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勝負の時が来た。
なぜ僕はここにいるのか・・・・・・・・・・・・。
ここに来るまでにどれだけのものを失ったか・・・・・・。
今の自分を見つめなおすためにも過去を振り返り、
今、自分が置かれている状況を再認識するために
素顔の自分を、ありのままの自分をさらけ出すことにしました。
ここに書かれていることは紛れもない真実。
いや、どこかで自分で美化したものかも知れないけれど
自分の心の中の真実を告白します。
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目次
第1話 はじめに
第2話 就職活動編・当時の就職事情
第3話 就職活動編・就職試験 面接
第4話 就職活動編・JTBを選んだ理由
第5話 就職活動編・筆記試験その1
第6話 就職活動編・筆記試験その2
第7話 就職活動編・筆記試験その3
第9話 アルバイト編・僕の仕事とは
第10話 アルバイト編・撮影所にてその1
第11話 アルバイト編・撮影所にてその2
第12話 アルバイト編・撮影所にてその3
第13話 アルバイト編・チーマー達との出会い
第14話 アルバイト編・僕の役割
第15話 アルバイト編・事件その1
第16話 アルバイト編・事件その2
第17話 アルバイト編・撮影の終わり
第18話 JTB勤務編 入社式
第19話 JTB勤務編・配属
第20話 JTB勤務編・旅立ち
第21話 JTB勤務編・いざ大阪へ
第22話 JTB勤務編・独身寮へ
第23話 JTB勤務編・寮生活のはじまり
第24話 JTB勤務編・初出勤
第25話 JTB勤務編・支店配属
第26話 JTB勤務編・支店長との対面
第27話 JTB勤務編・営業課へ
第28話 JTB勤務編・ 営業開始
第29話 JTB勤務編・飛び込み営業
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先輩社員との同行セールスに空きあきしていた僕を見かねて
当時の営業課長はこう言った
「お前、一人で営業してみるか?」
待ってましたと言わんばかりに僕は「はい!お願いします!」と
元気よく答えた。
でも実際に何をどう話して仕事を取るかもわからない新人が
最初にやることは
飛び込み営業である。
新人がやる飛び込み営業の目的は「旅行の仕事を取ってくる」
と言うよりはむしろ「初対面の大人とちゃんと話す」ことにあるの
だが、当然本人はやる気まんまん!
一人前に仕事を取りたくてやっきになっていた。
課長から言い渡されたノルマは1日20件以上のセールスレポート
で毎日提出することだった。
1日20件のレポートって実際、簡単なようで簡単じゃない
最初は駅前のビルを上から下まで片っ端からまわるのである。
「こんにちは!旅行会社のJTBのものですが、社員様のご旅行の
担当者様いらっしゃいますか?」
ほとんどの会社は
「悪いけど忙しいから」とか
「アポとってきてから来てくれへんか?」とか
「社員旅行してないから」とか
「もう決まったとこがあるから」と言ってうっとおしがられる。
そして名刺ももらえることができないことが多い。
こんなことを言われたこともある。
「この時期になるとよその旅行会社やら証券会社やら
新入社員みたいのがいっぱい来るんやけど、
うっとしーんや!仕事に差し障るから二度と来んといてくれ!」
そこまで言わなくて・・・・・・・・・。と思いながらもまた次の会社
に飛び込む。
最初の頃は営業に1人で出れるうれしさもあってイヤがられても
いやがられても飛び込み営業をしていた。
でもさすがに2週間もするとだんだんイヤになってくるものである。
しかし、イヤでも早く1人前の営業マンになりたいと
いう気持ちもあって、サボらずにまた違う会社に飛び込むのである。
正直、6月の梅雨の時期は辛かった。
傘を片手にパンフレットいっぱいの営業カバンを持っての営業は
体力的にもきつかった。
1ヶ月ほど経った頃だろうか。
不思議なもので馬鹿の一つ覚えの営業も、最初の頃とは少し
違ってくるのが自分でもわかるのである。
だんだんと嫌がられないすべを身につけてくるのである。
しゃべり方、聞くタイミングそれだけでなく、会社名を見た
だけで、この会社はどんな業態の会社で、どんな旅行の需要が
ありそうだというのが段々とわかってくるのである。
今、振り返ると営業の基本はこの時期に培われたんだな~と
思います。
今でも旅館への営業はほとんどが飛び込み営業である。
門前払いをくらうことも多いが、現在の旅おく.comのホテル旅館
カタログに参画してもらっている旅館のほとんどが飛び込み営業
からのお付き合なのである。
1993年6月のこと、営業とは何たるかもわからない青二才は
少しずつその厳しさと難しさを学んでいたのでした。
長くなるので今日はここまで・・・・・。次回に続く。