一つ前の記事で、「会う」には、謙譲と尊敬の用法があることを書きました。
「会う」の謙譲語(自分が相手や誰かにへりくだる): お目にかかる、お会いする
「会う」の尊敬語(自分が相手を尊敬する): お会いになる、会われる
●誰かと会ったことを、SNSで書く場合
実際に誰かと会ったことをSNSで敬語を使って報告したいときは、次のように書きます。
自分との関係性を示すには、謙譲語が適切です。
○ Bさんとお目にかかりました。
○ Bさんとお会いしました。
●会ったことのある人に対して、SNSで尋ねる場合
実際に会った人に対して、SNSで何かを尋ねたい場合
× これまで私とお会いした方に、質問させてください
○ これまで私がお会いした方に、質問させてください
× これまで私とお目にかかった方に、質問させてください
○ これまで私がお目にかかった方に、質問させてください
「私と会った」は相手が主語になるため、謙譲語では間違いです。
謙譲語の場合は、自分が主語なので「私が〜」が正しい用法です。
SNSで語りかけている上記では、つながりのあるすべての人に語りかけているように感じます。そのため、主語が曖昧にあいまいになってしまい、間違いやすいのでしょう。
しかしあくまで、上記の場合は「自分」が主語であり、敬意が向かう方向は「自分と会った人」なのです。
■前田めぐる■