アレルゲンごとの IgE値 「ラストクラス」とは?…血液検査の読みかた
こんにちは。橋本です。
アトピーの血液検査では、血液成分中のIgE抗体(アイ・ジー・イー こうたい)の量をはかって、アレルギー反応の強さを予測することがあります。
この IgE検査は、とてもポピュラーです。
2つの IgE検査
で、この IgE検査の内容は、大きく2つにわかれます。
1つは、すべてのアレルゲンに対する IgE抗体をはかる方法。
これを「非特異的 IgE検査」「総 IgE 」とよんでいます。検査の手法から、「IgE RIST(リスト)」ともよばれます。
そしてもう1つが、アレルゲンごとの IgE値 をはかる方法。
これを「特異的 IgE検査」とよんでいます。こちらは、「IgE RAST(ラスト)」ともよばれます。
「特異的 IgE(とくいてき アイ・ジー・イー)」とは、特定の IgE。
つまり、アレルゲンごと、それぞれに反応する IgE抗体の量を調べるわけです。
どんなアレルゲンを調べられるの?
IgE 検査で調べられるアレルゲンは、かなりたくさんあります。
ハウスダスト、ダニ、食品、花粉、動物、昆虫など。製造メーカーにもよりますが、検査可能なのは180種類以上。
ただし、通常は1回の検査で、すべての項目を調べるわけではありません。
保険が効くのは今のところ、「一度で13項目まで」となっているので、アレルゲンの可能性が高い項目をチョイスして検査します。
年齢、症状、ライフスタイルによって、調べる項目は違ってくるので、お医者さんとよく相談する必要があります。
患者さん側で、とくに「コレ」と要望する項目がなければ、お医者さんが最適な検査項目をチョイスしてくれます。
検査値の判定基準は?
非特異的 IgE検査(IgE RAST)は、次のような判定基準で、データが出ます。
IgE抗体濃度(UA/ml) | ラストクラス | 判定(+/-) | 判定(陰性/陽性) |
0.34以下 | 0 | - | 陰性 |
0.35~0.69 | 1 | ± | 疑陽性 |
0.70~3.49 | 2 | + | 陽 性 |
3.50~17.49 | 3 | ++ | |
17.50~49.99 | 4 | +++ | |
50.00~99.99 | 5 | ||
100以上 | 6 |
しかし、非特異的 IgE検査で、「このアレルゲンは陽性です」と結果が出ても、アレルゲン。アトピーの悪化原因として確定するわけではありません。
「アレルゲンの可能性がある」ということまでしかわかりません。
食物アレルギーの場合は、ラストクラスが食物制限の解除を進めていく上で、参考になります。
ラストクラスが高ければ、食べて症状が出る可能性が高い。それは間違いありません。
ですが、これも同様に「結果は絶対」ではありません。