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子肌育Blog アトピーに負けない生活。

子どものアトピー性皮膚炎治療、スキンケアなどについての正しい知識を、わかりやすくまとめています。

面倒な計算なしで栄養バランスをコントロールする方法


こんにちは。橋本です。


「栄養のバランスがとれた食事を摂らないといけないよー」


なんてそう簡単にいっても、カロリーを計算したり、めんどうな栄養計算をしたり。


何が何グラムだから、ビタミンが何グラムで、と細かく計算していくのは、とても複雑で手間がかかります。


栄養に関する様々な知識、数多くの経験もいります。


これって面倒だし、手間ですよね。


そこで、ざっくりと1食分の栄養バランスをうまくコントロールしていく方法を紹介します。


3・1・2弁当箱法です。


栄養バランス:食事


 


3・1・2弁当箱法とは?


3・1・2弁当箱法とは、1食の食事の献立を「 3対1対2 」の比率で組み立てることによって、より適切な食事量、より適切な栄養バランスにしていく方法です。


3・1・2弁当箱法は、NPO法人食生態学実践フォーラムを運営する、足立己幸先生と針谷順子先生が考案した方法。


足立 己幸(あだち・みゆき)

女子栄養大学名誉教授(食生態学、食教育学、国際栄養学)


針谷 順子(はりがい・よりこ)

高知大学教育学部教授


やり方が簡単なので、日頃お弁当を作らない人でも、始めればすぐできるようになる方法です。


何度も繰り返すうちに、弁当だけでなく、家庭の献立や外食などの「栄養バランス」と「適量」が身についていきます。


子どもの弁当箱:盛り付け


 


3・1・2弁当箱法のやり方


「3・1・2弁当箱法」のルールはとにかく簡単です。


まず、ルール1に基づいて自分に合ったサイズの弁当箱を選ぶ。


そして次に、ルール2~5に基づいて料理を組み合わせるだけ。


弁当を「ものさし」代わりにすれば、めんどうな栄養計算をしなくても、適量で栄養バランスのよい1食分の目安がわかります。


3・1・2弁当箱法の「5つのルール」は、次のとおりです。


 


ルール1: 自分に合ったサイズの弁当箱を選ぶ


まずは、食べる人の適量に合わせた弁当箱を用意します。


1日に消費するエネルギーに、成長に必要なエネルギーをプラスしたものが、1日に必要なエネルギー。


専門用語では、「1日の摂取エネルギー」とよんでいるものです。


その1日の摂取エネルギーを、ライフスタイルに合わせて、3食と間食に配分します。


こうして割り出した1食分のエネルギーに見合った弁当箱を用意するわけですね。


作りたい弁当のエネルギー量と弁当箱の容量は、ほぼ同じ値になります。


たとえば、1食分のエネルギーが600kcalの場合には、600mlの弁当箱という具合です。


年齢ごとの身長・体重の目安、それに合わせた1日の摂取エネルギー、1食に必要なエネルギー、弁当箱のサイズは以下のような感じです。


女の子の場合

年齢

身長の目安(cm)

体重の目安(kg)

1日に必要なエネルギー(kcal)

1食に必要なエネルギー(kcal)

弁当箱のサイズ(ml)

3~5歳

103

16

1,250

420

400

6~7歳

119

22

1,450

480

500

8~9歳

130

27

1,700

570

600

10~11歳

141

35

2,000

670

700

12~14歳

155

46

2,250

750

800

15~17歳

157

51

2,250

750

800

18~29歳

158

51

1,950

650

700

30~49歳

158

53

2,000

670

700

50~69歳

153

54

1,950

650

700

70歳以上

148

49

1,700

570

600


男の子の場合

年齢

身長の目安(cm)

体重の目安(kg)

1日に必要なエネルギー(kcal)

1食に必要なエネルギー(kcal)

弁当箱のサイズ(ml)

3~5歳

103

16

1,300

430

400

6~7歳

120

22

1,550

520

500

8~9歳

130

28

1,800

600

600

10~11歳

143

36

2,250

750

800

12~14歳

160

48

2,500

830

800

15~17歳

170

58

2,750

920

900

18~29歳

171

63

2,650

880

900

30~49歳

171

69

2,650

880

900

50~69歳

166

65

2,450

820

800

70歳以上

161

60

2,200

730

700


もちろん、これは目安にすぎません。


この表は、平均的な身長・体重で、日頃の活動量がごく普通の人を基準に、日本人の食事摂取基準を参考にしてデータを割り出しています。


ですので、場合によっては、体の大きさ、運動量、仕事量、またはライフスタイルに合わせて、弁当箱のサイズを微調整します。


たとえば、活動量の多い子どもは、プラス100mlの弁当箱を選ぶ、とかですね。


 


ルール2: 料理が動かないようにしっかり詰める


フタをしたときに、すき間ができないように、ごはんとおかずをきっちり詰めるのが基本です。


すき間なくきれいに詰めるには、先にごはんを入れ、よく冷ましてからおかずを詰めていきます。


大型のおかずを先に入れて、細かいものを後に入れると、しっかり収まります。


中仕切りは、最小限だけ使います。


仕切りを使い過ぎると、しっかり詰めることができません。


レタスなどの食材を仕切りにしてうまく工夫して盛り付けると、弁当をきっちり食材で埋めていくことができます。


 


ルール3: 料理の組み合わせは主食3・主菜1・副菜2の表面積比に


弁当箱に料理を、主食3・主菜1・副菜2の割合で埋めていきます。


これが、この方法のいちばん大事なポイントですね。


主食:主菜:副菜


弁当箱の半分にごはん


そしてもう半分のうち、3分の1のスペースを主菜(メインおかず)、残り3分の2のスペースを副菜(サブおかず)で埋めていきます。


3:1:2 の表面積比なら、どんな詰め方をしても自由です。


それがたとえ、2段重ねの弁当箱でも同じ考え方になるわけですね。


弁当箱:いろいろ


主食、主菜、副菜には、それぞれ次のような役割があります。


 


主食(ごはん)


主食は、食事の中心、「ごはん」です。

炭水化物を多く含むため、活動のエネルギーになります。


主菜(メインおかず)


主菜は、肉、魚、卵、豆類などを材料にした料理のことです。

たんぱく質や脂質を多く含みます。

料理の中ではとくに存在感があり、魚や肉にはうまみ成分であるイノシン酸を含むものが多いため、食事の満足感に大きく影響します。


副菜(サブおかず)


副菜は、野菜、きのこ、いも、海藻などを使った料理のことです。

主菜の引き立て役、名脇役ですね。

ビタミン、ミネラル、食物繊維などを多く含みます。

副菜は、様々な色や形をプラスすることができるので、食事全体の味や彩りをいっそう豊かにします。


 


ルール4: 同じ調理法のおかずを重ねない


おかずを同じ調理法ばかりにならないようにすれば、味に変化をつけることができ、あきのこない食事にすることができます。


栄養面からみると、「油を使った料理は1品だけにする」「塩味の濃い料理は量を控えめにする」などの工夫も効果的です。


 


ルール5: 何よりも大切なことは、おいしそうで、きれいなこと


栄養バランスだけにこだわりすぎると、食事はおいしくありません。


もっとも大切なのは、おいしそうで、きれいなことです。


赤、緑、黄、茶、白の5色のうち、4色をなるべく取り入れるように工夫できるとベストですね。


おかず:5色


……明太子、プチトマト

……きんぴらごぼう、そぼろ

……きゅうりの塩もみ、ブロッコリー

……しゅうまい、グラタン

……かぼちゃの煮物、ゆでたまご


盛り付けに動きやリズムをつけることで、よりおいしそうな食事になります。


 


日々、食材のバリエーションも豊かに


こんなに簡単だと、「本当にこんな方法できちんと栄養バランスをチェックすることができるのか?」と、少し疑問に思いますよね。


たしかに、正確な栄養バランスやエネルギーを知ろうとなると、やはりきちんと細かく計算する必要があります。


しかし、ざっくりとした栄養バランスは、日本人の食事摂取基準とそんなにかけ離れたものにはならないはずです。


ただ、3・1・2弁当箱法は、あくまでも「1食」のバランスをざっくり見るための方法です。


間食でパンやお菓子などを食べるなら、1日の栄養バランスはそれだけ調整していく必要があります。


また、1日、1週間と長い目で見たときには、料理に使用する食材をバリエーション豊かにしていくことで、さらに栄養のかたよりを防ぐことができます。


 


日頃の食事にも応用できる


3・1・2弁当箱法は、弁当箱の表面積を利用して、栄養バランスをコントロールする方法ですが。


この方法をトレーニングすれば、日頃の食事にも応用できます。


弁当箱法でおおよその体積を見慣れることによって、家庭の献立、外食などでも、栄養バランスのとれた「適量」がわかるわけです。


お弁当:食卓


このように作られた弁当を続けることができれば、子どもにも「適切な栄養バランスの感覚」が自然と身につくようになります。


そういった小さい頃の食習慣は、大人になった時の財産になるはずです。


 


 


 


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布オムツと紙オムツ、かぶれにくいのはどっち?


こんにちは。橋本です。


昔は当たり前だった布オムツ。


今では紙オムツの普及が圧倒的に進み、2003年度には赤ちゃんの92.5%が紙オムツを使っているという調査結果もあります 1)


それでも、「布オムツは肌にやさしい」として、一部には根強い人気があるのも事実です。


布オムツと紙オムツ、それぞれにメリット、デメリットがありますが。


では、布オムツと紙オムツ、かぶれにくいのはどっちだと思いますか?


布オムツ:紙オムツ


 


おむつかぶれがおこる理由


おしり周りを密閉することで、おしっこや便を外に漏らさないようにする。


これがオムツのいちばんの役割ですよね。


布オムツ、紙オムツ、どちらに限らず、きちんとおしり部分を密閉してくれることが大事なわけです。


しかしこの点を逆にとると、しっかり密閉してくれるからこそ、おむつかぶれがおこりやすい環境を作ってしまう、ということにもなります。


なぜかというと、密閉されると、おむつ内に湿気がたまりやすくなるからです。


おしっこやうんちをした後は、とくにですね。


おむつ内の温度や湿度が上がると、皮膚がふやけることで、皮膚のバリア機能が弱まってしまうことも考えられるわけです。


ただでさえ、まだ未熟な赤ちゃんの肌。


そのデリケートな肌が高温、多湿にさらされると皮膚のバリアも弱まりやすくなります。


さらに、おむつの素材でこすれたりすることも、皮膚のバリア機能が弱まってしまう原因のひとつです。


こうして、バリアの弱まった肌は、外からの刺激を受けやすくなる。


これが、おむつかぶれがおこる理由だと考えられています。


 


おむつの中の環境を比較すると……


ということで、実際のおむつ内の環境を知ることも、ひとつ参考になることだと思うんですね。


ですが、布オムツと紙オムツ、それぞれのおむつ内の環境を実際に調べたデータは少ないです。


その中でも、1994年とかなり前のものですが、次のような実験をした報告があります 2)


布オムツと紙オムツ、それぞれに人工尿(温度37℃)を30ml流し込んで変化をみた実験です(以下の表)。


布オムツの場合

 

おしっこをする前
(装着時)

おしっこをした後
(直後)

おしっこをした後
(1時間後)

温度(℃)

25~28

31~34

33~36

湿度(%)

80~92

73~93

90~93


紙オムツの場合

 

おしっこをする前
(装着時)

おしっこをした後
(直後)

おしっこをした後
(1時間後)

温度(℃)

25~28

30~34

32~35

湿度(%)

68~85

68~90

68~92


温度については、布オムツと紙オムツで大きな違いはありません。


おむつをはいた直後の湿度は、わずかながら、紙オムツより布オムツのほうが高い。


そして、排尿後の温度と湿度の変化は、布オムツと紙オムツで大きな差がありません。


たとえ少量でも、おしっこやうんちが出れば、湿度が100%に近い、とても不快な状態になることが想像できます。


その点では、布オムツと紙オムツで、あきらかな差がないわけなんですね。


今では紙オムツの改良が進んでいるとはいえ、密閉するのがおむつの役目である以上、この点が劇的に解消されるのは、なかなか難しいのかなと思います。


 


布オムツのかぶれ


布オムツのかぶれでは、皮膚の出っぱった部分に、赤み、ブツブツ。


ひどくなると、皮がめくれたり、ジュクジュクになったりすることがあります。


これは、綿(めん)の繊維が皮膚に細かい刺激を与えることによって、おむつが触れる部分に症状が強く出るためだと考えられます。


おろしたての綿であれば、本来のやさしい肌触りがあります。


ところが、洗濯を繰り返すと、繊維が縮み、固くなってしまうという特性が、綿にはある。


経験上、うなずく人も多いかと思います。


そのため、洗濯を重ねた、わかりやすくいうと「くたびれた」おむつを使うと、おむつかぶれが出やすくなる可能性もあるんですね。


布オムツ


 


布オムツでの対策は?


そこで、考えられる布オムツ固有の対策は、4つあります。


1つは、綾織り(あやおり)の布を使う。


綾織りは、通常のものに比べて、繊維が固くなりにくいのが特徴です。


2つめに、柔軟剤を使う。


柔軟剤にかぶれさえしなければ、柔軟剤を使ったほうが、肌触りはスムーズになります。


3つめは、乾燥機で乾かす。


ほどよい熱と風で乾かすことで、綿がふんわりとなり、肌触りが良くなります。


4つめは、化繊のカバーを使わないこと。


化繊(かせん:「化学繊維」のこと)のおむつカバーを使うと耐水性は良くなる反面、おむつ内部がムレやすくなってしまいます。


綾織りの布を使う

柔軟剤を使う

乾燥機で乾かす

化繊のカバーを使わない


 


紙オムツのかぶれ


紙オムツでは、おむつが直接こすれる皮膚の出っぱった部分にかぶれが強く出ることは、比較的少なくなります。


これは、紙オムツの繊維に、ポリエステルやポリプロピレンなどの不織布(ふしょくふ)が使われていることによって、刺激がおこりにくいためだと考えられます。


ただし、肌にフィットするギャザーの部分は、圧力がかかるため、刺激を受ける可能性はあります。


紙オムツの本体である不織布の下には、高分子吸収体、いわゆるポリマーが敷いてあります。


水分は、こうした吸収性のある素材に吸収され、粒状に固められ、水分を閉じ込めます。


CMでよく見る、あの「青色の尿」でも再現されていますよね。


この吸収体のおかげで不織布本体が濡れることがないため、おしっこをしてもママの目が行き届かないことがおこる可能性があり、注意が必要です。


この点では、布オムツのほうが勝っているともいえます。


紙オムツ


 


紙オムツでの対策は?


紙オムツのおむつかぶれ対策は、3つあります。


1つめは、こまめにチェック、こまめに取替え。


おしっこやうんちが長時間たまってしまうと、そのまわりに赤みの強い湿疹ができることがあります。


とくに、おしりの穴のまわりですね。


ひどくなってしまうと、真っ赤にただれて、皮がむけ、血がみえることさえあります。


参考記事:

下痢で赤ちゃんの「おむつかぶれ」がただれてしまう


そのため、少量でもおしっこを出したら、おむつを交換する、おしりをきれいにする、というケアが大切です。


場合によっては、プロペトなどの保湿剤をおしりに塗って、水分をはじくようにしてあげるのも有効なケースもあります。


対策の2つめは、ギャザーまわりも清潔にする。


ギャザーまわりは汗がたまりやすく、蒸発しにくい部分です。


そのため、あせもによるプツプツした湿疹ができやすい部分でもあります。


この部分にあせもができないようにするには、おむつ交換時に、ついでにギャザーまわりの肌も優しくふいてあげるようなケアが生きる場合もあります。


3つめは、おむつを正しくはかせる。


おむつの粘着テープが肌に当たっていると刺激を受け、かぶれる場合があります。


太ももの付け根などにテープがこすれ、線状の赤みやはれがあらわれる、というようなパターンですね。


ゆとりのあるサイズを正しくはかせてあげることが大切です。


こまめにチェック、こまめに取替え

ギャザーまわりも清潔にする

ゆとりのあるサイズで、おむつを正しくはかせる


 


布オムツだからかぶれやすい、紙オムツだからかぶれやすい、ということはありません。


布オムツ、紙オムツ、それぞれの特性を知った上で、種類を変えたり、いろいろ工夫していくことも、おむつかぶれの予防につながります。


 


 


 


関連記事:

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おむつかぶれの「思い込み」が危ないわけ

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参考文献:

1) 日本衛生材料研究会: 紙おむつの需要予測. 紙おむつNews 48, 2004.

2) 豊間和子: 小児用紙おむつ内の尿量・湿度と不快感の関係. 日本家政学会誌 45(12): 1121-1136, 1994.


アレルゲンになるのは、「たんぱく質」の部分です


こんにちは。橋本です。


アレルギーをおこす原因となるものアレルゲン


アレルゲンは、抗原(こうげん)ともよばれますが、この本体はたんぱく質のたぐいであることがほとんどです。


たとえば、食物アレルギーでいうと、小麦アレルギーは、小麦に含まれる特有のたんぱく質が、アレルギーの原因。


食べ物だけに限らず、ゴム手袋によるアレルギーでは、天然ゴムに含まれる特有のたんぱく質。


花粉でも、ダニでも、そこに含まれるたんぱく質がアレルギーの原因になるわけです。


アレルゲン:たんぱく質


 


たんぱく質の構造はこんな感じ


たんぱく質は、約20種類のアミノ酸が1列につながった鎖でできていて、それが折りたたまれることで、立体的な構造を作っています。


折りたたまれるといっても、スパゲッティのようにただ単に、めちゃくちゃにからまっているというわけではありません。


きれいに規則的に構造が保たれていることではじめて、たんぱく質としての機能を発揮します。


たんぱく質:構造


アレルゲンになりやすいたんぱく質の大きさは、分子量で約10,000~70,000。


たんぱく質を細かくしていった最小の単位である「アミノ酸」で数えると、約100~700個のアミノ酸が鎖状につながったものが、たんぱく質です。


すべてのたんぱく質は、約20種類のアミノ酸の組み合わせだけで出来ています。


そのため、アミノ酸の並び順や組み合わせ、構造のパターンには膨大な可能性があって、その種類は数千万種類ともいわれています。


たんぱく質を細かくしていった、アミノ酸が3つの「ペプチド」といわれるものでも、単純計算で、203(20の3乗) = 8,000 通りの組み合わせが考えられるわけで。


アミノ酸が3つではなく、約100~700個つながったものとなると、膨大な組み合わせにのぼるのも想像できるかと思います。


アレルゲン:たんぱく質の構造


 


たんぱく質で、異物を見分ける


それぞれに特有の構造を持つたんぱく質。


人間は、自分の体にない構造のたんぱく質を異物として認識し、これを体外に出そう、やっつけようとする。


これが、いわゆる免疫(めんえき)という機能。


免疫を発揮するために、体内で作られるのが、免疫グロブリン。よくIg(アイジー)と略される抗体(こうたい)というものですね。


なかでも、IgE抗体(アイジー・イー・こうたい)ができることを感作(かんさ)とよんでいて、IgE抗体がアレルゲンと反応するとアレルギー症状が引きおこされるわけです。


ただ、感作したら必ずアレルギーになるとは限りません。


その証拠に、血液検査で特定の食品に対するIgEが高く出ても、平気で食べられる子どももいます。


 


じゃあ、たんぱく質がないものは大丈夫なの?


食べ物に含まれるたんぱく質以外のもの。


たとえば、炭水化物脂質などといったものは、アミノ酸のように構造が複雑ではありません。


構造がとても単純で、人間の体にも同じ成分を持っています。


そのため、異物と判定することができないので、基本的には抗体が作られない。


つまり、炭水化物や脂質などがアレルゲンになることはないわけです。


参考記事:

甘いものでアレルギーが出るって本当?


ただ、たんぱく質じゃないと思われているものでも、少量ながらたんぱく質が含まれる食品がある点には、注意が必要です。


 


「アレルギーをおこすのは、たんぱく質だ」とはいっても……


「アレルゲンに含まれるたんぱく質が、アレルギーをおこす」


それは間違いないのですが、だからといって、


「アレルギーが心配だから、なるべくたんぱく質を食べないほうがいい」


というわけではありません。


たんぱく質を食べるから、アレルギーになってしまう、というのは間違いです。


食物アレルギーなら、確実に原因となっている食べ物をさけるのが基本で、不必要にたんぱく質を制限する必要はありません。


子どもの成長にとっては、栄養バランスのいい食事が、やはり重要ですからね。


 


 


 


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ネフローゼ再発、ふたたび入院はじめました


こんにちは。橋本です。


今日は私ごとです。


今年の4月に1か月入院して治療をはじめたネフローゼ症候群。


薬は飲み続けてはいたものの、経過がとても順調で平穏に5か月ほど過ごしていましたが。


ついに、症状が再発してしまいました。


再入院


ネフローゼのおもな症状は、血中のタンパクが尿中にもれ出すことによる、全身のむくみです。


おとといの夕方から、急に足がむくみだし、家でできる尿タンパクの簡易チェックでも陽性。


寝る前までに急速にむくみが進み、次の日起きたときは、足も腰まわりもパンパンにむくんだ状態でした。


で、早速、病院での検査、診察を受けたところ、尿タンパクの値も高く、むくみの進行も速いので、「すぐに入院してください」ということになってしまいました。


というわけで、今、病院のベッドにいるところです。


ネフローゼは、再発しやすい、繰り返しやすいといわれているので、覚悟はしていましたが、いざなってみると、やはりガックリですね。


またスタートからゆっくり治療を進めていき、このブログも合間をみて続けていきたいと思います。


ではでは、今後もよろしくお願いします。


橋本夏樹


 


 


 


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ようやく回復してきました

こいつが記事を書いています


ステロイドによる「酒さ様皮膚炎」


こんにちは。橋本です。


ステロイド外用薬を長期間塗り続けると、顔面に赤みやほてりが目立ってくることがあります。


これを、酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん)、口囲皮膚炎(こういひふえん)、ステロイド潮紅(すてろいどちょうこう)などとよんでいます。


こういった酒さ様皮膚炎などは、ステロイド外用薬を適切に使うことで、通常、防ぐことができます。


また、異変に気づいた時は、診察を受け、酒さ様皮膚炎に早めに気づくこと、早期発見も大切です。


酒さ様皮膚炎


 


酒さ様皮膚炎とは?


酒さ様皮膚炎とは、おもにステロイド外用薬を長期連用し続けた場合におきる、顔面の赤みやほてりのことです。


両ほほが赤くなりブツブツもできはじめる、というのが典型的な、酒さ様皮膚炎です。


症例写真:酒さ様皮膚炎
症例写真酒さ様皮膚炎


酒さの「さ」は、常用漢字ではないため、ひらがなで表記することが多いです(漢字で表記すると「?」、へんが「査」で、つくりが「皮」の漢字)。


酒さ様皮膚炎:漢字


酒さ様皮膚炎は、基本的に、ステロイドを塗り続けていた部分にあらわれます。


つまり、酒さ様皮膚炎は、ステロイド外用薬によって誘発される副作用のひとつです。


酒さ様皮膚炎のような副作用を出さないためには、顔のアトピー治療には弱いステロイド外用薬を使うのが基本です。


参考記事:

顔に塗るステロイドは、「弱いもの」が基本です


顔面では、ミディアムクラスのステロイドなら、適切に使えば、酒さ様皮膚炎はおこらないといわれています。


 


口囲皮膚炎とか、ステロイド潮紅は違うの?


このようなステロイド外用薬の不適切な使い方によってあらわれる顔面の赤みは、


口囲皮膚炎(こういひふえん)

ステロイド潮紅(すてろいどちょうこう)


と表現されることもありますが、酒さ様皮膚炎とは別の症状というわけではなく、ほぼ同じものを指しています。


ステロイド外用薬を口の周りに塗っていたのなら、赤みが口の周りだけに出てしまうこともあるので、その場合は「口囲皮膚炎」とよばれるわけですね。


症例写真:口囲皮膚炎
症例写真口囲皮膚炎


潮紅(ちょうこう)は、海の潮(しお)の流れにたとえて、血がのぼって赤みを帯びること。つまり、赤らむことを意味しています。


そこから、ステロイドの連用によって顔面が赤らんでしまうことを「ステロイド潮紅」とよぶこともあるんですね。


「ステロイド外用薬によるもの」ということを強調する意味で、酒さ様皮膚炎を「ステロイド酒さ」とよぶこともあります。


 


「酒さ」とは違う


酒さ様皮膚炎は、その名のとおり「『酒さ』のような皮膚炎」をあらわしています。


つまり、ステロイド外用薬の副作用によっておこる「酒さ」のようなものが、酒さ様皮膚炎。


「酒さ様皮膚炎」は、「『酒さ』のような皮膚炎」であって、「酒さ」とは違います。


「酒さ」は、顔面の赤みやほてりが、長く続く、慢性的な症状です。


酒さ様皮膚炎と同様、30代~60代の中高年の女性に多くみられます。


酒さは、白人の中高年女性でとくによくみられる、特徴的な赤ら顔の現象です。


顔が赤らみやすくなり、顔面の中心部の赤みがなかなか消えず、ヒリヒリした感覚を感じることも多いようです。


この赤みは血管の拡張によるもので、進行すると赤みに加えて、赤いブツブツが鼻、ほお、額、あごなどにあらわれます。


重症になると、鼻やほおの毛穴の開きが目立つようになり、皮膚が脂ぎって見えるようになることもあります。


さらには、ニキビのような吹き出物ができてくることもあります。


酒さの原因は、ホルモンバランス、自然免疫、ニキビダニなど様々なことがいわれますが、まだはっきりとした原因はあきらかになっていません。


肌が刺激に敏感な人に出やすい傾向はあるようで、肌への刺激は「酒さ」を悪化させます。


 


酒さ様皮膚炎の原因は?


一方、酒さ様皮膚炎の原因は、ステロイド外用薬の長期に渡る連用です。


ステロイド外用薬によるホルモンバランスの変化が大きな原因だといわれています。


さらに、皮膚萎縮毛細血管拡張などの、ステロイドによるほかの副作用も、少なからず悪化に影響しているとみられています。


また、「酒さ」と「酒さ様皮膚炎」は別ですよ、といっても、もともと「酒さ」があるところにステロイド外用薬を塗り続けると、酒さを悪化させる可能性はあります。


 


酒さ様皮膚炎の治療の原則


そのため、酒さ様皮膚炎の治療の原則は、まずは「ステロイド外用薬をストップする」ことです。


ただ、急にストップすると、今までおさえられていた炎症がぶり返し、顔の湿疹がひどく悪化することが考えられます。


そのため、すぐに使用をストップするか、徐々にストップするか、お医者さんとよく相談して、症状をみながらケアしていく必要があります。


長期連用しているほど、やはりステロイド外用薬をストップしたときの症状の悪化は、ひどくなる可能性があります。


中止すると、しばらくは、皮膚の赤みやはれの悪化が続きます。


目安としては、ステロイド中止後、2週間ほど、赤みやほてり、ヒリヒリ感、むくみ、鱗屑(りんせつ)、ブツブツがひどくなることが多いようです。


しかし、ほかに炎症を悪化させる大きな原因がなければ、ステロイド外用薬をストップしたときの悪化は、一時的なものです。


酒さ様皮膚炎の場合なら、その後、皮膚はゆっくりと時間をかけて回復してくるはずです。


 


スキンケアも大事


酒さ様皮膚炎は、刺激で悪化しやすいことが知られています。


具体的には、強い直射日光、急激な気温の変化、汗、飲酒、食べ物(香辛料)などですね。


そのため、このような刺激を、できる範囲でさけることも大事です。


また、顔の赤みが気になり、そのままでは外出するのに抵抗があるため、化粧で赤みを隠す場合もあるかと思います。


化粧をするのは、酒さ様皮膚炎にとっていいことではありませんが、酒さ様皮膚炎の回復は時間がかかるものです。


精神的なケアを考えると必ずしも化粧が悪いこととは、一概には言えません。


ただそのあと、1日が終われば、きちんとお化粧などの汚れをきちんと落としてあげる必要はあります。


刺激をさけ、清潔を保つ。


そういうような、ていねいなスキンケアが、酒さ様皮膚炎を治療する上でも大切なんですね。


まれにですが、化粧でかぶれて、酒さ様皮膚炎が急に悪化することもあるので、お化粧の接触皮膚炎(かぶれ)には、気をつける必要もあります。


もちろん、かぶれに気づいた時点で、化粧は中止します。


 


抗菌薬を内服することも


酒さ様皮膚炎が強く、とくにニキビ様のブツブツが目立つようなケースでは、抗菌薬を内服することもあります。


たとえば、テトラサイクリン系抗生物質といわれる、幅広い菌に効く抗菌薬など。


一例としては、ミノサイクリン(製品名:ミノマイシン)を1日/100~200mgなどですね。


こういった抗菌薬は乱用できないので、2週間や4週間など、期間を区切って効果をみながら、減量するなどして使っていきます。


 


ほかの病気と鑑別してもらう大切さ


酒さ様皮膚炎は、ほかの病気と取り違えないことも大事です。


顔に赤みがあらわれる病気は、皮膚筋炎など、ほかにもたくさんあります。


ステロイド外用薬を使っているからといって、顔の赤みを「酒さ様皮膚炎に違いない!」「ステロイドの副作用だ!」と思い込んでしまうと、適切な治療を見逃してしまうことにもなりかねません。


化粧品や塗り薬などによる接触皮膚炎(せっしょくひふえん:「かぶれ」のこと)も、酒さ様皮膚炎に似ることがあります。


酒さ様皮膚炎かどうかは、素人には見分けがつきません。


症状を自己判断して、ステロイド外用薬を中止してしまうのは危険です。


問診、視診、触診などの診察をとおして、専門のお医者さんに、しっかり鑑別してもらうのが、やはり確実で安心です。


酒さ様皮膚炎の治療のスタートには、このきちんとした鑑別がかかせません。


 


 


 


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