面倒な計算なしで栄養バランスをコントロールする方法
こんにちは。橋本です。
「栄養のバランスがとれた食事を摂らないといけないよー」
なんてそう簡単にいっても、カロリーを計算したり、めんどうな栄養計算をしたり。
何が何グラムだから、ビタミンが何グラムで、と細かく計算していくのは、とても複雑で手間がかかります。
栄養に関する様々な知識、数多くの経験もいります。
これって面倒だし、手間ですよね。
そこで、ざっくりと1食分の栄養バランスをうまくコントロールしていく方法を紹介します。
3・1・2弁当箱法です。

3・1・2弁当箱法とは?
3・1・2弁当箱法とは、1食の食事の献立を「 3対1対2 」の比率で組み立てることによって、より適切な食事量、より適切な栄養バランスにしていく方法です。
3・1・2弁当箱法は、NPO法人食生態学実践フォーラムを運営する、足立己幸先生と針谷順子先生が考案した方法。
足立 己幸(あだち・みゆき)
女子栄養大学名誉教授(食生態学、食教育学、国際栄養学)
針谷 順子(はりがい・よりこ)
高知大学教育学部教授
やり方が簡単なので、日頃お弁当を作らない人でも、始めればすぐできるようになる方法です。
何度も繰り返すうちに、弁当だけでなく、家庭の献立や外食などの「栄養バランス」と「適量」が身についていきます。

3・1・2弁当箱法のやり方
「3・1・2弁当箱法」のルールはとにかく簡単です。
まず、ルール1に基づいて自分に合ったサイズの弁当箱を選ぶ。
そして次に、ルール2~5に基づいて料理を組み合わせるだけ。
弁当を「ものさし」代わりにすれば、めんどうな栄養計算をしなくても、適量で栄養バランスのよい1食分の目安がわかります。
3・1・2弁当箱法の「5つのルール」は、次のとおりです。
ルール1: 自分に合ったサイズの弁当箱を選ぶ
まずは、食べる人の適量に合わせた弁当箱を用意します。
1日に消費するエネルギーに、成長に必要なエネルギーをプラスしたものが、1日に必要なエネルギー。
専門用語では、「1日の摂取エネルギー」とよんでいるものです。
その1日の摂取エネルギーを、ライフスタイルに合わせて、3食と間食に配分します。
こうして割り出した1食分のエネルギーに見合った弁当箱を用意するわけですね。
作りたい弁当のエネルギー量と弁当箱の容量は、ほぼ同じ値になります。
たとえば、1食分のエネルギーが600kcalの場合には、600mlの弁当箱という具合です。
年齢ごとの身長・体重の目安、それに合わせた1日の摂取エネルギー、1食に必要なエネルギー、弁当箱のサイズは以下のような感じです。
年齢 |
身長の目安(cm) |
体重の目安(kg) |
1日に必要なエネルギー(kcal) |
1食に必要なエネルギー(kcal) |
弁当箱のサイズ(ml) |
|---|---|---|---|---|---|
3~5歳 |
103 |
16 |
1,250 |
420 |
400 |
6~7歳 |
119 |
22 |
1,450 |
480 |
500 |
8~9歳 |
130 |
27 |
1,700 |
570 |
600 |
10~11歳 |
141 |
35 |
2,000 |
670 |
700 |
12~14歳 |
155 |
46 |
2,250 |
750 |
800 |
15~17歳 |
157 |
51 |
2,250 |
750 |
800 |
18~29歳 |
158 |
51 |
1,950 |
650 |
700 |
30~49歳 |
158 |
53 |
2,000 |
670 |
700 |
50~69歳 |
153 |
54 |
1,950 |
650 |
700 |
70歳以上 |
148 |
49 |
1,700 |
570 |
600 |
年齢 |
身長の目安(cm) |
体重の目安(kg) |
1日に必要なエネルギー(kcal) |
1食に必要なエネルギー(kcal) |
弁当箱のサイズ(ml) |
|---|---|---|---|---|---|
3~5歳 |
103 |
16 |
1,300 |
430 |
400 |
6~7歳 |
120 |
22 |
1,550 |
520 |
500 |
8~9歳 |
130 |
28 |
1,800 |
600 |
600 |
10~11歳 |
143 |
36 |
2,250 |
750 |
800 |
12~14歳 |
160 |
48 |
2,500 |
830 |
800 |
15~17歳 |
170 |
58 |
2,750 |
920 |
900 |
18~29歳 |
171 |
63 |
2,650 |
880 |
900 |
30~49歳 |
171 |
69 |
2,650 |
880 |
900 |
50~69歳 |
166 |
65 |
2,450 |
820 |
800 |
70歳以上 |
161 |
60 |
2,200 |
730 |
700 |
もちろん、これは目安にすぎません。
この表は、平均的な身長・体重で、日頃の活動量がごく普通の人を基準に、日本人の食事摂取基準を参考にしてデータを割り出しています。
ですので、場合によっては、体の大きさ、運動量、仕事量、またはライフスタイルに合わせて、弁当箱のサイズを微調整します。
たとえば、活動量の多い子どもは、プラス100mlの弁当箱を選ぶ、とかですね。
ルール2: 料理が動かないようにしっかり詰める
フタをしたときに、すき間ができないように、ごはんとおかずをきっちり詰めるのが基本です。
すき間なくきれいに詰めるには、先にごはんを入れ、よく冷ましてからおかずを詰めていきます。
大型のおかずを先に入れて、細かいものを後に入れると、しっかり収まります。
中仕切りは、最小限だけ使います。
仕切りを使い過ぎると、しっかり詰めることができません。
レタスなどの食材を仕切りにしてうまく工夫して盛り付けると、弁当をきっちり食材で埋めていくことができます。
ルール3: 料理の組み合わせは主食3・主菜1・副菜2の表面積比に
弁当箱に料理を、主食3・主菜1・副菜2の割合で埋めていきます。
これが、この方法のいちばん大事なポイントですね。

弁当箱の半分にごはん。
そしてもう半分のうち、3分の1のスペースを主菜(メインおかず)、残り3分の2のスペースを副菜(サブおかず)で埋めていきます。
3:1:2 の表面積比なら、どんな詰め方をしても自由です。
それがたとえ、2段重ねの弁当箱でも同じ考え方になるわけですね。

主食、主菜、副菜には、それぞれ次のような役割があります。
主食(ごはん)
主食は、食事の中心、「ごはん」です。
炭水化物を多く含むため、活動のエネルギーになります。
主菜(メインおかず)
主菜は、肉、魚、卵、豆類などを材料にした料理のことです。
たんぱく質や脂質を多く含みます。
料理の中ではとくに存在感があり、魚や肉にはうまみ成分であるイノシン酸を含むものが多いため、食事の満足感に大きく影響します。
副菜(サブおかず)
副菜は、野菜、きのこ、いも、海藻などを使った料理のことです。
主菜の引き立て役、名脇役ですね。
ビタミン、ミネラル、食物繊維などを多く含みます。
副菜は、様々な色や形をプラスすることができるので、食事全体の味や彩りをいっそう豊かにします。
ルール4: 同じ調理法のおかずを重ねない
おかずを同じ調理法ばかりにならないようにすれば、味に変化をつけることができ、あきのこない食事にすることができます。
栄養面からみると、「油を使った料理は1品だけにする」「塩味の濃い料理は量を控えめにする」などの工夫も効果的です。
ルール5: 何よりも大切なことは、おいしそうで、きれいなこと
栄養バランスだけにこだわりすぎると、食事はおいしくありません。
もっとも大切なのは、おいしそうで、きれいなことです。
赤、緑、黄、茶、白の5色のうち、4色をなるべく取り入れるように工夫できるとベストですね。

・ 赤……明太子、プチトマト
・ 茶……きんぴらごぼう、そぼろ
・ 緑……きゅうりの塩もみ、ブロッコリー
・ 白……しゅうまい、グラタン
・ 黄……かぼちゃの煮物、ゆでたまご
盛り付けに動きやリズムをつけることで、よりおいしそうな食事になります。
日々、食材のバリエーションも豊かに
こんなに簡単だと、「本当にこんな方法できちんと栄養バランスをチェックすることができるのか?」と、少し疑問に思いますよね。
たしかに、正確な栄養バランスやエネルギーを知ろうとなると、やはりきちんと細かく計算する必要があります。
しかし、ざっくりとした栄養バランスは、日本人の食事摂取基準とそんなにかけ離れたものにはならないはずです。
ただ、3・1・2弁当箱法は、あくまでも「1食」のバランスをざっくり見るための方法です。
間食でパンやお菓子などを食べるなら、1日の栄養バランスはそれだけ調整していく必要があります。
また、1日、1週間と長い目で見たときには、料理に使用する食材をバリエーション豊かにしていくことで、さらに栄養のかたよりを防ぐことができます。
日頃の食事にも応用できる
3・1・2弁当箱法は、弁当箱の表面積を利用して、栄養バランスをコントロールする方法ですが。
この方法をトレーニングすれば、日頃の食事にも応用できます。
弁当箱法でおおよその体積を見慣れることによって、家庭の献立、外食などでも、栄養バランスのとれた「適量」がわかるわけです。

このように作られた弁当を続けることができれば、子どもにも「適切な栄養バランスの感覚」が自然と身につくようになります。
そういった小さい頃の食習慣は、大人になった時の財産になるはずです。










