まぁ、面白い方だったと思います。
純粋に面白かったとは言えないのは、こぢんまりしているっつーか、良くも悪くも優等生的なストーリーなんだよね。脚本の小林雄次さんは、東映ヒーロー作品では執筆本数がまだまだ少ない方ですが、プレッシャーに圧されちゃったのかな? 男女3人のドラマは、ちびっ子にとっても退屈だったかもしれません。
それにしても、ゴーカイジャーは特にヒドかったけど、主題歌のフレーズを拝借してばかりで、自分の言葉を紡げないのなら、その歌の作詞家を脚本として連名にしても良いのではないでしょうか?
キャストに関して、大葉健二さんは最近よく見るので新鮮味が薄まってきましたが(笑)、西沢利明さんの登場はディープなトピックの一つですよね。御歳76(!)でも、キチンとロレツが回っているんだから感嘆せずにいられませんよ。
そして、今回より登板する若いキャストについても好印象でした。
二代目ギャバンを演じる石垣佑磨さんはかなり動ける人のようで、体育会系でありながら細すぎもせずマッチョ過ぎもしないのが良い。なおかつ、インタビューや劇中の役柄も相まって、“真っ直ぐ”という印象を受けますね。
オリジナル版信奉者の中には、大場さんと比べた上で嫌悪感を示す人もいるでしょうが、2012年という現代においては絶妙なキャスティングだと思います。
…そーいや、石垣さんって『ブラックジャック ふたりの黒い医者』で声優をやってたよね? その時から声が良いなーと思ったんだけど、本作で遠矢を演じる永岡卓也さんも良い声してるなーと思いました。聞き取りやすい喋り方をしてくれるのも良いですね。
音楽面についても、オリジナルのBGMをアレンジしたものが多々流れます。楽曲のアレンジについては何も言いませんが、使い方が残念でした。
新主題歌が劇中の戦闘シーンで流れ、旧(=オリジナル)主題歌がエンディングで流れますが、これは逆の方が良かった気がします。雑音なしでオリジナル主題歌を聴かせてくれるのは、年寄りに向けた配慮かもしんないけど…。オリジナルを知らない、現役のちびっ子はどっちが好きなのかな?
あと、レーザーブレードのテーマもアレンジして使われますが、短い! 曲に合わせているのかシーンに合わせているのか分かんないけど、なにしろ短い。勝利確定の時に使われる曲とは言え、もう少しじっくり見せてor聴かせて欲しかったかな。
鑑賞後、「れーざーぶれーどっ、ビシッ、ビシッ!」とかハシャいでいるちびっ子もいましたが、子供受けはそこそこ良いのかな?
だとしても、変身アイテムもないし、オモチャとして商品化できる物も少ないので、TVシリーズはムリでしょう。
なので、宇宙刑事シリーズは劇場用コンテンツとして展開して欲しいですね。今回、ほとんど出番がなかったあの2人の分として、あと2作は作らなきゃダメだかんなっ。
余談ですが……いわゆるMというか、痛いのは好きじゃない俺ッチですが、人見早苗さんになら、立った状態で顔を蹴られてもいいかな…。
『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』を観てきました。