前回は「仕事が終わらない。どうすればいい? 」ということを取り上げまし
た。人間は毎日120%の力を発揮していたら疲れて病気になってしまいます。
限られた時間・労力・気力を有効に活用しましょうというお話でした。
今回は国際比較を見ておきましょう。
デービッド・アトキンソン著「新・所得倍増論」からです。
日本は先進国中でもずば抜けて高スキル労働者が多いのです。
でも、生産性は先進国でも最下位に近いです。
OECD(先進35カ国)の2013年度調査でも「読解力」「数的思考力」は加
盟国35カ国中第1位。ずば抜けて日本の労働者は優秀です。
しかも、優秀さに加えてつぎのようのことがあります。
よく洋画を見ていて大学や高校の授業中のシーンがあります。
終業のベルが鳴ると一斉に生徒が教室を退出します。
先生の話が途中であっても関係ありません。
それに比べて日本人はどうでしょうか?
自分の仕事が終わるまで帰りません。
日本人は優秀で長時間働くのです。
でも、生産性はOECD加盟国中下位クラスです。
これはなぜでしょうか?
デービッド・アトキンソンさんはつぎのように述べています。
日本は高スキル労働者の比率と一人当たり生産性の比率がもっとも乖離している
国です。潜在能力が一番生かされていない国…
政府も生産性を向上させる政策をとっているが効果がない。
それは経営者が動き出していないし、動くつもりもないからだ。
諸外国は労働者が終業のベルが鳴ると一斉に帰るため、経営者が生産性を上げる
ために仕組みを考えなければいけません。
日本は労働者が優秀なので経営者は生産性を上げる必要性を感じていないのです。
さて、次回は「とは言っても、よく働く人と働かない人がいる」と質問されるの
で考えてみましょう。