観た、『ゴルゴ13』 | Joon's blog

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どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『ゴルゴ13』を観ました。

 

石油王ドーソンの誕生パーティーの場で、息子であるロバートが何者かに狙撃される。それはA級スナイパーのデューク、またの名をゴルゴ13によるものであった。

愛すべき息子が殺されたドーソンは悲しみ、そして怒りの権化と化してゴルゴへの復讐を開始。身内のみならず、アメリカ政府の協力を得て、ゴルゴ抹殺を目論む。

執拗に襲い来る刺客の追及をかわしつつ、デュークは単身ドーソンの待つビルへ向かう……といったお話。

 

床屋に行く男性なら知らない者はいない(と思う)、『ゴルゴ13』の劇場(アニメ)作品です。

メディアを問わず、『ゴルゴ~』の映像化作品はいくつかありますが、俺ッチの中では本作があれば十分です。オンリーワンなので、順位付けすら要りません

それまで『ゴルゴ~』の映像作品は、1973年の高倉健さんの実写版(笑)と、2008年のテレビアニメ版しか見ていませんでしたが、本作を観終えた瞬間、これらはゴミ箱直行です。

 

『ゴルゴ13』が映像化される際、多くの人が真っ先に気にするのはキャスティングでしょう。

本作でゴルゴを演じるのは瑳川哲朗さん。手っ取り早いところでは『ウルトラマンA』における、TACの竜五郎[リュウ・ゴロウ]隊長を演じた方です。この時の魅力は別の機会に語るとして…。

瑳川さんがアニメの役を演じるのは稀なようで、アニメに染まっていない芝居という意味では実に新鮮です。

役にフィットしているかどうかは、思い入れの度合いによる個人差がありますが、俺ッチは好きですね。あと2作もやってくれれば完全にハマッただろうなぁ。

ここで大塚明夫さんや玄田哲章さんを挙げる人は、安易というか、保守的で視野が狭いと思います。

テレビ版の舘ひろしさんも悪くはなかったけど、その他の要素の印象が悪すぎた…。

 

コンピューター映像を取り入れた作品という点も本作の売りです。“COMPIX”とか言うそうな。

しかし、いざフタを開けてみてポカーン……えっ、もう?といった感じです。

さらに言えば、異世界に飛ばされたような感覚に陥るような、ちょっとした不思議体験を味わえます

これは該当シーンを部分的に見るのではなく、一編の映画の中の1シーンとして見て欲しいなぁ。令和の今だからこそ味わえる、この衝撃よ!

「ついにアニメが実写を越えた!」と予告編で言っていますが、まぁ微笑ましいですね…。

 

お話としては、原作の何編かをミックス&アレンジして一編にしたような感じ。

元々『ゴルゴ13』という作品は映画的な表現をしているものの、実際に映画にするには難しい、もしくは向いていない作風です。あまりに虚無的というか、ニヒリズムが漂いすぎているというか

映画というエンターテインメントに昇華するには、万人が楽しめるような見せ場を作らねばならない。そのために、多少は原作の世界観(やルール)を崩さねばならないのも仕方ないんですよね。

例えば、クライマックスはジークンドーの始祖たるあの人の代表作に近しかったりしますが(笑)、ゴルゴはそんな事しないだろ!とまで破綻はしていない。そんなバランス取りが絶妙に思えます。

 

息子を殺されたドーソンの、ゴルゴに対する怒りは底知れず、凄まじいまでの復讐の念を抱きます。

息子の妻や孫(これは漫画版通りにはできないだろうな…)といった身内のみならず、ペンタゴン・CIA・FBI(の一部)を買収してまで、ゴルゴに刺客を差し向けます。

2個師団=1万人以上を投入できるとか、どれほどの金力も厭わない様はまさに狂気の沙汰ですが、これほどの戦力を差し向けないとゴルゴと対等にはなれないという表れです。

この辺の風呂敷の広げ方も、立派にエンタメしていますよね。

 

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Blu-ray版での鑑賞でしたが、万人にはお勧めできないので商品紹介はしません。

くれぐれも違法な物ではありませんので悪しからず。

1983年の作品である事を鑑みれば、画質は良い方だと思います。

 

映像特典は多めですが、英語ばっかなので、あんまり意味ないかな。