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アレルギーの「 IgE値」とは?…血液検査の読みかた

総IgE値:血液検査の見かた


こんにちは。橋本です。


アレルギー、アトピーの血液検査の代名詞ともなっているものに、非特異的IgE(ひ・とくいてき・アイ・ジー・イー)というのがあります。


一般的に、お医者さんが「IgEが高いですね」というときの「IgE」は、この「非特異的IgE」を指しています。


ほかにも、


非特異的IgEのいろいろな呼び方:

総IgE

血中IgE

血清総IgE

IgE RIST(リスト)


などなど、いろんな言い方がありますが、すべて同じ意味。すべて同じことを指しています。


 


「IgE値」は全体的なアレルギーのおこりやすさの目安


では、血液検査で出た「IgE値」は、実際に何を指しているのか?


それは、、血液中のIgE抗体(アイ・ジー・イーこうたい)の総量です。


これを測ることで、「アレルギー体質の強さを数字で見よう」というわけなんですね。


通常、アレルギー検査では、「非特異的IgE」と「特異的IgE」で項目がわかれています。


ダニ、カビ、花粉など、それぞれ個別のアレルギーのおこりやすさをあらわしているのが、「特異的IgE」のほう。


よく「ラストクラス」といわれているのは、この「特異的IgE」を判定しています。


それに対して、個別ではなく、全体的なアレルギーのおこりやすさをあらわしているのが、「非特異的IgE」です。


 


「IgE値」の基準値とは


「IgE値」の基準値は、170(IU/mL)以下とされています。


IgE値が、170(IU/mL)以下なら、アレルギーがないだろう、と。


ですが、実際には基準値というのはビミョーです。


なぜかというと、個人差がとても大きく影響する値だから。


IgE値は個人差があって当たり前の値で、健康診断のように正常値、「本来ならこの値」というものはない、というわけです。


さらに、健康なこどもでも、成長につれて、IgE値は変動します。


生まれたばかりの赤ちゃんには、IgE抗体がほとんど存在しません。


IgE値は、生後6か月ぐらいから増え始めて、小学校に入ったぐらいで成人と同じぐらいになります。


総IgEの参考基準値 1)

年齢

総IgE(IU/mL)

1歳未満

20以下

1~3歳

30以下

4~6歳

110以下

7歳~成人

170以下


 


 


「IgE値 = 症状の強さ」とはかぎらない


検査結果が、基準値より高いからといって、惑わされないでくださいね。


おとなのアトピー性皮膚炎患者では、IgE値が1万を超える数値が出る場合もあります。


これが、必要以上にIgE検査がおこなわれる理由です。


だからといって、「IgE値を知ること」が大きく治療に役立つとは限りません。


なぜなら、「IgE値が1万」というのは基準値と比べてしまうと、とてつもない数値ですが、必ずしも「IgE値 = 症状の強さ」ではないからです。


約80%のアトピー患者で高い数値が出るものの、反対に約20%の人では高い数値が出ないことが知られています。


「IgE値が低くても重症」の人もいるし、反対に「IgE値が高くても何も症状がない」人もいます。


非特異的IgE


 


アトピーは、IgEのみによる病気ではない


なぜ、そんなに個人差が出るのか?


それは、アトピーは、「IgEによるアレルギー」だけでおこる病気ではないからです。


様々なアレルギー、様々な刺激、肌の状態、ストレスなど様々な要因。


そういったものが、人それぞれ、複雑にからみあって発症している病気。それがアトピーなんですね。


アトピー性皮膚炎の患者は、高いIgE値を示しやすいのは確か。


しかし、IgE値が高いことのみで、「アトピーである」とは診断できません。


 


「症状の変動」の目安は、TARC値


診断がアトピーなら、IgEが高くても低くても、とくに治療方法は変わりません。


アトピー治療からみれば、IgE値はあまり意味を持たないわけです。


症状がよくなったから、すぐにIgE値も下がるというわけでもないですし。


確認でIgE値を測りたいとしても、1年に1回でも充分。


症状の変動、アトピーの重症度をよくあらわすのは、TARC値です。


 


 


 


関連記事:

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アトピーをおさえる「家庭の対策」3つの基本

「アレルギーの原因なんて、血液検査で分かるでしょ?」


参考文献:

1) 島津伸一郎,他:アレルギーの領域,2:920-925,1995.


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