『量産型リコ もう一人のプラモ女子の人生組み立て記』を観終えました。
大学時代の仲間と共にアプリ開発企業ドリームクレイジーを起業した璃子は、スタートアップ企業を支援するドッグランの下で、投資を得られるようライバル企業と共に奮闘する毎日を送っている。
そんなライバル企業の一つ、Perfect Beansの社長である中野に言われた“量産型”という言葉が引っ掛かった璃子は、発想を変えるため普段とは違うルートで帰宅する途中で矢島模型店を発見。
何気ない気分で入店し、店員のアドバイスのままにプラモを作り始める璃子。そしてそれを完成させた時から、璃子の中で何かが変わり始め……といったお話。
ドラマ的にはやってる事は同じゆえ、プラモ作りに関しては前作の感想とほぼ変わらないので割愛。
「まさかのマクロス?」とか「もうエアリアルとか早すぎない?」なんて会話で盛り上がりたい人は、これ以上読んでも身のある文章は出てきませんので…。
副題は違えど、前作『量産型リコ』に続く『量産型リコ』です。
時系列的な続編ではなく、キャストや役名、それどころかキャラの人格すら前作をそのまま踏襲した、リメイクでもリブートでもない“量産型リコプロジェクト第2弾”、とでも言えばいいかな?
やっさん役の田中要次さん曰く、気に入ったプラモをもう1体作るようなものと考えるのが相応しいと言及していますが、まさしく言い得て妙!ですね。もはや、やっさん本人の言葉じゃないか!
ほとんどのキャストが続投し再び前作のキャラを演じますが、全員がそのまま続投というわけには行かず、続編(と便宜的に呼びますが)となれば何かしら新しい要素が必要なもので、少なからずキャラの入れ替えが起きています。
新顔としてやってきたのは矢柴俊博さんと市川由衣さん(おおっ…)という何とも絶妙なキャストで、2秒でウェルカムですよ。
その逆にレギュラーから外れてしまった方々もチラホラいて、確実にイケメン枠(それでいて小ボケもできる)の中島歩さんは出て欲しかったんだよなー。
一番残念なのは、やっさんの相棒(?)こと、石川恵里加さん演じるちえみちゃんが(あまり)出ない事っす!
お話の方はと言えば、基本的にやってる事は前作と同じです。実写ドラマなんか1ミリの興味もないアニメ(兼ガンプラ)バカは後半しか見ないっていうね(笑)。
それでも今作の前半=お仕事パートはイマイチ緊迫感が伝わってこないというか、世の中にはそんな業界もあるんでしょうが、エンターテインメント=万人に分かりやすくするにはまだ早い世界に思えるんですよ。
ドッグランというのは大学のサークル活動か何かなの?というところから始まり、経費だの給料だのはどこから捻出されているんだろうとか、どうでもいい謎が多いんですよ。ユニコーン企業とか言われてもピンと来ないし、「ユニコーン!」なんてのも旬が過ぎた芸人の一発芸くらいにしか思っていません(笑)。
仕事上で苦境に立たされているのは分かるけど、前作ほど親身になれないというか、過剰移入しにくいんですよ。この辺、新興アプリ屋さんなら親近感が湧くのかな?
そんなドリームクレイジーの社長が、今作における璃子の立場。
演者のみならずキャラも前作を継承しているのも本作の特徴ですが、あんな感じの璃子が社長という時点で違和感たっぷりです。放送前、本作のあらすじを読んで「リコが社長…?」と思った人もいるんじゃないかなぁ。
「ファイヤーです、ファイヤーです!」とか詰め寄るところとか、こんな知恵遅れの子が社長?とか思ったくらい(笑)。
そんな仕事も、実は心ここにあらずな状態でやってたというのも何だかなぁって感じ。ラストの新事業も色んな意味で無理を感じます。
璃子らが開発しようとしているノコルナ(それっぽい名前!)とは、スーパーの惣菜コーナーの値引き=閉店時間が近付くと貼られる割引シールの情報をリアルタイムで知らせるというアプリ。
いわゆるフードロス、昨今流行りの時事問題を扱う事で世の中に媚び、多方面からの助力を得られるという作戦なんでしょうかね。
そんなノコルナというアプリ、もし現実にあったとしたら1ミリも使えないよね(笑)。
周知の通り、スーパーの総菜コーナーは閉店時間が近付くと、どうにか売り切るために割引シールが貼られますが、店員さんがシールを貼ろうとしている脇で、割引商品狙いの客が今か今かと待ち構えている光景をよく見ます。アプリの情報を見てから買いに行くようでは遅すぎるんですよ。
これを真に受けて「そのアイデアいただき!」と思っているアプリ屋さんがいるとしたら、閉店前のスーパーに行ってみるといいですよ。2秒で断念するから。
巷では、さっそく続編を希望する声も上がっているようですが、個人的にはこの辺で幕引きでいいと感じます。
プラモもバンダイ製ばっかだし、ロボットはもういいよと。
とは言え、短時間でひとまずの完成形を見れるプラモと言えばバンダイ製が圧倒的に多いし、人間型であればポーズを取らせる事で何かしらのメッセージを込められるから、ドラマの小道具としては十分以上に役立つんだろうけどね。
プラモだけでなくリンクルプラネットも売りたい欲があるなら(笑)、第3弾もあり得るかな?
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ところで、与田ちゃんに関して、番組終了後にネット配信やってます的な告知をする際、前作ではカメラ目線を逸らさずに告知文を言い切った事にスゲー感心したものですが、今作はカンペ目線を送る度が過ぎています(笑)。
モチベーションが低い表れにも思えて、ちょっとガッカリしたかな。