ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」で行こう

ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」で行こう

プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。

ブログ閲覧 月間107,427PV、ありがとうございます。[2014.4.3~5.2]



●「ほどよい敬語」とは


このblogは、コピーライター、プランナーとして、長年『言葉』に関わってきた経験をふまえて、現代のコミュニケーションにおける「ほどよい敬語」の使い方を考察するものです。


極端な敬語や過剰な使い方により生じる不自然さや、敬語で人との距離を計りすぎることで芽生える過剰な自意識や不安を、少しでも解消できれば……そんな思いで「ほどよい敬語」という提案を行っています。


「ほどよい」は「程好い」。正しさ以上に「程の好さ」を考察し、解説します。


(「好ましさ」という感じ方には、人により多少の違いがあるでしょうから、その点はお目こぼしください。)


というのも、「正誤」を比較すれば「誤」より「正」ですが、「正しいけれど、今の時代にはどう? 日常会話やビジネスシーンに合ってる?」という場合には、ためらわず、程好い他の言い換え表現を探したいわけです。


言い換え表現を提案するのは、「間違ってるけど、最近は許容されるよ」という言葉を積極的に採用しがたいからです。もちろん、「もう今となってはこうとしか表せないね」というような例外もあるかもしれません。


最後に


本業はライティングおよびSNS文章術講師であり、クライアントのサポートに追われている現状です。そのためコメント欄やメッセージを通じての個別のご質問はお答えできませんこと、何とぞご了承ください。


●目次は、随時更新しています。


 ↓    ↓    ↓ご参照ください。


$ほどよい敬語の使い方~「コミュニ敬語」で行こう-ほどよい敬語の使い方 目次


目次を見ても、探している言葉が見当たらない場合には、左のサイドバーの検索欄もお試しください。


(このように)



●はじめに → このブログの目的


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*ネットよりも書籍などの資料を重視しつつ「程の好さ」を基本に「現時点でこれが最も日常の景色にふさわしい」と思われる言い方をあげてみました。ただし、書籍が完全に正しいわけでもなく、敬語にはその時々の時流や業界の慣習もあります。 そのため、ここにあげた事例が100%正解とは断言できない場合もあることはご理解ください。


*次の資料も参考にしています。


平成19年2月2日の文化審議会による「敬語の指針」


(*82ページあります)


敬語おもしろ相談室(文化庁)



令和元年度「国語に関する世論調査」


平成 30 年度「国語に関する世論調査」


平成 29 年度「国語に関する世論調査」


平成 28 年度「国語に関する世論調査」


平成 27 年度「国語に関する世論調査」


平成 26 年度「国語に関する世論調査」


平成 25 年度「国語に関する世論調査」


平成24年度「国語に関する世論調査」


平成23年度「国語に関する世論調査」


平成22年度「国語に関する世論調査」


平成21年度「国語に関する世論調査」


平成20年度「国語に関する世論調査」


平成19年度「国語に関する世論調査」


平成18年度以前の「国語に関する世論調査」を見る




「拝読いたします」が二重敬語ではない理由

拝読とは? 意味

●「拝読」の意味

「拝読」は「読むこと」の謙譲語です。

 

はいどく【拝読】

読むこと」の謙譲語。拝誦。

<例文>

お手紙拝読いたしました。

(『広辞苑 第七版』岩波書店)

 
上記のように、「拝読」とは、「読むこと」の謙譲語です。自分側をへりくだって、手紙や本など書いた相手や第三者を高める役割があります。

●「拝読」は謙譲語Iの特定形

「拝読」は、謙譲語Iの特定形にあたり、自分の行為について使います。
謙譲語には、謙譲語Iと謙譲語IIがあります。
 
謙譲語Iとは、「自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べる」言葉です。
 
例えば、「お伺いする」であれば「伺う先の人」を立てて、自分側をへりくだる表現です。
「拝読する」の場合には、本など何らかの著述物を書いた相手を立てて、自分側をへりくだっていることになります。

「拝読します」の使い方〜どんな風に使える?

「拝読」という言葉自体がすでに謙譲語なので、「拝読します」だけでも謙譲の意味を表現できます。

 

謙譲語Iとは、「自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて、その向かう先の人物を立てて述べる」言葉でしたね。

 

「拝読」の場合は

  • 「相手側又は第三者」→ 著述物を書いた人・著者・編集人・差出人である相手側や第三者
  • 「行為・ものごと」→ 「読む」ということ

だと理解できます。

 

すでに謙譲語なので、以下のように「拝読します」という使い方で、「行為が向かう先の人」(この場合は、著者)を立てることができます。

■著者本人から本を贈られた場合

<例文>

  • このたびは、ご著書をお贈りいただきありがとうございます。週末、楽しみに拝読します

■手紙を書いた差出人にメールで知らせる場合

<例文>

  • 丁寧なお手紙を拝読し、温かい気持ちになりました。
 

「拝読いたします」の使い方〜どんな風に使える?

「拝読いたします」という表現は、すでに謙譲語である「拝読」にさらに「いたす」という謙譲語と「ます」という丁寧語を重ねているため、二重敬語のように感じるかもしれません。

 

謙譲語Iの特定形である「拝読」は、以下リンク先で「謙譲語Iの語句を謙譲語IIと組み合わせることはできるか?」の段落に書いたように、謙譲語IIと合わせて使うことができるとされています。

 
「拝読いたします」の場合は
拝読(「読む」の謙譲語I)+いたす(「する」の謙譲語II)+ます(丁寧語)
という組み合わせであり、二重敬語には当たらないと考えられます。
 
実際に使う場面を想定し、敬意の向かう先を具体的に検証してみましょう。
 

■上司から、社長の新刊を読むかどうかと聞かれた場合

<例文>
  • 「はい。拝読いたします
 
この場合、「拝読いたします」を分解すると、敬意の向かう先は次のようになります。
 

「拝読」(謙譲語I)

→ 自分がへりくだることで「読む」という行為の向かう先、つまり「その本を書いた社長に対する敬意を示す

 

「いたします」(謙譲語II+丁寧語)

→ 自分がへりくだることで、会話の相手である上司に対する敬意を示す

 
謙譲語Iの特定形については、「拝見する」「拝観する」など、ほかの言葉でも同様のことがいえると考えてよいでしょう。
 

文学など著述物での用例・使われ方

……歴史文学所載の貴文愉快に拝読いたしました。上田など小生一高時代
……中略……
 ...て、私、『もの思う葦』を毎月拝読いたし、厳格の修養の資とさせていた...
(出典:『虚構の春』 太宰治 著)
 
……和歌は心の鏡とか、そのお歌を拝読しただけで将軍家のあまりにも淡泊...
(出典:『右大臣実朝』 太宰治 著)
 
……鎌倉にて  お手紙うれしく拝読いたしました。半年ぶりで軽井沢から……
(出典:『「美しかれ、悲しかれ」 窪川稲子さんに』 堀辰雄  著)
 
……その友情は身にしみてありがたく拝読した。君が僕に対する切実な友情を...
(出典:『去年』 伊藤左千夫  著)
 
まとめ
  • 「拝読」は「読む」の謙譲語(謙譲語Iの特定形)
  • 「拝読します」「拝読いたします」。いずれも正しい表現であり、場面に合わせて使える

 

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