観た、『スペース・スクワッド』 | Joon's blog

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『スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー』を観ました。

 

宇宙刑事ギャバンはパートナーのシェリーと共に、マッドギャランによる密造武器の取引現場に乗り込む。ギャバンとマッドギャランとの戦闘中、シェリーは殺し屋クローネンにより重傷を負わされた挙げ句に消息を絶った。

一方、地球署のデカレンジャーは、銀河系の星々で人々が血を吸われてミイラ化する事件を追っていた。採取された血液は大量殲滅兵器に使われ、その黒幕はマッドギャランである事が判明した。

それぞれが追っていた事件はリンクし、マッドギャラン打倒のためにギャバンとデカレンジャーは手を組む……といったお話。

 

スーパー戦隊シリーズは直近の2戦隊が共闘するVSシリーズが定着していますが、異なるシリーズ、しかも仮面ライダーシリーズではなく、映画やVシネマで地味に展開していた宇宙刑事シリーズとのコラボレーション企画である点は、いい歳こいたファンは見逃せないでしょう。

しかもフタを開けてみれば、タイトル通りスペース・スクワッドが結成される話、つまり全てのスーパー戦隊と宇宙刑事を含むメタルヒーロー(と便宜的に呼びます)の登場を示唆するんだから、子供に付き合って渋々とスーパー戦隊を見ているようなオジサンの心拍数も多少は上がるはずです。

逆に、現役のちびっ子にはポカーンな話でしょうが(笑)。

 

ふと調べると、2代目ギャバンが誕生した『宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』が公開されたのは2012年。

2代目ギャバン襲名から10周年が経過してるのに何もないんだから、もう飽きちゃったんだろうな。

それはさておき、本作の座長、かつスペース・スクワッドの中心人物となるのはギャバン=十文字撃。まぁ、いくつかのスーパー戦隊とも顔馴染みですから(笑)、スカウト役にももってこいの人物です。

これは『~THE MOVIE』の頃から言っていますが、俺ッチは撃を演じる石垣佑磨さんのキャスティングに関しては超ウェルカムです。

この手のジャンルの作品には、オリジナル至上主義というか超保守派のファンが一定数存在しているし、初代ギャバン=一条寺烈を演じていた大場健二さんを崇拝しているのも分かります。

それ故、大場さんの姿を石垣さんに投影したい気持ちも分からなくはないけど、平成ギャバンは昭和ギャバンのリメイクではなく続編です。2代目という別人なんだから、人格が違っていても当然です。

その辺を理解している人は、とっくに石垣ギャバンを支持していると思います。

 

撃=石垣ギャバンの魅力は、暑くて動ける点にあります。

“熱い”を通り越して“暑い”んですよ(笑)。“クサい”という言い回しもありますが、ヒーロー作品の熱血漢はあのくらいストレートに感情表現した方がサマになるんです。

「重い…めちゃくちゃ重い!」というセリフも一見すればギャグっぽく見えますが、こういう所ですよね。撃というキャラを表す好きなシーンです。

そして回を増すごとに冴えるアクション、特に蹴り技は相変わらずキレがありますね。わざわざ言っちゃう(笑)かかと落としや、ダッシュからの飛び膝蹴りとか、撃を象徴するアクションになっているのも良いですね。

聖衣を外したドラゴン紫龍よろしく、撃の本番はTシャツになってから(笑)!

 

…と、ギャバンの話ばかりになっているので、デカレンジャーの話もしないと。

『~10YEARS AFTER』からの、さらなる続編ですから、地球署の面々も10歳以上は老けました。

“老けた”という言い回しは適切ではありませんが、テレビシリーズの頃はハタチそこそこの若造でしたから、そこから比べれば老けた→歳を重ねた事によりベテランとしての貫禄が身に付いたという事でもあります。

でもまぁ、あの制服は20代前半までしか着れないよな…(笑)。

 

監督は坂本浩一さんという時点で、安心&安定以上の作品でファンサービスも多め。

近頃は大きな場所での発言(や指摘)が多くなってしまったせいか、女性のセクシーショットが激減してしまったのは遺憾の極みです。

“セクハラ”なんて言葉を安っぽく、冷やかしの一環として使う連中が増えた事が背景にあるのは言うまでもありませんが、そういう連中は、それと同等に男性をカッコ良く見せている事に気付いていません。

“男はカッコ良く女はセクシーに”というのが浩一監督の芸風であると同時に、これこそエンターテインメントの基本なんじゃないかと、俺ッチは考えます。

言い換えれば、変身前を演じる俳優を多めに映している事でもあるんですし、俳優の魅力をガッツリ見せている証左でもあるんだけどな。

  

脚本は、今やスーパー戦隊の生き字引的なポジションにあるような荒川稔久氏。本作での登板は、スーパー戦隊どころか東映ヒーローのそれに昇格したかのようです。

個人的に、この人は細かいディテールにばかり注力して、ミーハーなファンに媚びているような作風が好きじゃありません。“痛さは強さ”とか言わせるんじゃなよ、線引きがメンド臭くなるから(笑)。

困った時の主題歌(の歌詞)頼りのセリフ群も相変わらずで、ま~寒い寒い…。

 

特に終盤、ラーズが身動きの取れないシェリーを痛め付けるシーンは、まぁこの手の作品にはありがちなものとは言え、これが度を越していて胸クソ悪くなったくらい。個人的にも珍しいケースです。

けっこう不快度数の高いシーンなので、お気を付けて…。

 

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Blu-ray版は廉価版が出ていたようですね。もちろん特典ディスクはないけど。

『ガールズ・イン・トラブル』との2枚組でこの値段は、昨今の東映ビデオにしちゃ奇跡レベルに良心的な価格かも?

 

 

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