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Joon's blog

どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

誰も待ち遠しく思ってないどころか、気にしてない『LBX アキレス』の進捗。

顔の塗装が鬼門すぎてブン投げたままな状態が続いていましたが、重い腰を上げて続行してみました。ヘタクソはヘタクソなりにでも手を動かさなきゃ前に進めませんからね。

目→マスク→隈取りの黒をエナメルで塗って、目を拭き取り。

塗装は準備&始末がメンド臭いとされますが、マスキングの手間はそれ以上! ダンボール戦機のプラモ=ダンプラはカラフルなデザインだけどパーツ割が少ないので塗り分けが本当に大変。

手前の物はリニューアル版のパーツなのでゴールは見えてきましたが、奥の物はこれに前後割りのヘルメットを被せるので、まだまだマスキング地獄は終わらず……キビシっ!

 

今日はエナメル塗装をしたんですが、俺ッチが使う溶剤はこれら。

ガイアノーツのエナメル溶剤と、油絵の溶き油に使うぺトロール。

タミヤのエナメル溶剤はプラを割りやすいので有名ですが、それをずいぶん軽減してくれるのがこれら。特に割れやすいというABS材に使った事は少ないですが、割れるという状況に至った事はまだありません。

 

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ちなみに、乾燥時間は↑↑のペトロールが一番遅い気がします。希釈がマズかったのか、エアブラシで吹くと弾いちゃうような感じ。

エアブラシで吹くなら↑↑↑のガイアの溶剤が良さげに思えます。

 

――で、本題。

エナメル溶剤の臭いって、なかなか消えませんよね?と。

ラッカー塗装後の片付けを終え、窓を全開にして30分~1時間くらいして部屋に戻って来れば、残り香はほとんど感じません。

溶剤も含め、ラッカー系は臭いが強烈と言われますが、乾燥(もしくは揮発)と共に臭いが薄まるのも早いのに加えて、こんな事そんな事をして工夫はしてますがね。

…が、これがエナメルだとそうは行かなくて。

触っても大丈夫なくらいに乾燥はしてるけど、臭いはなかなか消えないんですよ。

 

平日、会社から帰ってきて夜中に塗装をする人もいますが、俺ッチのように塗装と就寝が同じ部屋という人は、臭い問題というか換気はどうクリアしてるんだろう?と。

春や夏であれば、半開きながらも窓を開けたまま寝れますが、クッソ寒いド冬であれば窓を閉める=溶剤の臭いも閉じ込めるようになるから、そうも行きません。当たり前ながら、エナメル塗装した物から発臭してるからって外になんか出せないし…。

日曜日に、あとはスミ入れを残すのみという状態で終わったら、モチベーション的にも週末まで待ちきれないじゃないですか(笑)。平日の前半でスミ入れ等のエナメル塗装をして乾燥させ、週末にトップコートして完成!という流れが理想だし。

 

…こりゃアクリル塗料デビューの時もいよいよかな?と言いたいけど、まずは在庫を抱えているエナメル塗料を使い切らないと気が済まない貧乏性です…。

先日、ジーン・ハックマンさんが亡くなっ(ていたのが分かっ)たから追悼の意味で観るつもりではないんですが、『クリムゾン・タイド』を観ました。

 

チェチェン紛争をきっかけに起きたロシアでの反乱。反乱軍を扇動するラドチェンコは、要求に応じない場合はアメリカと日本に向け核攻撃を行うと脅迫。

これに対応すべく、アメリカは原子力潜水艦アラバマを出撃。ベテラン艦長のラムジーと、代理の副長として配属されたハンターを乗せ、アラバマは太平洋に向かう。

出航から数日後、アラバマは緊急行動命令=EAMを受信。反乱軍の攻撃に先んじ、アラバマに搭載された核ミサイル発射の命令が下る。

その準備中に現れた敵潜水艦を撃沈したものの、敵の攻撃によりアラバマの通信装置が故障してしまう。そのため、新たに受信したEAMは不明瞭で解読できない。

新たなEAMについて、ラムジーは命令の続行を信じ、ハンターは命令の中止を予想する。意見が食い違う二人の対立により、艦内には不穏な空気が漂い始め……といったお話。

 

潜水艦映画に駄作なし!と思い込んでいる俺ッチですが、本作もその例に漏れる事はありません。

潜水艦という狭い空間の中で繰り広げられるドラマは、まさに密室劇。密閉空間の中で緊張に耐えきれず、気取ってばかりじゃいられないというか、それまで隠してきた人間性を解放させるのがいいんです。

 

本作は1995年の作品。

この頃にもなればジーン・ハックマンさんは口が悪いけど根っこは気のいいオヤジを、デンゼル・ワシントンさんは潔癖で正義を重んじる役を演じるイメージが定着していたと思います。

そんな真逆なイメージの二人を主演に据えた上で対決(?)させるという、企画としても面白い組み合わせです。

 

ハックマンさん演じる強行派なラムジーと、デンゼルさん演じる慎重派のハンターが対立すれば、どちらに軍配が挙がるかは想像に難くありませんが、そこに行き着くまでの緊迫感に富んだ展開が面白いんですよ。

ミサイルの発射を命じられ、その準備をしているさ中、新たに入ってきた不明瞭な命令書を巡って対立する二人。

後から来た命令書に何が書いてあろうと、撃てと言われりゃ撃てばいいだけの話ですが、これを撃ってしまえば世界中に核ミサイルが飛び交う事態に陥るのは必定です。

命令には盲目的に従うラムジーは軍人の鑑でしょうが、そんな事態は避けたいと願うハンターは人間の鑑。要はどちらも間違った主張はしていないって事です。

本作を見る人に、あなたならどうするか?という問いを投げかける作品でもあるんですよね。

ああいう結末で終わったのは、当時の人類の気風がさせたものなんでしょうが、ネット漬けになった上で冷酷な考えを持つ人々が増えすぎた昨今であれば、別の結末が待っていたかもしれません。

 

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Blu-ray版の映像特典は未公開シーンやメイキングを収録。

本編を観ていて、ラドチェンコはアメリカと日本を攻撃対象にすると宣言し、どうして日本まで?と思う人もいると思いますが、どうやら北方領土問題に根差すものだった事が未公開シーンで明らかになります。

当時の諸問題を取り扱っている作品ですが、あまり時事ネタを盛り込みすぎて政治的になるのも無粋な話だし、これをカットして公開したのは正解かもですね。ネットが普及している頃だったら、ちょっとした騒ぎになっていただろうなぁ(笑)。

 

…にしても、ラムジーのラストカットを見てしまうと、現実のハックマンさんの亡くなり方とダブってしまい胸が苦しくなりました。悲しい偶然すぎる…。

『帰ってきた若大将』を観ました。

 

サザンクロス島を取材していたテレビプロデューサーの純子は、ピンチを救ってくれた雄一に再会する。

平和な国家を目指すサザンクロス島はアメリカからの独立を図り、自治政府顧問である雄一は自然に囲まれたこの島を心底より愛していた。純子はそんな雄一に心惹かれて行く。

帰国した純子は、取材した映像に対して不満があるというスポンサーの副社長である石山の元に向かう。純子に一目惚れし、ドライブに誘った石山だったが、その行き先で帰国した雄一と再会する。

実家に帰ったのも束の間、雄一はサザンクロス島独立の交渉のため、ニューヨークへ飛ぶ。大統領補佐官のシュナイダーと会う事はできたが、近々行われるニューヨーク・シティマラソンで自分に勝てば交渉の場を設けるという条件を出された雄一は……といったお話。

 

番外編じみた作品もあるようですが、若大将シリーズ第18作にして、本作を以てシリーズ完結となります。

前作の『若大将対青大将』でキャストの並び順=ビリングは一番最後=トメだったし、加山雄三さんもいよいよ引き際を考えていたんだろうと感じさせました。

それまでの勢いも薄まり、作品自体にもパワー不足を感じましたしね。

 

それから10年後に公開された本作。

特にシリーズ完結とは謳ってはいませんが、シリーズの集大成というか総括のような雰囲気は感じました。原点回帰というか、正統な若大将シリーズとしての王道を征くような内容です。

加山さんが歳を取ったからって、雄一が社会人として、会社の下っ端として働くのは似合わないというか、やっぱり若大将の名に相応しくないんですよね。それ故、本作では会社員ではなく、自治政府顧問というよく分かんない、まぁNPOみたいな活動をしていますが、こっちの方がよっぽど若大将らしい。

そして何より、二代目若大将なんてワードが全く出てこないのも清々しい(笑)。今に思えば、迷走の極みだったんだろうな、あれ。

 

やっぱり若大将シリーズと言えば、歌って走って恋をするのがお約束ですしね。

シリーズ終盤ではスポーツを意味する“走る”の部分が弱くなり、二代目若大将がこれを受け持つみたいな雰囲気がありましたが、やっぱり我々は加山さんがスポーツで汗を流す姿に期待しているし、憧れます。

シリーズ序盤でさんざん言われていた“頼まれたら断れない”、つまり他人に任せっぱなしにせず、あくまで自分が動くのが若大将の魅力。人好きのするキャラだからこそ、雄一の周りには男女問わず人が集まってくるんですよね。

 

そんな男も惚れるような男である雄一に最も惚れているのは石山=青大将。

シリーズ序盤にあったライバル要素もほとんど薄れ、世話ばかりかける憎めない旧友というポジションが定着してきました。ライバル要素と言えば、せいぜい勝ち目のない恋のさや当てくらいなものですが(笑)。

そんな青大将が雄一に対して厚い友情を感じているのは分かりますが、とうとう行き着くところまで来てしまったというか、友情の度が過ぎて一線を越えそうになるんだから、かなり衝撃的な展開です(笑)。

余談ながら、田中邦衛さんはこんなコミカルな役を演じていますが、本作が公開された1981年は『北の国から』が始まった年でもあるんだよな…。

 

前作『若大将対青大将』から10年後、1981年に公開されたという事で、シリーズとして連続で観ると当時の風景や風俗といった画的なものだけではなく、映画としても垢抜けた感じがします。

ヘリから落下した純子を追い、セスナからダイブした若大将がこれを救うシーンをアバンタイトルに持ってくるという、まるでOO7のような派手さ(笑)! 

ず~っと劇伴が鳴りっぱなしというのも、この頃の映画っぽさがありますよね。

 

ところで、これは個人的な観測ですが、雄一って最低でも1度は離婚すると思うんですよ。

総じてマドンナはあんな感じの性格だし(笑)、だいたい若大将の子供なんて想像できなくないですか?

青大将も同様ですが、こちらは子供が生まれてから別れる感じ(笑)。

結局、若大将と青大将はお互いに一人やもめのまま、永遠にあんな関係を続けていくんだろうなと考えると微笑ましいですね。

 

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TOKYO MXよ、『このこ誰の子?』を観終えて脱力する間も与えず、翌日からこんな作品を放送するのか…!

もう、あの時間帯は暗黙の大映ドラマ枠でいいと思うんだよ。ネタが尽きたら2周目もオッケー。

 

――という事で始まったのは“プロゴルファー礼子”、もとい『プロゴルファー祈子』! 

…って、コレに受けてくれるのは、かなり真面目に観ている人ですよ(笑)。

 

突如としてゴルフ場に現れ、客を袋叩きに遭わせた不良少女。信也は、それが3年前の事件をきっかけに離れ離れになった幼馴染みの神代祈子[カミシロ・レイコ]であると気付くも、その変わりように驚く。

3年前、ゴルフの練習をしていた信也のミスショットにより祈子が大怪我を負った日を境に、神代家に訪れる悲劇。兄の徹は失踪、そしてプロゴルファーの父である友平は殺人容疑が掛けられた挙げ句、自殺してしまう。

家族がバラバラになった鬱憤から不良となった祈子は、父が凶器に使ったという5番アイアンを振るい、横浜最大の不良グループ北斗七星会の会長にまで上り詰めた。

再会を果たした信也により、祈子は父の悲願であったプロゴルファーを目指し……といったお話。

 

ゴルフ好きを自称する人たちの中には、タイトルに釣られて本作を見たものの、ほとんどと言っていいほどゴルフの描写がない事に気付き、脱落する人が多いと思います(笑)。それほどまでにゴルフである必然性は感じ取れませんが、まぁそれはさておいて。

ザックリとした縦筋としては不良少女がプロゴルファーを目指すお話ですが、それを大映ドラマ化するのであれば面白くならないはずがありません。

現在4話まで観終えましたが、とっくに1話から面白いもんね。

 

人間同士のドロドロした愛憎を執拗に描くのが大映ドラマのイズムですが、本作はかなり突飛な描写が散見されます。

出生届を提出した際、”礼子”と書くつもりが”祈子”と書いちゃったけど、まぁそのままでいいや的なテキトーっぷりもシビれます(笑)。

そういえば祈子のあだ名、“いのりこ”だと思ってたんですけど“いのりっこ”だったんですね。前者の方が口にしやすいと思うんだけど……その辺も大映イズムって事で!

 

まずは祈子の不良モードのドギツいメイクに目が行ってしまうんですが、そうではない平常モード(?)とのギャップが良いんです。

あまり話題にならないけど、演じている安永亜衣さんが可愛いんですよ。

大映ドラマの主人公の中では(笑)芝居もかなり達者なんですが、根本的に可愛いもんだから不良モード時であっても、そこまでワルっぽくなり切れないんですよね。主人公のライバルキャラの常連、大沢逸美さんの方が遥かに貫禄があるじゃん(笑)!

 

本作と言えば、若かりし頃の織田裕二さんが出ていた事が有名ですが、当ブログでは長門裕之さんと萩原流行さん(超カッコイイ!)が出演している方が重要です。体に梵字が浮き上がる三姉妹を思い出すじゃん!

にしても、『ヤヌスの鏡』に続き、またも風見慎吾さんは不良に縁がある役なんだな…。

 

…とまぁ、どうせまだまだ面白くなるのは分かってるんですがね、この先どんな展開が待っているのか楽しみです。

ここでチト気の早い話ですが、本作が終わった後は『アリエスの乙女たち』かなぁ?

『若大将対青大将』を観ました。

 

8年を要して京南大学を卒業した石山を祝うパーティーが開催される。

そのパーティー会場で、今は石山商事に勤めるOBの雄一は、自らのニックネームである“若大将”をモーターバイク部の太田に譲る。

後日、雄一のいる営業部に石山が入社してくる。石山は文書課に勤める節子に一目惚れ。節子は雄一と恋仲にあるのを知っていながら猛アタックをかけるも、誘っては断られるの繰り返し。

そんなある日、営業部からニューヨークへ転勤する者を募る事になり、石山は雄一を推挙するが……といったお話。

 

シリーズ第17作。

タイトルから察するに、永遠のライバルとして付かず離れずの関係を繰り返してきた若大将と青大将、いよいよ決着が付くのか?と思わせますが、この二人に関しては何も変化はありません。

まぁ、タイトル詐欺の一種ですよ(笑)。

新鮮さを求めてこれまでの世界観をブッ壊すような真似はせず、いつもの感覚で安心して見れるのはマンネリの良いところなんですがね。

 

が、マンネリなのは大雑把な展開に関してのみで、実はシリーズ最大の異色作でもあるんです。

本作が作られた時点で決まっていたのかどうかは知りませんが、本作は最終回の一つ前といった雰囲気を感じるんですよ。勘の鋭い人であれば、シリーズの完結を予測できそうなね。

最大の変化はキャストの並び順=ビリングで、いの一番にあるべき加山雄三さんの名前が一番最後=トメにあるんですよね。シリーズ引退にやるやつじゃん(笑)?

なら、一番目は誰なの?と言えば大矢茂さんで、前2作より2代目若大将に相応しいとされていたキャラ(前作から太田茂夫という名前で固定)を演じていた方です。

そんな太田、本作ではついに雄一から正式に若大将のニックネームを譲り受け、晴れて2代目若大将に就任(?)しました。

――これ、リアルタイムて観ていた人たちの反応はどうだったんだろう?と。

個人的に、いや、多くの人たちも同意見だと思いますが、“若大将”とは田沼雄一or加山雄三さんのセカンドネームのようなものです。この人以外には考えられない称号と言っても過言ではないでしょう。

確かに太田というキャラはスポーツもできるし弾き語りもできるけど、せいぜい若大将オーディションへの参加資格がある程度のもの。これまで見せてくれた雄一の八面六臂の活躍っぷりには足元にも及びません。

そして、増え続ける規制や映像のごまかしが達者になった現在の映画業界を鑑みれば、万人が納得できる2代目若大将はもう生まれません。

若大将とは、多才な俳優の魅力と大らかだった時流がマッチした奇跡のようなキャラなのです。

 

太田を推したさそうな割に、主だったドラマは雄一がメインというチグハグさも何だかなぁって感じ。

結局、シリーズの恒例行事だった歌やスポーツの要素を、太田が代わりに担当する事になっただけの話なんですよね。そこで若大将の名を継がせようとする当時のスタッフも残酷だし、大矢さんにも気の毒な話です。

60~70年代に濫造された長寿シリーズは多々ありますが、こんな風にグダグダになって終わっていったのかなぁ? それを考えると『男はつらいよ』シリーズって異常だったんだな…。

 

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映画を観た上で、音楽も気に入った『フットルース』。実態としては、大映ドラマの主題歌の原曲ってところが大きいんですがね。

そんなマイブームの熱が冷めないうちにサントラも買っちゃったよね。

音楽については映画の鑑賞記に綴りましたが、あれらに留まらない、いかにも80's洋楽な曲たちも聴いてるうちに好きになれそうです。

まずは『ヒーロー』と『ネヴァー』を飽きるまで聴かねばな!

 

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期間限定生産盤との事で、ななんと定価で1100円という価格設定は嬉しいですね。安いは正義!

…が、安いには安いなりの事情もあるもので……解説書はあるけど、歌詞関連の情報は一切ナシというのはキビしい!

どうせ洋楽なんだし、歌詞本もある輸入盤でも良かったんじゃない?とも思いますが、ヘタすりゃ輸入盤よりも安いので、ここは妥協ポイントですね。

そもそも言葉がある音楽(=歌)を収録しているなら、切り離せない関係にある歌詞は省略できるものではないという意味でも、歌詞本は付属せにゃならないものだと思うんだよね。所詮はソニー製品か。

 

まぁ、ネットを使ってセルフで調べれば済むんだけど、この手間を惜しむ人はnot廉価版or輸入盤を買った方がいいかもですね。

本当は中盤頃の感想もちびちび綴ろうと思ってたんだけど、怒涛のイッキ見で観終えてしまった『このこ誰の子?』。

 

…という事で、最後まで観終えました。

葵、そして宗次郎や拓也もさんざん悩み抜いた挙げ句の最終回。人々の悲しみや憎しみも和らぎ、ようやくハッピーエンドに向かい……と思いきや、最後の最後になってもなお情け容赦のない展開には軽く目眩がします。もうそろそろ不幸のどん底に足が付いてるんじゃない(笑)?

さらにラスト5分でのどんでん返し。

大映ドラマって、そこに行き着くまでが生き地獄であっても、ラストはハッピーエンドというイメージがありましたが(捉えようによっては『スタア誕生』も…)、本作のそれは実にビターだったのが意外でした。しかも文学的。

 

若めの人、もしくはネットにどっぷり浸かった人であれば、拓也の扱いについて不満に思うかもしれません。

血の迷いによって葵を不幸に突き落とした拓也、あんな大罪人を野放しにしておくなんてあり得ない!とキレている事でしょう。母である百合や聖子を襲った犯人が最後まで顔を見せる事もなかったし。

多額の賠償金を巻き上げるなり半殺しにするなり、拓也も含めた犯人たちへの断罪がない事にモヤッとする人もいるんじゃないかな? 

…けど、犯人にむごたらしい報いを与えたところで気が晴れる時間は所詮は一瞬、当人=被害者が自分に起きてしまった出来事を完全に消し去る事はできません。人間、本当に忘れたい事ってなかなか忘れられないじゃないですか。

”神はこの世に生まれた全ての生を嘉[ヨミ]し給うか…。この物語は、愛の神に心を委ね、生きる事への苛酷な挑戦を試みた一少女の愛のロマンである”

――最初に聞いた時はずいぶん大袈裟な事を言ってるなーと思いましたが、実はこのオープニングのナレーションこそが本作の内容を端的に表しているんですよね。

つまり、本作は自身に降りかかってしまった災いとどう向き合うかを描いた作品だと思うんですよ。“生きる事への過酷な挑戦”は伊達じゃねぇんだぜ。

 

愛する人がいながら、心にもない男の子供を宿してしまった葵。

おそらく本作の放送当時に比べれば、中絶のための現代の医療技術は遥かに進歩しているでしょうし、んなモン中絶すりゃいいだけなのに自分が死のうとするなんて、いかにも古臭いドラマだな~と思う人もいるんでしょうが……バカ野郎、どっちも命には変わりないんだし、命の価値に昭和も令和もねぇんだぜ!

自殺も中絶もできない葵は優しいばかりの弱い子に思えますが、17歳にして子供を産む事を決意するだけでも十分に強い子なのです。

総じて大映ドラマの主人公になる女子たちは、“強い”というより“逞しい”んだよね。

 

――という事で、久々に見応えのある連ドラを観た気分です。

ここで思う事があって……たとえば東映ヒーローやガンダムとかは放送ウン10周年として何かしらの企画が立ち上がるように、本作をフィーチャーした企画、やって欲しいなぁ。

“葵・宗次郎・拓也、40年ぶりの再会!”とか銘打って、本作を振り返るトークショーとか。

普段、俺ッチは歳を気にしてその手のイベントには参加しないんですが、仮にこれをやったとして、来場するのは初老のオジ&オバばかりだろうから、それに紛れ込めればなぁと(笑)。

…が、やったらやったで、みなさん思い出話ができるほど覚えてはいないんだろうなぁ…。

『フットルース』を観ました。

 

田舎町のボーモントに引っ越してきたマコーミック一家。高校生のレンは、かつて暮らしていたシカゴとこの街との落差に動揺を隠せない。ショー牧師が主立ち、街ぐるみでロックやダンスを禁止しているというのだ。

理不尽とも言えるこの街の風潮も気にせず気ままに過ごすレンは、ウィラードやショーの娘であるエリエルらと親しくなり、ダンスの楽しさを伝える。

定期的に行われる町内の集会で、レンはダンス禁止令の撤回を要求。高校生の卒業プロムの開催を提案するが、保守的な大人たちはこれを却下し……といったお話。

 

80年代当時、アメリカでは流行歌と映像を組み合わせた、いわゆるMTV的な音楽映画がよく作られていました。『フラッシュダンス』とか『ストリート・オブ・ファイヤー』とかね(『サタデー・ナイト・フィーバー』はチト早い?)。

そして本作もその中の一つで、いかにも80'sな当時の流行歌=ポップスが全編に流れます。この作風は、映画自体がダメでも曲の力で惹き付けられるという秘策があるんだよね(笑)。

が、本作はそんなセコい真似はせずとも、もちろん曲の力も含めた上で、映画としても十分以上に楽しめます。

重厚なクラシック音楽ではない、流行歌ばかりを垂れ流すなんて若者向けの軽薄な映画だと思われがちですが、ところどころで鋭い切り口もあるんだから、年寄りでもそれなり以上には楽しめるんじゃないかな。

 

いつかは観たいと思っていた作品ですが、このところ大映ドラマにハマッているのが昂じて、それらの主題歌たるカバー曲の原曲が聞きたかったというのが真っ先の理由です。

まずはご存知、『スクール☆ウォーズ』の主題歌『ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO』の原曲、『ホールディング・アウト・フォー・ア・ヒーロー』。

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別名、アホに殴るヒロちゃんに遠慮がないやつ(笑)。ちなみに参考動画。

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レンとチャックの変なチキンレース(笑)で流れましたが、↑これが脳裏をよぎってしまって…。

そして『不良少女とよばれて』の主題歌『NEVER』の原曲、『ネヴァー』。

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閉鎖的な街で、よそ者の自分を受け入れてもらえないレンが、溜まりかねた鬱憤を解放させるシーンで使われるんですが、ここはいいですね。一番好きなシーンです。

これの前にも鉄棒のシーンがありましたが、君は体操でもやっていたのかね、レン君?

 

保守的な街、それを推し進める牧師である父ショーに嫌気が差しているエリエルは活発どころかお転婆、それを通り越してクレイジーな面も多々見せます。

並走する2台の車に跨ってフ~!とかやってハシャいだり、チャックとの別れ話が殴り合い(!)に発展して青タンまで作ってしまったり、チト手に負えません(笑)。

それもこれも、街の空気が息苦しいと感じている反動として、自分なりにストレスの捌け口を探しながら生きてきた証左なんでしょうね。街に新しい風を吹かせようとするレンに好意を抱くのは自然な流れです。

 

そんなエリエルを巡って、レンと恋のライバルになるチャック。

もちろんのごとく(笑)エレノアを奪われてしまい、ダンスにも理解のないチャックはレンに対し闘志メラメラ。

どうせ最後は仲良くなるんだろ?と思っていましたが、レンとの関係は最後まで変わらず終わってしまうのがチト引っ掛かりました。

ダンスも否定している時点で、チャックがレンと和解する理由はないんですよね。

こういうお話なんだから、どんだけご都合的であっても二人が和解してスッキリ&ハッピーに終わって欲しかったんだよね。終幕後には、またこの街で同じ悲劇が繰り返されそうな予感が…。

 

街の、特に若者向けの文化を徹底的に排除しようとするショー牧師。
一見すると、この人が本作の大ボスに思えるんですが、そこまで頭ごなしにダメ出しをするわけではないんですよね。
その片鱗が見えるのが、子供によろしくない図書室の本を燃やす教師を止めるシーン。人々を悪くさせるものは本ではなく心の中にあると説き、あくまで自制心を育てようとしている事が伺えます。
例えれば、未成年の飲酒が良くないからって酒を世の中から根絶させれば済むものではないですからね。
エリエルの父であり、過去に街で起きた事件に関係しているからこそショーにも苦悩があり、ムチャクチャを言うだけの単純な悪役になれないところがいいんです。

 

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Blu-ray版はレンを演じたケビン・ベーコンさんが出演する映像特典が多いのが嬉しいですね。音声解説を聞くのも楽しみ。

2011年頃に撮ったものらしく、もちろん当時よりは老けているものの余裕でカッコ良いです。

 

そして、この手の作品はサントラと抱き合わせで買うのが正解。

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大映ドラマ好きにもオススメできる(?)アルバムです。俺ッチも、近々買わねば!

『ジュラシック・ワールド』を観ました。

 

かつてジュラシック・パークがあったイスラ・ヌブラル島で、新たに生まれ変わった恐竜のテーマパーク、ジュラシック・ワールド。

パークのマネージャーであるクレアを訪ねて来園した甥のザックとグレイは、本物の恐竜を目の当たりにし、大喜び。

一方、クレアは遺伝子の組み換えにより創造したインドミナス・レックスのセキュリティに関する問題を抱えていた。そんな折、高い知能を持ったインドミナス・レックスは人間を罠にかけ飼育場を脱走してしまう。

クレアは元軍人であり元恋人であるオーウェンの力を借りながら、インドミナス・レックスの逃亡を阻止しようとするが……といったお話。

 

タイトルは変わったものの、れっきとした『ジュラシック・パーク』の続編です。

正直、やってる事は大差がないんだけど(笑)。

まぁ、変わったと言えば『〜パーク』シリーズにあった風刺や警告じみたメッセージ性が薄れ、純粋な娯楽作になった点でしょうかね。観終えた時のスッキリ度はこちらの方が上です。

 

しかしまぁ、ジュラシック・パーク時代からの伝統として、セキュリティがユルユルなのは相変わらず

恐竜を囲う堅牢な障壁を作りました〜→ハイ、破られました〜とか、どんだけ危険予知能力が低いんだよと(笑)。パーク時代に示した、真っ先にクリアせにゃならない問題を1ミリも念頭に置いていないというか…。

 

ヴェロキラプトルたちとのコミュニケーションを図るオーウェン。

それぞれに名前を付けるあたり、言葉が通じない恐竜との交感ができるようにでもなるのかなと思いきや、そこまでファンタジーな真似はしないのはいいですね。

これをやっちまったら、ここまでシリーズが重ねてきた事が台無しになるのは分かるんだけど……ちょっと見たいと思わせるシーンだよね。

そんな妄想を僅かに叶えてくれるのが、インドミナス・レックスを追うため、ラプターたちに囲まれながらオーウェンがバイクで走るシーン。ラプター小隊、突撃〜!みたいな風情があって熱くなれませんか?

 

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Blu-ray版は映像特典多めです。

↑の6枚組はコレクションとしては割安でお買い得だけど、さらなる新作=第7作が発表されたからなぁ…。

 

ちなみに、今回は吹替版で鑑賞。

そういえば本作は吹替版が、特に主役を担当する玉木宏さんと木村文乃さんがやけに酷評されていたので、どれほどのものかウキウキ(?)しながら観てみたところ……何がそんなにダメなんですかねぇ?

あと2割くらい声量が欲しいくらいで、その他には何のストレスも感じないし、何より新鮮さがあるのがいい。特に玉木さんの声は、洋画をやってる時の鈴置洋孝さんを思い出させるところも多々あり、むしろ好印象なんだけどなぁ。

「吹き替えに顔出し俳優を使うな、プロの声優を使え!」といったダメ出しが多かった覚えがありますが、そんな連中は背伸びして洋画なんか見ないで永遠にアニメだけ見てればいいんだよな。

 

 

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観た、『ジュラシック・パーク』

観た、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』

観た、『ジュラシック・パークⅢ』

観た、『ジュラシック・ワールド』

観た、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』

観た、『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』

『ベルサイユのばら』を観てきました。

▲一瞬、“んっ?”となる入場特典(封は開けれない)

 

18世紀末。

同盟国であるオーストリアから、ルイ16世の妃となるべくフランスにやって来たアントワネットは、警護に就く男装の軍人オスカルに興味津々。

王家に馴染めずストレスを溜めるアントワネットが身分を隠して参加した仮面舞踏会。そこで出会ったフェルゼンとの密やかな恋にときめくアントワネットを、オスカルは静かに見守る事しかできない。

やがて財政難に陥るフランスでは、生活に苦しむ国民の怒りは王家に向けられるようになる。貴族と平民の暮らしの落差を知り、自らが信じてきた王家やフランスについて悩み苦しむオスカルは……といったお話。

 

ご存知『ベルサイユのばら』が、現代の最新アニメーション技術によって生まれ変わりました。

大画面で見るに相応しいビジュアルは絢爛そのもので、貴族の衣服にある装飾だか文様までも緻密に描かれます。平民が住む城下町までもが綺麗に見えちゃうのはよろしくないけど…。

そして、これはあまり宣伝されていないように思えるんですが……オープニングに始まり、やけに劇中歌が多いなと思ってたら、どうやら本作はミュージカルだったようです(笑)。至る所で主要キャストによる劇中歌が流れます。

なるほど、芝居のみならず、歌える人である事もキャスティングのポイントだったのかなと。

 

リメイクと聞いて早めに気になるのはキャスト(下手すればキャラクターデザインよりも気になる)。特に主役の4人は慎重な人選によるものだったんじゃないかな?

その中で、個人的に大ハマリだったのはフェルゼン役の加藤和樹さん。

まず声がカッコいいだけでなく、アニメに染まりきっていない芝居が新鮮で、舞台劇を多くこなしているだけあって歌唱も声量もバッチリ。

アニメの新作を見ようとする際、毎度お馴染みのキャストによるいつものアニメ芝居に辟易する事が多いんですが、ここで舞台俳優を起用した采配には拍手!

チト不覚だったのは、久々に島本須美さんや平野文さんが出ていたのに気付けなかった事かな。

その他は益体もない、いつもの面々ばかりのつまらないキャスティングでした(まーた、ここにも早見沙織が…)。

 

映画を観終えたので、ようやく劇場プログラムが読めるようになりました。

劇中歌の歌詞をフォローしてあるのはいいですね。

スタッフ&キャストのインタビューに多くページを割いていて、自身の『ベルばら』体験や、本作に参加する意気込み等を語られています。

…が、ここで語られる『ベルばら』体験として原作=漫画版や舞台版の話は多々されているのに、テレビアニメ版の話題が全く出てこないんですよ。

俺ッチは原作は未履修なんですが、おそらくテレビ版は原作をド改変していると思います。まぁ、テレビ版(の後半)の監督である出崎統[デザキ・オサム]さんは原作と全く同じじゃつまらないというクチの人でしたからね。

その辺を鑑みると、昨今ほど狭小なものではないにしろ、何かしらの確執からテレビ版はなかった事にされてるのかなぁと。

 

同じアニメという媒体なので、比較対象としてテレビ版を出さざるを得ないのは仕方ない事。

テレビ版は生涯レベルで好きなアニメ作品10選に入れる俺ッチですが、本作は本作で立派に楽しめます。それなりに熱くなれたし、泣けもしたしね。

“ベルばら”というワードは知ってるけど内容までは知らないという初心者さん、特に若い人は本作を見とけばいいんじゃないかな。

初めて見る人がどこまで分かるんだ?と思わせる箇所もいくつかあるので、一夜漬け程度にテレビ版のサブタイトルを一読しておくだけでも理解度が変わると思います(それ以上は見ないように…)。

 

立ち塞がる様々な障壁により結ばれない、もしくは結ばれにくい愛が多々ある本作。

それらの中で、アントワネットの愛を占有できないルイ16世が印象に残りました。

無邪気で美しく、人好きのするアントワネットが、自分にないものばかりを持ち合わせているとして、不釣り合いだと考えてしまうんですよね。

主には自身のルックスに関して劣等感を抱き、そんな引け目からフェルゼンとの件をうやむやにせざるを得ないだけでなく、それを知ってもなおアントワネットを愛する健気さが、つくづく哀しい…。

真面目で謙虚で優しい、あまり目立ってないけど内面イケメンなんですよね。

 

絵柄は原作に寄せているのかな?

原作の漫画的表現をも似せすぎているせいか、ビックリした時の瞳に十字型のハイライトが入るやつとか、大ショックを受けた時に白目になるのとか、大マジなシーンでそんなのをブッ込んでくるのは笑っちゃうから止めろ~…!