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Joon's blog

どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『劇場版 動物戦隊ジュウオウジャー ドキドキサーカスパニック!』を観ました。

 

話題のサーカス団、ワールドアニアルサーカスが街にやって来る。

団員がジューマンである事に気付いた大和たちがサーカスを観覧する中、宇宙大サーカスの団長ドミドルが出現。ドミドルはサーカスのテントに偽装した宇宙船を発進させ、動物戦隊ジュウオウジャーの4人を、そして子供の観客だけをさらって行く。ドミドルは子供の泣き声をエネルギーに変える宇宙船の力で、宇宙に自分好みのサーカス会場を作ろうとしているのだ。

地上に残された大和はジュウオウイーグルに変身し、宇宙船に突入。合流した4人と共に、捕らわれた子供たちを救うための戦いが始まり……といったお話。

 

さらわれた子供を救うだけの、まさに変身ヒーローの王道たるお話ですが、シンプル過ぎて物足りない感は否めません。

とは言え、ただ子供を救うだけでなく、親と再会させるのが真の目的になっているのはいいですね。

1000人くらいのエキストラを招いて、合戦のごとく両陣営(?)に分かれた子供と親が再会するシーンはジーンと来ます。子供と親があれだけの数の中から一つしかない答えを探し求め、正しい組み合わせで結び付く画は心が温かくなりますね。

子供はピンと来ないだろうけど、親子で見るに相応しい作品なんじゃないかな。

 

どこまでがエキストラか知りませんが、さらわれた子供らは意外と良い芝居を見せてくれます。

ビービー泣く子供は、独り身どころか多くの大人が鬱陶しく感じるものだけど(笑)、そう感じさせる時点でキチンと芝居ができている証拠ですしね。

ちびっ子衆による「このほしを、なめるなよ!」は、まさに本作を象徴するシーンです。

 

本作、というか『動物戦隊ジュウオウジャー』はスーパー戦隊シリーズの40作目の作品です。

開巻直後にもその旨を知らせるロゴが出ますが、『海賊戦隊ゴーカイジャー』で見せたようなアニバーサリー感を、いい歳こいた大人ほど期待していたんじゃないかな?

その実態として、「歴代スパ戦アイテムを小道具で登場させました!」と、したり顔で言われたところでガッカリするでしょ、そりゃ(笑)。

そんなのを探すためにリピート鑑賞する人、どれくらいいたのかなぁ…。

 

本作の悪役、ドミドルを演じるのは平成ノブシコブシの吉村崇さん。

今でこそ破天荒系キャラとして名が通っていますが、本作を撮った頃=2016年の時点ではまだ探り探りだったようで、演技経験も不慣れな様子。

近年の活躍を見知りすれば、もう少しアドリブをブッ込んで欲しかったなーとも思うんですよ。この手のゲストキャラは、演者の裁量次第で大化けする例が多々あったしね。

 

本作最大の功労者はみっちゃん=ジュウオウザワールドですかね(なぜ“ジュウオウ・ザ・ワールド”という表記にしない?)。

あの釣り竿=ジュウオウザガンロッドで、あんなドデカいドミドルの宇宙船を地面に引きずり落とせるって、スパ戦史上においてもかなりの荒業よ?

 

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Blu-ray版に関して、本作から商品形態が激変しました。

↑のコレクターズパックは3枚組ですが、

 1.Blu-rayの本編ディスク

 2.DVDの映像特典ディスク

 3.DVDの本編ディスク=収録内容は1と全く同じ

という、神経を逆撫でするような仕様に成り下がり、これがしばらく続きます。

映像特典をDVD=低画質にしたり、まったく同じ内容の低画質版ディスクを抱き合わせたり、誰がありがたがるんだよ。

 

最近はBlu-ray版でありながらDVDに使われていたトールケースにしたりと、まるで客からの反感を買う事に注力している感じすらあります。

作品が良くてもダメな商品ばかり作ってる東映ビデオの企業イメージは、ほぼほぼ底辺

この辺を理由に火を着けられたとしたら自業自得、犯人の肩を持つどころか応援するぞ。協力はしないけど。

『パルプ・フィクション』をまた観ました。

 

前回の鑑賞記はコチラ

 

今回は2回目の鑑賞という事で、吹替版を選択。

正直そんなに面白いと思っていない人は、もう一度、吹替版で観ると印象がずいぶん変わりますよ?

まして、クエンティン・タランティーノさんの作品はセリフ量が過剰に多いので、吹替版くらいの情報量こそがオリジナル原語版に近いんでしょうね。

そのせいで、1シーンに掛ける時間が長すぎて、やや冗長に感じるようになってきました。無駄口叩いてばかりないで、先に進みなよと。

 

拭き替える声優も芸達者ばかりで、特にジュールス(=サミュエル・L・ジャクソンさん)を担当する大塚明夫さんが良いですね。寡黙で渋めの役が多いイメージがありますが、うるさいくらいによく喋ってくれます。

芸達者であっても、ブルース・ウィリスさんを担当するのが山寺宏一さんというのはイメージがかけ離れすぎて、終盤まで馴染まなかったな…。

…そうそう、大塚芳忠さんが出ていないんだから珍しいですね(笑)。

 

ま~節度なく銃を撃っては人が死ぬ事が多いのなんの。これは当時から思ってましたが、遊び感覚で人を死なせる作風にはチト引き気味です。

半コメディっぽいとは言え、そればっかでウンザリもするんだよ。

 

余談ながら、“パルプフィクション”で検索しようとすると、サジェストとして“パルプフィクション 何が面白い”と出るあたり(笑)、やっぱり過大評価な作品だったのかなとも思いますね。まぁ、時代の変化というのも、割と大きな理由でしょうが…。

…けど、今回、吹替版を見た事で、どこがどう面白いと説明はできないながらも、字幕版であってもまた見たいと思える作品にはなりました。それでも面白くないと感じる人は本作とは縁がない、もしくは相性が良くないので、別の作品を見る方がいいかもですね。

ハッキリ言ってしまえば、本作を面白いと力説する半分は付和雷同、かつ映画通を気取るクチの人だと思い込んでも間違いではないと思います。

 

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『帰ってきた手裏剣戦隊ニンニンジャー ニンニンガールズVSボーイズ FINAL WARS』を観ました。

 

手裏剣戦隊ニンニンジャーが牙鬼家を滅ぼしてから2年。

帰省した天晴[タカハル]たちは牙鬼軍団の生き残りに遭遇。シュリケン変化して迎え討とうとした矢先に現れた風花と霞は超シュリケン忍法で新たな姿に変身し、これらを撃退する。

アイドル忍者“ニンニンガールズ”として活躍していた風花と霞、そして彼女らをプロデュースしたのは、日本に戻ってきた天晴と風花の母、桜子だったのだ。

ニンニンガールズの世界進出を図る桜子は、二人の活動に懐疑的な天晴たちを“ニンニンボーイズ”に仕立てて試合を提案。ガールズ側に二人の助っ人を加え、試合が始まる。

その試合の中、ボーイズ側はことごとく何者かによる妨害を受け、ガールズ側が勝利するが……といったお話。

 

この頃のスーパー戦隊シリーズには“帰ってきた”シリーズがあり、テレビシリーズ=本編、劇場版、VSシリーズに続く、レギュラーとしては最後の最後という事で、ほとんど余興のような、まぁスポーツで言うところのエキシビションみたいな作品です。

メイキングで矢柴俊博さんも言っていましたが、帰ってきたシリーズは一種のご褒美みたいなもので自由に、肩の力を抜いて伸び伸びとやっているのが見て取れます。

さらに、帰ってきたシリーズは本編と地続きでありながらも、本編ではあり得なかった事をやっちゃうのも魅力。

『~ニンニンジャー』はコメディ要素も色濃いので、このくらいなら本編でやっても許されてたかもね。

 

本作の見どころはいくつかありますが、それらのほとんどは女子に関するものです。

その最たるものは、風花と霞の新たなニン活(=ニンジャ活動)であるアイドルユニット=ニンニンガールズですかね。晴天をバックにした決めポーズが健全で可愛い!

ニンニンガールズ&ニンニンボーイズと聞いて、『炎神戦隊ゴーオンジャー』の悪夢再来かよとも思いましたが(笑)、ああまで鼻の下を伸ばしたオジサンの暴走企画(多くの主犯は荒川稔久)にまでは至らなかったので胸を撫で下ろしましたよ。

二人のあの格好はあくまでシュリケン忍法による変身形態の一つで、ある意味、これまでシロ&モモニンジャー超絶がなかったカウンターでもあるのかなと。風花超絶はあったけど(笑)。

変身しても素面のままというのが好印象ですが、その代わりに役者の負担は激増です。何しろ、あの形態で殺陣を多々こなさなければならないんですからね、矢野優花さん&山谷花純さんの頑張りには全力拍手を送ります。特に、ゴッツいフォルムのアカニンジャー超絶と華奢な体格のニンニンホワイト=矢野さんとの対決は必見です。

ニンニンガールズと言えば、二人で放つ超シュリケン忍法は威力が強烈すぎる故に、我々の目には文字通り次元を超えて見えるのだろうと解釈。カイザー・インじゃないんですよ(笑)。

 

3人目のニンニンガールズ、かつ7人目のニンジャとして突如登場した九重ルナ=ミドニンジャーの登場も見どころです。

その正体に関する辻褄は合っているものの、天空に舞う蒼き風のような仕草を見せたり、役以外に関しても多くの他意を含みすぎです(笑)。

スパ戦史上においては、ゲスト扱いながらも女性初のグリーン戦士でもありますが、その2年後にレギュラーとして登場するグリーン戦士の二つ名がシノビスターである点も興味深い…!

 

風花と霞はずいぶん強くなったようで、オトモ忍=巨大ロボの力も借りずに巨大化した妖怪をブッ倒せるんだから、ニンニンガールズの名は伊達じゃありません。

が、男子4人もずいぶんと修行を積んでいたようです。特に弓張重三が放った弓を手づかみで止めたりね(北斗二指真空把に匹敵する難易度)。

素面アクションも多めで、中でも凪=中村嘉惟人くんのアクションが冴える!

 

本編ではあまり語られていなかった(と思う)天晴&風花の母、桜子が最初で最後(と思う)の登場。

しかも中山忍さんという絶妙なキャスティング……だったら本編でも出して欲しかったよ!

それはともかく、桜子の登場とは、すなわち伊賀崎家の家族がようやく揃ったという事でもあるんですよね。

『手裏剣戦隊ニンニンジャーVSトッキュウジャー』では、家族だ絆だとやってましたが(これは出演者の解釈ですが)、家族云々という意味においては本作の方がこれに相応しいと思うんですよ。

ラスト、両親と風花=家族に見送られながら天晴(たち)が旅立つシーンは、『~ニンニンジャー』という作品の一つの終わり方なんだなと感じます。

 

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Blu-ray版はメイキング等を収録。あの声優さん(たち)の肉声や、クランクアップの様子もありますよ。

 

『ゴルゴ13』を観ました。

…ん? 確か、前にも観てなかったっけ?と覚えてるどころか、知っている人もいないだろうけど、前に観たのは1983年の劇場(アニメ)版

今回観たのは1973年の劇場版、すなわち実写版です。

 

世界中で武器や麻薬を密売するマックス・ボアがイランにやって来る。ボアは新たに、各地からさらってきた美女たちの売買を始め、イラン警察のアマン警部の妻シーラまでもが捕らわれの身となってしまう。

これを危険視する某国政府はボアを暗殺するため、ある男を呼び寄せる。男の名はデューク東郷、またの名をゴルゴ13――不可能を可能にする、超一流のスナイパーだ。

依頼を引き受けたデュークは、イランのテヘランへ飛び調査を開始。顔すら分からなかったボアをついに探し出し、暗殺に成功したように思えたが……といったお話。

 

「『ゴルゴ13』の実写版って、高倉健の出てるやつ?」と、半笑いで話した経験のある人は少なくないかもしれません。

俺ッチも若い時分には完全にキワモノを見る目で、話題の種にと思いつつ観てみましたが、ただただ眠気に襲われるだけの作品で終わってしまいました(笑)。

 

…が、それからウン10年、いい歳になって『ゴルゴ13』という作品の面白さが分かってきた今、改めて本作を観てみれば、これが実に面白い。

…いや、正確には面白いとはチト違うかな、原作の雰囲気がしっかり出ている事に驚けるんですよ。元々、映画的な見せ方が多い作品なので、実写にしたところで無理がないという証左かな?

初めて観た時につまんないと感じていたのはゴルゴの出番が少ないせいだったってのもありますが、後年の漫画版と比べれば、本作のゴルゴの出番はかなり多い方です(笑)。

 

脚本は原作者であるさいとう・たかをさんというのも、なるほどですね。

ゴルゴの仕事のルールも含め、仲間が倒れても動揺や躊躇はしない非情さ、どことなく漂う虚無感といった原作の雰囲気が上手く出ていて、原作に忠実とはこういう事でもあるんだと実感します。

地雷を狙撃する神業や、本物のボアを見つけ出すための推察、そして最後の一発といった“ゴルゴあるある”とか、ド初期である10巻くらいまで読んだ人であれば、本作を原作とした漫画版として脳内変換できるんじゃないかな?

故に、原作の作風を理解している人ほど面白いと感じる作品だと思います。

 

元々『ゴルゴ13』という作品は基本的には短編集なので、83年の劇場アニメ版は数あるエピソードをミックスして1本の映画に仕立てていましたが、本作は原作にはない(と思う)完全オリジナルである点も評価していいポイントですね。

個人的には最終回よりも、本作のコミカライズ版を描いて欲しかったよ、・たかをさん…!

 

初めて見た際に眠くなってしまったのは、背景も理由の一つに思えます。

映画における砂漠の画って退屈に感じませんか? 砂漠のみならず、全体的にいかにも砂~って感じの色調が続くので、お話が盛り上がってくれないからには、やっぱり眠くなるんですよ。

全編が海外ロケという事でそんな風景ばかりですが、邦画でありながら異国情緒が漂っているだけでなく、イランの建築様式や遺跡も十分な見どころになり得ているんだなと、この歳になって気付きました。

そもそもイランを舞台にしてるのも、どこか新鮮です。あの辺って、映画の舞台にするには色々と厄介事がまとわりついてきそうな国が多いから…(笑)。

 

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俺ッチはネットで映画を習慣はないので↑は利用しませんが、俺ッチが買ったBlu-ray版はまだ扱っていないようです。

昨今はメーカーとしての印象も悪い上に、変身ヒーロー系に注力してばかりいる東映ビデオだから、日本での販売はあんま期待できませんね。

惜しくも終わってしまったテレビ番組は星の数ほどもありますが、その上位に入るのが『ウラ関根TV』です。

番組本である『ウラ関根本』を久々に引っ張り出して、つくづくそう思ったのさ。

 

ここは渋谷区神宮前にある、金曜にだけオープンする茶すすり処・関根。

店名通り、数多取り揃えている高級茶、そして店主が厳選した様々な映像を楽しめるこの店には、今夜も著名人がフラッと訪れ……という番組。

 

という、まぁお茶の要素はさておき、MCの関根勤さんがゲストの芸能人と共に、くっだらねー映像にツッコミながらゲラゲラ笑うバラエティ番組です。

ここで言うくっだらねー映像とは主にB級洋画で、80年代のレンタルビデオ屋の一隅に追いやられるような作品です。…いや、数が尋常じゃないからコーナー自体はスペースは大きかったので“一隅”ではないか。

ロボコップやコマンド―から着想を得た作品が濫造された時代も、今では懐かしいですね。俺ッチはその辺に関しては、ジャケットの背表紙でしか知らないけど。

仮にネットがあった時代でも、その辺の作品が徐々に口コミで評価が高まり、爆発的なヒットに至る作品は生まれなかったでしょう(笑)。

 

そんなB級作品は話としては盛り上がれるんだろうけど、そんな話の種として観ると、大抵が1ミリも面白くないどころか苦痛にすら感じます。

それ故、こうした番組のように、笑えるシーンだけを掻い摘んで皆で笑うというのがB級作品の正しい楽しみ方です。

「B級かA級かなんて誰が決めるんだよ!」と真顔で目くじらを立てる人は、言ってる事は正しいけど、今はそんな話をしているわけじゃないので回れ右。

 

この頃のB級作品を探そうとするなら、“忍者(ニンジャ)”と付けばまず間違いないよね(笑)。

この番組で紹介されただけでも、『クラッシュofザ・ニンジャ』だの『忍者プロテクター』だの『レディ・忍者 セクシー武芸帳』(笑)だの、特に忍者モノが贔屓にされていたようです。

逆に問おう、“忍者”というワードを冠してヒットした、もしくはマトモな作品ってどれくらいあるだろう?

 

店主=MCである関根さんのツッコミや指摘も秀逸なんですよね。お得意のビミョーな物真似もちょいちょいやってくれるし。

ちなみに千葉真一さんが来店した際には、『激殺!邪道拳』(何ともグッと来るタイトル!)について本人が解説してくれるという贅沢企画もあったようです。ちなみに、関根さんの千葉さんの物真似は、この作品からフィーチャーしているんだとか。

 

まぁ、若い人やネット漬けな人ならユーチューバーあたりでも事足りるんでしょうが、テレビでこそこういう番組がまた見たいなーという、オジサンの独り言です。

 

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当時、関根さんが入れ込んでいた井上和香さんが多めです(笑)。

もう約20年前の番組本ゆえ、登場ゲストの面々に時代を感じます。Rまにあとか、令和に入って初めて目にしたよ…。

『新幹線大爆破』を観ました。

 

9時48分発、ひかり109号は定刻通りに東京駅を発車した。

その直後、国鉄公安本部に掛かってきた一本の電話。先ほど発車した109号に爆弾を仕掛けたというもので、時速80キロを超えると起動し、増速の後、80キロ以下になると爆発するというのだ。

乗客1500人を乗せた前代未聞の危機的状況下、新幹線の運行管理をする指令長である倉持と、109号運転士の青木の丁々発止のやり取りが続く。

一方、爆弾を仕掛けた男たちの計画は徐々に綻び始め、主犯格の沖田も警察の手により追い込まれて行く……といったお話。

 

日本映画史におけるパニック映画ベスト3には確実にランクインしていいと思える作品です。
危機的状況に怯える乗客、乗客を救うべく奔走する国鉄(公安)、その状況を作った犯人という三者の意思が錯綜するドラマは実にスリリング。
お客が劇中のタイムリミットを共にカウントするような、現在進行型のアトラクションでもあるんですよね。それ故、トイレに行きたがろうが眠くなろうが、なるべく中断せずに体感として楽しみたいところです。
おそらく当時の日本国民にとっては憧れの乗り物だった新幹線を恐怖劇の舞台に使ってしまう気概にも拍手です。“悪影響”という言葉ばかりを優先する、近年の腑抜けたエンターテインメントも見習おう?
 

80キロに達した際にスイッチが入り、減速して80キロ以下になると爆発する爆弾という事で『スピード』を思い出すと同時に、パクりorパクられについて強弁する連中が必ずいるんだよね。

何をパクっただの原作と違うだのを強弁しているのを見ると、映画初心者丸出しでみっともなくないですか? まぁ、根っこにあるのはもっと低次元な、俺は物知りなんだぞ的アピールでしかないんですが。

 

『スピード』に比べると本作の深刻度は遥かに高く、何より国として対応せざるを得ないという一大事です(国鉄時代の話ですしね)。

残念ながら万策が尽きてしまえば、“109号を停車させる”という案が浮上してしまうのも当然でしょう。人口密集地で爆発させるわけにいかないし、大の虫を取るか小の虫を取るかってヤツですね。

これのみならず、総じて本作の登場人物って、やってる事や言ってる事の全てが完全に正しくなければ悪くもないんですよね。気持ちは分かる、でも……と思わせるキャラが多いというか。

 

乗客の命には代えられないという意思により要求を飲んだ国鉄(正確には政府)は早い段階で金を用意し、割と早めに事件が解決するかと思いきや、様々なトラブルやアクシデントにより109号はなかなか停まれません。

引っ張って引っ張って、犯人と国鉄側の駆け引きで観客をヒヤヒヤさせたいのは分かりますが、ちょっと繰り返しの度を過ぎています。
何しろ、警察のドジが多すぎて時間を食っちゃってるんですよね。
どうしてもっと慎重におやりにやらないンですか!」と倉持がキレるのは、観ている我々も含めた総意です(笑)。喫茶店の件も、もういい加減に楽にさせてやれよと思うくらい。

本作の尺は約2時間半で、正直、2時間弱くらいが適切に思えました。海外版は2時間未満だそうで、どうスリム化したのかも興味が湧きますね。

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こういうのは余興みたいなものだし、Blu-rayの映像特典扱いくらいが丁度いいんだよね。BSプレミアムあたりでやってくれるとありがたいけど、こっちはなぁ…。

パニック映画の側面が色濃いという事であれば、乗客もある意味の主役です。
予定地で降りれない事に困ったり怒ったりしていたものの、爆弾が仕掛けられていると知った途端、それらが焦燥に変わります。パニックに陥る乗客たちが乗務員に詰め寄るシーンもありますが、身勝手な真似をして混乱を大きくするようなお騒がせキャラがいないのもいいですね。
とは言え、雑多な客が乗車していた割に、目立つ客が皆無だったのは惜しかったかな? 歌手とテレビクルーも存在感ゼロだったし。

 

主犯格の沖田を演じるのは、高倉健さん。

今に思えば「健さんが悪党…?」と思いますが、まだキャリアも浅くヤクザ(に近い)役のイメージを脱却できずにいる頃というのもあり、悪役は悪役でも感情移入しやすい、どこか哀しい役です。

沖田を含めた犯行グループは世間に負けた者たち。そんな彼らの悪あがきと言ってしまえばそれまでですが、大金を手に入れるのは詭弁に過ぎず、弱者だからこそ何かしらの形で勝利した気分に浸りたかったんじゃないでしょうか? 勝負の方法を見誤ってしまったのが彼らの誤算であり、不幸だったのです。

悪事には違いないものの、“いいね!”ごときが欲しくて社会悪に堕ちて行く昨今のバカたちとは志が違うんだぜ!

 

スーパー余談ながら、本作はごくごく一部の間で、関根勤さんの物真似でも有名です。

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↑にも本作の一人物真似が収録されています。千葉真一さんと宇津井健さんは関根さんのレパートリーの中でも上位に入りますしね。

そーいや、関根さんが『烈車戦隊トッキュウジャー』に出演、しかも車掌役と知った時、これ絶対にやるだろうと察した人は少なくないと思います(笑)。


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Blu-ray版の映像特典、は特報と予告編のみというショボ仕様。

…が、この予告編を見る限り、本編にはないカットが多々存在するようです。いわゆる未公開シーンとかあるのかな?とも思いますが、他の映画から拝借したカットの可能性が高そうです。この頃は、そんなテキトーな事をよくやってるイメージがあるし…(笑)。

 

余談ながら、本作をもう少し深く知りたいと思う人には、こんなものがあります。

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本作のシナリオが掲載されていますが、斜め読み程度に見たところ、完全な採録ではなさそうです(映画ではカットされているシーンも多そう)。

聞き取りにくかったセリフを補填する手段の一つとしてオススメです。

 

 

☆ 追記 ☆

海外版を観てみましたが、差し替えやら辻褄合わせのための追加シーンもなく、単純に不要なシーンを切っただけでした。

別作品に感じるほどの印象もないので、国内版でいいと思います。

『ランボー3 怒りのアフガン』を見ました。

 

…と、皆無に等しい当ブログの賢明な読者であれば気付くでしょうが、今回は“観た”のではなく“見た”のです。どうだい、この誰にも気付かれないであろう無駄な使い分けはよ(笑)。

普段はBlu-rayでの鑑賞ですが、ちょっと確認したい事もあり、今回はBS日テレで放送されたものを見ました。

 

前回の鑑賞記はコチラ

 

で、何を確認したかったかと言えば、字幕です。

つーのも、先日『ランボー 怒りの脱出』が放送されていたのをチラ見した際、違和感を抱くところがありましてね。

 

Blu-ray版とテレビ放送版では字幕が異なります。メンド臭ぇ放送コードに抵触しそうなワードを言い換えたりしているんでしょう。

それは仕方ないんだけどさ~、ランボーのセリフがBlu-ray版と違いすぎるんですよ。

 Blu-ray版:「隠れるんだ! 早く逃げろ!」

 BS版 :「隠れて! 早く! 逃げて!」

他にも“貸して”とか“つかまって”とか、言ってる事は同じでも、言い回しが違いすぎてランボーのキャラが破綻しているんですよね。

放送開始前、“オリジナルを尊重してそのまんまで放送します”という文言がありましたが、これも何かしらの関係があるのかいな?とも思いましたが…。

 

つーか、普通に放送するにあたり問題があるシーンって、どの辺なんだろうね? 特定タイトルを例に挙げた検証を見てみたいものです。

真っ先に思うのはバイオレンスというより流血描写なんでしょうが、実はランボーシリーズって、銃で撃たれれば血が出るけど、それが分かった瞬間に次のカットに切り替わる。“出血”はあっても“流血”ってほど血を克明に映してはいないんですよね。怪我の治療シーンは1度くらいはあるけど。

どんどん過激になって行く今の映画や一部のテレビドラマ(アニメも含む)に比べりゃ、ランボーシリーズは可愛いモンだし節度もあるんだぜ?と言いたいけど、そう言えるのは『~3』までです…。

 

怪我の治療と言えば、ランボーが脇腹に刺さった破片を押し出して、弾丸の火薬で傷を塞ぐシーンがありますが、大量の敵をブッ倒す反面、自身もそれなりに痛い思いをするのがランボーシリーズの良いところです。

にしても、↑のシーンで火薬に火を着けた際、後ろだけでなく前も火を噴いてる、つまり脇腹の内部にトンネルができ上がっていると思うと…!

 

今作でチト引っ掛かるのは、前作でコーに貰ったお守りを少年(ハミド)にあげちゃう点でしょうか。

そんな大事な品を、昨日今日に知り合った程度の小僧にくれちゃうのかよ!と思いますよね。

個人的には、あれこそランボーの中の戦争が終わった瞬間だと捉えています。

ランボーがいつまでも戦争の後遺症に悩んでいるのは、つまりは過去を忘れられないからです。どの瞬間にでそれに気付いたかは分かんないけど(笑)、いつまでも過去を引きずっていては前に進めないからこそ、コーとの思い出が詰まったお守りを手放してまでも過去との決別を決心したんでしょう。

孤独に苛ついていた日々もありましたが、トラウトマンという理解者がいるなら前に進める――傷を負いながら二人で帰るシーンがそんな風にも見えました。

…と、強引に解釈してみましたが、そもそもこの頃の続編って、そこまで前作を重要視していないからなぁ(笑)。昨今の同窓会的な、前作の設定に囚われすぎる続編ほどじゃないにしても、もう少し前作の設定を継承して欲しい…。

 

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『山の郵便配達』を観ました。

 

1980年初頭、中国の湖南省。

息子は郵便配達員だった父からの仕事を引き継ぐため、父と飼い犬の“次男坊”らと共に配達の旅に出る。山岳地帯にある村々へ手紙を届けるために峻険な山道を歩き、数日を掛けて幾つもの村を訪ねるという過酷な仕事だ。

旅の中、父は村までの道筋や手紙を運ぶ責任を息子に教える。そして、仕事のために家にいる事が少なかった父との間にわだかまりを感じていた息子は、この旅を通じて今まで知り得なかった父を理解し始め……といったお話。

 

本作は女性には立ち入りにくい領域にある作品かもしれません。

と言っても、男臭い感じとはチト違う父と息子のお話で、父の立場にある人は自分の息子を、もしくは父を思いながら観ると感慨深く感じるんじゃないかな。

女性もそれなりには楽しめますが、男の方が遥かに感情移入できてしまう作品です。

 

それまでは距離があった父子が旅を通じてお互いを理解するという、まぁハートウォーミング系の映画にありがちなお話です。

息子と父がバチバチに嫌悪し合うほどの仲ではないけど、今ひとつ踏み込めずに距離が縮まらない事に、ちょっとしたもどかしさを抱えているような感じです。

それ故、お話の序盤と終盤で父子の関係が劇的に変化する事はありません。

あんま大袈裟なシーンもなく、ジワジワと温かくなる雰囲気がいいんです。

 

感動して大泣きするような作風ではないけど、作品に自分を投影してしまうシーンが随所にあります。自分の親子体験の記憶を思い出すようなね。

息子が父を背負って川を渡るシーンとか、もう成人した息子を持つ父親が見たら泣いちゃうだろうなぁ。

 

車が通れる道路もないような山村へ郵便配達するのはいいけど、獣道よりは多少マシな程度の山道を、しかも日を跨いで往復するんだから過酷な仕事です。

歩き通しは辛いけど、山野の光景の美しさを見ながらの配達は、ちょっとしたトレッキング気分を味わえそうです。まぁ、ひと月もやってりゃ見飽きてイヤんなるだろうけど(笑)。

全てではないけど、中国映画はああいう自然の風景を美しく見せるのが魅力です。雨上がりの曇天という天気もいい雰囲気です。

 

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Blu-ray版は、予告編とフォ・ジェンチィ監督の来日インタビュー。吹替版も収録してますよ。

 

『HGFC ゴッドガンダム』のヘルプ要請です。

 

『HGFC ゴッドガンダム』の必須加工(or改修)と言えば、真っ先に

↑コレが挙げられますが、

こっち=エネルギー・マルチプライヤー・ゲートの塗り分けの方が鬼門じゃないですか?

中心のクリスタルはさておき、黄色(系)の基部とか、どうやって塗るんですかコレ?

分割するにも形状が複雑だし、塗り分け→マスキングするにも小さすぎるしで、手詰まり一歩手前です。

だからって、明鏡止水ハイパーモード=全身ゴールドには逃げたくないんだ…。

 

何らかの手段を以て塗り分けができている方々の作例を散見しますが、克明な製作過程や解説を記さないあたり、容易くできているんでしょうかね? 俺ッチは頭を抱えて、寝付きも悪いです(笑)。

ヒント求む!

『パシフィック・リム:アップライジング』を観ました。

 

“怪獣”との決着から10年。

世界は平和を取り戻したものの、PPDC=環太平洋防衛軍は怪獣の再来に備えて新イェーガーの開発、そして被災地の復興に全力を尽くしていた。

被災地に転がるイェーガーの部品を売って生計を立てるジェイクは、ジャンク品で小型イェーガーを完成させたアマーラと共に逮捕されるが、無罪になれる条件としてPPDC基地でイェーガーのパイロット候補生の教導を言い渡される。ジェイクは怪獣との決戦で活躍したペントコスト司令官の息子でもあったのだ。

着任早々、無人イェーガーの採用を巡る会議に出席する事になった、今ではPPDC上層部の一人となったマコを護衛するため、ジェイクは新たな相棒ネイトと共にシドニーに向かう。

そこに現れた謎のイェーガーが街を襲い始め、ジェイクとネイトはイェーガーに乗り込んで応戦。この混乱の中、シャオ産業の無人イェーガーが世界各地に配備される事が決定するが……といったお話。

 

前作を“怪獣もの”とするなら、今作は“巨大ヒーローもの”にシフトしたような感じ。

前作に増してヒーロー側の描写が激増した感じです。

そして、やる事がなくなってきたら(笑)ヒーロー=同族同士を戦わせるという、日本の作品によく見られる風潮をいただいてもいますね。ウルトラマンや仮面ライダー、ガンダムやエヴァンゲリオンも通って来た道ですよ(笑)。

そこから、複数のヒーローが揃い踏みして共闘するという展開が胸を熱くさせる事もわきまえているようです。

怪獣ものよりヒーローものが好きな日本人は、前作よりも今作の方が好きになれるかもしれませんね。

 

イェーガーor怪獣との戦闘が明るい時間に行われるのも良いですね。

昨今大きくなり始めている、暗い場所でのアクションは見えづらくてストレスが溜まるという声を反映しての事かどうかは分かりませんが、そういう点も含め、娯楽性としては前作を上回っているように思えます。そうではない意見が大きいですが、今作も面白いと思うんですがねぇ。

 

なるべく客観視しようとしても、そう見えないはずがねーだろってくらいに中国推しって点は、一部の人がイラッとしてそうですね。

こういう現象はnotアジア圏の人たちの目にはどう映っているんだろう?とも感じますが、あちらの人たちが日本・中国・韓国あたりの人々を見ても、せいぜい髪型でしか判別できてないんだろうなぁ(笑)。

 

クライマックスの舞台は日本ですが、前作以上に日本の文化を勉強していないのが残念です。この程度で大マジになるのはダサいし、個人的にはシリーズの恒例と思い込んで失笑するだけです(笑)。

逆に、そんなヘンテコな描写を独自に解釈する方が面白くないですか?

東京という割に漢字の看板が多いビル群は中国かよ?と思いますが、日本製品が買われる機会が激増している現代を鑑みるに、中国資本が日本の経済に及ぼす力がさらに大きくなったのであろう未来予想の表れの一つなんでしょうと。

東京から富士山までの距離も短く見えるのもツッコまれそうですね。ビルが多いだけで都心と思いがちですが、今はまだ郊外と呼ばれているような場所も徐々に土地開発が進み、本作で描かれる未来の頃には静岡県=富士山の麓のあたりまで高層ビルが建ち並んでいるんでしょう。そもそも、あんなドデカい奴らが飛んだり跳ねたりしてるんだから、富士山までなんてあっという間に近付けるでしょ(笑)。

…と、重箱の隅を突っ付いて蔑むより、まことしやかにこじつける方が想像力を養えます。娯楽は楽しんだモン勝ちなんだぜ!

 

「ギレルモ・デル・トロが監督じゃないから面白くないんだ!」という意見も散見されますが、下手すれば監督以上の権限を持つ製作=プロデューサーに名を連ねている以上、デル・トロさんに責任がない事は決してないはずです。何かしら意見は出していると思うんですよね。

前作の監督が次作では製作に回った作品で、目に見えて前作を上回る作品ってほぼ皆無だからなぁ。

まぁ、製作というポジションは謎なところがあって、実は重要職でありながら、名前を貸すだけで仕事をしていないようにしか見えない人も多々いましたからね。鳥山明さんとか。

 

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静止画でイェーガーのデザイン集とかあれば良かったなぁ。