「会う」を敬語にするとどうなるでしょうか?
「簡単よ! “お目にかかる”でしょう」
「知ってる! “お会いする”よね」
「 “お会いになった”でいいんじゃない?」
「 “お会いした”が正しいと思う」
早くも、混乱しそうな予感ありありですね。
実は、結構ややこしいのです。
シンプルに、話しかけている相手に会いたいことを示すだけなら、簡単です。
誰が:私が
誰に:あなたに
○ (あなたに)お目にかかりたいです。
○ (あなたに)お会いしたいです。
ややこしいのは、その場にいない人について話す時です。
たとえば、目の前にいるAさんに対して、(共通の知人である)Bさんに会ったかどうかを尋ねる場合。
つい、こんな風に言ってしまいそうです。
× 「Aさんは、Bさんにお目にかかりましたか?」
× 「Aさんは、Bさんにお会いしましたか?」
敬語の用法として、これは間違いです。
正しくは、
○ 「Aさんは、Bさんにお会いになりましたか?」
○ 「Aさんは、Bさんに会われましたか?」
こうした間違いが起こらないようにするために
「会う」には、謙譲と尊敬の用法があることを覚えておきましょう。
謙譲語は、自分が誰かに対してへりくだる場合に使います。相手が誰かに会った時には使いません。
相手が誰かに会う(会った)場合には、尊敬語を使います。
「会う」の謙譲語(自分が相手や第三者にへりくだる): お目にかかる、お会いする
「会う」の尊敬語(自分が相手を尊敬する): お会いになる、会われる
以下は、SNSで書く場合についてです。
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■前田めぐる■