『ジュラシック・パーク』を観ました。
古生物学者のアランと古植物学者のエリー、そして数学者のマルコムらは、ハモンドが開園しようとしている施設の安全検証のため、とある島に招かれる。
そこは生きた恐竜たちが闊歩するテーマパーク=ジュラシック・パークだった。
動く恐竜を目の当たりにし感動したものの、絶滅した恐竜をDNA操作で蘇らせる事にアランたちは懐疑的。
ハモンドの孫のレックスとティムも来園し、アランたちは彼らと共にパーク内を回るツアーに参加する。
しかし、パークのシステム管理者でありながら恐竜の胚を売ろうとするネドラーの画策により、パーク内のセキュリティが全て解除されてしまう。
パークを囲う高圧電流の柵も機能しなくなり、恐竜たちを抑えられなくなった今、アランたちは恐怖の一夜を迎える事になり……といったお話。
俺ッチが「映画の神様とは誰だ?」と聞かれれば、チャールズ・チャップリンさん、アルフレッド・ヒッチコックさん、そして本作の監督でもあるスティーブン・スピルバーグさんを挙げます。
もちろん映画とは数多の才能が集まった総合芸術ですから、それぞれの分野における才能を持った人は大勢いますが、それら全てを束ねているという意味で、便宜的に監督の名を挙げざるを得ないんですがね。
そのお三方が作ってきた数多くの作品には常に何かしらの発明、もしくは新鮮さがある上で、ほとんどが面白いんだから、エンターテインメントの何たるかを熟知しているんですよね。
本作の話としても、ビジュアル的なインパクトのみならず、誰しもが考えられるような深いテーマ=説教臭さも含んでいる上で万人が楽しめるんだから、これこそが娯楽の極みだと思うんです。
本作の一番のインパクトと言えば、やはり恐竜のビジュアルです。
映画史においてCG技術を一気に高めたのは『ターミネーター2』ですが、本作もまた次のステップに到達した作品だと思います。
今でこそこの程度のCGは濫造されていて目新しさはないものの、本作を初めて観た当時の、ブラキオサウルスが登場するシーンで味わった衝撃や感動が忘れられないせいか、ここは何回観てもゾクッとします。これは映画館で観ておきたかった!
何回か観れば、その都度、新しい発見があるのはよくある事です。
それまでは大して気にも留めなかったキャラに着目した上で、感情移入してしまう事はままありますが、今回の鑑賞でそう感じたのはハモンドです。
ひと言で言ってしまえばハモンドはジュラシック・パークの責任者に過ぎませんが、その根っこにあるのは恐竜を現代に復活させたいという夢。
しかし、フタを開けてみればああいう惨事が起こる始末。結局はアランやエリー、イアンというアドバイザーの意見が正しかった事が証明されます。
これって実に虚しく、哀れにすら見えますよね。夢を否定されているようで。
特に描かれてはいませんが、ハモンドはあんな爺さんになってもなお夢を諦めていないんだから、それまでの人生で必死で努力して資金を溜め込んだんでしょう。
自己完結するだけの夢なら大いに結構、しかし他人を巻き込んでしまう時点で色んな責任がまとわりつくんですよね。
無邪気な男の夢の終焉のようにも見え、気の毒というか、その純真さが悲しく思えました。
本作には、いわゆる大ボス的な存在のキャラはいません(常識的というか、法律を基準に考えれば最終的に責任を問われるのはハモンドですが)。
つまり、悪の親玉を断罪してハッピーエンドとなる作品ではないのです。
初めて観た時には無責任な終わり方だなーと冷やかし気分で笑っていた若き日の俺ッチですが、我ながら浅い見方をしてますね。
本作に含まれたメッセージを深く考えるにはああいう終わり方が適切だと思います。
例えれば、小学校の道徳の授業で見る教育テレビのドラマのように、起承転結の“結”は敢えて描かず、ドラマの続きはクラスのみんなと討論してねというシステムみたいなものですね……と、これは昭和における道徳の授業の光景ですが(笑)。
本作が語るテーマ(の一つ)は倫理観。
“行き過ぎたテクノロジーは人類を滅ぼす”といった警鐘を鳴らす映画は多々あるし、本作もそんな作品群の中の一編に過ぎませんが、どんな世代が観ても楽しめた上で、こういうメッセージを汲み取れる(だろう)のが本作の秀逸な点です。
つまり、親子で楽しめる作品という事です。こういう所がスゲーんだよ、スピルバーグさんは。
本作を未見の小学生くらいの子供と一緒に観るのもいいんじゃないでしょうか? むしろ、いい大人でも気付かされる事がある作品だと思います。
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…ん? ↑の、Blu-ray版の商品紹介にはちっとも書いてありませんが、当時のメイキングや数年後に本作を振り返るインタビュー集等々、映像特典は満載です。
静止画でいいから、本作に登場した恐竜辞典なんてのがあると良かったかな~。
スーパー余談ながら……俺ッチは、ハモンドの孫のレックスを演じていたアリアナ・リチャーズさんと握手&サインをしてもらった事があるんだぜっ。すんげ~可愛かった記憶しか残ってないなぁ、ええ思い出や…。
映像特典にも登場していますが、女優業を続けても良かったんじゃない?と思わせるくらいにキレイになったなぁ…。
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