観た、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』 | Joon's blog

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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観ました。

 

エヴァンゲリオン2号機と共に来日したアスカも加えつつ、ネルフと使徒との息詰まる戦いは今なお続いていた。

エヴァンゲリオンのパイロットとして順応していくシンジには仲間や友達も増え、何より父ゲンドウに認められた事を嬉しく思っていた。

しかし、日本で実験中のエヴァンゲリオン3号機が使徒と化し、非情な命令を下すゲンドウに怒るシンジはエヴァンゲリオンのパイロットを拒否、ネルフを去る決心をするが……といったお話。

 

新劇場版ヱヴァンゲリヲン新劇場版の第2作。

前作同様、基本的にはオリジナル版=『新世紀エヴァンゲリオン』に補填や新解釈を加えたリブート作品となっていますが、そう言えるのは今作まで。

万人に通じる普遍性を持った娯楽=エンターテインメントができているのが新劇場版の魅力だったんですが……エヴァンゲリオンを冠する以上、それは無理なんだろうね(笑)。

エンタメできなくたっていいじゃないか、エヴァンゲリオンなんだもの。

 

もちろん使徒との戦闘に関しての苦悩や恐怖は払拭しきれませんが、そんなパイロットとしてのストレスを軽減するかのごとく、今作ではシンジの賑やかな私生活が多く描かれるのが特徴です。前作では対人関係が地獄すぎたからなぁ(笑)。

そもそもシンジは覇気がないだけで、そんな根暗ってわけじゃないんだよね。そして、シンジが明るくなれるのはトウジやケンスケ以上にアスカの存在が大きいからなんだと、つくづく感じさせます。

それでいて、ああまで近寄るなオーラを出している綾波に対してもフラットに接する事ができるんだから、意外にもシンちゃんの社交術レベルは極めて高いのかも…。

 

それなりに充実した生活を送れるようになったシンジの楽しい時間を終わらせるのが、エヴァンゲリオン3号機こと第9の使徒。…いや、正確にはゲンドウさんですね。

シンジどころか、天邪鬼の権化たるアスカすら現状に向き合って素直になり、みんながポジティブになれそうな空気をブッ壊すのも厭わない強心臓っぷりです。どのみち食事会も欠席する腹積もりだったんだろうな(笑)。

これをきっかけに、ゲンドウに対する不信感が頂点に達したシンジはパイロットの義務を放棄。そこから紆余曲折があり、自分にしかできない&やらねばならない事を自覚した上で、自分がエヴァンゲリオンのパイロットである事を宣言するシーンはオリジナル版の時から好きなシーンです。

腰が引けてばかりのヘナチョコ主人公が有事の際に男を見せる姿はカッコ良いし、熱くもなれる……これこそ”男の戰い”ってモンさね!

これを変更しなかったのは大正解。ソウジャナイ感に溢れていた漫画版に流されなくて良かったよ。

 

今作から登場する新キャラ、マリ。

新劇場版のオリジナルキャラという事で、公開前にはずいぶん話題になった記憶がありますが、フタを開けてみれば少なからず見せ場はあるものの、特に爪痕を残すようなキャラには感じませんでした。単独行動が多いせいかな?

何しろ、いかにもアニメ~って感じのわざとらしいセリフ群が好きじゃなくてね。

 

そんなマリはエヴァンゲリオンを操縦しながら『365日のマーチ』を歌い出しますが、まぁ車を運転する際に歌を口ずさむような感覚なんだろうと渋々納得せざるを得ないものの、それに留まらず今作ではやけに昭和歌謡を推すんだよね。

キャラが歌う分には構わないけど、劇伴として使ってしまうのはどうなの?と。

殺伐とするロボット戦にああいう曲を流すという演出は新鮮ではあっても、新鮮という言葉が必ずしも良いものとは限らないんですよ。新しい事をやるのがオリジナル版=『新世紀エヴァンゲリオン』からのお家芸になっている風でもあるけど、これに関しては寒い。

全4作それぞれにそんなシーンがあるなら定番演出として見過ごす事もできるんですが、そんな事をやってるのは今作だけ、しかも2回もやっちまってるのは無駄だよね。JASRACにも余計な金をカツアゲされるんだしさぁ(笑)。

こういうの、作り手側の個人的なマイブームに付き合わされている感じがして盛り上がれないんだよねぇ。ああいうので泣けちゃう人の瑞々しい感性が羨ましいよ。

 

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Blu-ray版の映像特典は、特報やCGのカラクリ等といったものばかりで、スタッフやキャストの肉声は一切ありません。

 

 

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観た、『エヴァンゲリオン新劇場版:序』

観た、『エヴァンゲリオン新劇場版:破』