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支離滅裂

いよいよ、というほど待ち望んでいたものではないけど、近所の映画館で上映されるので観に行こうと思っていた『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ ウルズハント』。

つまらねぇゲームの合間に挿入される細切れムービーなんかじゃ観た気にならないし、映画として一編の作品になるのならお金を出してでも観てみたい気はあったのでね。

 

…が、薄々予測していた懸念の通り、ポイントやら割引といった映画館のサービスが一切適用されない特別興行&一律料金との事なので行きません。ライブビューイングのようなオマケ付きだったらアリだけど。

こういうの、やっぱりバンダイが指定しているのかなと勘繰った上で(実情は知らないけど)、昨今の嫌らしいガンダム商法に加担するようで嫌な気分になるんだよ。プレバンを利用するのと似た感覚というか(笑)。

『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』も同じ理由で行かなかったし、ちゃんと“映画している”と評判(所詮はアニメバカの過剰評価にすぎないけど)だった『~ハサウェイ』も同じだろうから、こっちも行かないかな。

 

その点、数年前の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』は、一般的な作品と同様に映画館のサービスが適用されていました。

前にも綴りましたが、作品の内容はさておき、まずは劇場で上映される“映画”として堂々と勝負しようとする表れにも思えて、少なからずガンダムが好きな身としては嬉しかったんですよ。

映画だから観に行ったけど、配信やらOVA扱いだったら見なかっただろうなー。

 

それに引き換え、特別興行とはハッキリ言ってしまえば盲目的なマニア向けの上映会イベントみたいなもので、映画館で上映するのはお情けみたいなものだと捉えています。

そもそも”特別編集版”とか言ってる時点で、ゲームのブツ切りムービーを一つにまとめただけの映像でしかなく、キチンとした“映画”として世に出す気もなさそうな感じ。

尺は圧倒的に違うけど、やってる事は『機動戦士ガンダム Twilight AXIS』みたいなモンじゃない(笑)?

 

おそらく公開後のSNS等では見てきた自慢と(どうせ)ダメ出しで覆い尽くされそうですが、まぁ俺ッチは常識的な値段のBlu-rayでも出たら買って観てみようかなーくらいのテンションです。

『メッセージ』を観ました。

 

ルイーズが講義を始めようとした時、校内の警報が鳴り響く。世界12カ所に謎の巨大な宇宙船が降り立った事で非常警戒宣言が発令されたのだ。

異星人との意思疎通を図ろうとする軍の依頼により、言語学者であるルイーズは物理学者のイアンと共に宇宙船に向かう。

ウェバー大佐の指揮の下、宇宙船内部に入ったルイーズらは二つの生命体と邂逅。地球の言語は全く通じなかったが、ルイーズの粘り強さもあり、徐々に彼らの言語を理解できるようになる。

アメリカ以外でも同様に解析が進んでいたが、一部の言葉を取り違えて解釈した中国は彼らに対して宣戦を布告。中国に続き世界各国も彼らを敵対視する中、誤解を解こうとするルイーズは独りで彼らの宇宙船に向かい……といったお話。

要約すると、宇宙人の意思を確かめようと躍起になる言語学者の話です。

 

地球外生命とのコミュニケーションを図るという意味においては、先日に観た『コンタクト』に通じるものがあり、チト強引に結び付けようとすれば“コンタクト2”とも呼べるお話。

メッセージを発信した側が、今度は地球にやって来るようなね。

 

本作で主に描かれるのはアメリカの話ですが、地球の代表として彼らとの対話を試みるのが女性というのも『コンタクト』に通じるものを感じます(他の国でも彼らと接触しているようですが、ルイーズ先導で解析した情報をオンラインで共有した上で参考にしているだろうと解釈)。

まぁ、女だから友好的、男だから好戦的というものでもないけど、現実の外交やら対外折衝を女性に任せてみれば僅かに世の中が変わる気がするんだ。

 

異星人との接触を描いた作品は星の数ほどある中で、本作はズバ抜けて現実味に溢れています。

言語を用いてしか意思の伝達ができない文明を持つ星が地球以外にもあるとは限りませんからね。

その上で、地球とは全く異なる生命体を相手に地球の言語を用いるのが、どれほど無意味なものか。これまでのSF作品によくある、異星人同士が会った途端に言葉を交わせるのがどれほどご都合的かを思い知らせます(あんま細やかに描くと時間の無駄になるけど)。

彼ら=ヘプタポッドは言葉とはチト違う、文字という“見せる言語”を使って意思の伝達を行っていましたが、宇宙船の外ではどう表すのか気になりますね。雨でも降ってたらどうなんだろう、あれ。

 

彼らの姿は少々曖昧に、そこまで明確には見せませんが、大昔から世界中で抱かれている火星人のような出で立ちで、時代錯誤すら感じさせる出で立ちです。まぁ、初見では引いたよね(笑)。

…だが、ちょっと待てよ?

ご存知の通り、昔の人は宇宙人(というか火星人)を例の数本足のイメージで描いていました。

ここで本作の世界観に則ると、昔の人は本作=現代の作品に登場する彼ら=ヘプタポッドの姿を知っていた、つまり本作が作られる未来を既に予見していた…?

なるほど、ヘプタポッドがああいうデザインになったのは当然なのかもしれません……と、曲解しているのは当ブログだけなので、どうか聞き流してやって下さい(笑)。

映像特典でヘプタポッドの克明な姿を見てしまうと、割とありふれてる感のあるデザインにガッカリしますね。

 

冒頭、ルイーズは娘を失った悲しみを抱えている様子が描かれます。

どーせクライマックスで娘と再会して、異星人の正体やら目的をうやむやにするパターンかぁ……とタカを括りながら見ると、けっこうな驚きが待っています。ヘプタポッドとの接触が増えたルイーズに彼らの能力が身についてきたという事でもあるんでしょう。

が、宇宙船がやってくる前からルイーズには既に娘との思い出がありました。

という事は、ルイーズが軍にアドバイザーとして選ばれたのは単に言語学者だったからではなく、ヘプタポッドに近い能力を持っていた地球人だったから?

そして、そうなる未来をヘプタポッドが予見していた?

一見するとご都合的に思えるところですが……いやいや本作の事だ、もっと深い含みを秘めているのかもしれない…?

 

異星人関連のデザインは、これまでに見た事もないものを生み出そうと苦心したようですが、これに先駆けていたものが日本にあったのは有名な話です。

まぁ、似ちゃいるけど……くっだらねーネタだな~(笑)。俺ッチは米粒を縦半分に切ったような形に見えていたけど。

こんな日本独自の内輪ネタに対し、監督のドゥニ・ヴィルヌーヴさんからの一家言は免れなかったようです。

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(笑)。

さすが規模の大きい作品を作れる監督だ、器もデカい!

 

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Blu-ray版の映像特典は一般的なメイキング集。

その中に原作者であるテッド・チャンさんによる、過去と未来は同じものだと言及する解説があるんですが、学のない凡人の俺ッチにゃ何を言ってるんだかサッパリでした…(笑)。

『俺たちに明日はない』を観ました。

 

車を盗もうとするところを見た事から、ボニーはクライドと知り合う。

刑務所帰りのクライドに興味を持つボニーは刺激を求め、共に銀行強盗を働くようになる。

まだ若いモスやクライドの兄バック夫婦も仲間に加わり、5人になったバロー・ギャングは今日も銀行を襲い、その名は徐々に知れ渡るようになる。

思いのままに強盗を働いては警察に追われる日々を過ごすバロー・ギャングだったが、警察の包囲網は徐々に狭まって行き……といったお話。

要約すると、衝動のままに強盗を続ける一行が徐々に追いつめられる話です。

 

クライドとボニーのカップルが、衝動のままに犯罪を重ねる様を描いた作品。

世の中にはワルっぽい男に惹かれる女性は少なからず存在しているようですが、本作のボニーもその中の一人。

刑務所帰りでありながらもなお犯罪意欲を失わないクライドとの出会いは、平凡な生活からの離脱を求めていたボニーにとっては千載一遇の機会で、惚れた男に自分を合わせるタイプです。

芸能人でもいるじゃないですか、清楚系なイメージなのに何でこんな胡散臭い男と結婚するの?と思わせておいて、しっかり失敗する女性タレントとか(笑)。

衝動的に好いた男に付いて行きたい一心も、根っことしてのタイプが異なればいずれは破綻が待っているものだけど、離れないどころか改心の兆しを与えたんだから、クライドに対するボニーの想いは本物だったんでしょう。

…つっても、そんな男女愛を説くような趣旨の作品ではないので、想像通りのオチが待っていますが…。

 

元々ボニーが興味を持ったのはクライドであって、強盗をやりたがっていたわけではありません。好きな人がやってるから自分も、といった感覚というか。

なので、クライドと一緒にいられればそれで良しなんですが、徐々に仲間が増えてしまい、なかなか二人っきりになれない事にもどかしさを感じるんだから、ボニーはハスッパに見えて中身は乙女なんですよね。後半になってくると、その辺が顕著に表れてきます。

 

見た目はそこそこ以上、ムショ帰りのワルっぽい雰囲気を漂わせる――ボニーの目に映ったクライドとは浮世離れすらした、今まで目の前に現れなかったタイプの男性だったんでしょう。よっぽど平々凡々な生活なり人生を過ごしてきた事が想像できます。

そんなボニーが一目惚れするクライドは悪どい事にもイケイケで、女性を手玉に取るようなタイプにも見えますが、男性としてはデリケートな弱点があるのが面白い。

明確な描写をせず、分かる人には分かる程度にしか見せないのも節度があっていいんですよ。

人を殺してしまったクライドがボニーに別れを告げた後のベッドシーンとか、鈍い人には何が起きているのか分からないんじゃないかな(笑)。

 

そんな感じで女が苦手とうそぶきつつ、単に繊細だったクライドですが、終盤にしてどうやら上手く行ったようです。

この頃には、多少ながらも強盗稼業から足を洗おうとしている様子が伺え(ボニー共々服装に変化があるのがその証左?)、真人間に近付いた事でちゃんと機能を果たすようになったと考えるのも一興です。

…この辺、わざと主語を略しているので、本作を見た人でも分からない人は分からないと思います(笑)。

 

「何がそんなにいけないんだ」

ボニー&クライドに感化される事を父親に咎められるモスの言葉ですが、まさに本作を表す一言。世間が思う悪を悪と思えない、完全に道徳心が歪んでしまった人たちのお話です。ここは『明日に向かって撃て!』にも通じるところがありますね。

特にクライドの倫理観は、いわゆるモラルハザードと呼べるくらいにズレています。

クライドの不幸は、それを咎める人がいなかった事です。兄であるバックもムショ帰りで、弟と一緒になって強盗をやってる時点で、もうね。

ボニーの母親は面と向かってクライドを断罪しますが、当の本人はヘラヘラ笑うだけで1ミリも気にしていないという(笑)。

クライドは犯罪者としては無垢ではあったけど、それが通用するような世の中ではなかった事をラストで思い知らされるのです。あれを可哀想な終わり方だったと感じる人は、クライドと似た気質を持つ要注意人物かもしれません(笑)。

 

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Blu-ray版の映像特典は、本作のベースとなった実話を追うドキュメンタリーやメイキングです。

吹替版は随所でオリジナル音声になる不完全版です。バックお得意のアメリカンジョークを吹き替えで聞いてみたかったんだけどなぁ。

『口笛が流れる港町』を観ました。

 

宮崎県に流れ着いた滝は、寂れた相良鉱山の町に立ち寄る。

そこに鉱山を我が物にしようとする的場組が現れる。的場組は鉱山の所有者である相良兄妹の兄、信夫が抱える借金と引き換えに鉱山の権利書を狙っていた。

的場に取り入り、それとなく相良兄妹に力を貸す滝。しかし的場の嫌がらせが止む事はなく、信夫は権利書を持ち出し……といったお話。

要約すると、流れ者の滝が、阿漕な真似をして鉱山の利権を奪おうとするヤクザと争う話です。

 

渡り鳥シリーズ第2作……と呼んでもいいのかどうか。

小林旭さん、浅丘ルリ子さん、宍戸錠さんが出演する流れ者のお話というだけで、この頃にはまだシリーズという概念はなかったのかな?

というのも、小林さん演じる滝信次の他は前作から継続している要素が皆無なんですよ。

前作で、死んだ恋人の故郷だった佐渡へ行こうとしていた割には今作の舞台は宮崎県だし、そもそも恋人がいた事すら忘れてそうな空気すらあります(刑事だったという過去なんか微塵も感じさせない)。まぁ、昨日考えていた事が今日の風向きで変わるのが流れ者の常なんでしょう。

それどころか山を背景にしたお話だし、ずいぶんテキトーなタイトルにしたものだけど……小っせー事は気にしないのが昭和の大らかさなんです!

 

大雑把に、やってる事は前作と変わりませんが、登場キャラの背景をよく描いているように思えました。やけに兄妹が多いけど(笑)。

的場が鉱山を欲しがるのは口実で、信夫の妹である杏子を手に入れるのが真の目的。その昔、的場は相良に仕えていた頃から杏子に思いを寄せていて云々とか、多くのキャラにちょっとした過去があるんですよ。

わざわざ回想シーンを見せる事なく、このおかげもあってか80分未満に抑えられているので、サクッと見るにもちょうど良い尺です。

 

滝は相変わらずなキャラなのでさておき、宍戸錠さんが演じるライバルキャラ的な、敵or味方の境が曖昧でつかみどころがない太刀岡[タチオカ]がいいですね。

ドラマ的には悪役に位置するんですが、命を狙っている者同士にしては軽薄なセリフを交わし合う、滝との掛け合いがカッコ良いんですよ。

冒頭、お互いが流れ者である事を知った滝と太刀岡。別れ際に太刀岡がちょっかい半分で滝に発砲、滝もそれに応えます。

「やるじゃねぇかよ」
「お前ぇもな」
「なに、お前に隙があるかどうか試しただけだよ」
「ほぉう…物騒な奴だって事は、さっきひと目で分かったよ」
「(拳銃を見せびらかし)こいつが趣味でね、お前ぇみたいな奴を見るとハジキと一緒に腕が鳴るのさ、ハハハ!」
「フフフ…覚えとくぜ」

こんな軽妙なやり取りが1960年の作品にあったんだと思うと目からウロコですね。カッコええ!

 

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『コンタクト』を観ました。

 

幼い頃より宇宙に関心を示していたエリーはSETI=地球外生命探査の研究者となり、今日もどこかの星との交信を図っていた。

エリーを快く思わないドラムリンの妨害を受けつつ、スポンサーを見付けたチームが観測を続行する中、ヴェガから発せられる信号を受信。そこには何かしらのメッセージが含まれている事にチームの心は浮き立つ。

大いなる発見でありながらもこれを深刻視する政府は、ドラムリンをチームの責任者にした上で研究の継続を認める。

チームに出資する謎の実業家ハデンの協力で、エリーはメッセージの解析に成功。それは宇宙間を移動できる装置の設計図だった……というお話。

要約すると、宇宙に惹かれる科学者がメッセージの発信源である星に向かう話です。

 

地球外生命との接触=コンタクトを図ろうとする、基本的にはSF作品としてジャンルされる内容ですが、そこに政府やら宗教が絡んでくるのが新鮮、かつ変化球気味の作品です。

SF作品は科学的根拠を追求するべきだと思い込んでいる人に言わせれば、変化球どころか大暴投なんだろうけど(笑)。

ヴェガからのメッセージを受信した、これを解析したら宇宙間移動装置=ポッドの設計図だった、さっそく作ってヴェガに行こう!という流れになりますが、これが現実であればそう簡単に話は進みません。

宇宙を舞台にした作品は多々あれど、今のところは宇宙なんて当たり前に行ける場所じゃないんだよね。無邪気な科学者の好奇心だけで宇宙開発が進んでいるとは思えないし、ロケット一つを作るにしても我々の知り得ないところで諸問題を抱えているはずです。

その辺を思い知らせる、割と現実味のあるお話でもあるように思えます。

 

遠い星からのメッセージを解読すると、それは宇宙を航行する機械の設計図で、これを基に建造した機械でその星に向かうのがお話の主軸です。

ちょっと『宇宙戦艦ヤマト』がチラつきますね(笑)。

地球の危急のために遠方まで行かねばならないヤマトに対し、こちらは地球人の冒険心を試しているような感じ。

 

異星人との接触を描く作品に政治や宗教の要素なんか要る?という疑念を抱いている人も少なくないようですが、俺ッチの知る限りではそれらは全て日本人です。日本語しか読めないし(笑)。

無神教国家というか、宗教のように信仰するものがない日本人だからこその意見なんでしょうね。宗教が暮らしに密着している外国では、この辺に関してどう思うのかな。


SFマニアによる実際はそうじゃねぇ的な発言はさておき(下世話に思える突っ込みも人それぞれの映画の楽しみ方なので…)、当時は評判が芳しくなかった本作ですが、その低評価の多くは日本の描写がおかしいというツッコミだった記憶があります。

それを頭の片隅に置きながら観てみたところ、おそらはくエリーが軍艦で待機していたシーンに関してだったのかな?

俺ッチには何がどうおかしいのかが分からなかったんですが、そもそもアメリカの軍艦内に設けられた部屋にすぎないし、部屋の内装はアメリカ人が改修したものだろうから、隅から隅まで日本家屋のしきたりに即する必要はないんだから別にいいじゃん?と。

なら、どうしてわざわざ日本風の部屋に改装したんだとか食い付いてくる人もいるでしょうが……うるせぇな、そんなの本筋には1ミリも関係ないところでしょ(笑)! たったこれだけで作品自体の評価を貶められる人って、映画との接し方を知らない人だと思うんだ。

 

…大体ね、政治やら宗教やらを排してしまえばコテコテのSFになってしまうし、そんな作品にジョディ・フォスターさんが出るわけないだろう(笑)!

ジョディさんが出ている時点で、特撮だらけで派手なビジュアルが売りなだけの作品ではないと察せる人は、かなり映画に明るい人だと思います。

悪い言い方をすれば、ジョディさんは意識高い系の澄ました女性というイメージがありますが(しくなくとも公開当時は)、それは確固たる固い信念を持っているからこそで、その辺がエリーという役にリンクしているんですよ。

 

ラストでは、エリーは実際にヴェガに行ったかどうかを検証する公聴会(審問会?)が開かれます。

エリーの答えは我々を煙に巻くような曖昧なものでしたが、そこでは明らかにならなかった極秘とされる事実…!

ここは相対性理論を知っておくと深みが増しますよ。

 

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Blu-rayの映像特典はCGのカラクリを見せる、個人的に一番つまらないと感じるやつです。

ジョディさんの音声解説は面白そうですね。

『グリーン・デスティニー』を観ました。

 

修行から帰ってきたムーバイをシューリンが出迎える。

剣士として名高いムーバイだったが、命のやり取りに疲れた彼は修業を辞め、引退を決意していた。愛用していた碧銘剣=グリーン・デスティニーをティエに献上しようとまでするムーバイに、シューリンは頷く事しかできない。

翌日、ユィ長官の屋敷に滞在するティエの元から碧銘剣が何者かにより盗まれる。

犯人はユィの娘のイェン。堅苦しい貴族の暮らしに嫌気が差していたイェンは剣士に憧れ、野盗の長であるローと恋仲にあるだけでなく、ムーバイの師を殺した碧眼孤=ジェイド・フォックスとも師弟関係にあった。

そんなイェンの前にムーバイが立ち塞がる。ムーバイは碧銘剣を使いこなすイェンの太刀筋に才能を感じ、彼女を弟子にしようとするが……といったお話。

要約すると、碧銘剣を巡る男女が剣を交える話です。

 

正確には何ヵ国かが関わっているけど、基本的に中国映画と呼んでもいいんでしょう。

この手の中国の時代劇は、お話の内容やキャストの芝居はもちろん、後景にあるセットや建築物にも魅力を感じます。

特に、人間の手が全く及んでいない中国ならではの大自然の美しさは見入ってしまいます。

今回の鑑賞では全く眠気に襲われなかったのは、退屈に思えるシーンであってもそういうところに目が行くからなんだろうなぁ。

他の国にはない光景なので、これを生かして外国映画にも貸してやって欲しいけど……まぁ、あんな国だから無理な話かな。

 

碧銘剣に運命を翻弄される人たちのお話という事ですが、ストーリーとしての抑揚はあまりありません。もっと平たく言えば、碧銘剣を盗んだ犯人捜しですしね。

ただ、個人にスポットを当てると各々にエピソードがあり、これが良いんです。

血生臭い争いが嫌だと思いつつも剣を捨てられないムーバイ。

本能的にはムーバイを愛していながら、故あってこれを受け入れられないシューリン。

ムーバイやシューリンを慕っていながらも、節介を焼く二人に反発してしまうイェン。

イェンのために生きようとするも、盗賊である過去を払拭できないロー。

それぞれが思いのままに生きたいと願いながらも、それが叶わない苦しさやもどかしさが描かれます。

勘の鋭い人なら、中盤くらいまで観れば本作にハッピーエンドはなさそうだと察するかもしれませんが、ああいう終わり方が本作の雰囲気に合っているのかもしれません。

 

香港系のカンフーアクションも多用され、目にも止まらぬ丁々発止の打ち合いには息が詰まります。

あんな域にまで達すると、もはや殺陣というよりダンスの振り付けと言ってもいいくらい。ムーバイ、シューリン、イェンの剣術アクションはどれもが秀逸で目を見張ります。

もちろんワイヤーアクションも欠かさず、随所であり得ない動きを見せますが、これも香港系アクションの魅力。なにしろ人間がフツーに空を飛べる世界ですからねぇ(笑)。

 

チョウ・ユンファさんやミシェール・ヨーさんといった武術アクションをこなすキャストが魅力的ですが、個人的に、いや、多くの男子であればチャン・ツィイーさんに一点集中です。

少女に見えれば大人な女性にも見える、まぁどっちにしてもキレカワな女優さんです。

その上、かなり激しめのアクションもこなすんだから、もはや無敵といっても過言ではありません。数多の武術家に勝負を挑まれ、店が滅茶苦茶になるくらいに大暴れするシーンこそ本作最大級の見どころです。君こそ美少女剣士!

 

それにしても、タイトルにもなっているグリーン・デスティニーとは碧銘剣を指しますが、チト胡散臭い意訳に思えます。

また配給会社によるいい加減な、自己陶酔系のテキトーな邦題なんじゃない?

 

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Blu-rayの映像特典はまぁまぁレベル。

特典が欲しい人は、

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こっちの方が良いかも?

『鎧伝サムライトルーパー』のBlu-rayを買いました。

 

黒い雲に覆われた東京が壊滅した。それは妖邪帝王である阿羅醐[アラゴ]による人間界への侵攻が始まったのだ。

新宿には阿羅醐の尖兵である妖邪兵が出現。リョウと4人の少年たちは共に妖邪兵に立ち向かうが歯が立たない。

追い込まれた少年たちは最後の手段として鎧擬亜[ヨロイギア]を身に纏う。彼らこそ人間界を救う5人の勇士、サムライトルーパーだったのだ。

妖邪兵は倒したものの新宿には巨大な阿羅醐城、そして阿羅醐の手下である四天王が現れる。サムライトルーパーの戦いは始まったばかりなのだ……といったお話。

要約すると、鎧を纏った少年たちが悪党たちと戦うお話です。

 

今でいうテレビ朝日のニチアサ、TBSの日5と言ったように、昭和のテレ朝(系)の土曜17時半は暗黙の了解として日本サンライズ作品が継続的に放送されていました。

本作はその枠で放送されていた作品です。

この頃の俺ッチはアニメをキチンと見るのを辞めていて、本作はチラ見程度の知識がありませんでした。

そんなロクに知らなければ思い入れもない作品を、わざわざBlu-rayを買ってまで観ようという気になったんだから、まぁ年寄り特有のノスタルジーってヤツですよ(笑)。

近々始まる続編も見てみようかな。

 

そのくらいは知っていましたが、本作で最も目を引くのは鎧擬亜の装着(まぁ変身みたいなもの)シーンですね。

意図はあっても意味はなさそうな(笑)、和装の生地=反物[タンモノ]が飛び交うのは今の目に見ても斬新、かつ新鮮です。

それらが花びらとなって鎧になるのもファンタジックでクール。CGを使って緻密に描き込むと映えるんじゃないかな?

ところで、他の4人には武装シーンはないんでしょうか…。

 

で、現在2話まで観ましたが、今のところはそこまで目を見張るものは特にありませんね。可もなく不可もなくって感じ。

ただ2話のラスト、阿羅醐の力により弾き飛ばされた5人が光となってどこかに飛ばされるのは驚きです。それ第1部のラストでやるようなやつじゃん、まだ2話だよ?と(笑)。

あまり突飛な真似はしない、いわゆる衝撃の展開的なものは少ないドラマを想像しているので、ここからどうなるのかが楽しみです。

 

監督は高橋良輔さん、キャラクターデザインは塩山紀生[シオヤマ・ノリオ]さんという名コンビが名を連ねてるというのも本作を観ようと思ったきっかけですが、これは誤解でした。

本作の監督は池田成[イケダ・マサシ]さんで、高橋さんはシリーズ構成を担当していたようです。

そして塩山さんの代表作と言えば、もちろん『装甲騎兵ボトムズ』。本編であるテレビシリーズが終わってからも長きに渡りOVAが作られ、正伝であるそれらに関しては全てに塩山さんが関わっていました。

ポスターやジャケット等、宣伝材料のビジュアルも描く事が多かった塩山さんでしたが、後年には「あの頃のキリコがもう描けない」と言っていたようです。それというのも『~サムライトルーパー』を描きまくったおかげで、キリコの顔つきがどうしても優しくなってしまうんだとか。

チト残念に感じるところもあるけど、つまり塩山さんにとって『~サムライトルーパー』は一つのターニングポイントでもあるという事です。

そんな塩山さんが原画(どころかキャラデザや作監)にも参加しているのであれば、やはりこれは観ておくべき作品なんですよ。

 

あとは声優人気がかなりのものだったという覚えもあります。

ライブだかで「武装ぉぉ、烈ッ火ぁぁーッ!」と叫んだら、観客の女子が失神したって話を聞きましたが真偽のほどは知りません(笑)。

リョウは草尾毅さんが演じていますが、やっぱりこの人はストレートなヒーロー役がよく似合いますね。まだ若いので少し硬さがあるのはご愛敬?

 

これは本当にどうでもいい見どころ(?)なんですが、『スターダストアイズ』が流れるオープニングの最後で笑ってしまうんですよ。

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♪スターダスト降らせてる~♪と歌いきった瞬間、アウトロも何もなく強引に終わるのが面白すぎてクセになります(笑)。

 

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俺ッチが買ったのは↑ですが、お金に糸目をつけずに豊富な特典や品質を求めるなら↑↑の方が良いと思います。共に本編・OVA3編を含んだ、映像としてはコンプリート版です。

↑に関しては、もちろん字幕OFFは可能です。

『ギターを持った渡り鳥』を観ました。

 

ギター一つを抱えて函館の街に流れ着いた滝。

酒場で騒ぎを起こした外国人とのトラブルをきっかけに、滝は街の権力者である秋津と顔馴染みになる。

函館の一角にアミューズメントセンターの建設を目論む秋津は、借金を返済できない住民に立ち退きを迫っていた。滝は秋津の下で働きながら、実の妹夫婦にも容赦をしないやり方に納得が行かない。

その後、神戸の田口組から、滝に恨みを抱くジョージがやって来る。秋津は、次第に自分の意にそぐわなくなってきた滝とジョージを消そうとするが……といったお話。

要約すると、流れ者の滝が阿漕な真似をする街の権力者を懲らしめる話です。

 

いわゆる渡り鳥シリーズの第1作です。

ギターを携えて旅をする流れ者が、辿り着いた街にはびこる悪党を退治し、束の間の恋を惜しみながら街を去る……この昭和中期のムードがいいんですね。

 

そして、渡り鳥シリーズと言えば小林旭さんの代名詞(の一つ)です。

そんな若かりし頃の小林さんの作品を観るのは初めてなんですが、日本芸能史におけるイケメンの歴史の1ページに載せるべきカッコ良さ。一見するとガラが悪そうだけど、時折見せる少年のような笑顔とのギャップが良いんですよ。殺し屋の歌=『地獄のキラー』を、そんな笑顔で歌っちゃう?

そして、どこかヘタウマに見えてしまうビミョーな芝居も可愛いです(笑)。

小林さんが演じる滝は他人への興味を持たず、日和見主義者のように振る舞っていながらも心の奥底では熱い感情を秘めているという、隠れ熱血正義感の走りなのかな? 悪徳弁護士により刑事を辞職に追い込まれた過去が、その証でもあるんでしょうね。

 

そんな滝を敵視するジョージもいいキャラです。

宍戸錠さんが演じるからジョージ、分かりやすいですね(笑)。

かつて相棒を殺された事から、滝に対して強い恨みを抱いた上で命を狙いますが、卑怯な手段を使ってまで殺すつもりはない、こちらもフェアプレイ精神に富んだ悪役の先駆者に思えます。「勘違いするな、お前を倒すの俺だ」とかメンドくせー事を言っちゃう系のね(笑)。

位置的には悪役なんだろうけど、どっちかというとライバルと呼ぶ方が正確ですね。

コップにサイコロを入れてシャカシャカやる芸(?)は一見の価値ありです。

 

本作は1959年の作品という事で、さすがに古すぎて知っている出演者が少ないです(笑)。

他に名前くらいは知っていると言えば浅丘ルリ子さんくらいかな、日本のクラシックビューティーと呼んでもいい可愛さよ!

 

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『トロン:アレス』を観てきました。

 

今や巨大企業となったエンコム社と、それに肉薄するディリンジャー社。両社はコンピューター内にあるデータを実体化する技術で先を越そうとしのぎを削り合っていた。

ディリンジャー社のジュリアンは最強の警備プログラムであるアレスを始め、数多の兵器の実体化に成功するが、その姿を保っていられるのは29分が限界だった。

一方、妹のテスと共にエンコム社の事業を引き継いだイヴは、創業者フリンの言葉をヒントに、実体化したデータが消滅しない永続コードを発見する。

ジュリアンに命じられ、現実世界に現れたたアレスはイヴをコンピューター空間=グリッドに取り込み、彼女が知る永続コードを引き出そうとする。しかし、自分らを消耗品としか見ていないジュリアンに疑問を抱き始めていたアレスはイヴを連れて脱走するが……といったお話。

要約すると、デジタル世界のプログラムだったアレスが現実世界にやってくる話です。

 

シリーズ第3作。

これまでは人間がデジタル世界=グリッドに入り込むばかりのお話でしたが、今作では逆にデジタル世界の人間(や兵器)が現実世界にやってくるという触れ込み。

これをネタ切れと感じる人もいるでしょうが、そもそも現実とデジタル世界間を行き来する物質転送は第1作=『トロン(:オリジナル)』からやっている事。

対象物をデータとしてコンピューターに取り込めるのなら、データさえ作っておけば現実世界に出力できるのも当然なので、一応はシリーズの世界観に則した話になっているんですよ。

前作=『トロン:レガシー』でも、大勢の兵隊がこっちの世界に攻め込もうとしていましたしね。

そういえば……ものすごくどうでもいい話を一つ。メタバース(笑)ってどうなったんだ?

 

今作での素朴な疑問がありまして…。

データを現実世界に出力できるのは分かった。兵器類についてはモデリングしているという説明もあった。

では、人間の姿として出力されるプログラムはどうやって外観が決まるんだろう?と。

アレスは最強の警備プログラムと言われるくらいだから、強そうな見た目になるのは想像できるんですが、あんなヒゲモジャなオジサンとして出力されるとビミョーじゃないですか(笑)。

これと逆にアテナはイイ感じ。いかにも戦う気満々な『エイリアン2』のバスクエス並みのインパクト。

この辺、プログラムと作った人=ユーザーの顔が一致している(一人二役)という前作までの設定を活かすつもりはなかったのかな。

 

アレスを始めとするプログラムたちは、コンピューター内にデータさえ残っていれば何回でも実体化できるし、どれだけ死んでも蘇れます。

使う側としては1ミリの良心も痛まない、使い捨てできる命です。

そんなジュリアンに忠義を尽くす事に懐疑的になったアレスは、時間制限のない実体化を可能とする永続コードを手に入れるために戦い、その中で永続コードが不完全である事を教えられます。

なるほど、現実世界には永遠の命もなければ、やり直せる命もないという意味においては、永続コードとは見せかけのものなんですよね。

監督のロアヒム・ローニングさんは、アレスを演じるジャレッド・レトさんに『ピノキオ』を例え話に用いたそうですが、本作はピノキオのその後までを想像させる作品でもあるんだなと。

 

1作目から出演しているジェフ・ブリッジスさんが出演しているという事で、もちろんフリンの登場は確定です。

今や世捨て人となったフリンの、色々と達観的な物言いや衣装はエピソード7以降の某スカイウォーカーさんを思い出しますね(笑)。

もう現実世界に戻れないようですが、ならフリンはどこにいるのかと思えば……そんな所かよ!とただただ歓喜です。個人的に、最も心拍数が高まったシーンです。

 

フリンはやはり失踪したまま。ならエンコム社はどうなっているのかと思えば、まぁ色んな意味で大変な事になってますね。

前作に登場したフリンの息子のサムが頑張ってるんじゃないの?と思いきや、今ではイヴとテスという、中国系だか韓国系のキム姉妹が経営を引き継いでいるというウゲ~な展開…。

さらには、かつてフリンと敵対していたディリンジャーの一族はディリンジャー社を創立し、エンコム社と互角の立場にあるようです。

そのCEOであるジュリアンやエリザベスといったディリンジャーの一族も登場しますが、そのポジションは前作で登場したエドワードでしょ? キリアン・マーフィーさんとのダブル主演でも良かったのにねぇ。

 

ヒロインがアジア系ってのは最後まで馴染めませんでした。あんま綺麗な人だとも思えなかったし。

今やアメリカは雑多な人種が住む国になっているからって、そんなのをわざわざ映画に反映させなくていいんだよな。

個人的に『トロン』の世界観にアジア人は合わないと思っています。

 

いくつかの問題は未解決のまま、続編を臭わせるような終わり方は嫌らしいですね。

ハッキリ言ってしまえば、続編を作れるほどの評価は得られないんじゃないかなと思っています。まぁ、続きはお得意のネットドラマにでもすればいいんじゃないの。

本作もそれなりには楽しめたものの、今に思えば『トロン:レガシー』って割と面白かったんだな。

 

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続編と言いつつも前作との関連がほとんどない作品も稀にありますが、本作はそれなりに続編している作品です。

前2作を見てないとサッパリ分からないという事はないけど、やはりシリーズ作品は前作を見ておく方が感慨深いものを多々感じると思いますよ。

 

劇場プログラムは990円。主にキャスト&スタッフのインタビューで構成されています。

この手のビジュアルを重んじる作品は、メカをいっぱい載せて欲しいんだよ。

 

で……タイトルになっているトロンって何なの?と思った人、それで正解です。

ちょっとしたタイトル詐欺ですね…。

 

 

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観た、『トロン』

観た、『トロン:レガシー』

『ゴジラvsビオランテ』を観ました。

 

ゴジラにより廃墟と化した新宿から採取されたゴジラ細胞。

サラジア国の生物研究所ではゴジラ細胞の再生能力を植物に転用しようとする白神が、周囲の砂漠を穀倉地帯に変えるための研究を重ねていた。しかし、何者かにより研究所が爆破され、白神の娘である英理加が犠牲になってしまう。

それから5年。超能力を持つ者として精神科学開発センターで観察されている未希は、三原山の火口にいるゴジラの気配を察知する。

ゴジラ対策として、核を食べる抗核バクテリアの開発を急ぐ桐島は、帰国した白神に協力を要請。ゴジラ細胞を借りた白神は独自に研究を進める。

その後、芦ノ湖に巨大な植物が出現。それは白神によりゴジラ細胞を融合された薔薇、ビオランテだった。

抗核バクテリアを狙うアメリカのバイオメジャーが三原山に仕掛けた爆弾が爆発した事でゴジラが復活。自衛隊の奮闘も虚しく、ゴジラはビオランテを目指して海を越える……といったお話。

要約すると、人々がゴジラ細胞を巡る中、ゴジラと細胞を分け合ったビオランテが激突する話です。

 

シリーズ第17作。

このところ当ブログではゴジラシリーズに関する記事が多いですが、いつか観るかもしれないという程度の理由で録画しておいたものを消化しているにすぎず、面白くてハマッたから全作を観るぞ!というほどのテンションではありません。

BSではよくゴジラ特集とか銘打って集中的に放送する事がありますが、どこも歯抜けorまたこれ?的なものばかりなんですよね。昭和ゴジラはもう少し観てみたいんだよ。

 

基本的にゴジラシリーズは前作との連続性が薄めですが(どれから見ても楽しめる作風とも言える)、滅茶苦茶にされた新宿とか、ゴジラが復活する場所とか、スーパーXとか、今作は割と前作=『ゴジラ』(’84)との繋がりが随所にありますね。

そこまでやるなら、前作のキャラを一人二人くらい再登場させて欲しかったなぁ。前作のヒロインと瓜二つのキャラは登場しますが…。

 

それはさておき、本作の話。

確か本作はシリーズ史上としても評価が高いという話をチラ見した気がしますが、少なくとも俺ッチが観てきたゴジラ作品の中では面白い部類に入ると思えます。

政府がゴジラという災害の対策に追われる姿を映すのがシリーズの定番&王道なのかもしれませんが、本作ではそれが薄めで、庶民に近い位置にいる人々のドラマを多めに描いているのが好きです。

今の時代に見れば少々クサいものの、光る台詞が多めなのも良いですね。

 

峰岸徹さん演じる自衛官の権藤は、おそらく本作が好きという人の多くに人気がありそうなキャラです。

いちいち人に食って掛かっては皮肉や軽口ばかり叩いていますが、口だけではなく自分で動く体育会系の人。だからって単なる体力バカではなく、判断力もあってベテラン感が漂う、女性よりオジサン受けしそうなキャラです(笑)。

今作限りの登場じゃ勿体ない話ですが、だからこそ強烈なインパクトを残したんでしょうね。

「薬は注射より飲むのに限るぜ、ゴジラさん!」

これにシビれた人は数知れないはず!

 

同じく自衛隊の、作戦の指揮を執る黒木も良いキャラですね。

あくまで勝利にこだわり、そのためなら多少の犠牲もやむを得ないものと考え、即断即決するのが潔い。

人の命がどうとか言い出して逡巡するような、この手の作品で一番かったるい展開を廃するために存在するキャラとも言えます。

演じる高嶋政伸さんの、クソ真面目一辺倒な芝居も緊張感を与えます。

 

他の作品は1度見ればもういいやって感じですが、今作は魅力的なキャラが多く、何度か見たくなる作品でした。

人間ドラマの方が面白いので、ゴジラさんはもっと休んでていいですよ(笑)?

 

根っこを辿れば、ゴジラは人類が開発した核兵器により誕生(進化?)しました。

そんな人類の忌まわしき創造物の申し子でもあるゴジラを滅ぼそうと、あの手この手を尽くすのもまた人類。本作では核を食べるというバクテリアの開発に成功、これを以てゴジラの対抗手段としようとします。

核を無効にできるのであれば、それはある意味、核にも勝る兵器を生み出せる可能性もあり得るということです。

この辺は淡泊に語られる程度に抑えられていますが(あんまやりすぎても説教臭くなるし)、こういった兵器開発競争が続く限り、ゴジラではない新たなる脅威が生まれるのも必定なんですよ。

こっちに比べれば、同じ兵器とは言え、遥かに次元が低いところにあるのが安心させてくれるんだよ、スーパーX(シリーズ)君…。

 

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