現在、TOKYO MXで再放送中の『秘密戦隊ゴレンジャー』を観ています。
日本各地に支部を持つ国際防衛機構イーグルが、世界征服を企む黒十字軍により壊滅させられる。
各支部で生き残った5人は、とあるスナックに隠された秘密基地に集う。仲間や兄弟を殺された彼らは黒十字軍への怒りを胸に、秘密戦隊ゴレンジャーとなって戦う事を決意する……といったお話。
要約すると、5色の仮面戦士が悪と戦う話です。
ここ数年、TOKYO MXで再放送されている仮面ライダーシリーズを観ているんですが、放送当時を想像するに、5色のヒーローの登場はけっこうな革命だったと察します。
仮面ライダーに限らず、それまでに登場した変身ヒーローのそれらと比べると、画面が鮮やかで派手なんですよね。色こそが第1の個性であるヒーローの誕生です。
スーパー余談ながら、カラーコーディネーター等の色に関する勉強をしていると、色が持つイメージにはどんなものがあるかを序盤に学びます。暖色系なら温かみを、寒色系なら冷たさを感じるとかね。
スーパー戦隊は半世紀も世の中に慣れ親しんでいますが、もう50年もやっているんだもん、スパ戦の影響でイメージが変移した色もあるんじゃないかな?
で、観ているんですが、当時の変身ヒーローとしては割と没入できる作品に思えます。
ジャリ番全盛期の頃の作品なので、劇として水準以下の話なんかバンバンあるものの(笑)、割と飽きずに見れるんですよ。
ゴレンジャーはヒーローが5人。便宜的にアカレンジャーが座長になっていますが、主役が5人もいるという事でもあります。
それ故、5人のうちの誰をド主役=主人公にした回があっても不自然ではなく、このおかげで変身前のドラマのバリエーションが広がるのがいいんですよ。スパ戦ならではのシステムです。
毎回アカレンジャー=海城剛が良い所を見せて終わるという事がないのも当時としては新鮮だったかもしれませんし、自分の推しレンジャーのフィーチャー回なら普段より真剣に観るという楽しみ方もできますしね。
ゴレンジャーどころかスパ戦史上レベルで、世の中における周知度が最も高い戦士と言えばキレンジャーです。大岩大太としての知名度は低いけど(笑)。
後年のスパ戦でもカレー好きな戦士を輩出したがる作品はありましたが、せいぜい一部にしか受けなさそうな描写に留まり、キレンジャーに勝る個性的なキャラはなかなか生まれません。
今、こうして再見してみると、そりゃ後世で語り草にもなるのも当然だと。
キレンジャーに変身=自分を捨ててヒーロー業に集中せねばならない時であっても、誰が作ったかも知れぬカレーが目の前にあったら、わざわざ変身を解いて(!)食べ始めちゃうんだから執着度が半端じゃありません(笑)。
そんなキレンジャー=大岩大太と言えば、どんな状況でも九州弁で喋り、メンバーからも“大ちゃん”と呼ばれるような愛されキャラである点も大きい。
そういえば、この頃にニックネームで呼ばれるのが定着している変身ヒーローっていたっけ?
ドラマ面はさておき、時にはド派手に、時にはチャチな(笑)昭和感たっぷりの画ヂカラも目を楽しませてくれます。
『仮面ライダーV3』は爆発シーンの規模が異常にデカい事でも有名ですが、こちらも負けじ劣らじ、火薬量の調節がざっくり過ぎるのか、ちょっとした戦争映画並みの爆発がしょっちゅう出てきます。
近年のヒーロー作品で同じ事をやれとは言わないけど、どうせCGを使うならこのくらいド派手で加減をわきまえない爆発を描いて欲しいですね。
変身ヒーロー作品の魅力(の一つ)は爆破シーンにあり!と言っても過言ではないのです。
そんなビジュアルを盛り上げるのは劇伴の役目。
口ずさみやすい程度のメロディラインと絶妙な加減の音量、昨今の作品にはこれが欠けているんですよ。
「5人揃って!」
「ゴレンジャー!」
から『秘密戦隊ゴレンジャー』のイントロが掛かるまでの流れは何回でもシビれます。ここでOP曲『進め!ゴレンジャー』を使うのは違和感があるからイヤっ。
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そんなこんなで、ヘタすりゃ現在放送中の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』より面白いと断言できる準備ができています(笑)。
カタルシスの質が違うのは分かるんだけど……そろそろ面白くなり始めてくれませんかねぇ『~ゴジュウジャー』よ…!