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Joon's blog

どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『リング』を観ました。

 

そのビデオを見終えると電話が掛かってきて、一週間後に死んでしまう――テレビの番組ディレクターである玲子は、都市伝説として噂される“呪いのビデオ”に関する情報を追っていた。

そんな中、玲子の姪である智子が死んだ。智子は友人たちと一緒に例のビデオを見たらしく、その友人らも同時に死んでいた。

智子らがビデオを見ていたコテージに向かった玲子は例のビデオを発見、つい興味本位で見終えた直後に電話が鳴り…!

焦燥に駆られる玲子は、大学の教授であり元夫である竜司に連絡、ビデオに映った映像を基に解析を始める。時間に追われつつ必死で情報を調べる中、二人の子供である陽一もビデオを見てしまい……といったお話。

 

かつて日本では、洋画が幅を利かせて邦画が肩身の狭い思いをするような、洋高邦低の時代が続いていました(その中で抜きん出て頑張っていたのは角川映画だけでしょう)。

現在では洋画より邦画が盛り上がっているのは周知の事実ですが、そんな状況に好転したのは本作と『踊る大捜査線 THE MOVIE』の功績ではないでしょうか? 

大袈裟に言えば、21世紀前後に起きた日本における映画革命と言っても過言ではないと思います。作品の内容はさておき、宣伝方法が変わって来たタイミングでもあったんでしょうね。

…と認めておきながらも、そんなターニングポイントにある作品をスルーしてきたヘソ曲がりな俺ッチですが、今になってようやく鑑賞するに至った次第です(『踊る~』はこの先も見ないと思いますが)。

 

本作に関して、俺ッチはまずシナリオから入ったんですが、ご当地に根差した怨恨話はかつての横溝正史さんのミステリー(&ホラー)作品のそれらと似たようなものだし、そこにビデオという文明の利器を結び付ける→機械の力で解決(正確には回避)できるものにどんな怖さが生じるんだよと懐疑的でした。

でも、映像化する事が前提にあるシナリオだけ見知りしたところで、やっぱり映画になったものを観なければ正統な評価はできないものだなと実感しました。

もう25年も前の作品だけど、フツーに面白かったと思えたしね。

今では恐怖シーンの見せ方も進歩しているので、四半世紀も前の作品なんか見ても1ミリも怖かねーだろと思ったものですが、ちょっとナメてかかってました。随所でドキッとさせられましたよ。

 

元夫婦という男女が主役でありながら間繋ぎのごときラブシーンがないのもいいですが、人が死ぬ要素が強めな内容ながら血の一滴すら見せないのはかなりの好印象です。死因は暴力によるものではなく、あくまで精神的なショックにすぎないんですよね。相手の圧に負けて勝手に思い込んで死んでしまうというか。

『リング』はシリーズとして今でも新作が作られているようですが、この辺の約束事は守られているんですかね? わざわざ確認するつもりはないですが…。

 

まぁ、やってる事は昭和で言うところの不幸の手紙ですよね、ウン日以内に誰かに手紙を出せというアレね。今となってはバカバカしい話ですが、間に受ける人にとっては恐怖の極みだったんでしょう。

本作の玲子もそんな感じで、呪いのビデオという予備知識があったものだからド本気にしてビビりまくるけど、都市伝説ごときを一笑に付すような人は何も気にせず生きるものです。

ありきたりの作品であれば一日一回くらい電話が鳴り、噂が本当である事を思い知らせようとするものですが、本作の場合はわざわざ予告してあげるほど親切(笑)ではなく、時間が来たら即座に死なされてしまう(not殺されてしまう)のが怖いんですよね。

 

本作の事件の根幹であり、『リング』シリーズの象徴とも言えるキャラと言えば、山村貞子です。

俺ッチもそうでしたが、作品を見てもいないのに名前や上澄み程度のキャラは知っている人は少なくないと思います。

テレビ番組等では、時として笑いを誘う事もありますが、そんなパロディしか知らない状態から本作を観ても十分以上の不気味さを感じます。

あのビデオの映像だけでも、かなりの破壊力がありますしね。解像度も低いしノイズだらけですが、そんなアナログっぽさが怖さを倍増させます。

この歳になっても目をつむるとあの映像が蘇ってくるので、小学生の頃に観ていたら眠れない日々が続いていただろうな…。

 

“通勤中のスマホで見たけど怖くなかった”とか平気で言えちゃうような人間もいるようだけど、時間の節約として見たつもりが、その方が時間の無駄だって事に気付けないようなスマホバカの戯言なんか無視して、なるべく周囲の音を減らした夜に、テレビを使って“観”れば今でも十分以上に楽しめますよ。

 

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『大魔神逆襲』を観ました。

 

今日は木こりの男たちが山から帰ってくる日。子供を初めとする村人たちは歓迎の準備で大忙しだ。

しかし、帰ってきたのは傷だらけになった金太の兄ただ一人。近隣諸国の侵略を目論む荒川家の飛騨守が、金太の兄を初めとする村の木こりたちを捕らえ、硫黄が湧く地獄谷に連れ去ったというのだ。

厳しい監視を潜り抜けて彼らを救い出すには荒神が棲む山を越えるしかない――その言葉を聞いた鶴吉や金太たちは父や兄を救うため荒神の山を越える事を決意、大人たちには内緒で出発する。

鶴吉らは飛騨守の手下たちの目をかいくぐりながら峻険な山道を進む。そんな子供らの様子を、魔神の使いとされる一羽の鷹が見つめ続け……といったお話。

 

シリーズ第3作。

子供が主役と聞いてガッカリした人も少なくないんじゃないかな?

この手の特撮作品で子供キャラを登場させるのは、これを見るちびっ子と同世代の役が活躍する様を見て親近感を与える→感情移入しやすくさせるのが目的なんじゃないかと。

もしそうだとしたら、分かってないよね。

ちびっ子(だった頃の自分)が、大人顔負けの活躍をする同年代の子供を見て心が浮き立ちますか? ちびっ子が憧れるのは年上のお兄さんじゃない? 同世代のキャラとしてシンパシーを感じるのって、中高生あたりからだと思うんですよ。

そもそも『大魔神』というシリーズは子供が見る事を優先する作風ではないし、子供に見てもらいたいから子供(キャラ)を登場させるという浅い考えを持ち込んだのは、やっちまったなと。

この件とシリーズ3作目という共通点から、『マッドマックス』シリーズを連想します…。

 

昭和の頃は、特にこの手の作品に登場する子役と言えば、あまりの大根っぷりに目を覆うのがほとんどですが、本作に登場(出演)する子供たちは芸達者な方ではないでしょうか?

特に主人公である鶴吉を演じた二宮秀樹さんは可愛くもあり逞しくもあり、もはや純真無垢の権化にしか見えませんよ(笑)。

他の3人もけっこう頑張っていて、父親目線で応援したくなるくらいにはいい芝居を見せてくれます。

かなりハードな山道を歩かされたり、地味に危険な環境で撮影しているんですよね。昭和のガキのタフさを見習おうぜ!

 

…と、これにて大魔神シリーズは完結(というより終了)。

ここで驚くべきは、シリーズ3作が全て1966年=たった1年以内に公開されている点です。

ヒットしたのが分かったら即座に次作を考えた上で実行に移し、公開にまで漕ぎ着けるんだから仕事が早いというか貪欲さが違いますよね。続編は決まったものの公開まで何年も待たされる昨今の風潮とはえらい違いだよ。

見た目=画面に限った話で言えば、セットは大きく&ミニチュアは細かく作られているし、突貫撮影の割にはその辺の手抜きや妥協が少ない点には拍手です。

 

ところで約30年前、『大魔神』復活プロジェクトとしてストーリーを一般公募するという告知がありました。

当時は1ミリも興味なかったので完全スルーでしたが、今なら応募してみたいなぁ。

タイトルは『大魔神対決』。

西洋のとある国が日本との親睦を深めるために贈呈した神像。それは、これまでに幾多の厄災を起こしてきた邪神像であり、祟りを恐れて壊す事もできず、日本に持ち込んだのも厄介払いを兼ねてのものだった。

その正体を見抜いた者たちの手により神像は邪神となって動き出し、破壊の限りを尽くす。そんな邪神の暴虐を憂い嘆く少女の願いにより魔神も復活、今ここに魔神と邪神の闘いが始まる……といった思い付きですが、どうだい、『大魔神カノン』よりは熱くなれそうだろう(笑)?

もしくは現代を舞台に、ビル街のど真ん中に大魔神が現れるなんてのはどうでしょう? 神が相手ではもちろん近代兵器も全く役に立たないだけでなく、神通力によって返り討ちに遭うとか面白そうじゃないですか? 

俺ッチは全面的に協力しますので、大映映画さん、いつでも連絡下さい!←永遠に来ね~…

 

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Blu-ray版の映像特典は前作に続き、撮影を担当した森田富士郎さんへのインタビューや予告編です。

あまり興が乗らない内容ですが、本作のスタッフ&キャストを見ても、呼んで来れなさそうな人ばかりだからな…。

『大魔神怒る』を観ました。

 

千草家と、その分家である名越家は八雲の湖を挟む領地を抱え、領民たちも平和に暮らしていた。

山々に囲まれる領地を持つ御子柴[ミコシバ]家は湖から流れ来る水の恩恵で豊かに暮らす両家を疎み、御子柴弾正[ミコシバ・ダンジョウ]は千草家と名越家を襲う。

名越の娘である小百合はかろうじて逃げ延び、弾正に捕らえられた兄の勝茂、行方をくらました許嫁である千草の十郎の身を案じ、湖に浮かぶ神の島にある武神像に祈りを捧げる。

そんな折、弾正の配下である玄蕃は千草を探し当て、武神像を破壊してしまう。

勝茂や十郎は無事だったものの、弾正に捕らえられた小百合は火炙りに遭う。武神像はもうないが、自分の命を捧げてまでも平和を願う小百合の涙が頬を流れた時……といったお話。

 

『大魔神』の続編、シリーズ第2作です。

圧政を強いる為政者と苦しむ民、この関係を打破するお話は得てして痛快劇になり得る事が多く、我々のような小市民は現実がダブるせいかカタルシスを感じるもので、そこが受けたんでしょうね。

為政者を懲らすのが小市民(の代表者)ではなく、神というのも公平性を感じます。

 

便宜的に“続編”という言葉を使いましたが、続編にあって続編にあらずな内容です。

というのも、前作とリンクする点が大魔神のキャラ以外に何もないんですよ。シリーズを通して脚本は吉田哲郎さんという方ですが、こうまで他の作品と切り離してしまうの?と。

前作では“阿羅羯磨[アラカツマ]の魔神”と呼ばれていましたが、本作ではただ“神様”と呼ばれるだけで“魔神様”というワードすら出てきませんしね。

そこで思ったのは、『大魔神』シリーズとは日本各地に伝わる民話なのだろうと。だから各作との繋がりがなくても話が通じるんですよ。

怒りが収まった魔神は土や水や雪に姿を変え、その地を去ります。そして魔神の魂(?)は他の地にある武神像に宿る……とでも考えれば腑に落ちるかな?

 

そんな魔神様、今作では湖にある孤島の洞穴内に祀られています。

今作では水の神といったイメージのある魔神が怒り、湖を真っ二つに割り大地を轟かせながら歩を進めるシーンはインパクト大です(変なパースで水を差すのは古い作品ゆえのご愛敬という事で…)。

これに始まり、相も変らぬ怪力っぷりを発揮するだけでなく、神通力のような現象すら起こし、立ち向かってくる悪の軍勢を薙ぎ倒します。

んなアホなとも思うでしょうが仕方ないんですよ、だって神なんだもん

人間程度の力で敵う相手ではない、それほどまでに神とは畏怖すべき存在なのです。

 

これはシリーズ前作を通して言える事ですが、セットやミニチュアが実に精巧、かつ大きく作られているおかげで、否応なしに迫力を感じます。日本の、いわゆる特撮作品はこの辺がチャチぃという先入観をいちいち壊してくれますよ(そういう印象を植え付けたのは時間に追われながら製作されるテレビシリーズの特撮作品なんだろうな)。

中でも武神像が祀られている洞穴のセットとか、そんなにデカいの?と驚きすら感じます。

魔神が悪党を追い詰めるシーンはミニチュアとしてセットが作られていますが、魔神の大きさ(4~5メートル)にスケールを合わせているため、相変わらず細やかに作られているのが分かります。吹き飛ぶ屋根の瓦の多さと言ったら!

 

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Blu-ray版に収録されている、撮影を担当した森田富士郎さんのインタビューは俺ッチの買った海外版と同じ内容なのかな? だとすれば、作品に関する話題も少なく、技術的な話ばかりなので興味が湧くような内容ではありませんでした。

にしても、70年代辺りまでの予告編は心を浮き立たせるものがあるよね。

また『恐怖の報酬』を観ました。

 

前回の鑑賞記はコチラ

――ここで、ど~でもいい告知。

映画の鑑賞記が主な当ブログでは、未見の人に向けて、初見のインパクトを損なわない程度に紹介しているつもりですが、記事タイトルに“~その2~”とある2回目以降の鑑賞記は、既に観た事のある有志を相手に1から10までを遠慮なく語るようにする予定です。

…って、誰も気にしちゃいねーよ、へっ。

 

今や生涯レベルで好きな作品となったリメイク版=77年版『恐怖の報酬』。

だからって、今なおオリジナル版たる本作が燦然と輝くままでもなければ、霞んでしまう事もありません。

オリジナル版とリメイク版、どちらもそれぞれに長所&短所があるものですから。

比較はしてしまうにしても、どっちも面白いと感じるのであれば、わざわざ優劣を付けるのは無粋だという事です。

 

これまではジョーのヘタレっぷりを嘲笑の対象としていましたが、観返してみると同情すべきキャラに思えてくるようになりました。

過剰にビビりながら運転した挙げ句、恐怖に耐えきれず逃げ出しちゃうあたり、前半の伊達男っぷりはどこへやら、マリオに見下されるようになりながらも、そこから一念発起する事もなく、せいぜい多少は前向きになる程度で1ミリも勇気を出す事がないのがリアルなんですよ。

年を取れば誰だってこうなるんだ」なんて泣き言の通り、人間、中年にもなれば性格なんてなかなか変えられないし、守りに入ってしまうものですからね。

 

女っ気がゼロではないけど、限りなくゼロに近いと感じるほどの男臭い作品です。

特にマリオは、甘いロマンスなんかクソ食らえ、寄ってくる女なんざ煙ったいだけだぜ!とでも言わんばかり。女とイチャつくより男同士で楽しもうとするイキがり方は、不良の先輩に付いて行く硬派を気取った中学生のようで可愛いじゃありませんか(笑)。

ニトロ運搬の道中、走路を妨害する障害物をどうにか排除した後で“祝いの噴水”をするあたりも、男同士の気安さがあればこそのいい雰囲気です。息詰まるシーンが続く中、ちょっとした息抜きとして緊張感が和らぎます。

 

道の脇に走っているパイプラインが破裂し、止め処なく溢れる石油が水たまり(どころか池)となってしまったところを通過するシーンも見どころ。

ななんと、このシーンには本物の石油を使ったそうで、あのトロみがリアルに見えるのも納得です。

そんな石油の池の中に頭のてっぺんまで潜って、誰かも判別不能なまでに真っ黒になるマリオとジョーの姿は凄絶。

演じるイヴ・モンタンさんとシャルル・ヴァネルさんは、ガスの臭気にやられた挙げ句に結膜炎にもなってしまったってんだからお気の毒様です。

お二人にとっては、これこそが真の“恐怖の報酬”ですね。

 

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『復活の日』を観ました。

 

1981年、ウイルス作成のための遺伝子工作が世界的に禁止される。

1982年、東ドイツの陸軍研究所から、蔓延性や致死性が高く抗体も存在しないウイルス=MM-88が盗み出され、事故により大気中に散布されてしまう。

そして1983年、MM-88により人類は絶滅した。南極基地にいた世界各国の越冬隊863人を残して…。

彼らは団結し南極連邦政府を発足、地球に残った最後の人類として生き延びる策を練る。

そんな中、地質学者の吉住はアメリカ東海岸で大きな地震が起きる事を予知する。アメリカには本土が攻撃された際にミサイルで反撃する自動報復装置=ARSがあり、大地震を敵の攻撃と誤認しミサイルを発射する可能性があるという。ARSの目標はソ連に向けられていて、そのソ連にも同じようにARSが存在し、アメリカ各地に照準が向けられている。標的の中には、アメリカ越冬隊の南極基地も含まれていて……といったお話。

 

周知の通り、近年の新型コロナウイルス=covid19の猛威はほぼ全ての人類に緊張感を与えました。

そんな現実を“体感”してしまえば、本作が所詮は映画というフィクションだと一笑に付す事に躊躇いを感じますよね。

つまり本作は、今を生きている全ての人類に刺さる作品だと思います。

映画としてもスケールがデカく、邦画では数少ない、世界規模のスペクタクル巨編と呼んでも過言ではないでしょう。

最近ではドラマに関して頭一つ二つ分くらい抜きん出ている(らしい)TBSが、このコロナ禍が過去の出来事とハッキリ言えるようになった時期にでも日曜劇場ででもやりそうな素材です。

そんな時が来るのはいつになるのやら…。

 

ウイルスの恐怖を描いた作品は多々ありますが、特に近年のそれらはゾンビごっこをやらせるための理由付けです。ナントカの一つ覚えというかね。

本作の場合はまるでcovid19が蔓延する様=パンデミックの行く末を大袈裟に描いているようで現実味すら感じます。本作が公開された1980年当時には、まさか40年後に世界を巻き込んで、映画というフィクションをノンフィクションとして体感するなんて思わなかったでしょうが…。

感染者が爆発的に増え、ひっきりなしに押し寄せる患者の対応に追われる病院の職員が総じてグッタリしてしまうシーンは生々しいですね。激務のストレスで流産とか、実際にもあったんだろうなぁ。

一番ショッキングだったのは死んだ感染者の処分で、あんなシーンを邦画で見るとは思いませんでした。戦争映画でもあんな胸クソ悪い画はないでしょ…。

 

「40年後の未来を予見している!」とかダッセー事は言わないにしろ、想像し得る近未来を描いた作品です。原作は小松左京さんという共通点から『日本沈没』共々、ない事はない恐怖の未来を描いたシミュレーション系パニック作品とも呼べますね。

ドラマですから、それなりにご都合的なところはあるものの、なかなか事が上手く運ばないというか、努力が実らないドライな作風は虚無感たっぷり。

それでもなお、どんどん&まだまだ人口が少なくなる展開に慄然…!

 

地球に残った人類は855人の男と8人の女。

現実的に考えると約100:1という男女比率は大問題で、確実に性犯罪が起きる数字です(笑)。

そこで秀逸なのは、取り決めとしてセックスに関する秩序を作ろうとする点。子孫を作れる女性は人類の資産である事を踏まえ、一方的な本能を満たす犯罪が起きないよう赤裸々に討論をする(もちろん男女が同席の上で)のが真摯です。ただ女性が上位に立つのが目的ではなく、人類の一部として女性が女性にしかできない役割を果たすために妥協をする、子供を作らざるを得ない状況を受諾するのも立派です。

ハッキリ言うまでもなく、現代にフェミニストを気取る連中よりも遥かに志が高いですよ。

 

 南極という極寒の地で働いているに過ぎなかった各国の越冬隊が、まさか自分らが地球に存在する最後の人類になるとは夢にも思わなかったでしょう。

そんな彼らは南極連邦政府という国家を興します。ある意味、世界の国々が一つになった喜ばしい瞬間です。

とは言え、本来なら有事に備えて世界が一つになるのが理想ですが、有事が起きなければ世界は一つになれないというのは悲しい皮肉ですよね。

余談ながら、この辺は手塚治虫さんの『来るべき世界』が先駆けています。

 

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Blu-ray版の映像特典は予告編のみです。

 

この歳になって70~80年代の角川映画を観るようになりましたが、実に新鮮に映ります。日本にもこんな映画があったんだ!という、実に有意義な発見です。

今、振り返ってみると、80年代の角川映画以外の邦画って何がある?と聞かれて、どんなタイトルを挙げられるでしょうか? 挙げたとして、どれほどの知名度があるでしょうか?

もちろん、中には褒められたものではない作品もあるんでしょうが、それでも当時の邦画を支えたのは角川映画のような気がします。もっと観てみたいなぁ。

『頭文字D THE MOVIE』を観ました。

 

走り屋たちが峠道を攻める秋名山では、最速のツートップである涼介と毅が決着を付ける日が近付いていた。

そんな中、毅が駆るGT-Rの後ろから近付く1台の車。毅に比肩するほどのドライビングテクニックを持ち、悠々と追い抜いて行ったその車=ハチロクには豆腐屋の文字が…。

その頃、ガソリンスタンドでアルバイトをする拓海は、同級生のなつきとドライブデートのため、豆腐店を営む家の配達用の車を借りようとするが、父である文太より秋名山でGT-Rと勝負しろという条件を出される。

渋々ながら秋名山に向かう拓海。先の、毅を追い抜いたハチロクは拓海が運転していたのだ。

日々、豆腐の配達で秋名山を走り込んでいる拓海のテクニックは毅を圧倒し、涼介にも勝負を挑まれる。

次々と走り屋たちを負かしていく拓海だったが、なつきの妙な噂を聞いてしまい……といったお話。

 

…と、本作の話を持ち出されて、そーいや実写版があったなと、ようやく思い出した人も少なくないんじゃないかな? 思い出せないという事は、取るに足らない存在である反面、そこまで悪くはない評価の表れでもあると思いたいけど…。

 

俺ッチの『頭文字D』に関する知識はアニメ版の『~3rd stage』までですが、本作のように1本の映画としてまとめるには設定の小さな変更や拡大解釈が生じるのは仕方ないでしょう。

漫画&アニメバカは実写版のこういう点を攻撃するのが大好きですが(笑)、ゆとりのある人は原作を極限までスリムにするとどうなるのかを気にしながら観るのも一興かと。つまり、登場キャラやエピソードのオミットですね。

各チームに名前のあるキャラは一人いればいいし、樹[イツキ]と店長が親子関係にあってもそこまで原作が破綻する事はありません。

中でも秀逸なのは、涼介✕京一戦と拓海✕京一戦を一括りにして3人同時で勝負するアイデアは脱帽です。派手なクライマックスを予感できる熱い展開です。

漫画がアニメ化される際は原作の再現にスゲー必死な空気がありますが、実写化の場合は媒体の違いからそれは無理です。

であれば、二次創作だと思い込めばいいんですよ。主観たっぷりの妄想をブチまける同人誌よりもよっぽど健全だと思うんだけどなぁ。

 

さすがは実写版、本物というだけで迫力の度合いが変わってきます。

少なからずCGに頼っているところはありますが、まだ映像技術が伴っていない時代の作品であるおかげで、CGである箇所はあからさまに分かりますから、それ以外は本物であると考えれば説得力も強まります。

秋名山の峠道や藤原豆腐店の店構えとかもスゲー似てますよね。よくもここまでマッチした場所を探してきたものだなぁと感心しますよ。

オリジナルに似てる箇所を見つけるのも、実写版の楽しみの一つです。

 

特に邦画でやりがちな、実写版だからって髪型とか目の色とか衣装とか、人間キャラを絵に似せるような寒い作業をしていないのも安心して観れるポイントです。

中でも、涼介を演じたエディソン・チャンさんは実にいい。本作の中でベストマッチなキャスティングです。

アニメでは愛嬌がありながらもウザキャラに分類される(笑)樹ですが、実写版では愛嬌が薄れてマジウザなキャラになってます。ウザキャラというよりギャグキャラかな? 秋名スピードスターズの代表として勝負しようと持ち出した車には爆笑です。

 

『頭文字D』と言えば車同士のバトルが見どころですが、パワーや年式で遥かに勝っている相手を古っり〜車で負かしてしまう痛快さが魅力です。

本作なりの自動車理論に基づいた上で、オリジナル版と同じ解釈で勝敗が決まるあたりは、原作(やアニメ版)を観ていた人はニヤリとする所でしょうね。そこを現実と同じ理論にしちゃうと興ざめするし。

原作にはあるのかな、ライバルたちが溝落としを練習していたのを表したカットが個人的には好きでした。

 

それまではノホホンと、無自覚のうちに速い事が当たり前となっていた拓海が、自分が速い事を自覚する事で、勝負に貪欲になってくるという、いわば成長劇としてのストーリーもキチンと描かれています。走り屋としての技術だけではなく、人間としての成長も含めてね。

車でのバトルとなつきとの恋、共に勝利を得る事がないというドライさが白眉です。

 

中学生くらいの頃、居住空間として車に憧れていました。つっても、キャンピングカーよろしく車内で生活できるくらいの規模ではなく、自分一人だけになれる上に移動もできる自分の部屋という解釈で。

ほぼラストシーンに近い、勝負後の用事を済ませた後、人目をはばかる事なく感情を露わにする拓海を見て、そんな若かりし頃を思い出しました。そして、ちょっとウルッ。アニメ版の池谷先輩の恋の顛末も同様にね。

近年、車を持たない若い人が増えているようですが、そんな使い方、誰にも侵害されない自分の部屋を一つ増やすという意味でも、せめて1度は車を持ってみるのもいいと思います。

色々と金食い虫な点がイヤなんだけどね~…。

 

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Blu-ray版は事実上の廃盤なんでしょうかね。

エイベックスは音楽とアニメにしか興味がなさそうなメーカーなので、本作の再販や廉価版とかもうないだろうなぁ。

 

『量産型リコ もう一人のプラモ女子の人生組み立て記』を観終えました。

 

大学時代の仲間と共にアプリ開発企業ドリームクレイジーを起業した璃子は、スタートアップ企業を支援するドッグランの下で、投資を得られるようライバル企業と共に奮闘する毎日を送っている。

そんなライバル企業の一つ、Perfect Beansの社長である中野に言われた“量産型”という言葉が引っ掛かった璃子は、発想を変えるため普段とは違うルートで帰宅する途中で矢島模型店を発見。

何気ない気分で入店し、店員のアドバイスのままにプラモを作り始める璃子。そしてそれを完成させた時から、璃子の中で何かが変わり始め……といったお話。

 

ドラマ的にはやってる事は同じゆえ、プラモ作りに関しては前作の感想とほぼ変わらないので割愛。

「まさかのマクロス?」とか「もうエアリアルとか早すぎない?」なんて会話で盛り上がりたい人は、これ以上読んでも身のある文章は出てきませんので…。

 

副題は違えど、前作『量産型リコ』に続く『量産型リコ』です。

時系列的な続編ではなく、キャストや役名、それどころかキャラの人格すら前作をそのまま踏襲した、リメイクでもリブートでもない“量産型リコプロジェクト第2弾”、とでも言えばいいかな?

やっさん役の田中要次さん曰く、気に入ったプラモをもう1体作るようなものと考えるのが相応しいと言及していますが、まさしく言い得て妙!ですね。もはや、やっさん本人の言葉じゃないか!

 

ほとんどのキャストが続投し再び前作のキャラを演じますが、全員がそのまま続投というわけには行かず、続編(と便宜的に呼びますが)となれば何かしら新しい要素が必要なもので、少なからずキャラの入れ替えが起きています。

新顔としてやってきたのは矢柴俊博さんと市川由衣さん(おおっ…)という何とも絶妙なキャストで、2秒でウェルカムですよ。

その逆にレギュラーから外れてしまった方々もチラホラいて、確実にイケメン枠(それでいて小ボケもできる)の中島歩さんは出て欲しかったんだよなー。

一番残念なのは、やっさんの相棒(?)こと、石川恵里加さん演じるちえみちゃんが(あまり)出ない事っす!

 

お話の方はと言えば、基本的にやってる事は前作と同じです。実写ドラマなんか1ミリの興味もないガンプラバカは後半しか見ないから気にしないだろうけど(笑)。

それでも今作の前半=お仕事パートはイマイチ緊迫感が伝わってこないというか、世の中にはそんな業界もあるんでしょうが、エンターテインメント=万人に分かりやすくするにはまだ早い世界に思えるんですよ。

ドッグランというのは大学のサークル活動か何かなの?というところから始まり、経費だの給料だのはどこから捻出されているんだろうとか、どうでもいい謎が多いんですよ。ユニコーン企業とか言われてもピンと来ないし、「ユニコーン!」なんてのも旬が過ぎた芸人の一発芸くらいにしか思っていません(笑)。

仕事上で苦境に立たされているのは分かるけど、前作ほど親身になれないというか、感情移入しにくいんですよ。この辺、新興アプリ屋さんなら親近感が湧くのかな?

 

そんなドリームクレイジーの社長が、今作における璃子の立場。

演者のみならずキャラも前作を継承しているのも本作の特徴ですが、あんな感じの璃子が社長という時点で違和感たっぷりです。放送前、本作のあらすじを読んで「リコが社長…?」と思った人もいるんじゃないかなぁ。

「ファイヤーです、ファイヤーです!」とか詰め寄るところとか、こんな知恵遅れみたいな子が社長?とか思ったくらい(笑)。

そんな仕事も、実は心ここにあらずな状態でやってたというのも何だかなぁって感じ。ラストの新事業も色んな意味で無理を感じます。

 

璃子らが開発しようとしているノコルナ(それっぽい名前!)とは、スーパーの惣菜コーナーの値引き=閉店時間が近付くと貼られる割引シールの情報をリアルタイムで知らせるというアプリ。

いわゆるフードロス、昨今流行りの時事問題を扱う事で世の中に媚び、多方面からの助力を得られるという作戦なんでしょうかね。

そんなノコルナというアプリ、もし現実にあったとしたら1ミリも使えないよね。

周知の通り、スーパーの総菜コーナーは閉店時間が近付くと、どうにか売り切るために割引シールが貼られますが、店員さんがシールを貼ろうとしている脇で、割引商品狙いの客が今か今かと待ち構えている光景をよく見ます。アプリの情報を見てから買いに行くようでは遅すぎるんですよ。

これを真に受けて「そのアイデアいただき!」と思っているアプリ屋さんがいるとしたら、夕方のスーパーに行ってみるといいですよ。

 

巷では、さっそく続編を希望する声も上がっているようですが、個人的にはこの辺で幕引きでいいと感じます。

プラモもバンダイ製ばっかだし、ロボットはもういいよと。

とは言え、短時間でひとまずの完成形を見れるプラモと言えばバンダイ製が圧倒的に多いし、人間型であればポーズを取らせる事で何かしらのメッセージを込められるから、ドラマの小道具としては十分以上に役立つんだろうけどね。

プラモだけでなくLINKL PLANETも売りたい欲があるなら(笑)、第3弾もあり得るかな?

 

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ところで、与田ちゃんに関して、番組終了後にネット配信やってます的な告知をする際、前作ではカメラ目線を逸らさずに告知文を言い切った事にスゲー感心したものですが、今作はカンペ目線を送る度が過ぎています(笑)。

モチベーションが低い表れにも思えて、ちょっとガッカリしたかな。

 

 

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観終えた、『量産型リコ』

観終えた、『量産型リコ('23)』

観終えた、『量産型リコ('24)』

『ストリート・オブ・ファイヤー』を観ました。

 

ロックの女王エレンのライブに熱狂する街の人々。そのさ中、我が物顔で街を蹂躙するボンバーズがエレンをさらって行く。ボンバーズの勢力には警察でも歯が立たない。

観客の一人だったリバは弟のトムに、昔の恋人だったエレンを救って欲しいと頼むが、トムはエレンが音楽の道に進む事で別れざるを得なくなってしまった過去を今でも苦々しく思っていた。

トムは報酬1万ドルを目当てに、今はエレンと付き合っているマネージャーのビリー、陸軍上がりの男勝りなマッコイと共にボンバーズのアジトに向かう……といったお話。

 

公開当時は日本で、特に若い人にずいぶん人気があったようです。

どれほどの人気だったのかと言えば、映画史の大御所『キネマ旬報』における1984年度の読者アンケートで堂々の1位を獲ったんだとか。

若い人向けな『スクリーン』や『ロードショー』あたりならまだしも、あんなお堅い『キネ旬』で1位を獲れるほどの内容か~?とも思いますが(笑)、当時の熱狂ぶりはそれほどのものだったんでしょう。ブームというやつは後年になってようやく冷静に、客観視できるものですから…。

 

数年ぶりに帰ってきた男が街を救うため、ならず者たちを懲らしめて再び街を去って行くという明快なストーリーは、西部劇のようなテイストがありますね。

さらにノリのいい音楽も加わり、あまり小難しく考えずに楽しむのがベストな鑑賞法です。94分という尺もいい。

付き合いが長くなりそうな作品に巡り合った気がします。

 

かつての恋人エレンを救出するが、その理由はあくまで金のためと言い張るトム。未練はたっぷりあるものの、心にもない事を言ってエレンを突き放すトムですが、この青臭さが可愛いじゃありませんか(笑)。

愛した女のために身を引こうとする男のやせ我慢、それはトムだけでなく、心底ではトムに負けている自覚があるビリーも同様なんですよね。

前向きな終わり方をするものの、どこか哀しさを感じさせる作品なのです。

 

出演者に関しては、主役のマイケル・パレさんとダイアン・レインさんを言及すべきところなんでしょうが、両者の作品は見ていないに等しいのでスルー。

って事で、レイヴンを演じたウィレム・デフォーさんの若々しい姿に注目したい!んですが……この頃の悪役のルックスだったとしても、ちょっとキツいです(笑)。

リーゼントは良しとしても裸にオーバーオールという、ちょっとホモっぽいルックスは笑っちゃう寸前です。別名、本人が封印したがるやつじゃないかな…(そのせいなのか、ドキュメンタリーにも登場していなかった…)。

 

男勝りな女キャラのマッコイがいいですね。

元々マッコイは男キャラでしたが、エイミー・マディガンさんの提案により女キャラに変更され、これを演じたんだとか。

これはナイス判断! 確かに、あれが男だったとしたら平凡なキャラで終わっていたでしょうね。

男女でありながらバディのような関係が面白いんですよ。

 

個人的に一番熱いのはラストでのライブでエレンが歌う『Tonight Is What It Means To Be Young』→『今夜は青春』(なんつー邦題…)。

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コレですね。

コレもいいんですが………バカヤロー何言ってんだ、『今夜はANGEL』だろ!

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日本語カバーではあるけど、個人的にはこっちの方に思い入れがあるのでね。

 

…と、『ヤヌスの鏡』の主題歌を持ち出しましたが、そんな先入観もあってか、本作はどことな~く大映ドラマのようなテイストを感じるんですよ。

不良グループに立ち向かう主人公とライバル同士の張り合い、本当は好き合っているのに素直になれない男女、役に立たない警察、嫌味だったり協力的だったりする仲間あたりの要素は、割と上手い具合に大映ドラマ変換ができそうじゃないですか?

さらにキャストも変換(もちろん80年代当時)するなら、

 ・コーディ → 石橋保さん

 ・エレン → 伊藤かずえさん

 ・ビリー → 宮川一朗太さん

 ・マッコイ → 相楽ハル子さん(◎)

 ・レイヴン → 松村雄基さん

 ・リバ → 岡田奈々さん(◎)

コーディとエレンはビミョーだけど、特に“◎”に関してはかなり自信ありますよ(笑)。

 

話はスゲー変わるけど、、カプコンの『ファイナルファイト』って、確実に本作の影響下にあるよね。

ウン10年も洋画を観てきたけど、“コーディ”という名前は本作以外に見た覚えがないし(ルックスもどことなく似せてる)。

あの頃のゲームって、開発者が自分らの好きなものを投影する無節操な時代だったよな。オマージュとかパロディよりも遥かに低次元な、“パクリ”という言葉こそが相応しいというか。

 

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Blu-ray版は映像特典満載です。195分もあるんだよ?

 

ちなみに、今回は吹替版で鑑賞しました。

トム=マイケル・パレさんを担当するのは池田秀一さん。池田さんと言えば赤にこだわる軍人の役が知れ渡っていますが、アニメにおける池田さんの芝居って大同小異というか、正直、あまり変わり映えしない印象があります。

そんな先入観を持ちながら本作を観ると、同じ吹替でありながらアニメと洋画の芝居って違うんだなぁと実感します。シャアの印象なんか絶無ですよ。

『DIY!―どぅー・いっと・ゆあせるふ―』を観終えました。

 

せるふは、幼馴染みであるぷりんとの関係がギクシャクし始めた事に心を痛めながらも、今日ものんびりと学校に通う日々を過ごしていた。

ある日、ふとしたきっかけで知り合った矢差暮[ヤサク]と知り合ったせるふ。矢差暮は廃部の危機にあるDIY部のたった一人の部員、かつ部長であった。

矢差暮に誘われ、DIYにも興味を持ったせるふはDIY部に入部。楽しそうにモノ作りに挑むせるふたちの姿を見て、部員の数も少しづつ増えて行く。

そんなDIY部の活動を傍目に見ながら、ぷりんは不器用ながらも一生懸命に打ち込むせるふが気になり……といったお話。

 

昨今の漫画やアニメは、異世界に飛ばされて活躍する話や、ごくごく狭い界隈で盛り上がるマニアックな趣味を題材にする作品が増えているようです。

特に後者の多くは女子(高校生)が主役で、ピチピチの若い女子にオジサン趣味を嗜ませようってんだから、まぁ発想が暗いよね。

広い世の中を探せばゼロではないけど、基本的には、そんな趣味に興味を持つ女子なんていねぇよと(笑)。

 

本作もそれ系の作品で、個人的には嫌いな部類に入りますが、ひなのが主役なら見る、それだけです(笑)。

きっかけはその程度ですが、それなりに楽しめて観終えました。

工作はもちろん、資材も調達も含めて、あくまで自分らの力で作る事に拘っているのが良かったです。

工作技術を見せるシーンやウンチクがチト少なめに感じたのは意外だったかな? こういう系の作品は作者の教えたがり欲を満たすハウツー要素も含んでいそうですからね。

まったくサマになっとらん!というツッコミもあるでしょうが、こんなファンタジーに大マジになるのはダサいので止めておきましょう。ヤフコメに湧いていそうな(笑)。

 

後半ではDIY部でツリーハウスを作るという大目標が掲げられ、そこに向かってお話は進行します。

全8話中、7話になっても現場で着工するシーンがなく、ツリーハウスを作るという夢に向かって頑張るぞ!的な打ち切りエンドが頭をよぎったものの(笑)、キチンと目標が達成できたのは拍手ですね。

このツリーハウス、まぁまぁ広さもあり、ちょっとした談話室くらいには優に使える本格的なもの。たった8話しかない低予算ドラマとタカを括っていましたが、これは意外でした。

セットではあるんだろうけど、撮影終了に伴い、壊しちゃうとしたら勿体ないなぁ。

やっぱり実物の持つ力には迫力というか、説得力があります。

漫画やアニメで表現しようとしているものを本物として実現できる、これこそが実写版の醍醐味なんだぜ!とアニメバカたちに力説したところで釈迦に説法なんだけど。

 

実物と言えば、舞台になった新潟県の三条市の風景も作品にいい雰囲気を与えています。特定の地名を出すあたりも、昨今の漫画&アニメの嫌らしいブームですね。

自然が溢れてはいるけど、それなりに近代化も進んでいて、人が住む分にはちょうどいい環境に思えます。

明日の心配をしなくていいのなら、ああいう所に住んでみたいですよ。まぁ、3ヶ月も住めば物足りなくなって飽きるんですが…(笑)。

 

↑の公式サイト等を見る限り、出演者の紹介はDIY部の部員に留まっていますが、個人的には三津谷葉子さんにも注目です。歳を取って、若い頃とはまた違うベクトルのキレイさを纏った感じ。DIY部員=若い子たちを見守るだけの添え物ではなく、終盤には割と出番が多かったのも良かったですね。

あと、これは俺ッチだけに見える幻覚なんですが……ぷりんを演じた野口衣織さん、カットによっては櫻坂46の増本綺良さんに似てるように見えませんか? 見えませんね…。

 

せっかくの実写でありながら、漫画版やアニメ版にすり寄るかのような演出は嫌いです。一気にわざとらしく見えちゃうんだよ。

そう指導したんだろうなと想像できるけど、せるふが随所で見せるホワ~ンとした表情とか、いかにもアニメ&漫画の雰囲気を狙ったんだろうね。

にしても、漫画&アニメで素直になれない系のキャラと言えば、「…べ、別に好きとかじゃないんだからねっ!」的なセリフですが……こういうの、いつになったら飽きるんだろう?

 

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にしても……Blu-rayに関して、実写版とアニメ版との価格差が強烈すぎです。

それぞれ定価ですが、

 ・実写版:全8話→17600円

 ・アニメ版:全12話→13200X4=52800円

ふふふ震える~…。

特典を付属させた上での話とは言え、ごまんにせんはっぴゃくって…! 配信に負けてソフトが売れないとされる時代ですが、こんな値段設定をしておいてどう言い返せるんだよと。

そんなアニメ版は論じるまでもないけど、実写版もたった8話しかないなら、せめて1万ちょいくらいが妥当だと思うんですが。

地道に作ってる『HGFC ゴッドガンダム』。

現時点では仮組みという名のパチ組みなので、途中経過はコピペに等しいので割愛。

今回は、困ってるというより恨み言です(笑)。

 

このキットにはビームソードが付属していて、ビームサーベル系の汎用ランナーであるSB5ランナーが使われています。やや平刃っぽくなってるやつね。

 

で、これの先端がさー…。

所詮ガンプラだから先端が尖ってないのは想定内だけど、SB5ランナーのそれらは先端がストンと落とされたような形状になってるんですよ。何だコレ。

その他の物は尖がってまではいないものの、Rにはなってる。

どっちもゴムだし、ヤスッて現状より少しは尖らせる=Rを小さくしたいけど、ふた苦労しそうな予感。予感どころか確定。

 

ガンプラなんてオモチャと紙一重と言われるけど、手を加える事でオモチャからの脱却はできるんだよね。

でも、こういうのを見ると、スタート地点はやっぱりオモチャなんだよな…。