仕事についてゼロから考える
ゼロベースで物事を考えていくとどうなるのかというお話を進めていきましょう。仕事のことを考えて見ましょう。仕事は数字に表すと経済成長です。日本と同じように高齢化が進むユーロ圏で比較して見ましょう。IMFの資料から世界経済成長率を調べて見ました。データは2016年見通しです。経済成長率はユーロ圏1.7%、日本0.9%。年間労働時間はユーロ圏1300時間から1500時間。日本は2000時間です。日本と同じように高齢化が進んでいるユーロ圏は生産性が高いのです。国際的にみた日本の労働生産性はOECD(先進35カ国)の中で21位。先進7カ国の中では最低。イタリア人には怒られそうですが、仕事にムラのありそうなイタリア人より低い。この状況は2005年から続いています。つまり、日本は長時間働いても儲かっていない。逆に言うと儲かるような仕事をしていないということです。政府が「働き方改革」を進めるのも頷けます。こう考えていくと、生協で行われていることは広く日本社会でも行われていると考えた方がいいかもしれません。生協だけが特殊ではないのです。デービッド・アトキンソンさんの「新・所得倍増論」という本を読んで見てください。ここには日本人はなんてアホなんだということが書かれてあります。こうして考えてみるとどのように仕事をしていけばいいのか考えさせられますよね。生産性で言えばつぎの本が面白かったです。伊賀泰代著「生産性」読めばいろいろアイデアが膨らみます。ひとつ紹介すると「ブランク資料」というものがあります。ブランクとは空白という意味です。空白だらけの資料という意味です。ある調査結果をまとめるとします。あなたならどうまとめていきますか?調査対象を全て調べあげますか? 調査するだけで莫大な時間が必要な気がするでしょう。正解は結論から考えるのです。結論となることから必要な資料だけ集めるのです。結論があるけどデータがないので「ブランク資料」と言われます。これで格段に時間短縮になります。全てのデータを集めて結論を導くのではなく、結論から必要なデータだけを集めるのです。もうひとつ本を紹介すると高橋伸夫著「できる社員はやり過ごす」です。会社はピラミッド型の組織です。上司がいて部下がいます。上司の指示・命令で仕事を進めるものです。上司に逆らうと組織が成り立ちませんので指示・命令は守りましょう。でも、できる社員はやり過ごしているのです。できる社員は上司の指示・命令の中から成果に結びつくものだけを上手にやっているのです。出口会長もおっしゃっていました。上司の「無限大」の要求に対しては「無減代」で対抗しよう。「無」はそもそもその仕事を無くす。「減」はその仕事を減らすことができないか。「代」は他のものや今まで使っていたもので代用できないか。周りの人を見ていると真面目な人ほど無限大に仕事をしているように思います。時間も体力も気力も無限大にありません。有限なのです。有限なものを一番成果に結びつくことに使うべきです。一番成果の上がることに「無減代」で対応できればと思います。さて、次回は定年延長とか言われているけれど、定年を迎えようとする人は何を生きがいにしていけばいいでしょうか? 終活にも関わることを考えて見ましょう。