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Joon's blog

どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『鬼滅の刃』の何作目だかが公開されましたね。

最初の劇場公開から数年後、異常に過剰なブームだったあの頃と同じテンションのまま『鬼滅~』を見たがる人が、今時どれほどいるんかいな?と思っていましたが、これは対岸から見ているだけの俺ッチの認識不足でした。

 

公開初日、よく行く映画館のサイトをたまたま見ていたんですが、十数回(!)の上映があるうち、

それら全てがこんな感じですからね、鬼滅ブームおそるべしです。

おそらく↑も満席になるんでしょうが……個人的には、こんなギュウ詰めの中にポツーンと開いている席に座ろうなんて気にはならないよね。

 

それにしても……いつしか映画の公開初日が金曜日になって久しいですが、金曜日っつったらまだ平日です。

有給休暇を使えば問題ないじゃないか!と強弁するのは分かるけど、忙しい会社で本当に必要とされている人って易々と休めないものですよ?

多くの会社が営業している平日に、これだけ多くの社会人が群がるんだから、ずいぶんダラけた国になったもんだよ。

 

――と、そんな1ミリの興味もない『鬼滅~』話はさておき。

こんな感じで、日本の映画界は邦画が好調です。特にアニメの存在なんて邦画の救世主ですもんね(日本がアニメバカに汚染されていると感じる話はまた今度)。

そんな燦々と光輝く邦画に対し、今やクッキリと黒い影を落としているのが洋画です。

俺ッチが通う映画館はシネコン方式なんですが、公開されている洋画はぜいぜい3割ほど。その上、公開開始から10日も過ぎれば上映するのはドッ昼間に1度だけ(しかも平日)。

これって、洋画ファンとってはスゲー悲しい話でね。

ただでさえ上映される作品が少ないだけでなく上映回数までも少ないってんだから、もはや冷遇に近い状態。

「初日にこだわる必要もないし、来週あたり会社帰りにでも観に行こうかな」という、ちょっとした寄り道感覚で気楽に観に行くって事ができないんですよ。

宣伝のためにわざわざ来日して、でき得る限りのファンサービスをしてくれるハリウッドスターに申し訳ない気持ちにすらなります(笑)。

 

映画館に足を運ぶ人が年々減少しているそうですが、もうちょっと番組編成を工夫すれば、僅かながらにもその傾向を足止めできるんじゃない?と。

洋画を観たいがために映画館に足を運ぶような人は成人=会社員が多いだろうと見込んで、上映回数はたった1回だけだったとしても、会社帰りに合わせて夜に上映するとかね。

…いや、今日び洋画を見たがるのは年寄りどころかジジババくらいなものだから、平日の昼間で十分と考える方が正しいのかな? 働かなくても映画を見に行けるくらいに悠々自適に暮らす老人が、それほどまでに多いとは思いにくいけど…。

 

今や洋画は公開から1週間以内に、そこまでド本気を出さないと見れない状況に陥ってしまいました。

肩の力を抜いて気軽に楽しむという娯楽の本質が消えつつあるのは残念の極みです。

『メガロポリス』も『28年後…』も観に行きたかったんだよ! まさか2週間で終わるなんて…。

2025年の夏ドラは数あれど、ズバ抜けて面白い『ポニふり』。

一度観始めようものなら、スマホの通知音が鳴ろうが尿意を催そうが完全無視、ひたすら画面に釘付け状態になるほどに夢中になって観ています。

…が!

先日の台風の影響による受信障害で、20分くらいしか録画できていなかった…。BSはこれが最大最悪の弱点なんだよねぇ。

…おい台風、朝はこっち来んな!

 

――というわけで7話は見損ねましたが、現在8話まで観終えました。

この7話は、初めてミッキーのバンドに正式加入するメンバー=令子が(唐突に)現れる回だったのによぅ…!

ミッキーがスカウトしたい人たちは音楽に対して熱い情熱を持っているけど、それができずに苦しみ、もがくばかり。

そんな人たちの心を解放してやるのがミッキーの役目なんですよね。

 閉ざされた心 心の扉
 もう一度 信じて開く My heart
 うなだれてないで 賭けるものはあるはず
 生まれ変わる勇気あれば
 Never say good-bye 走り出すのよ

オープニング曲『NEVER SAY GOOD-BYE』のAメロの歌詞、これが絶妙なまでに的確でね。ミッキーのバンドに加わるであろうキャラには、総じてこの歌詞がカッチリ当てはまります。

“主題歌”とは、かくあるべし!

 

大映ドラマのストーリーと言えば、親が誰なんだ問題→この人が私の姉さんっ?ってのが王道ですが、本作もその例に漏れていません。必ずやるんだなと(笑)。

でもまぁ……そのおかげで、ゆきこ=榎田路子さんの出番が増えるなら、まぁいっか!

 

そして意地悪で嫌味な奴ほど光り輝くのが大映ドラマの面白さ。

本作でそれを担当するのは、もちろん名倉邦夫。

当人たちの前でサラッと秘密をバラしたり、それを知った事でモメてるのを半笑いで見ているというクズっぷりが最高です。いつになったらこの人の長所が描かれるんだろうと(笑)。

刺身と女は活きが良いのが好きなだけでなく、他人の嫌がる事も大好きでやりたい放題の邦夫ですが、何故かフロンティアのマスター=小野に秘密を握られているってのが気になりますね。

『スクール☆ウォーズ』は何人かの脚本家がいて、自分が担当する回では個性を出しまくった挙句、次の回を担当する人が辻褄合わせに頭を抱えるという、密かなムチャ振り大会があったようですが(笑)本作も似たようなもので、この時点では邦夫の秘密に関して誰も何も考えてなかったんだろうな…。

 

どうでもいい話ながら、横浜を”ハマ”とはよく聞くけど、横須賀を”スカ”と呼ぶのは初めて聞いた…。

『ウルトラマンタロウ』を観終えました。

 

世間での評判通りナンダコリャ的な回は多いものの(笑)、意外と順応できました。

コツとしては単純明快、ただ童心に帰る事です。これは昭和の変身ヒーロー作品全般にも言えるんですがね。

間違い探しや粗探しなんてのは、いい歳こいた大人による下世話な楽しみ方であり、子供は小さな事は大して気にせず純粋に楽しんでいると思うんですよ。

至らない点は多々あるけど、いちいちツッコミを入れるのもキリがないので(笑)、気楽に見るくらいでちょうどいいんです。

 

多くの昭和ヒーロー作品って、子供が出てこないと話が始まらないのが嫌いです。

けど、本作が描くのは子供たちの風景なんだなと早い段階で開き直れたので、『~タロウ』という作品を前よりは好きになれた気がします。

実際に存在すれば災害のような怪獣ですが、それでも子供は怪獣が好きじゃないですか。

怪獣を殺さないで~とか言い出すガキにはイラつくけど、ウルトラ怪獣を一生懸命に覚えていたガキの頃の自分と変わらないじゃん?と思えるようになると、ちょっと寛大になれるかな。

余談ながら、ウルトラ系に出演する子役は仮面ライダー系のそれらと比べると芸達者が多い、そして元気で頑丈! 自転車の練習で何度もすっ転ぶ芝居とか、こういう子供の力演は今ではなかなか見れません。

 

ZAT隊員の個性を、もう少し大目に描いて欲しかったですね。

終盤近くになって、ようやく北島隊員や南原隊員がフィーチャーされる回がありましたが、これはいい話でしたね。

特に北島隊員の幼馴染みが宇宙人の手先にされてしまう話とか、ずいぶん切ない気持ちにさせられました。普段はオトボケ担当な北島隊員のシリアス回なので、いっそうグッと来ました。

森山隊員も可愛いな!

 

そして隊員の異動がやけに多いのもZATの特徴です。

西田や上野なんか唐突にいなくなったし、新垣副隊長と入れ替わりに二谷副隊長が着任したと思ったら、間もなく最終回というね(笑)。

朝比奈隊長を演じるのは名古屋章さんですが、この頃にはもう名が通っていたのかな? 10話分も出てないと思うけど、名古屋さんが出てくると画面が引き締まりますね。昭和ウルトラシリーズの防衛チームの中で、頼れる親父感があるといったらこの人です。

一方、情けなくて涙が出る父ちゃんは新垣副隊長ね(笑)。

 

そして最終回、タロウの存在に依存する健一(同じ事を考える地球人の代表とも呼べる)にの考えを改めさせるため、光太郎はタロウに変身するためのウルトラバッジを捨て、人間としてバルキー星人と戦います。

自分の事は自分で解決しろという、他力本願の打破を説いているんですよね。 

それを教えるために大きな力を捨ててしまう光太郎の心意気の、何と尊い事よ!

思えば光太郎って、人間の力で怪獣に立ち向かう事が多かったじゃないですか。すぐ怪獣にしがみつくし(笑)。

元気の表れでもあるけど、人間として最大の努力をしていた証左でもあるんですよ。

 

最終回を見る限り、もうタロウが現れる事はありません。いや、光太郎がタロウに変身する事はもうないと言う方が正解かな?

本作を観終えるまでは腑に落ちなかったけど、今では『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』にタロウが出てこなかったのは正解だと思っています。

 

いい歳になって改めて聴くと、主題歌『ウルトラマンタロウ』はいい歌ですね。

♪空を見ろ 星を見ろ 宇宙を見ろ♪

というパワーワードが曲の転調と共に熱くさせるんですよね。

“ウルトラマンNo.6”というフレーズもカッコ良い!

 

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あくまで本編のみの収録ながら(ノンクレジットOPすらない)、国内版よりも遥かに安いので、買うならコレがいいかも。

 

 

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買った、BD『ウルトラマンタロウ』

観てます、『ウルトラマンタロウ』

観終えた、『ウルトラマンタロウ』

『続・夕陽のガンマン』を観ました。

 

南北戦争の時代。

ブロンディーはお尋ね者のトゥーコを捕らえて賞金を得る。街の法により首吊りに処される直前、何故かブロンディーはトゥーコを救い出す……実は二人は初めからグルで、この芝居で賞金を荒稼ぎしていたのだ。

そんな二人の関係に亀裂が生じている時、南軍の馬車が通りかかる。そこに乗っていた瀕死の兵士は、ある場所に20万ドルを隠したという。トゥーコは墓地の名を、ブロンディーは墓標の名を聞き出すが、大金を独り占めするための秘密として二人は頑なに口を割らない。

一方、20万ドルの噂を追っているエンジェルが二人と合流。お互いを出し抜こうとする3人のうち、最後に大金を手にするのは誰なのか……といったお話。

要約すると、3人のガンマンが大金を手にしようとする話です。

 

”続”と冠しているので『夕陽のガンマン』の続編に思われがちですが、一部のスタッフ&キャストが再結集しただけ、かつ日本の配給会社によるテキトーな邦題なので、正式な続編ではありません。

まぁ、やってる事は似たり寄ったりなので(笑)、続編だと言い張れる説得力はあるんだけど。

作品上ではどれも無関係ながら、『夕陽のガンマン』と『荒野の用心棒』は関連作として見知りしておくといいと思います。

 

ストーリー自体はあっさりしているものの、なんと尺は178分=ほぼ3時間という大長編作品です。

それ故か、時間の使い方が贅沢なんですよね。映画的な“間”をたっぷり使うだけでなく、そんなにカット数を増やしたり長回ししちゃう?みたいな。

それでも退屈しないのは主役の3人=ブロンディー、トゥーコ、エンジェルが個性的で面白いからです。

常に打算的で抜け目のないエンジェル。

腕はあるけどあと少しのところで間が抜けてるトゥーコ。

スゴ腕ながら、何を考えてるのか分からない(笑)ブロンディー。

総じてあくどい役ではあるけど、どこか憎めない愛すべきキャラたちです。

 

尺が長くなる一因となっているのは、時代背景にもなっている南北戦争要素が強すぎるからじゃないかと。

終盤、橋を巡る北軍と南軍の戦闘とか、正~直、なくても良かったんじゃないかな。

このシークエンスを見ると、実はブロンディーにも優しさや慈悲の心がある事が伺えますが、ブロンディーが”いい人”っていうのは、そういう意味とは違うじゃないですか。

何を考えているのか分からない、飄々とした雰囲気をまとっているのがブロンディーのアイデンティティだと思うのでね。

なので、ああいうヒーローっぽい行動に違和感を抱くのは否めません。つーか、二人の怪しい行動に気付けないのか、北軍兵士よ…。

 

偶然にも里帰りしたトゥーコは、兄パブロと再会。しかし、パブロは親不孝や放蕩の限りを尽くしたトゥーコを突き放します。

そんな兄弟のやり取りを陰で見ていながら、兄とは仲が良いとうそぶくトゥーコの話を水を差さずに聞いてやるブロンディー。

このシーンにより、トゥーコにも同情できるところがあり、ブロンディーにも僅かながらの情がある事が伺える、本作の白眉たるシーンです。

 

あとは随所にあるコメディ要素も面白いんですよ。

トゥーコのボケにブロンディーがツッコむ図式が笑えます。

「神様もマヌケは嫌いだよ」と「お前宛てだ」のシーンは、もはやコント感すら漂います。

 

そうそう、南北戦争と言えば、最低限の情報として

 北軍→

 南軍→灰色

という軍服の色を覚えておくと分かりやすいと思います。俺ッチはこの程度で混乱してしまったのでね。 

 

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↑のBlu-ray版は、かつてフォックスから出ていたものが廃盤になったようなので、新版として発売されたものです。こっちのジャケットの方がカッコ良いよ、羨ましい。

吹き替え音声はあるけど、映像特典はフォックス版とはちょっと違うみたい。

 

余談ながら、今回は吹替版で鑑賞。

テレビ放送用にカットされていた部分を補完した“完声版”という仕様で収録されていて、納谷悟朗さんや大塚周夫さんがウン十年ぶりの同じ役を再演しています。

…が、特に納谷さんに関してはジイちゃん声すぎて、オリジナルと新録した部分のギャップが半端じゃありません(大塚さんはどうにかセーフ)。

アニメも含めた吹き替えバカたちは、どんだけスパンがあろうが再び本人が同じ役を担当する事に大喜びするんだけど、違和感ないの?と。

まぁ、そんな事を言うのは、いつまでも原体験の感動にしがみついて、これを汚されるのが許せない年寄りなんでしょうがね。

洋画における吹き替えは余興くらいにしか考えていない俺ッチ、もしくは、その辺の文化に興味を持たない第三者としての客観的な意見としてはそんなもんじゃない?

 

それにしても、初代『ルパン三世』のキャスティングってスゲー贅沢だったんだなぁ…!

久しぶりにジョーシン(内のキッズランド)に行ったので、どれでもいいから『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』のプラモでも買おうかなと思ったんですが、まさかの皆無…!

どの辺が人気or不人気なのかは知りませんが、どちらにせよ影も形もないんだから、たただ唖然です。

このところの歪んだガンプラブームの終焉を待つより、ガンプラへの興味が失せる方が早そうです。

 

って事で、何をトチ狂ったかマイクロエースの『風物詩シリーズ 行水』を買いました。

別名、絶対に作らないやつ(笑)。

我ながら、ホントに買うものがなかったんだな…。

 

とは言え、こういうジオラマ系、というより箱庭は好きなのでね。お金とスペースがあればシルバニアファミリーとかドカスカ買いたいもん。

 

で、このキット、この手の風景ジオラマキットにおいて無二に近い存在であると感じさせるのが、

キット名にもなっている行水のシーンを再現した点。しかも女性ってんだから、男の子は目が輝くよねっ☆

…可動のある女子プラの方が良い? GET OUT!

 

そんなワクワクが収まらないまま、ご開帳~!

おお、潔いほどに真っ白です(笑)。

切って貼って塗るのがプラモの本分ですから、単色整形なのは1ミリも気になりません。ただ、白という色がチープ感に溢れすぎてて…。

本キットの完成写真を見れば、成型色は薄めの茶色が良かったかなぁ。

 

そして本キットの目玉である行水中のお姉さんのパーツはというと…。

原型がどうこうよりも、バリが強烈です。光があまり透けないくらいの厚みがあるので、カンナ削りでどうにかできるレベルではなさそうです…。

犬なんか、もはや後光が差してるかのようですよ(笑)。どーすんの、コレ…!

うっすら噂は見知りしていたものの、ここまで手強そうなキットだとは思いませんでした。手を付け出したら、どんどん時間を食われるな…。

 

通販サイトを見てみても、すぐ売り切れになるし値引き率も渋いので、割と人気のあるキットなのかなと思ってたんですよ。

そんなレアっぽいキットが売ってて、まぁ2割引程度でも買えるだけマシかと思って買ったんですが…。

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これを綴っている時に調べていたら、ななんと4割引、だと?

再販のタイミングによりけりなんでしょうがね、スゲー負けた気になるんですよ、こういうの…。

常に売ってるようなものではないので、1ミリでも欲しい気になった時にはソッコー確保しておくべし!

 

ちなみに、これと似たようなキットとして、マスターボックスという海外メーカーが、

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敵であるアメリカ兵とドイツ兵が、水浴びをしている女性に見とれるという光景を描いたキットを発売していました。どんなシチュエーションだよ。

発想は良いけど、それにGOサインを出す上層部がいるマスターボックスというメーカーには注目したものです……が、これ以降、そんなニッチすぎる情景を描くキットは出ていないっぽいので、まぁそれが答えなんだろうなと(笑)。

 

このキット、確か買ったはずなんだけど、どこ行った…。

大映ドラマへの偏愛っぷりをよく綴る当ブログですから、再放送でもあれば飛び付くんですよ。

それ故、BS-TBSで『不良少女と呼ばれて』が既に放送されていたのを知った時ゃ全力で落胆しましてね…。

たまたまながらも当ブログを通りすがった皆さん、大映ドラマの再放送の予定を見知りした際はタレコミのほど、よろしくお願いします!

 

――って事で、『不良少女~』はダメだったけど、次の番組『ポニーテールはふり向かない』は1話から観れました。

 

少年院を退院した未記が横須賀に帰ってきた。

幼い頃に母と別れ、収監されている間に父を亡くし、帰る家もない未記は、父と旧知の仲だった小野が経営していたライブハウスで寝泊まりをする事に。

少年院上がりというレッテルを張られ、仕事にも就けず途方に暮れる未記を見兼ねた小野は、父と同じドラマーになる事を勧める。しかし、未記は父と同じ道を歩む事に気乗りしない。

そんな未記の前に現れた二人の男。ライブハウスで働く無愛想で陰のある晃[アキラ]と、人間不信で女を弄ぶ名倉――彼らとの出会いにより心を動かされた未記は、自らがリーダーとなりロックバンドの結成を目指す……といった始まり方です。

 

とりあえず録画できてるかどうかだけチラッと確認するに留めておくつもりが、時間を忘れて観終えてしまいました。1話からもう面白いもんね。

つくづく大映ドラマの面白さとは逆境にありだと思うんですよ。

どん底から這い上がるため、数多の試練を乗り越えた先にちょっとした幸せや達成感がある。つまりカタルシスですね。

まぁ、それも一瞬の話で、すぐにまた次の苦難がやって来るんだけど(笑)。

1話では少年院上がりだと白眼視されるために仕事にも就けず、だったら自分でバンドを結成させて己の道を切り拓こうとする。

こういうタフな気の持ちようこそ大映ドラマの主人公! 根性論は決してダサいものではないんだ!

 

主人公の未記が、ロックバンドを結成しようとするところから物語は動き始めます。

そして勿論のごとく、未記は不良という黄金パターン(笑)。

大勢に囲まれた時の強い味方はドラムスティックで、これさえあれば多勢に無勢でも負ける気がしません。

しかしまぁ、不良たちに絡まれて乱闘するシーンがムダに多いんですが(笑)、女が相手でもフツーに顔をブン殴る世界ですからね、今の目で見ると結構な衝撃です(女も男と同等とか喚いている昨今の風潮を鑑みれば1ミリの問題もないはずなんですが)。

この頃の喧嘩修行(?)が後の彼女に、獣を心に感じ、獣の力を手にする拳法を習得させる……事はありません。

 

主人公の伊藤かずえさんを始め、松村雄基さんや鶴見辰吾さん、他にもTHE大映ドラマなキャスティングは、どこか安心感すらあります。

そして個人的に熱いキャストと言えば、ゆきこを演じる榎田路子さん。これがチョ~可愛いんですよ! 洋子センパイが好きだった人は必見なんだぜ!と、敢えてノーヒントで。

 

この頃の大映ドラマの、洋楽をカバーした主題歌がいいんですよ。

本作のそれは小比類巻かほるさんの『NEVER SAY GOOD-BYE』。なるほど、“振り向かない”のスーパー意訳とも呼べるタイトルとも受け取れます(←そうか?)

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『ヒーロー -Holding Out For a Hero-』と『NEVER』を聞きたいがために買ったんだけど、本作の『NEVER SAY~』も好きになってきました。主題歌として映像が付くと一気に愛着が湧きます。

 

余興として、これは先日発見したばっかなんですが、

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伊藤かずえさんのYouTubeチャンネル、『やっちゃえ伊藤かずえ』を紹介しておきます。

さすが大映ヒロインの名を欲しいままにした(?)かずえさん、大映ドラマの思い出企画が多いのがグッと来ますね。Blu-rayでも発売される際には、そのまま映像特典に使えそうなものばかりです。

となれば、松村雄基さんの登場はもちろん欠かせないどころか、逃げられません(笑)。

できれば『ザ・スクールコップ』の思い出語りもぜひ!

『スターシップ・トゥルーパーズ3』を観ました。

 

地球連邦軍とバグとの戦いは未だ続く。

植民地ロク・サンで機動歩兵隊長として戦い続けるリコの下に、アノーキ総司令の戦場視察の護衛としてディックス将軍がやって来る。

リコとディックスは旧知の仲であり、艦に同乗していた元クラスメイトのローラも今ではディックスの恋人になっていた。

2人との再会を喜ぶリコだったが、些細な揉め事からディックスにより逮捕されてしまう。

そこへ電磁柵を破ったバグが侵入し、ロク・サンの基地は壊滅状態に追いやられる。

辛くも危機から免れたディックスたちだったが、戦艦が撃沈され、ローラはアノーキを連れてポッドで脱出。しかし、不時着した先はバグの本拠地とも呼べる惑星OM-1だった。

一方、命令違反の罪に問われたリコは絞首台に乗せられ……といったお話。

要約すると、バグが群がる星に不時着した司令官を救出しに行く話です。

 

1作目ぶりのジョニー・リコが帰ってくる!という触れ込みでしたが、見せ場としては立派にヒーローしてるものの、出ずっぱりの主人公主人公していないあたりにモヤモヤする人もいるかな?

入隊から8年で大佐にまで昇格したとの事ですが、1作目では同期で超能力の素質があったカールは、ラストで既に大佐だったんだよね。超能力将校こそがエリート、一生うだつの上がらない機動歩兵は底辺という暗黙のカースト制度があるんですよ(笑)。

階級はさて置いても、リコは歩兵魂の象徴というか、現場で小銃で戦っている方が似合ってますから、これはこれでいいんです。

 

機動歩兵と言えば、未だにマシンガンでチマチマと頑張っている姿は悲哀すら感じますね。

一般的なバグ1匹を殺せるまでああまで弾を使うんだから、グレネードの威力を鑑みると費用対効果が悪すぎです(笑)。

バグとの戦闘も長引き、連邦軍も確実に軍拡しているはずなのに、未だにそんな武器しか支給してくんねーのかよと。機動歩兵の命や尊厳が軽視されている表れですね。

そんなブラック気味な状況下で8年も生き残れたんだもん、リコが大佐になっていても疑問はありません。

 

バグとの戦争も長引いているせいか、どんどん軍国主義がエスカレートしているのは空恐ろしいですね。

戦闘シーンはあれど戦うのは仕方ない、でもできれば戦いたくないよねという作品は多々ありますが、本作の中でそんな思想を口にすればソッコー処刑されます(笑)。

和平なんてあり得ねぇ、敵を完膚なきまでに叩き潰すために戦う者こそが国民の鑑とされる、なかなか狂った世界です……と、これをナンセンスと思えるのは平和な世界に生きている証拠なんでしょうね。

 

前半のディックスの行動がチト意味不明というか、チト理解不能に思えてね。

リコとは顔馴染みで仲が良かったんだけど、自分の恋人であるローラと元クラスメイトだったと知った瞬間に急変。二人が再会を祝してハグだのキスでもしてるわけでもなし、その程度でジェラっちゃう?みたいな。

これを根っこにリコに対する敵愾心がメラメラ、明らかな公私混同&職権乱用でリコを逮捕させます。

そのくせ、ローラがバグだらけの星から救難信号を発していると知った途端に、餅は餅屋のごとくリコに救出の命令を下すんだから、ずいぶん調子いいヤツだよね。頼みとかお願いではなく命令調だし。

善か悪かと問われれば善の側にいるんだけど、このあたりが疑問に思えて、ちょっと感情移入しにくいキャラだなぁと。

 

原作で登場したというパワードスーツ=マローダーが満を持して、ようやく今作で映像化が実現したとの事。

実現したのはいいけど……これ、何ていうゲームから貰ってきたんスか?と(笑)。

80年代に宮武一貴さんがデザインした↓こっちの方がカッコ良いけど、あいつらと対等には戦えないかな…。

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今のところシリーズは今作が最終作ですが、マローダーを大活躍させるためのあと1作が欲しかったですね。

アニメ版『宇宙の戦士』、北米版でBlu-ray化してくれぇぇ…(そして強制字幕に絶望するまでが1セット)。

 

後に3D-CG作品がいくつか作られているようですが、正式な続編とかシリーズ最高峰の出来だったとしても、個人的にはスターシップ・トゥルーパーズシリーズは今作で完結です。

3D-CG作品はそれだけで嫌いなので、何も言及しない代わりに何も見るつもりもありません(笑)。

どーでもいい事ながら、漫画の実写化は大嫌いけどアニメなら歓迎っ☆という連中って、3D-CGだったらどう思うんだろう?

 

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Blu-ray版は廉価版なので映像特典は一切ナシ。嫌らしいソニー商法ですね。吹替版を収録しているだけでもマシな方なのかな。

 

 

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観た、『スターシップ・トゥルーパーズ』

観た、『スターシップ・トゥルーパーズ2』

観た、『スターシップ・トゥルーパーズ3』

『機動戦士ガンダムGQuuuuuuX』を観終えました。

 

途中までの感想はコチラ

 

最終回まで観終えて、ただただポカーンでした(笑)。

ガンダム作品はオモチャと密接にリンクする番組ですが、近年ではそこに楽曲も追加されるようになったようです。

つまり、バンダイとソニーが儲かる確約さえあればタイトルに”ガンダム”と付けてもいいんだなと。

そして作れる条件が揃えば、あとは好き放題に何をやっても構わない。もうガンダムシリーズにおける宇宙世紀系はフリー素材みたいなモンだよね。

そんな感じで、まぁ話半分くらいに見るくらいでちょうどいい作品だと感じました。

後年にはパロディ作品として、特にネット特有の冷笑の対象として認知(ミーム?)されそうな雰囲気も感じます。

 

得てしてガンダム作品の世界とは、もしかしたら実現可能なんじゃないかと騙せるくらいのSF考証があるものですが、とうとうファンタジーにしてしまったのは、やっちまったな感しかありません。

『Newton』を読み込むような人は、並行世界は科学的根拠を以て証明できる!と息巻くんだろうけど(笑)。
 

アニメとしてのガンダム作品には宇宙世紀系、オルタナティブ系、ビルド系といったジャンルに分けられますが、本作を以てそのどれでもない新しいジャンル、いわば、たられば系が生まれました。もし地球連邦ではなくジオンが戦争に勝っていたら、というね。

ただ、これが定着してしまうとゼロから生まれる作品が減り、パロディ作品ばかりが氾濫します。つまり『ガンダムエース』に載ってる作品が全てアニメ化されるようなもので、想像しただけでも軽い地獄じゃない(笑)?

本作の続編はあり得ないと思いますが、たられば系作品は続々と公開される未来がうっすら見える…。

 

まぁ、80年代をアニメオタクとして生きてきた人間が喜々として作った作品だなと感じました。良いものを作ろうという気概以上に、まずは自分たちが楽しめればいーや的な。

ハッキリ言ってしまうと、公私混同の度が過ぎているんですよ。

ガンダム作品の中の出来事は後年になっても語り継がれたり改竄されたりして、若い人もガンダム博士(笑)に近付こうとしているけど、元祖ガンダムを取り巻く作品外の状況までは知り得ないし、勉強の範疇を超えているんでしょう。

20代くらいで最終回のタイトルを見た直後にひっくり返ったとしたら、かなりの勤勉家ですよ。元ネタが何かは特に言及しないけど。

 

そんな最終回のタイトル、『だから僕は…』と言われても、その”僕”とは誰なんでしょう?

まぁ劇中で”僕”という一人称を使うキャラは何人もいるし(ほぼ特定されるけど)、それが誰による言葉なのかという想像は視聴者に委ねる……という言い訳もできるだろうけど、もっと志の低いミーハー根性の方が先だよね。

オタクが自分の博識ぶりをひけらかすようでみっともないんですよ。

 

このところ耳障りに感じる、アニメアニメした芝居をする声優が少なかったのは非常に良かったです。演技指導をした人の功労ですね。

余談ながら、今作でのシャアの声質や芝居を鑑みると、松風雅也さんでもハマるように思えます。

 

プラモを買う気が失せ、ロボットにも興味がなくなった表れでもあるんだけど、近作の主役ガンダムのデザインって新味はあるものの、ひと目見てカッコ良いと思えるものがなくなりました。

ガンダム“みたいな”デザインとして見れば秀逸なものは多いんですがね。本作のジークアクスも、そう来るか~と思わせるくらいのトガッたデザインですが、これが新作の主役ガンダムでーすと言われるとチト腑に落ちないというか。

デザインがウ~ンでも、本編での活躍を見ててカッコ良いと思えるようになったものも少なくありませんが、このところのガンダム作品は戦闘がスピーディーすぎて何が起きてるのか見えないんですよ。「今、一瞬だけ映ったのはどこの部分?」みたいな(笑)。

テレビゲームで、1フレーム=1/60秒の世界でしのぎを削ってるような若い人の動体視力なら、ちゃんと見えるのかな?

『スターシップ・トゥルーパーズ2』を観ました。

 

地球人類とバグの戦いは未だ決着は付かず、機動歩兵隊B中隊は惑星Pでの戦闘で劣勢を強いられていた。

シェパード将軍より撤退の命令を受けた超能力将校のディル中尉は隊を率い、バグの大群から逃れながらも前哨基地に避難する。

基地内に人影はなく、連邦の英雄とまで呼ばれたダックス大尉が上官殺しの罪で監禁されているだけだった。

バグの大群に取り囲まれ苦戦を余儀なくされる中、サハラ二等兵はダックスを解放。ダックスの的確な判断でバグを一網打尽にする。

その後、シェパード将軍が生き残った3人の部下とともに隊に合流、艦隊との連絡も付き、あとは救助を待つのみ。

しかし、シェパードが連れてきた3人に異変が起き始め……といったお話。

要約すると、籠城した基地内でバグと戦う兵士たちを描いたお話です。

 

その名の通り、『スターシップ・トゥルーパーズ』の続編なんですが、いざフタを開けてみれば……何スか、コレ?

本作の世界で最も兵士の頭数が多いのが機動歩兵のようだし、前作の主人公リコが属していた隊はその中の一部だろうから、それとは別の隊の話にスポットを当てるのは分かるんですよ。密室劇調にするのも、まぁセーフだと思うんです。

ただ、新しいバグの戦法(?)に関してはドッチラケすぎました……エイリアンごっこなんか、よそででやってくれよ。

 

…が、冷静に考えてみると、そんな可能性が決してゼロではなくて。

本作の敵は“バグ”と呼称されるように、地球上で言うところの“虫”に酷似した外観である事から、行動が実に本能的だし、地球上の虫が進化した姿として捉えがちです。

そんな虫ごときの知能で地球人とコミュニケーションなんか取れるわけないじゃん!と豪語したいところですが、この考えが浅いんでしょう。

前作におけるバグの習性の一つとして、人間の脳を抜き取るという行動がありました。人間を知ろうとしてるんじゃないかと推察するようなセリフもありましたしね。

これがようやく功を奏し、ああいう手段を以て地球人に被害を与えるレベルに到達=心理戦ができるようにまで進化したんじゃないかと。

文明や科学の力もなしにどうやって?とも言いたくなりますが、そこは無限に広がる宇宙の神秘。このような地球レベルの奇跡を常に起こせる星が一つくらいあっても不思議ではないのです……と思い込んで、先のようなドッチラケを解消します…。

 

機動歩兵を主役に置いているので、超能力将校とされるディル中尉の存在は浮いています。

汗や泥や血で汚れながら戦う機動歩兵とは反対に、統率や規律ばかりを気にしすぎて、戦場ではあまり役に立たないガリ勉タイプのイメージ。

格上のシェパード将軍が、銃を持って戦う兵士ファーストな考え方をする立場にある人ってのも、ディルの小悪党っぷりを際立たせます。上官にはへつらい&部下には厳しく当たる、クズ中間管理者の典型です(笑)。

こういうキャラの結末はお察しの通りですが、単なるイヤミな上官だけではないんですよね。サハラやダックスに妬みや誤解の心情を吐露するシーンは、こんな奴にも人間味があると思わせる良いシーンですね。

 

本作最大のストレスは、何しろ画面が暗い点にあります。

冒頭のバグとの戦闘シーンはキャラ紹介みたいでありがたいんですが、画面が暗くて顔の判別が付かないんですよね。

夜間のシーンに始まり、主な舞台になる前哨基地に移っても、基地内の電源が故障してるとか、劇中のキャラのみならず、観ているこっちまでガッカリしますよ(笑)。照明が点くようになっても大して明るくならないし。

サハラがダックスに朝食を運んでくるシーンがありますが、朝でも外は真っ暗なんだから困ったものです。前作の惑星Pはあんなに晴天だったのに…。

 

前作からガラッと変わったせいで、もはや別物と化す続編は多々あり、本作もそんな例に含まれる作品でしょう。

ただ、軍国主義の世界であるのは相変わらずという点は良かったですね。前作も今作も、作品自体がそれを反映した巨大なCM映像と思わせる作風とかね。

ラストカットでサハラが見せる嫌悪感丸出しの表情とか、そりゃそうだよね、と。

 

…とまぁ、あまりにも毛色が変わった今作は、もちろんのごとく(笑)低評価が下されていますが、続編である事を抜きにすれば、スリル&サスペンス要素を多分に含んだホラー映画として、それなりに楽しめる系の作品じゃないかな。

『~2』というナンバリングを避け、外伝的な作品とすれば世間の評価ももう少し上がったかも…?

寄生された3人が行動を始めるあたりから一気に緊迫感が高まり、本作はここからが本番です。中でも、寄生されたレイク軍曹(演じるのは前作でデラディエ艦長も演じたブレンダ・ストロングさん)がホートン二等兵に包丁を振り下ろすシーンは慄然! そこまでやっちゃうからホラー映画になっちゃうんだよ(笑)!

 

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シリーズとして最後まで付き合うつもりなので、俺ッチは↑3番目の、『~2』と『~3』が一緒になったセットを買いました。

こちらは安い分、映像特典は一切ナシというガッカリ仕様です。

廉価版として発売するために映像特典を削ぎ落とす=わざわざ内容を変えてまで作り直すのがソニー商法だよね。いじましいったらありゃしない。

ついでに言うと、やけに画質が悪いのが気になります。Blu-ray製品でここまで横線ノイズ(インターレースだかコーミングノイズだか)が見えるなんて噴飯モノです。しっかりやれ!

 

 

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観た、『スターシップ・トゥルーパーズ』

観た、『スターシップ・トゥルーパーズ2』

観た、『スターシップ・トゥルーパーズ3』

『スターシップ・トゥルーパーズ』を観ました。

 

高校卒業を控えるリコは恋人のカルメンを追い、軍への入隊を決意する。過酷な訓練に耐えるリコだったが、自らのミスにより仲間を死なせてしまい除隊を申し出る。

そんな折、クレンダス星からの隕石により故郷が壊滅させられた事を知ったリコは軍に復帰。地球連邦は開戦を宣言し、クレンダス星との戦争が本格的に始まった。

機動歩兵としてクレンダス星に降り立ったリコ。そこは強靭な上に圧倒的な数の巨大昆虫=バグズが群がる星だった……といったお話。

要約すると、デカい昆虫の群れと戦う兵士のお話です。

 

宇宙戦艦が登場したり、敵が昆虫のような姿をしているのでSF映画にジャンルされますが、れっきとした戦争映画でもあるんじゃないかな?

ただ一般的な戦争映画と違うのは、敵が人間ではない点。得てして戦争とは人間同士の相克が根っこにあるものですが、相手はこちらへの敵意しか向けない虫なので話し合いの余地は全くありません。

そう考えると、”戦争”というより”駆除”と呼ぶ方が正確に思えます。

 

敵は昆虫のような姿をしている生物=バグズで、これらとの戦闘が見どころです。

これがもう圧倒的に地球側がジリ貧すぎてね~、いつになっても戦力差が埋まらない絶望感が永遠に続くんだから息苦しいのなんの。

マシンガンをチマチマと何十発も撃ち込む機動歩兵の姿はいじらしいくらいで、硬い・デカい・素早いが揃ったバグズ(アラクニド種?)1匹にそこまで手こずるのに、やっとの思いで殺したと思って向こうを見ると、大地を覆うくらいの大群が迫ってくる……そんな四面楚歌&無間地獄の光景を見ると敵前逃亡する気も起きません(笑)。

その上で、なぶり殺しのごとく四肢は千切られ、たとえ名前があるキャラでも殺しまくるバグズの容赦のなさには慄然しますね。

 

元々は地球の宇宙進出が発端で、クレンダス星も害を被っているかもしれないという情け深い意見に対し(今風な風潮だな)、そんなの知ったこっちゃねぇ皆殺しだと息巻く主人公も頼もしい(故郷を失って間もないせいで気が立ってるんだろうけど)。

戦闘がある映画なんて、これくらいの痛快性があって然るべきだと思うんだよね。

昨今、誰にも命や言い分があるんだから相手の気持ちになって云々という、世の中の風潮を反映してか悪人にも情けを掛けるお優しい作風が増えましたが、あくどい真似をする奴ぁ一方的にどんどんブッ殺せ!――これこそ娯楽映画の根っこであるカタルシス、そして多くの人が抱いているアウトプットしにくい本音です。

現実に抱えるフラストレーションを画面の中の人たちが代弁してくれるのが映画の役割(の一つ)なのに、画面の中の人を真似するバカがいるから、今一つスカッとする作品を作れないんだよな。

 

軍に入った主人公が過酷な訓練の後に戦場に向かう……まぁ、ちょっとした『フルメタル・ジャケット』です。

そこに、もう少し人間味のあるドラマが加味され、戦闘以外の見どころも増えています。

手っ取り早いところでは恋愛ネタですね。

別名、戦闘シーンに重きを置いて見たい人には邪魔なやつだけど(笑)、久々に観返すとこっちにばかり着目してしまいました。

リコとカルメンは恋人同士、ディジーはリコに惚れていて、ザンダーの登場でカルメンの心が揺らぐ……といった青春ドラマ要素も含んでいるんです。

おそらく大半の人はカルメンに嫌悪感を抱くでしょうね。若かりし頃に観た時の、女性不信気味だった俺ッチ(←ププッ)と同じく。

仕事と恋の両立が難しくなったために仕事を選び、学生の頃から気になっていたザンダーとの身近な恋に走るカルメンの尻軽っぷりにムカついていたものでしたが、ギリギリ友情止まりに見えなくもないかな(キス未遂で終わっているので)? ザンダーは一方的にカノジョと思ってそうだけど(笑)。

演じているのがデニース・リチャーズさんでなければ石でもぶつけたいたぜ…。

 

そんなカルメンより好感度が高いのはディジーの方でしょう。

カルメンと付き合っているのは熟知しているし、自分に気がないのも分かっていながら、リコに対する愛情を隠そうとしないどころかガンガンぶつける一途さがいいんですよ。

全力でリコを追いかけていたディジーの悲願が実るのはほっこりしますが、ほんの短い間の幸せってのが切ないですね……だって、リコとイチャついてるとこをカルメンに見せ付けてやりたかったじゃん!

 

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あらっ、↑↑の配信版は字幕版が見当たらない…。

↑のBlu-ray版は吹替も収録、かつ映像特典も多めです。

 

 

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観た、『スターシップ・トゥルーパーズ』

観た、『スターシップ・トゥルーパーズ2』

観た、『スターシップ・トゥルーパーズ3』