観た、『山の郵便配達』 | Joon's blog

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『山の郵便配達』を観ました。

 

1980年初頭、中国の湖南省。

息子は郵便配達員だった父からの仕事を引き継ぐため、父と飼い犬の“次男坊”らと共に配達の旅に出る。山岳地帯にある村々へ手紙を届けるために峻険な山道を歩き、数日を掛けて幾つもの村を訪ねるという過酷な仕事だ。

旅の中、父は村までの道筋や手紙を運ぶ責任を息子に教える。そして、仕事のために家にいる事が少なかった父との間にわだかまりを感じていた息子は、この旅を通じて今まで知り得なかった父を理解し始め……といったお話。

 

本作は女性には立ち入りにくい領域にある作品かもしれません。

と言っても、男臭い感じとはチト違う父と息子のお話で、父の立場にある人は自分の息子を、もしくは父を思いながら観ると感慨深く感じるんじゃないかな。

女性もそれなりには楽しめますが、男の方が遥かに感情移入できてしまう作品です。

 

それまでは距離があった父子が旅を通じてお互いを理解するという、まぁハートウォーミング系の映画にありがちなお話です。

息子と父がバチバチに嫌悪し合うほどの仲ではないけど、今ひとつ踏み込めずに距離が縮まらない事に、ちょっとしたもどかしさを抱えているような感じです。

それ故、お話の序盤と終盤で父子の関係が劇的に変化する事はありません。

あんま大袈裟なシーンもなく、ジワジワと温かくなる雰囲気がいいんです。

 

感動して大泣きするような作風ではないけど、作品に自分を投影してしまうシーンが随所にあります。自分の親子体験の記憶を思い出すようなね。

息子が父を背負って川を渡るシーンとか、もう成人した息子を持つ父親が見たら泣いちゃうだろうなぁ。

 

車が通れる道路もないような山村へ郵便配達するのはいいけど、獣道よりは多少マシな程度の山道を、しかも日を跨いで往復するんだから過酷な仕事です。

歩き通しは辛いけど、山野の光景の美しさを見ながらの配達は、ちょっとしたトレッキング気分を味わえそうです。まぁ、ひと月もやってりゃ見飽きてイヤんなるだろうけど(笑)。

全てではないけど、中国映画はああいう自然の風景を美しく見せるのが魅力です。雨上がりの曇天という天気もいい雰囲気です。

 

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Blu-ray版は、予告編とフォ・ジェンチィ監督の来日インタビュー。吹替版も収録してますよ。