ちびちび観ている『ウルトラマンレオ』も半分を過ぎました。
序盤にあったスポ根の雰囲気がなくなってしまい、あの熱さというか、ゲンのひたむきさが薄れてしまっているのが惜しく感じます。まぁ、あんなハチャメチャ特訓を毎回やっていたら2クールで参っちゃうだろうけど(笑)。
下世話な邪推ながら、ダンのシゴきが厳しすぎる!という新聞への投稿でもあったんでしょうね、2クールに入ったあたりからダンの態度があからさまに柔和になります。
ダンがああまでゲンに厳しくしていたのは、言うまでもなく愛する地球を守るためであり、ゲンに希望を託していたからです。あの地獄の特訓は、それほどまでに地球外からの脅威を深刻視していた表れなのです。
これは今なお続く風潮ですが、この手の投稿って子供の脇で片手間に見る程度の親が茶々を入れているようなものなんだよな。子供は子供なりに楽しめているのを取り上げるんじゃねーよと。
これがなくなってしまってしまった事で、『~レオ』という作品が”いつものウルトラマン”として凡庸な作風になってしまったのは残念です。
光線技を使う頻度が高まり、レオの戦闘スタイルも少々変わってしまったのも残念ですね。
たまに傘とかヌンチャクとか妙な武器を使うけど(笑)、基本的に徒手空拳で決着を付けるのが魅力だったのに。
等身大の星人との戦いもよくありますが、この辺は東映ヒーローの影響を受けているようにも見えますね。
ただ、ジャンプ系のアクションは東映にはなかなか追い付けません。
こういう見せ方とかが顕著で、この後の大股を広げてのだらしない着地(笑)まで映してしまうのはイカンですね。
ウルトラマンのアクションは地に足を着けたプロレスごっここそよく似合うのです。
MAC隊員の個性が皆無なのは、ハッキリとダメ出しをせざるを得ません。
せめてオープニングのキャスト表記で役名&俳優の名が出れば、もう少し分かりやすくなるんだろうけど、ダンとゲン以外の隊員の名前&顔が分かる人っているの?と思うくらい。いつの間にか隊員ナンバーも1と7しかないし(笑)。
ネタ切れの苦し紛れに怪奇シリーズだの民話シリーズだのやるくらいなら、隊員をフィーチャーした話でもやればよかったのになぁ。
重傷ところか殉職もザラで、MACほど隊員の入れ替わりが激しい防衛チームってないんじゃない? ダンがいつまでも隊長でいられるのが不思議ですよ(笑)。
ダンと言えば、#29『運命の再会!ダンとアンヌ』は印象的。
念動力を使う少年が母と呼んだ女性は、ウルトラ警備隊の仲間だったアンヌだった事に驚くダンは……というお話。
『ウルトラセブン』でアンヌを演じていた、ひし美ゆり子さんが出演しているだけで身を乗り出して見た人は少なくないんじゃないかな。
この人は本当にアンヌなのか?というのが最も気になるところでしょうが、個人的には似て非なる人、かつ宇宙人だったんじゃないかと。
多くのウルトラマンよろしく地球人の姿で暮らすにあたり、とある誰かをモデルにして地球人に成りすます、そのモデルこそが友里アンヌ。自分はアンヌではないと強調するのは身バレを警戒しているようにも見えるんですよね。ダンの名を呼ぶ事がないのも、ちょっとした裏付けになるかな?
まぁ、ジャリ番と蔑まれていた頃の作品ですから、そんな深い計算はしていないでしょうけど(笑)、後年になって観返すと、そんな解釈もできる一編です。
序盤のダンのキャラがブレてなければ、「言い訳をするな! アンヌをどこに連れ去ったんだ、答えろゲン!(クワッ)」とかやってたんだろうなぁ(笑)。
何だかんだで、それでも一編を飽きずに見れるのは昭和ウルトラマンが秘める力です。
陳腐ながらもお話はまぁまぁ文芸的だし、レオと怪獣の戦いに使われるセットが毎回違うだけでなくクオリティも高い。これだけを見どころにしても十分以上の価値があります。
まぁまぁ本格的にプラモを作るようになってから、ミニチュアの作り込みに目が行くようになってきたのでね。
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