本の労働者は優秀
  前回は「仕事が終わらない。どうすればいい？　」ということを取り上げました。人間は毎日１２０％の力を発揮していたら疲れて病気になってしまいます。限られた時間・労力・気力を有効に活用しましょうというお話でした。今回は国際比較を見ておきましょう。デービッド・アトキンソン著「新・所得倍増論」からです。日本は先進国中でもずば抜けて高スキル労働者が多いのです。でも、生産性は先進国でも最下位に近いです。OECD（先進３５カ国）の２０１３年度調査でも「読解力」「数的思考力」は加盟国３５カ国中第1位。ずば抜けて日本の労働者は優秀です。しかも、優秀さに加えてつぎのようのことがあります。よく洋画を見ていて大学や高校の授業中のシーンがあります。終業のベルが鳴ると一斉に生徒が教室を退出します。先生の話が途中であっても関係ありません。それに比べて日本人はどうでしょうか？自分の仕事が終わるまで帰りません。日本人は優秀で長時間働くのです。でも、生産性はOECD加盟国中下位クラスです。これはなぜでしょうか？デービッド・アトキンソンさんはつぎのように述べています。日本は高スキル労働者の比率と一人当たり生産性の比率がもっとも乖離している国です。潜在能力が一番生かされていない国…政府も生産性を向上させる政策をとっているが効果がない。それは経営者が動き出していないし、動くつもりもないからだ。諸外国は労働者が終業のベルが鳴ると一斉に帰るため、経営者が生産性を上げるために仕組みを考えなければいけません。日本は労働者が優秀なので経営者は生産性を上げる必要性を感じていないのです。さて、次回は「とは言っても、よく働く人と働かない人がいる」と質問されるので考えてみましょう。
19Aug
- １日に使える時間も労力も気力も有限です！
  「仕事が終わらない。どうすればいい？　」とよく聞きます。確かに難しい問題です。人手不足などがあるのでしょう。人間というのは毎日１２０％の力を発揮していたら潰れてしまいます。持続可能かどうか考えておくことが大事だと思います。自分が潰れてしまったら結局人に迷惑をかけてしまいます。みんなの手前最後まで仕事を終えなと帰れないとか、この仕事を終えて帰らないと明日自分に返ってくると思うかもしれません。でも、人生はトレードオフです。ひとつを選択したら一方は捨てなければいけません。二律背反です。長時間の仕事をして、明日も元気に出勤できるなんてことはありません。どちらも同時に選択することはできないのです。今まで多くの人を見てきました。果たしてどれだけの人が疲れて辞めていかれたことでしょうか？　あるいは家族の支持を得られなかったことでしょう。僕は継続可能かどうかが最初の選択ポイントだと思います。今日仕事をやりあげたとしても明日疲れて仕事の能率が下がれば同じことです。でも、仕事が終わらない。どうすればいいのでしょうか？僕が１日に使える時間も労力も気力も有限です。時間も労力も気力も無限にありません。限られた時間と労力と気力を何に使うかが大切ではないでしょうか？ここを勘違いしている人が多いように思います。有限な資源を無限に使うことはできません。有効な使い方は一つしかありません。集中することです。限られた時間・労力・気力を一番有効なことに集中するのです。８０対２０の法則をご存知でしょうか？結果の８０％は原因の２０％から起こるという法則です。パレートの法則とも言います。仕事の成果の８０％は仕事の２０％から起こっています。店の売り上げの８０％は、上位２０％の商品の売り上げです。全ての商品が満遍なく売り上げをあげているのではなく、上位２０％の商品が８０％の売り上げをあげているのです。他に例を挙げるとつぎのようになります。世界人口の２０％の人が、世界のエネルギーの７０％、金属の７５％、木材の８５％を消費している。録音された音楽の２０％が、８０％以上の時間繰り返し演奏されている。ロックでもクラシックでも。よく聞く音楽が繰り返し演奏されている。世界中にある２０％の美術品が８０％以上の時間展示されている。自分の仕事のうち８０％の成果を出している２０％の仕事の内容は何か？考えてみたことがありますか？それは自分がしている作業ではなくて、ひょっとしたら人に指示した内容かもしれませんし、ひょっとしたら朝の何気ない笑顔のあいさつかもしれません。自分の頭で考えてみてください。次回は「日本の労働者は優秀」というお話です。
16Aug
- 年金講座第８回
  「年金の不安って何よりつぎのことではないでしょうか。将来老人ひとりに対して、現役世代がひとりで肩車しないといけないのではないか？　」もっともな不安だと思います。年金は破綻しないけれど、近々現役世代ひとりで老人ひとりを肩車するのでは不安です。ましてや、少子高齢化で老人ひとりじゃなく二人、三人と肩車しなければならないとしたらたまったものではありません。国家財政も毎年５０００億円の年金・医療・介護のためのお金が増えていきます。税収は増えないのに支出ばかりが増えてしまいます。このままでは日本はどんどん貧しくなっていきます。では、どう考えればいいのでしょうか？結論から言うと「若者が老人を支える。」のではなく「みんながみんなを支える。」という考えにシフトしていくこことだと思います。老人を敬うという考え方が破綻していると思います。だって若者より老人の方が多い社会になります。老人は少ないから敬ったのです。その知識・経験・スキルに敬意を払ったのです。現在年金の支給基準は年齢においています。６５歳支給という具合に。でも、６５歳といってもひとりひとり状況が違います。年収にも差がありますし資産にも差があります。一律に年齢だけで支給していいものでしょうか？生活する上で困っているか困っていないかの判断は年齢ではありません。年収や資産ではないでしょうか？６５歳になれば年金がもらえます。だから６５歳を過ぎても働き続けることはインセンティブが働きません。メリットがあまりありません。働かずに年金をもらおうとなります。そこは同一労働同一賃金にして能力のある人は給与が高くなるようにすればいいと思います。ある年齢で定年退職するということがおかしいです。よくマイナンバーは個人情報が漏れるから嫌だと言って反対する人がいますが、本当にそうでしょうか？　マイナンバーとクレジットカードとどう違うというのでしょうか？　どちらも自分できちんと管理しておかないといけないものではないでしょうか？　収入や資産を基準にするのならマイナンバーじゃないでしょうか？　マイナンバーで資産を管理して課税し、本当に困っている人に給付を集中した方がいいのではと思います。税金も所得税中心にしていたらどうなるのでしょうか？働く世代はどんどん減っているのに所得税中心でいいものなのでしょうか？人口の３割近くを占める年金受給者からも税金をもらおうとしたら消費税ではないでしょうか？　しかも、現実は若い世代より年金受給者の方が収入が多いのです。日本の人口ピラミッドをみてください。どんどん逆三角形に近づいています。今までの経過を知らず、この国に来た時、いったいどのような施策が考えられるというのでしょうか？　ゼロベースでものごとを考え直して見たらどうでしょうか？「若者が老人を支える」のではなく「みんながみんなを支える」という考えにシフトしていくことだと思います。最大の社会保障とは働くことではないかと思います。定年制があるのは日本だけです。他の先進国に定年制はありません。年齢や性別、人種で人を採用することは禁止されています。働く能力・体力・気力で採用しています。世界企業グーグルの採用はブラインド面接するそうです。面接官は応募者の顔も年齢も性別、白人か黒人かもわかりません。その人の能力・体力・気力で採用するのです。定年なんて考えは捨てましょう。働き続けることで年金の不安は解消するのではないでしょうか？　これからの日本は健康であれば怖いことはありません。２０３０年には労働力人口が８００万人不足すると言われています。自分のやりたいことをやる絶好のチャンスだと思うのですがいかがでしょうか？
05Aug
- ユクスキュル著「生物から見た世界」
  今回は人間は見たいものしか見ないというお話です。出来事や物事にいい悪いはありません。出来事や物事に感じたこと・考えたことは全て主体であるあなた自身が頭の中で思ったことです。人間とはそういう生き物だというお話です。人間に限らず生物自体がそうですよというお話です。ユクスキュル著「生物から見た世界」を読んで感銘を受けました。この中でユクスキュルはつぎのように言っています。生物は自分が望むようにしか世界を見ていない。客観的に世界を見ようとしても限界がある。動物の血を吸うダニは目が見えない。耳も聞こえない。ダニは動物の発する臭いと動物の毛だらけの身体の中で比較的毛の少ない暖かい皮膚の感触がわかるだけである。それでもダニは木の葉の先で動物を待ち伏せし、動物が近づくのを待ち、運良く動物の身体に取り付いたら比較的毛の少ないところを探し、暖かい皮膚の部分に口を突っ込んで血を吸う。ダニにとって世界とは、動物の臭いと毛むくじゃらの身体と暖かい皮膚の感触だけなのです。ダニはその世界の中で、主体的に動物の臭いを探し出し、動物の身体に取り付き血を吸います。血の味はわからないので血でなくても吸います。人間も同様に五感で感じる範囲でしか世界を理解していません。映画は個々の写真を１秒間に１８分の１の間隔でスクリーンに映し、動画として再生しています。もし個々の写真を１秒間に４分の１の間隔ならコマ送りのように見えてしまい、連続した映像とは映らないでしょう。人間の目の認識は１秒間に１８分の１の間隔だと静止しているように見えますが、４分の１の間隔だと動いていると見えます。人間の目は全てを見ていません。限界があるのです。こうやって考えてみると、自分の周りに起こることでいろいろと考えていますが、それは自分の五感で感じたことに基づいて、見たいように見ているし、聞きたいように聞いているように思われます。だけど本当の周りの姿というのは人間にはわかっていません。人間は主体的に物事を捉えているので客観的に物事を捉えようとすると、客観的に物事を捉える方法が必要になってきます。ライフネット生命出口会長はいつもつぎのようのお話されます。人間は世界を見たいようにしか見ていない。だから世界を理解しようと思ったら方法論が必要だ。ひとつは世界を数字に置き換えてみる。「今日は暑い。」の判断は気温を数字で表すことで客観的に理解できる。ふたつ目は縦軸横軸で見てみる。縦軸とは過去の歴史の中でどうだったのか。横軸は世界の人々はどう見ていているのか。夫婦同姓の問題を見ると、歴史の中では日本は夫婦別姓であった。鎌倉時代、源頼朝の妻は北条政子。日本は夫婦別姓であった。一方世界では先進３５カ国の中で夫婦同姓を義務付けているのは日本だけ。こうして考えると夫婦同姓は日本の伝統というのは間違っているとわかる。ちょっよ難しいお話でしたね。
03Aug
- 年金講座第７回
  今回はパートの厚生年金適用拡大を見ていきましょう。国民年金「第3号被保険者」の制度は１９８４年に生まれました。当時としては画期的な制度だったのですが、時代が変わってきて手直しが必要だと思われます。ひとつは年金は「負担が給付」だということ。ふたつ目は年寄りはつぎの世代のために生きているということです。まずは日本人の所得について、一世帯当たりの平均所得推移を見ていきましょう。１９９４年は６６４万円だったものが、２０１６年には５４５.８万円と１８％下がっています。この２０年ほどで２０％近く下がっています。つぎに年齢階層別に見ていきましょう。平成２８年度（２０１６年度）の一世帯当たりの平均所得は４０歳台、５０歳台で、全世帯平均５４５.８万円を上回っています。これは子供が高校、大学と進学して行く中でお金がかかっていることがわかります。一方、２０歳台・３０歳台の世帯人員一人当たりの平均所得金額は、全世帯一人当たりの平均２１２.４万円を下回っています。２０歳台が１８４.４万円。３０歳台が１７７.１万円です。つまり、２０歳台・３０歳台の若い世代が貧しいと言えます。ここでパートの厚生年金適用拡大の対象者を見てみると、フリーターが１８０万人、専業主婦パートが１３０万人です。合計３１０万人が対象者です。厚生労働省の試算では、保険料収入が増えるので年金財政への影響はほとんどないと出ています。「負担が給付」の大原則が貫かれているのです。専業主婦パートの方にとっては保険料支払いと将来もらえる年金額と、トントンになるのであまりメリットがないようなイメージですが、２０歳台・３０歳台のフリーターや自営業の妻の方達にはメリットがあるように思われます。年金は「負担が給付」という大原則からすれば正当な制度だと思われますし、年寄りはつぎの世代のために生きていると考えたら正当な制度だと思われますがいかがでしょうか？反対意見が多かったのは企業側でした。保険料は労使折半なので企業側の負担が大きいという意見です。でも、これって正当なものなのでしょうか？パート労働者で事業が成り立つっていうことは、ぶっちゃけた話（語弊があるかもしれませんが。）安い時給で事業が成り立っているということでしょう？例えば、極端に言えば、残業代払わずに長時間働かせておいて収益が上がったと喜んでいるようなものです。世の中、正社員を雇用してしっかり収益を上げている企業はたくさんあります。福利厚生をきっちりしている企業と、そうでない企業と同一視していいものでしょうか？　ライフネット生命出口会長はドイツではシュレーダー首相がつぎのように言って適用拡大を進めたとおっしゃっていました。「雇用するということは、その家族からご主人なり奥さんなりを預かっていることだろう。企業側に雇用者の福利厚生をきちんと面倒見れないのなら、企業としての存在価値はない。」福利厚生をしっかり考える企業をおろそかにして、考えない企業を大事にするっておかしい話だと思いますがいかがでしょうか？　まあ、これは極めて政治的な話なのでこのへんにしておきましょう。次回はつぎのように質問されたので考えてみたいと思います。「年金の不安って何よりつぎのこと。将来年寄り一人に対して、現役世代が一人で肩車して支えないといけなくなるのではないか？　」もっともな不安点だと思います。次回みていきましょう。
29Jul
- 強いものや賢いものが生き残るのではない。環境に適応したものが生き残る。
  このコーナーは何でもいいです、ご質問いただいたらお答えします。「いつも高橋さんは何を考えているの？」って言われるので答えていきたいと思います。今回は定年延長とか言われているけれど、定年を迎えようとする人は何を生きがいにしていけばいいでしょうか？　終活にも関わることを考えてみましょう。この問題は僕がずっと考えている問題ですね。定年後も死ぬまで働き続けようと思っています。目指せ日野原先生なんですが。どんなところでどのように働こうかと思っています。出口会長がよくおっしゃっているのはダーウィンの進化論は正しいと言うことです。「強いものや賢いものが生き残るのではない。環境に適応したものが生き残る。運と適応が全てだ。」と言うことで現在ダーウィン「種の起源」を読んでいます。これまでの僕なりの理解では運と適応のために多様性になると言うことなんですが意味不明ですよね。話を元に戻してこれからの日本社会を冷静に見ていきましょう。未来を予測することは不可能ですが、現在の数値データから推測できることを明らかにしておきましょう。日本の人口ピラミッドを見てみましょう。今は少し頭の大きな釣鐘型ピラミッドになっています。これが２０６０年になると逆三角形の人口ピラミッドになります。少子高齢化は加速していきますね。僕は大学時代経済学部だったのですが、日本の高度経済成長がなぜ起きたのかわかりませんでした。欧米と比べて著しく経済成長していますよね。最近、この問題に対して数値的裏付けのある本を読みました。デービッド・アトキンソンさんの「新・観光立国論」です。その中でつぎのように述べられています。日本が高度成長できた大きな要因は人口が増えたことです。先進国で１億人を超える国はアメリカと日本の２カ国だけです。終戦直後日本の人口は８０００万人でした。海外からの引き揚げとベビーブームで人口が増え、１９９０年代に１億３千万人近くになります。５０年で５０００万人の人口が増えました。経済成長の大きな要因は人口にあるのです。その人口がこれからの日本では減っていきます。２０６０年には８０００万人になるだろうという試算があります。今までの逆ですね。ところが逆に世界全体では今の７０億人から増えていき、２０６０年には１００億人になります。そしてその後人口は減少していきます。日本は世界に先駆けて５０年先を走っているのです。ここで大きく残りの人生のグランドデザインを考えてみるとつぎのように言えるのではないでしょうか？年寄りは何のために生きているのだろうか？　と考えた場合、大きくは次世代のために生きている。日本の社会は少子高齢化で２０３０年には８００万人の労働力人口が足りなくなる。仕事を選ばなければ食いっぱぐれることはない。健康で働く体力、やる気があれば困ることはない。これからどのような社会になるかわからないので多様な考えに触れ柔軟に対応していく。自宅と仕事場の往復だけでなく、積極的にいろいろな人に接触していく。英語はコツコツと勉強ししゃべれるようになる。日本だけでなく広く世界に目を向ける。ゼロベースで考えた場合、住むところも自由に考えたらいいのではないか？　パソコンと印鑑があればどこにでも引越ししてしまうって言うのも有りですね。
26Jul
- 年金講座第６回
  今回は「若い世代と現在年金をもらっている世代と不公平だ。世代間に年金をもらう格差がある。」という、いわゆる「世代間の格差」の問題点を見ていきましょう。「世代間の格差」とはつぎのようなことです。現在６５歳の人は平均年齢まで生きたとしたら、支払った保険料の３～４倍の年金を受け取れるが、現在２０歳の若者は支払った保険料の１.７倍分ぐらいしか受け取れない。この２倍くらいの格差があるのは不公平なことだ。この意見は年金制度はどういう経過で出来てきたのかということと、人口構成の変化と平均寿命の伸びを見ていない一面的な意見です。現在の年金制度ができたのは１９６１年です。家族は３世代同居が全世帯の半数近くありました。３世代同居家庭のお父さんは親を養いながら年金保険料も払っていました。（保険料は現在の半分でした。）当時の平均寿命は６５歳です。６０歳から年金を払ったとしても５年で良かった。しかし、現在は単身世帯が３分の１。夫婦と未婚の子供ひとりの３人世帯が３分の１です。３世代同居は全体の６％です。親に仕送りをしなくても年金保険料だけ払っていればいいとも言えます。そして、平均寿命は８０歳となっています。６５歳から年金を受け取るとしても１５年間の支払い期間があります。少子化も影響しています。７０年代は年金受給者ひとりに対して現役世代１１人だったのが、現在ひとりを養うのに現役世代３人を切ってきています。これを「世代間の格差だ！」と言うならば昔に戻ればいいと言うことでしょうか？平均寿命８０歳を６５歳に戻す。今の核家族化は禁止し、親と同居を義務付ける。もう無茶苦茶な政策をとらねばなりません。つまり「世代間の格差」と言うのは平均寿命が延びたことと、少子化が進んでいると言うことです。さて次回はパートの厚生年金適応拡大を見ていきましょう。これは反対されるかもしれませんが、僕の意見は適応拡大に賛成です。次回に続きます。
19Jul
- 年金講座第５回
  今回は「それでも日本の財政赤字が心配だ。」という疑問の続きです。前回の国の財政状況のおさらいをしておきましょう。国の財政はつぎのようになっています。税金などの収入は５５兆円です。支出は９６兆円使っています。差額４１兆円は借金です。借金は国債を売っています。国債を買うのは郵便貯金、銀行、保険会社などの金融機関です。金融機関にお金を払っているのは国民です。要するに日本は国民からお金を借りているのです。そして借金を返すのは将来の子どもたちです。こうしてみていくと、国が破綻することはありませんが放っておくこともできません。借金を支払うのは将来の子どもたちですから。では、どうすればいいのでしょうか？借金が増えた理由は２つあります。これも財務省ホームページからです。ひとつは社会保障の負担が増えたことです。高齢化により毎年５０００億円の医療、年金、介護のためにお金が必要です。ふたつ目は税収が減った、つまり経済成長が少ないということです。１９９０年度と２０１４年度のグラフを見比べて見てください。社会保障は１９９０年度１１.６兆円だったものが、２０１４年度３０.５兆円と１８.９兆円増えています。一方税収は１９９０年度５８兆円だったものが２０１４年度５０兆円と８兆円下がっています。出口会長は明るい未来を作るために、今、日本にできることはつぎの２つがあるとおっしゃっています。ひとつは選挙に行って投票率を７０％、８０％に上げる。ふたつ目は生産性を高めて経済成長する。この２つは私たちのできることです。どうでしょうか？　投票率４０％、５０％ではダメではないでしょうか？　政府は対立するものではなく、僕たちが選ぶもの、つくるものではないでしょうか？経済成長率もユーロ圏１.７％、日本０.９％。年間労働時間はユーロ圏１３００時間から１５００時間。日本は２０００時間です。日本と同じように高齢化が進んでいるユーロ圏は生産性が高いのです。さて、次回は「若い世代と今、年金をもらっている世代と不公平だ。世代間に年金をもらう格差がある。」という疑問を見ていきましょう。次回に続きます。

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