「了解しました。◯月◯日までにご用意申し上げます」を適切な敬語表現にするには | ほどよい敬語~その敬語、盛りすぎです!

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プロのライターでも経営者でも間違えることがある敬語。相手を思いやるコミュニケーションツールとして「ほどよい敬語」を使いこなして「デキル人」になっちゃおう。

「了解しました。◯月◯日までにご用意申し上げます」

お客様に納期を尋ねられて、回答している場面です。

「了解しました。◯月◯日までにご用意申し上げます」  

よく見聞きしそうな会話での表現です。もしも違和感があるとしたらどのような点でしょうか。

敬意のバランスに気を付ける

「了解しました。◯月◯日までにご用意申し上げます」
 

この例文を2つに分けてみましょう。

  • 了解しました……丁寧語
  • ◯月◯日までにご用意申し上げます ……謙譲語I
◯月◯日までにご用意申し上げます」で謙譲語Ⅰを使っているのに対し、その前の「了解しました」が丁寧語になっていますね。この場合、「了解しました」の方がやや軽い印象です。
 
同じ一文の中で、敬語を多用するのは過剰ですが、同じ会話のなかで文により敬意の度合いがまちまちで一定しないのは不自然。敬意の度合いは、同じにしておきたいところです。
 
「理解して認める」意味を持つ「了解する」は、同僚への表現であれば、「了解しました」でいいでしょう。  
お客様や上司など目上の人に対して言うときは、「了解いたしました」と謙譲語Ⅰにします。
 

「お/ご……申し上げます」と「お/ご……します」

さらに言えば、「了解しました」(丁寧語)と「◯月◯日までにご用意申し上げます」(謙譲語I)の不均衡が目立つもう一つの理由があります。

 

「お/ご……申し上げます」は、「お/ご……します」と同じ謙譲語Iです。

(*この場合の「申し上げる」に「言う」の意味は含まれていません)

 

「お/ご……申し上げます」と「お/ご……します」。

両者とも機能としては同じなのです。

 

しかし、「お/ご……申し上げます」のほうが敬意の度合いはずっと高く、手紙や改まった文書などで使われる表現です。日常語的ではありません。

つまり、冒頭の例文での「ご用意申し上げます」は、「お/ご……しますよりもかなり丁寧な表現です。

 

同程度の敬語表現とするには、「お/ご……する」「お/ご……いたします」を使うとよいでしょう。

 
× 了解しました。◯月◯日までにご用意申し上げます。(丁寧語。謙譲語I)
△ 了解いたしました。◯月◯日までにご用意申し上げます。(謙譲語Ⅱ。謙譲語I)
◯ 了解いたしました。◯月◯日までにご用意いたします。(謙譲語Ⅱ。謙譲語Ⅱ)
◯ 了解いたしました。◯月◯日までにご用意します。(謙譲語Ⅱ。謙譲語I)
 
*「了解いたしました」の他、「承知いたしました」「かしこまりました」なども使えます。
詳しくはまた別の記事で!
 
「ほどよい敬語」のポイント
同じ会話での表現は、なるべく敬意の度合いを同じにする
 
× 了解しました。◯月◯日までにご用意申し上げます。(丁寧語。謙譲語I)
△ 了解いたしました。◯月◯日までにご用意申し上げます。(謙譲語Ⅱ。謙譲語I)
◯ 了解いたしました。◯月◯日までにご用意いたします。(謙譲語Ⅱ。謙譲語Ⅱ)
◯ 了解いたしました。◯月◯日までにご用意します。(謙譲語Ⅱ。謙譲語I)