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支離滅裂

※無料画像どころか、中身に関する画像は一つも載っていませんよ~

 

新谷姫加さんの写真集、『ひめかわいい。』を買いました。

どうだい、女っ気なんかまるでない当ブログにこんな華やかな写真が載るなんて、乾ききった砂漠に花が咲いたかのようだろう?

 

不勉強ながら、新谷姫加さんという方を存じ上げていなかったにもかかわらず、ジャケ買いならぬ表紙買いしてしまいました。

こういう写真集を買わなくなって久しいですが、この表紙の画ヂカラにやられちまったものでね。

それほどまでにカワイイじゃないですか!

 

アイドル(系)写真集は多々あれど、表紙に使う写真を選ぶのってスゲー気を遣う作業だと想像します。商品として人目を引かなきゃならない使命(?)もありますしね。

多くは笑顔で、それらももちろん可愛いんですが、チト遠慮気味な笑い方なんですよ。いわゆる決め顔なんだろうけど。

それに対し、こちらの表紙の笑顔力は半端じゃなく、一瞬で可愛いと思えるのがいいんですよ。

写真集が数多く発売されている中、表紙部門なんてのがあれば断トツの1位ではないでしょうか?

個人的に、アンニュイな表情というかすまし顔を表紙に使った写真集って購買意欲が下がるんですよね。

 

中身に関しては、面積の少ない衣装が多めなものの、もちろんそうではない写真もあります。もういい歳なので露出度数に関しては度外視です(笑)。

衣装を問わず、晴天の下での笑顔が可愛くってね。

これを機に知った新谷姫加さん、ひっそりながら推させていただくぜ!

 

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普段、こういう商品の紹介は余興程度の感覚でしか紹介しないんだけど、これに関しては応援の意味を多分に込めて載せておきます。

『HG 1/144 ドートレス』を組み始めてます。

 

まだ途中ながら思うのは、手強いキットというよりヘボいキットだなという感が強すぎてね。

同じく2020年に発売されたキット群と比べると、本っっ当~にヒドすぎる設計に失笑です。

プレミアムバンダイ限定品の割に1320円という破格に釣られて買ったはいいけど、安かろう悪かろうの域を超越しています。当ブログの信条でもある“安いは正義!”は、テメーは適用外だ。

 

1320円という低価格を大優先したのか、

顔の三つ目は1パーツで済まされてるし(ドートレスのデザインで最も秀逸な部分なのに!)、

ガンプラ史においてワースト1を狙えそうな足裏の肉抜きは百歩譲って妥協できるんですよ。

メーカーの都合を押し付けて、こうまでして商品化する意味があるのか?とは思うけど。

 

それ以外のテキトーな設計が素人臭すぎて頭に来るんですよ。

一方しか段違いになっていない肩アーマー、

左右対称パーツなのにゲートの数が違ったり、そして最大級に絶句したのは

スラスター内の細かいスリット部分で割ってるところ。2020年時分に、こりゃねーだろ。

キチンと塗装までして大マジに作っていても、ここをスルーしてる人は多いですよね。確かに、呆れすぎてモチベーションを起こさせる気にもならないよな。

 

スーパーの総菜コーナーで、上手く調理できていないものを何割か安くして売ってる時があるじゃないですか。

あれと同様に、使えねーヘボ設計者が担当したものだから安価に設定したように思えるキットです。

まぁ、ドートレスは数多のバリエーションがあるMSですから、それらを発売する際にはこの辺を修整(というより矯正)するかな? 2500円くらいで。

 

ただ、組み上がった後のスタイルはけっこうイイ感じです。設定画にまぁまぁ準拠した、90年代の野暮ったい感じで(笑)。

それに加え、

無駄にこだわっている銃は好きです。合いもまぁまぁ良いし。

モールドも細かくて、キチンと合わせ目消しをして塗装すれば、だいぶカッコ良くなりそう。

 

パーツも少ないし、足裏の処理さえやっとけばスムーズに完成するかな?と思っていましたが、やっぱり最後まで組んでみないと分からないものですねぇ。

『人造人間キカイダー』のBlu-rayを買いました。

 

謎の秘密結社ダークにより作られたロボット、グレイサイキングの前に現れた一人の男。

彼の名はジロー。ダークに捕らわれた身でありながら、光明寺博士が秘密裏に開発を進めていたロボットだ。

罪もない人々を痛め付けるダークの野望を潰すため、ジローはもう一つの姿であるキカイダーにチェンジし、ダーク破壊部隊のロボットたちと戦う。

比類なき強さを誇るジロー=キカイダーではあるが、組み込まれた良心回路が不完全であるばかりに、ダークの首領プロフェッサー・ギルの笛の音に苦しめられる。

光明寺が消息を絶った今、ジローの良心回路を完全なものにできるのは光明寺の娘であるミツ子ただ一人。しかしジローは良心回路が不完全なままである事を望み……といったお話。

 

石森章太郎さん原作の70年代ヒーローと言えば、勿論のごとく『仮面ライダー』が思い浮かびます。

本作も同じく変身アクションヒーローの活躍を描いた作品で、やってる事も大同小異ではありますが、ドラマ要素に関してはこちらの方が上だと思っています。

何しろ原作(漫画)版はちょっとした哲学書とも呼べる内容ですから…。

 

得てして、この手の作品はヒーローが敵組織の暗躍を追うのが常で、敵が動かない限りドラマが生まれない。つまり、敵がおとなしくしていればヒーローは手持ち無沙汰になってしまうんですよね。

本作もそんなヒーロー作品のワンパターンに倣ってはいるものの、事務的に敵の動向を探るばかりでなく、こちら側に抱えているちょっとした問題をクローズアップする(時もある)ので、まーたいつもの似たり寄ったりの話かと思う事が少なめなのがいいんです。

大筋から逸れる横道が多くて長いほど世界観が広がるものですしね(徹頭徹尾、最後まで一貫していればの話ですが)。

後述するジローとミツ子関連の話は、こっちの問題にケリが着くまでダークは出てくんなと言いたいくらい(笑)。

 

とりあえず、3話まで鑑賞。

所詮は70'sヒーロー番組、子供向け番組=ジャリ番と蔑まれていた頃の作品ですから、もちろん至らない点は多々ありながらも、けっこう挑戦的な事をやっているのが見て取れます。

その一つが恋愛事情で、先に述べた横道の代表格です。

この手のヒーロー作品で、ヒーロー側の恋バナを明確に描いたのは『鳥人戦隊ジェットマン』が初とされています。そこから遡り、ヒーローが恋をしているように見える作品は多々ありますが、本作もその中の一つです。

各回に必ずあるものではないものの、随所で見せるジローとミツ子のすれ違う思いは我々視聴者が勝手に思い込んでいるわけではなく、作り手側も少なからず意識はしていたんじゃないかな?

ミツ子は光明寺のキカイダー開発に立ち会っているから、キカイダー=ジローの体内が機械である事も熟知している。ジローもそれを知ってはいるけど、ミツ子には見せたくないし、見られたくない。自分が機械ではなく人間=男として振る舞ってきた証というより、強がりと言った方が正確でしょう。この辺は原作を上手くアレンジしていますね。そんな秀逸な点も、次の回になると忘れちゃうんだけど(笑)。

ダークに対しては超強気だけどミツ子に対してはこんな感じで、時折見せるジローのいじらしさが可愛いんですよ。まるで、主人の言い付けを死守する忠犬のようじゃないですか!

 

この頃の変身ヒーロー作品に登場する女性レギュラーの中でも、本作のミツ子に関しては割と重要な立ち位置にあるキャラで、添え物程度のチープな役ではありません。ジローが戦う理由の、割と大きな割合を占めているとも思うんだよね。

回を重ねてくると、自分が作ったロボットという感覚を忘れて、もはやジローを人間として見るようになってくるのがいいんですよ。それどころか、だんだん重い女になっていく(笑)。

何より、演じている水の江じゅんさんが可愛いくってね。ミニスカ&ナマ足という70'sファッションもオシャレでカワイイ! そんな危なっかしい恰好でありながら、中身は絶対に見せないという70年代モラルの安心感…。

 

ミツ子がジローに向ける感情が、単に自分が作ったロボットに向けるそれではなく、どんどん超越したものになっていくように見えてくるのは不思議な話ではなかったようです。

何しろ、水の江さんはジローを演じていた伴大介さんを……というんだから、感情も乗った上での熱演だったのかもしれません。

これを裏付けるのは、

ジローを演じた伴さん&イチロー=キカイダー01を演じた池田駿介さんの共著、『キカイダー賛歌』。

伴さんと池田さんがそれぞれ作品を振り返り、キカイダーと縁のある人たちの下を訪ねた模様が載ったものです。

対談相手は吉川進さん、うえだ駿さん、飯塚昭三さん、長坂秀佳さん、そして石ノ森章太郎さんという豪華っぷり。本著は1997年に発行されたものですから、まだ存命中だった方々との対談は今では貴重です。

先の、水の江さんのエピソードはうえださんによるもので、伴さんは番組終了から25年が過ぎたこの対談で初めて知ったそうです(このすれ違いもキカイダー世界っぽい…)。二人の間を取り持ち役を任されたうえださんは、私生活でも三枚目なのかよと落胆したんだとか(笑)。

そして石ノ森さんとの対談は最大の読みどころ。

伴さんは伴大介→伴直弥→伴大介と芸名が変わっていますが、この対談は元の芸名である”伴大介”に戻す報告も兼ねていたそうです。そもそも“伴大介”という芸名は石森さんに付けてもらったものだったそうなので、これは感慨深いですね。大御所は懐が深い!

 

――という事で、観始めた『人造人間キカイダー』。

まぁ、昭和ヒーロー作品の宿命である(笑)ツッコミどころやハンペンのギャグ(これが本当に面白い!)に笑いながらも最後まで見届けます。

最終回までゴゴッゴー!

 

ちなみに、国内版の廉価版も出ていましたが、

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安くはなったけど、合わせて2万超えな上に、こちらには映像特典はない。

ん~む……と悩み躊躇っていたので、さらに安いあっち版が発売されてありがたいよ。映像特典もあるしね(国内版と同じものかどうかは不明)。

あ、劇場版の収録はありません。

ちょっと前にこんな記事を綴りましたが、そんな俺ッチの落胆を気に留めてくれたのか(?)、日本でも『ロミオの青い空』のBlu-rayが発売されるそうです。

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仕様を見る限り、最も気になる画角に関しては4:3との事で大安心。

海外版は半分以下の値段で買えそうですが、あちらの画角は容赦ないトリミングを施した16:9(4:3版も収録しているけどSD画質ってんだからオマケ以下の扱い)。

チト高いけど、画角や画質を優先するなら国内版ですね。

 

世界名作劇場の作品がBlu-ray化されるようですが、ここでチト驚ける事があって。

まずは第1弾、第2弾がリリースされます。

第1弾が世界名作劇場の代表格でもある『フランダースの犬』『赤毛のアン』というのは順当ながら、『母をたずねて三千里』や『あらいぐまラスカル』を押さえて、まさか第2弾として『ロミオ~』が発売されるのって地味に快挙じゃないですか? 別に発売順=人気順というわけではないものの、少数派による根強い支持がそうさせたのかもしれませんね。

『ペリーヌ物語』に関しては分かりかねますが…(笑)。

 

いわゆる“サザエさん症候群”に陥るほどに若かった時分の俺ッチは、明日=月曜日の出勤までの時間が憂欝で仕方なかったものですが、『サザエさん』の後に放送していた本作を観て、ちょっとは前向きな気持ちになれたものです。まぁ今になっても月曜日は敵ですが(笑)。

そんな『ロミオ~』という作品は老若男女を問わず、陰鬱な気分で明日を迎えようとする人ほど見ておいてもいいと思うんですよ。

確かに、世界名作劇場あるあるというか、シリーズ前半には主人公が辛い目に遭うシーンは多々あります。

けど、誠実に生きる者には必ず救いがあり、小さな幸せも待っているものです。現実はそんなにお気楽ではないのは分かっているけど、多少は希望というやつを信じてみる気になれる僅かながらにも元気を分けてくれる作品です。

逆に、頑張れない時は頑張らなくていいという言葉に甘やかされ、逃げ癖が染み付いた人には1ミリもオススメしません。いつまでも逃げ隠れしてろや。

 

ロミオが過酷な生活を送るのはシリーズの前半までで、後半は仲間たちとの友情物語になり、世界名作劇場のイメージとはかけ離れた熱い展開が待っています。

そしてもちろん、涙なしには見れないシーンも少なくありません。こんな歳になっても、最終回は泣きっぱなしで観れる自信がありますよ(笑)。

本作は連ドラとしての面白さを多分に含んでいるので、ここにもハマれる要素があります。

 

登場する少年少女は総じて愛嬌があり、特にヒロインが可愛いのも魅力です(もちろん絵柄だけの話ではなく)。

ただ陰の主役であるアルフレドだけは例外で、可愛さはほぼなく、凛々しいという方が正解です。世界名作劇場に準拠した(?)絵柄ながらも、超カッコ良く見えてくるんですよ。精神年齢は20代後半くらいだし(笑)。

ジョバンニに漂うニヒルさも少年感が希薄ですよね、ヤクザの若頭みたいな貫禄もあって(笑)。

アルフレドを演じている藤田淑子さんが超ハマッていてね。トコさんは数多くの元気な少年役を演じてきましたが、どこか冷めたクールな少年の芝居が新鮮でした。放送当時、これにやられたアニメ女子はかなりいたんじゃないかな?

ちなみに、

アルフレドがこんな風になる未来もあったそうな…!

今はただ、これを没にしてくれた人の英断に感謝するばかりです(笑)。

 

――と、こんな話をしていたら、古い資料を見返したくなってね。

こういう副読本が出るあたり、アニメファンの人気が高かった証なんでしょう。

『~脚本集』は未だ全てを読み切れていませんが、放送されたものと比べるとあったりなかったりするシーンがまぁまぁあります。生粋のクズだったアンゼルモにも、シナリオの段階では最後の最後にちょっとした救いがあったんだな…。

 

アニメ史を振り返ると、それぞれの年代に当時の流行りの絵柄があるものですが、今の目で見るとキッツい絵柄もあるじゃないですか。奇形だらけの90年代とか(笑)。

アニメは絵が命ですから、絵柄の好みで作品を見るかどうかを決めるのは自然な話で、時代を感じさせるようなドギツい絵柄に食指が伸びない人も少なくないと思います。

その点、世界名作劇場の画風はいかにも子供向け~って感じでシンプルすぎる反面、流行り廃りに流されない絵柄とも言えます。スタジオジブリ作品にも同じ事が言えますね。

つまり、世界名作劇場の作品群はいつの時代に見ても鑑賞に堪え得ると思うんですよ。

“見ておくべき作品!”とかお仕着せがましい事は言わないけど、特に社会人になって辛い思いをしている人には刺さるんじゃないかな。

『フルメタル・ジャケット』を観ました。

 

アメリカ海兵隊を志願した若者たちが訓練キャンプにやって来る。

ハートマン軍曹の厳しい訓練や叱咤は脱落者を生みもしたが、今や一人前の兵士に成長した彼らはベトナムに送られる。

従軍記者となり前線の取材を命じられた“ジョーカー”は、訓練所での同僚“カウボーイ”と再会、彼の隊に加わりフエ市を目指す。進軍を続ける中、手強い狙撃手に遭遇した一行は次々と犠牲者を出し……といったお話。

 

ベトナム戦争を題材にした、スタンリー・キューブリックさんの監督作品です。

80年代に氾濫していたベトナム戦争モノに、キューブリックさんほどの巨匠が手を出すのは意外です。流行に乗っかったみたいで俗っぽいところもあるんだなぁと(実際は戦争映画がやりたいだけで、特にベトナム戦争にこだわっていたわけではなかったそうな)。

かつ、ベトナムで起きていた真実を描く!という聞き飽きたような売り文句も掲げていたんでしょうが、ベトナムに向かう前の事から、新兵が訓練を始めて一端の兵士になるところから描いているのが本作の出色たる点であり、他のそれらとは一線を画するところです。

逆に、舞台がベトナムに移ってからの展開は、まぁまぁ上質な戦争映画程度の出来に見えてしまいますが…。

 

そんな前半の新兵の訓練こそ本作の白眉であり、最大の見どころです。

そして、その見どころの全てを持ってっちゃってるのがハートマン軍曹のド強烈なキャラで、青っ白い若造を一人前の兵士に育て上げるためのシゴキが最高です。

慈悲や愛情なんてヌルいものは1ミリもなく、人格否定に加え体罰も上等、この世にある罵り言葉を駆使して訓練生を徹底的に鍛え上げます。あまり表には出さないけど優しい一面も持ち合わせていて~なんて媚びた面なんか絶対に見せない、まさに人間の姿をした鬼と言っても過言ではありません

ちょっと威圧されてシュンとなるような打たれ弱い昨今の小僧どもには、ハートマンのような指導がそろそろ必要ですよ、割とマジで。

ただ、何だかんだでハートマンは過剰に厳しい指導をするものの、訓練生よりも早く起きたりランニングも一緒に走ったりで、口うるさいだけで後ろでふんぞり返ってるようなタイプではないんですよね。

そういうところが尊敬できるとか偉そうな事を言い出しそうな奴もいそうだけど、ウジ虫以下の俺たちにゃ、そんなご立派な感情なんか無用なんだぜ、Sir, yes sir!

 

軍への入隊を希望する若者は数あれど、あれほどの数がいれば個人差は生じます。

その中で、抜きん出た落ちこぼれはゴーマー・パイル=ほほえみデブことレナード(本名が明らかになった訓練生はこの人だけ)。あだ名の通りのデブで、常に口は開きっぱなしでニヤケ顔がデフォルトであるだけでなく、運動能力も鈍い事からハートマンに目を付けられます。

レナードが足を引っ張ったために連帯責任を負う羽目になり、訓練生たちのリンチに遭う事も…。

これを機にレナードは一変、班長の“ジョーカー”の手助けもあり、訓練にも付いて行けるようになっただけでなく、ハートマンに射撃の才能も認められるように……なったものの、その進歩は決して健全ではなく、精神を代償にしたものでした。

“ジョーカー”にはそこそこ心を許しているけど、完全に自分の殻に閉じこもってしまいます。序盤のユルい顔付きなんか微塵とも感じさせない、完全に壊れた人間のような表情が怖いです。“ジョーカー”やハートマン以外の人とはどう接していたのか見てみたかったですね。

ベトナム戦争を経験した兵士は精神を病んで帰還する事が多いようですが、本作を観ると、出兵前からそんな土壌が既にできあがっていたように思えます。

 

そんな訓練を終えてお話は後半に突入し、いざベトナムへ。

ベトナム戦争の戦場と言えばジャングルというのが定番ですが、廃墟と化した市街地を舞台にしているのが新鮮です。

…が、ここからは他のベトナム戦争モノより抜きん出たところが少ないのが惜しく感じます。

クライマックスのオチになる敵の狙撃兵との決着も衝撃的に感じるものの、ちょっとドラマチックすぎてるかな? これも含めてベトナム戦争の真実ではあるんだろうけど…。

 

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Blu-ray版の映像特典は、関係者が当時を振り返るドキュメンタリーを収録。吹替版は収録されていません。

一応、吹替版も作られてはいるようです。

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…が、個人的には本作に吹替版なんてのは無粋に思えてね。

特に前半の、あの鬼気に満ちた空気を吹き替えで再現なんかできんのかいな?と。アニメ畑の声優を(あまり)使っていないのは好印象ですが、まぁ見る気はしないよね。

 

これは日本限定の話として、字幕がいいんですよ。

本作の字幕を担当した原田眞人さんは、わざわざキューブリック監督の監修を受けた上で限りなく原語に近付け、日本国内に向けた忖度などない翻訳をしたという話は割と有名です。本来なら全ての洋画にあって欲しいエピソードですね。

それ故に、出てくる言葉の過激さは唯一無二。

ネット以外の媒体で“マンコ”という文字の並びなんか、なかなか目にできませんからね(笑)。

ただ、卑猥なワードがポンポン出てくるのはいいとして、その使い方はビミョーなものが少なくありません。

「頭がい骨にマンコしてやる!」とか言われても、意味不明すぎてポカーンですし…(笑)。

『プラトーン』を観ました。

 

1967年。ベトナムにやって来たアメリカ軍の新兵たち。

その中の一人であるテイラーが自ら入隊を志願したのは、退屈な大学生活を捨てるためだった。

しかし、最前線の過酷さはテイラーの想像を遥かに超えていた。終わりが見えないベトコンとの戦いだけではなく、指揮系統の乱れや小隊内の派閥争い、次々に倒れて行く同志、無抵抗な原住民への虐待…。

そんな光景を目の当たりにしながらテイラーは兵士として成長すると同時に、戦争の現実を思い知らされる……といったお話。

 

さすがに近年では廃れたようですが、特に80年代のアメリカ映画では、もはや一つのジャンルとして確立できるくらいにベトナム戦争を題材にした作品が多々作られました。その多くがヒットしている事から、国民の関心度が高い表れでもあったんでしょう。

ベトナム戦争自体を描いた作品は多いですが、そこからさらにベトナム帰還兵が登場する作品まで数え出したら、そりゃもうキリがないくらい(笑)。

アメリカにとってベトナム戦争は世界史レベルで失敗だったとされているのに、そんな自国の汚点を映画という形で全世界にさらけ出すのって、ある意味、世間に向けた謝罪に近いものを感じます。

アメリカのみならず、ドイツあたりもそんな潔い真似ができるのに、日本はまだまだだ未熟な国なんだなと思い知らされます。

 

多くの映画の中のベトナム帰還兵キャラは、精神に破綻をきたしているとして描かれる事が多いです。

戦争から帰還した人なんてゴマンといるのに、どうしてベトナム帰りの人に限って異常者みたいになっちゃうの? ベトナムで何があったの?と感じる人は少なくないと思います。

映画で感じた疑問は映画で答えるという意味で、ベトナム戦争における戦闘を描いた作品、個人的には『地獄の黙示録』(の中盤まで)『ハンバーガー・ヒル』『フルメタル・ジャケット』(の後半)をアンサーとして挙げます。

それら3作を観た上で本作を観たんですが、これらの集大成になり得る作品に思えました。ベトナム戦争の異質さが少なからず垣間見れると思います(『ハンバーガー~』は戦闘の過酷さに重きを置いているように思える)。

 

理性の通じない所を地獄と言うなら、ここがそういう所だ

ベトナム帰還兵の精神が病んでしまう理由の一つを表すセリフです。

敵を殺すのが使命ながら、その発想が過剰になってベトナム人なら全て敵とみなしてしまう疑心暗鬼。彼らの生殺を自分の気の向くまま平然と行う同志の姿を見てしまえば、もしや自分の方がおかしいのでは?なんて気分にも陥りそうですしね。

精神の平静を求めてドラッグに走るのも、ある意味では仕方ない事になってしまうんでしょう。

味方も味方で仲間意識も薄いし、同じ隊内で派閥争いがあったり、指揮系統が混乱しているのか味方がいる地点に砲撃されたり、戦闘の恐怖に加え味方に対する不安感の方が遥かに大きくなり、考える力=理性を失ってしまうんじゃないかと。

どうにも解決できない異常な状況、つまり捌け口の探しようがないストレスが溜まりに溜まっておかしくなっちゃうのかもしれませんね。

ラスト、あれだけ憎んでいたバーンズと似たような真似をするあたり、やはりテイラーも正気を失わずにはいられなかったのは、そういう事なのかもしれません。

 

ビリング=キャスト表記の順番としてはトム・ベレンジャーさん、ウィレム・デフォーさんに次いでいますが、本作の主人公は誰が見てもテイラーを演じるチャーリー・シーンさん。お父さんであるマーティン・シーンさんもベトナムで異常な体験をしてたね~って、『地獄の黙示録』の話。

個人的に久々に見るチャーリーさん、やっぱり80'sイケメンなんだよな。ルックス的にトム・クルーズさん系というか。

だらしない私生活のせいで露出が減った事が悔やまれるけど、どうにか復帰して欲しいと思わせる俳優の一人です。ないかな…。

 

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Blu-ray版の映像特典にあるドキュメンタリーは本編と合わせて必見で、特に帰還兵たちによるディスカッションが興味深いです。

約10年で200万人がベトナムに行ったとされていますが、それだけの人数がいれば本作のような出来事は一切なかったという人もいるし、映画で語られる全てが真実ではない事を教えてくれます。
良くも悪くも、所詮は映画はエンターテインメントなんですよ。

『ザ・スクールコップ』を観終えました。

 

大まかな粗筋と、序盤の雑感はコチラに

 

…って事で、最終回まで観終えました。

問題のある学園に潜入→調査→解決というのが基本的な流れで、これを数話に分けて1編とする構成です。1~5話が追分学園編、6~9話が聖山女学院編、みたいな数話完結方式というか。

それ故に1編ごとに連続性はあるものの、全編を通してのこれが皆無なので、連ドラとしての面白さは欠けています。

何より、キャラの環境に進展がないんですよね。

例えばおケイとトン子は事件が解決すると少年院に逆戻り、新たな調査が始まるたびにシャバに出られるという感じで、続編が始まると前編の設定にリセットされてしまうのがもどかしく感じたかな。含みを持たせておきながら、お父さんとの関係はどうなったんだ、おケイよ…?

 

多くの人がイメージする大映ドラマの“あんな感じ”を期待して見ると肩透かしを食うと思います。大映ドラマと言っても、コメディ刑事ドラマとして見るのが正解なんでしょうね。

刑事ドラマなので基本はシリアスなムードで、事件の調査も進展し、さて次の行動に移るぞ……といったタイミングで「大介さぁ~ん!」「やぁさ~ん!」と始まっちゃうんだよね(笑)。緊張感の緩和としてこれをやるのはいいけど、水を差された気分になる方が強いんですよ。

そんな大介の邪魔をするのは祥子と千代丸だけではなく、内部監察官の香川も同様。スクールコップとして行動する大介を怪しむ、ネチネチと主人公に付きまとうTHE大映ドラマな感じのイヤなキャラになるのかな……と思いきや、そう思わせたのは1話だけで、あとはもう完全にコメディ担当に堕ちてしまったのが不憫でなりません(笑)。

 

設定的に痛快感がありそうで実はあまりないのが残念でしたが、キャストの好演が魅力です。

大映ドラマのレジェンドが数多く集まる中(本当に多い!)、そこに混じる仁藤優子さんとマッハ文朱さんが最高です。

仁藤さんが演じるトン子は口よりも先に体が動くようなキャラで、常に大暴れしたい欲に駆らている(笑)ヤンチャな子。これを元気いっぱいに演じている仁藤さんが可愛いんですよ。おこりんぼの人魚にはポニテがよく似合う!

マッハさんが演じる明子は少年院の教官で、暴走というか暴発しやすい(笑)おケイとトン子を御する姉御キャラ。長身も含め、これが実にハマッてるんですよね。クライマックスの大立ち回りに参戦する事がたった1度しかなかったのは勿体ない!

ところで、明子の店によく来る常連客(演じるのは藤本正則、改め見栄晴さん)のミステリアスさは考察のし甲斐がありそう(戸塚院長の密偵だったり?)。

 

数話を1編とする作りなので、1時間枠の連続シリーズではなく、2時間枠=スペシャル版として不定期的に、もっと作られても良かったと思うんですよ。キチンとした終わり方でもなかったしね。

メンバーを入れ替えながらも大介の遺志は脈々と受け継がれ、現在でもスクールコップは存在し続けている……といった感じで新作でも作れないかね?とも思うけど、教師よりも生徒の方が強い立場にある現代にはナンセンスな話かな…。

 

 

ところで……残念ながら、TOKYO MXの早朝5時枠、当ブログ限定の別名であるスーパー大映タイムは本作で終了のようです。なんてこったい。

気になる後番組は『振り返れば奴がいる』との事ですが……違うんだよMXさん、俺たちが観てぇのはそんなんじゃねぇんだ!

ここまで来て『アリエスの乙女たち』をやらないなんて…!

『発表!全スーパー戦隊大投票』を見ました。

ついに50周年を迎えたスーパー戦隊シリーズの人気投票企画たる番組です。

BSながらもこんなマニアックな企画を実行するNHKの心意気や、東映の懐の深さには拍手を送ります。

と同時に、ある意味における儲け話を他局に掠め取られるテレ朝の体たらくには、ほとほと呆れるばかり。この手の番組をあからさまに軽視しているように見えるのは、そういうところなんだよ。

 

そして注目の投票結果については、何の不服もないどころか1ミリも気にしてません(笑)。

確かにね、コレが上位でアレは圏外?と思うところは少なからずありましたよ。まぁ、鮮度がいいものは人気もあるよな、と。

今日び、八百長とかデキレースなんてダッセー真似はしていないだろうけど、例えば旧ツイッターでいうところのトレンド工作員よろしく、妄執に駆られるがごとく票稼ぎに全力を注ぐ連中もいただろうから、まぁ組織票みたいなモンだと話半分くらいに聞き流すくらいがちょうどいいよね。

「ほら見ろ、○○よりも△△の方が人気ないじゃん!」なんてやり取りで盛り上がってる界隈もあるでしょうが、そのくらい熱くなれる世代も必要ですから、いい大人はそんな小僧たちの微笑ましい光景を見守るに留め、ムキになって反論とかしないように!

ところで、上位20位までの発表に留めておくのは紳士的ですね。浅ましい人間ほど下位を知りたがるものだから…。

 

…で、番組として見終えて思うところをいくつか。

【〇:紹介VTR】

この手の番組で作品を紹介する場合、使われるのは決まって第1話じゃないですか。

スパ戦やライダーがド新人の登竜門と呼ばれるようになって久しいですが、ただでさえ素人に近かった頃の拙い芝居を見られるのって、俳優にとっては顔から火が出る思いをしているんじゃないかと想像します。

もちろん、この番組も1話は見せますが、2話以降や中盤や最終回あたりも流し、ようやく達者になってきた頃の芝居も見せるのは配慮を感じます。

 

【〇:キャストの紹介】

今や知名度がグッと高まった俳優が、かつてヒーローを演じていた事を明らかにする(?)のも、この手の番組の特徴。そんな若かりし頃の俳優が映っているカットに、キャスト名をテロップに載せるのも常套手法です。

『烈車戦隊トッキュウジャー』で例えれば、志尊淳さんと横浜流星さんの名を出しときゃオッケー的な風潮もありそうなものですが、平牧仁さんや(小島)梨里杏さんや森高愛さんの名もキチンと出すのは、(おおよそ)5人で一つのチームとなるスパ戦の根っこを理解しているように思えます。地味ながら、粋な真似をするなぁと感心&感激。

 

【✕:投票部門】

3種の投票部門があるのはいいんですよ。

 ・作品部門 →分かる

 ・戦隊ヒーロー部門 →分かる

 ・戦隊ロボ部門 →…要る?

他の変身ヒーローと区別する要素として、巨大ロボの存在はスパ戦の個性とされているそうです。

…が、個人的には、大したドラマが生まれないロボ戦はスパ戦の中で最も要らない要素と考えています。

おそらくですが、1年間の撮影を終えた俳優たちが真っ先に忘れる固有名詞はロボット(と決め技)の名前だと思うんだよね(笑)。女の人ならなおさらに。

ロボ部門の結果発表時のスタジオの雰囲気も、福くんと宮下さん以外はリアクション薄めだった(ように見えた)し…。

 

【✕:ナカショー】

番組の出演者を見て、心底よりガッカリしたよね。宮島咲良さんか、ある意味でのスパ戦婚をした井上小百合さんが良かったよ。

で、この人、一人で熱くなった挙げ句、それは言わないのがマナーだろうという事までペラペラ喋ってしまう暴走っぷりはサイテーの極み。皆無に等しいだろうけど、視聴途中なのにネタバレ食らったという人はお気の毒でしたね。

キャスティングした人、ちょっと手抜きすぎだぞ!

 

――とまぁ、番組としての雑感を綴ってみました。

総じてトークゲストがマンネリな面々だったのが残念だったけど、ツボを突いた作品紹介等、製作スタッフの熱量は感じられました。できれば3時間枠でやって欲しかったなぁ。

 

ちなみに、俺ッチは投票はしていません。自分が面白いと感じる作品を知っているのは自分だけでいいですからね。

そんな当ブログでは、『電撃戦隊チェンジマン』が好きな人とは友好的な関係を築きたいと考えています。

『カクテル』を観ました。

 

一獲千金を夢見てニューヨークにやってきたブライアン。しかし大企業への就職はことごとく失敗し、通りがかったダグラスの店でバーテンダーのバイトに就く。

天性の人好きな性格からブライアンは店の人気者になり、ダグラスと組んで二人の店を持つ事を夢見る。ダグラスはこの話に気乗りしないだけでなく、ブライアンの恋人に手を出した事で二人は喧嘩別れをしてしまう。

それから2年後、一人でジャマイカに渡ったブライアンはビーチでバーテンダーとして働いていた。ふとしたきっかけからブライアンはジョーダンと知り合い、親密な関係になってゆく。

そんな中、ブライアンは新婚旅行にやってきたダグラスと再会。軽口から始まった賭けとしてボニーを口説き落としたブライアン、そしてその姿を見たジョーダンは傷心のあまりニューヨークへ帰ってしまう。

ボニーとの心ここにあらずな関係が虚しくなったブライアンはジョーダンを探し求め……といったお話。

 

トム・クルーズさんの主演作です。『トップガン』や『ハスラー2』等々、人気が確固たるものになってきた頃ですね。この両作でも、実力はあるけど向こう見ずでヤンチャな若者を演じていて、本作においてもそんな感じです。

バーテンダーという事で、「ボトルやシェイカーをクルクル回したり女とイチャイチャするような、どうせチャラい役なんだろう?」とも思いますが、まぁ半分くらいは当たってますね(笑)。

やろうと思えば、曲芸のごときバーテンディングのシーンを多めにして見入らせる事もできたんでしょうが、観終えてみればそんなシーンは余興にすぎず、ブライアンの成長こそが真の見どころです。現にバーテンとして働いているシーンは3~4割くらいしかありませんしね。

 

序盤のブライアンはお金というより、ヤッピーな人種や生活スタイルに憧れていたようです。

特に女性関係に関しては基本的に行きずり、親密になったところでせいぜい恋人止まりで結婚なんか1ミリも前提とせず、自分を束縛するものなんか以ての外という感覚。中盤あたりまでのジョーダンとの関係を見ていれば一目瞭然ですね。

そんな行き当たりばったりでテキトーな生き方をしていた結果がボニーとの顛末で、ジゴロだのレディ・キラーだのと言われていても、日本語で端的に言い表せば要はヒモですが(笑)、ブライアンはその辺を割り切れなかっただけマシだったんでしょうね。この対極にあるのがダグラスなんですよ。

 

ブライアンの師匠でもあるダグラスもいい味を出しています。父親であり兄貴であり親友でもある、“信用”を通り越して“信頼”を寄せてもいい存在ですね。

その表れが二人の会話で、本音と冗談が入り混じった掛け合いは端から見れば挑発合戦にしか見えず、いつ喧嘩に発展するのかヒヤヒヤします。

でも、これは信頼で築かれている二人の関係が完成されているからこそ、ああいった軽口で済まされるんですよね。ブライアンの恋人を横取りしたのは、ダグラスの冗談もさすがに度が過ぎていますが(笑)。

自分の生き方の指針でもあったダグラスが落ちぶれた姿を見てしまったのも、ブライアンが目を覚ますきっかけでもあったんだろうなと。

 

で、端的にどんな話かと言えば、ブライアンが本当の愛を見つけ出すお話です。

テーマ的に古臭いし青臭くもあるけど、実際に古い作品(1988年)だし、トムさんだってまだまだ若い頃の作品。

世間的な評価のみならず、トムさんすら本作には渋い顔をするようですが、もう“昔の作品”と呼べるようになった今だからこそ、その辺を割り切って再見すれば、そこまでヒドいと感じる作品ではないと思います。

それどころか、こういう純粋さを冷笑する傾向が強まってしまった現代にこそ、見ておいてもいいんじゃないかな。

 

ブライアンとダグラスのバーテンディング=バーテン芸は目を引きますが、例えば予告編で使われるような掴み程度のものでしかなく、全編を通して見れば、これを主な見どころとした作品ではない事に気付きます。

そんな二人のバーテンディング、別に特別な芸ではないように見せるに留めていますが、かなりのスキルを要するものだと想像します。

これくらいトムクルならできて当たり前!みたいに思いがちですが(笑)、相当な練習を積んだであろうと想像します。もちろんダグラス役のブライアン・ブラウンさんも同様にね。

 

にしても、女性の髪形を見てるだけで80年臭がプンプンしますね。なんとチリチリパーマ率の高い事よ(笑)!

80'sハリウッド女優って、髪型のせいで見た目で損をしてる人が多いんだよね。目立つ作品に出ている割に、その後がパッとしなかったり、後世で話題になる女優って少ないじゃない?

 

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Blu-ray版は映像特典も吹替版もない、本編の収録のみというド最低限どころか、ドケチ仕様です。何かしらの素材でも見つけて来れないものかねぇ。

ロクに付加価値もないので、配信版でもいいと思います。

 

カンケーないけど、当時のナウい音楽を多用するミュージックビデオ風な作風も80年代ですよね。

個人的に、ボビー・マクファーリーさんの『Don't Worry Be Happy』に食い付きました。

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『土田晃之 日曜のへそ』のエンディング曲じゃん!と思う人、正解です(笑)。第2部は聞かないけど…。

2019年版『チャーリーズ・エンジェル』を観ました。

 

ブロック社が開発した新しいエネルギーデバイス、カリスト。エンジニアのエレーナはカリストにある欠陥の矯正を具申するが、上司のフレミングに却下される。

エレーナはこの件を内部告発するためタウンゼント・エージェンシーのボスレーに相談を持ち掛けたところ、殺し屋に命を狙われる。ボスレーは殺されてしまうが、二人の女性がエレーナを救い出す。二人の名はサビーナとジェーン。そして彼女らの正体は、チャーリーズ・エンジェルとしてタウンゼント・エージェンシーに所属する凄腕のエージェントだった。

新たなボスレーの下、サビーナとジェーンはエレーナを連れて調査を続行。カリストを兵器に転用できる事を知るフレミングを追う3人は、事件を裏で操る意外な人物が黒幕である事に気付き始め……といったお話。

 

個人的に2000年版の『チャーリーズ・エンジェル』は、00年代アクション作品としては絶対に外せない作品です。もちろん続編たる『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』もね。

そこから16年のスパンを空け、スタッフ&キャストも一新された本作。確か劇場公開時はコロナ禍もたけなわだったせいで観に行かなかったんだよね。

予告編等を見る限り、少々の不安を抱いたものですが、観もせずにああだこうだ言うのはフェアじゃないと思うので、文句を言うためにもまずは一見しないとね(笑)。

前シリーズから主演、かつ製作総指揮を務めていたドリュー・バリモアさんの名もある事だし、そこまでヒドいものでもないだろうと願いつつ…。

 

で、今回の鑑賞で今さら知ったのは、お得意のリブート作品じゃないんだ?と。

つっても、強引に前作(映画版やテレビシリーズ)との繋がりを持たせている程度で、そんな嫌らしい真似をするくらいなら潔くリブートとしておけばいいんだよな。こちとら、あれっぱかしで懐かしさにウルッとするほどチョロかねぇんだぜ?

 

一例として挙げると、

 ・『ロボコップ』('87)と『ロボコップ』('14)

 ・『ファンタスティック・フォー 超能力ユニット』(’05)と『ファンタスティック・フォー』('15)

 ・ダニエル・クレイグさん主演のOO7シリーズ

そして本作。

総じてこれらのオリジナル版はユーモアに富んだ作品でありながら、リメイクやらリブートとして作り直すとなると、どうして真面目くさった作風にしちゃうんだろうと。

辻褄を合わせる事にばかり重きを置きすぎてるせいか痛快感に欠けるんだよね。

クールでスマートなのが今風のカッコ良さなのかもしれないけど、スカシてんじゃねぇと(笑)。

本作もそんな悪風の例に漏れずで、よく笑い、よくセクシーに(?)、よく戦うという前シリーズのノリが大好きだった俺ッチとしては、その辺の堅苦しさにフラストレーションを感じます。

 

赤の他人が主観たっぷりにオリジナル版の設定を改竄&後付けしちゃう昨今の悪癖は本作でも健在です。ガンダムとかマーベル、スター・ウォーズあたりが毒されてるヤツ(笑)。

タウンゼント探偵事務所が今や各地に存在するまでに大きくなっていたり、指示役であるボスレーの名がコードネームだったり、世界観を広げるためのアイデアとしては良いかもしれませんが、せいぜいその程度。

エンジェルの行動範囲はアメリカ国内だけで十分だと思うんですよ。

 

基本的にチャーリーズ・エンジェルは三人一組が(暗黙の)原則だと思っていましたが、そんな決まり事も取っ払ってます。本作の場合は2.5人組とでもいうか、サビーネとジェーンのコンビにヘルプとしてエレーナが参加するような形。

ただ、エレーナはエンジェルの見習いでもなく、あくまでクライアントにすぎないのに、タウンゼント・エージェンシーの内部事情を見せびらかしすぎでしょ。

その後、エレーナは正式にスカウトされエンジェルになったようですが……頭と体ばかりを鍛えるのはそこそこに、エンジェルの捜査テクニックの基本である色仕掛けの訓練も忘れずにな(笑)!

 

これはテレビ版=オリジナル版からあったのかな、エンジェルたちの変装、言い換えればセクシーなコスプレ七変化は『チャーリーズ・エンジェル』という作品の特徴であり見どころです。これは断言。

ちょっとばかりセクシーな恰好で相手を油断させる捜査テクニックでありつつ、男ってチョロいなという皮肉も含んでいるので(鼻の下を伸ばしているだけの男はこれに気付けない)、これをなくしてどうするのさ。

女性の権利だの性的云々とか言い出す連中に対する抑止策なんだろうけどね。今の時代に相応しくないとか言って、オリジナルの設定を改竄してまでリメイクをする事自体がナンセンスでもあるんだし、だったら最初から新しい企画でやればいいんです。

スタッフも女性が多く見受けられるだけでなく、お話的にも女性の悪人は皆無(そういえば!)ってんだから、女性が女性をヨイショするために作った感すらあります。

前作が男に媚びた作品だというのなら、本作は女性に媚びている作品であるように思えました。

仮に続編が決まったとして、こんなノリを続けるようならドリュー・バリモアさんは製作から降りて欲しい…。

 

チャーリーズ・エンジェルとは、平たく言えばスパイみたいなものなので、敵を欺くのが常套手段。

それは劇中だけの話ではなく、映画として観ている我々も誰が敵で誰が味方なのか?と惑わせるのもスパイ映画の王道です。

本作もその例に漏れませんが、こればっかなんだよね。伏線や説明も少なく、今までの行動は芝居でしたという展開は夢落ちに近い禁じ手だと思うんだよ。ひと言くらい言い残せる余裕もあったよね、そっちのボスレーさん?

 

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Blu-ray版は未公開やらNGシーンやら、映像特典が多め。

本作に対するドリューさんの見解を知りたかったんだけどなー…。

 

ところで……明確に似てるとは言わないけど、殺し屋のホダック(ジョナサン・タッカーさんという方が演じているそうな)を見てると岡田准一さんを思い出すんだよ……俺ッチだけ?