顔にぬるステロイドは、「弱いもの」が基本です
こんにちは、橋本です。
最近、コメントやメッセージでやりとりする機会が増えてきました。
その中で、今さらながらに反省することがあります。
それは、「自分が当たり前」だと思ってることが、「人にとっては知らないこと」なのが、けっこーあるということ。
「知っているだろう」という思い込みによって、説明不足になり、結果、間違った内容を伝えてしまう。
これが、いちばん怖いことですね。
ですので、初歩的なこと、当たり前なことも大事にして、ブログを進めていけたらな、と改めて思っています。
んで、今日は「ステロイド外用薬」について、初歩的なことを。
顔や首に使うステロイド外用薬は、体に使うものに比べて「弱いランクのもの」で。
これが、基本です。
もちろん、症状の「強い」「軽い」があるので、この通りでないときもあります。
あくまでも基本です。
でもそこで、ひとつ疑問がおこります。
なぜ、体にくらべて、顔や首は、わざわざ「弱いランクのもの」を使うのか?
それは、顔の皮膚は薄いため、よく薬を吸収してしまうからなんですね。
吸収のいい顔や首に、強いランクのものを使うと、薬が強く効きすぎて、副作用が出やすくなってしまうというわけです。
「医師の指示通り正しくお使いください」と、くどいぐらい言われるのも、このためなのです。
「わざわざ、塗る場所によって、何種類も塗り薬を出しやがって」
そう思われるかもしれない処方をするのも、「場所によっての薬の吸収率」「症状の強さ」を考えたうえでの、心くばりなんですね。
顔に塗ってるやつは、いまいち効きが悪い。でも、体に塗ってるやつは、よく効く。
そう感じたからといって、自己判断で、体用に出された薬を、顔に塗るのは厳禁。
「効きが悪い」「効かない」と思ったら、正しい塗り方ができているか、もう一度チェックする。
もしくは、お医者さんに「なかなか効かないですよー」ということを、きちんと話して相談する。
そういった行動が必要になります。
ステロイド外用薬は、体の場所や症状にあわせて使いわけられるように、薬の強さで、5つのランクにわけられています。
ランクごとで、いろんな製品があります。
赤ちゃん、子供の体には、おもに「ストロング」とよばれるランクのものを使います。
顔には、おもに「ミディアム」のランクを使います。
もちろんこれは基本で、症状、個人差によっては違ってきます。
実際には、皮膚をみるトレーニングをつんだお医者さんが、症状にあわせて、最適なステロイド外用薬を選びます。
ある意味、こここそが、皮膚科医の「腕のみせどころ」にもなるわけです。
顔に使うステロイド外用薬。使いわけの基本。
それは、「顔は薬の吸収の良さを考えて、体にくらべて弱いものを使う」です。
面倒でも、薬の塗りわけは、大切なんですね。