観た、『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』 | Joon's blog

Joon's blog

どんな傑作にも100点を、どんな駄作でも0点を与えないのが信念です

『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』を観ました。

 

ジュラシック・ワールドから解き放たれ、世界各地に現れるようになった恐竜たち。事態を重く捉えた政府は、大企業バイオシン社に恐竜の保護を一任する。しかし、恐竜の違法飼育や密売は後を絶たず、クレアはそんな組織の摘発に忙しい毎日。

その頃、巨大なイナゴの大群が発生し、農場が食い荒らされるという事件が発生。バイオシン社を怪しむエリーは顔馴染みであるアランとイアンの協力を得て、バイオシン本社に潜り込む。

一方、クレアとオーウェンは祖父を失ったメイジーと共に山奥で暮らしていた。周囲を囲む森にはヴェロキラトプルのブルーと、その子供ベータも棲んでいる。そこへ現れたデラコートの一味がメイジーとベータをさらって行く。バイオシン社がメイジーとベータの秘密を知ろうとしている事を突き止めたオーウェンとクレアはバイオシン本社を目指し…といったお話。

 

ジュラシックシリーズ最新にして最終作です(今のところ)。

最大の見どころは、前シリーズ『ジュラシック・パーク』の主演だったアラン、エリー、イアンらの揃い踏み。もちろん、それぞれを演じるサム・ニールさん、ローラ・ダーンさん、ジェフ・ゴールドブラムさんらが出演は絶対的なお約束。

言ってしまえば本作も近年流行りの同窓会作品で、ウン十年のスパンを空けての続編、かつキャラの復活(=俳優の続投)は一世代前のオジサンがハシャいじゃうような、手っ取り早く人気が取れる商法です。”某レザレクションズ”はビミョーでしたが(“某ミネーター”も?)。

 

とは言え、ただ昔のキャラ&俳優を登場させればいいってものでもなく、ガッツリ老けてはいても当時のキャラを踏襲しているのが巧いんですね。アランとエリ―の距離感やイアンの小ボケは『~パーク』を彷彿とさせます。

アランとエリ―と言えば友情と愛情の狭間ギリギリの関係で、『~Ⅲ』で友情に確定してしまったのが現実的だなーと思わせましたが、長い人生にはいつ二転三転するような出来事があるか分からないという、『~パーク』シリーズ側に思い入れのある世代=年寄りに向けたメッセージを含んでもいるんです。アランの結末にはほっこりしたな。

 

恐竜が海を越えて人間の世界にまでやって来るという、いつかは来るであろう未来がついに実現します。

やっぱりというか、その多くは害獣として見られちゃうよね。山道のど真ん中で道を塞いだり、超高層ビルのてっぺんに翼竜が巣を作ったり(この画はインパクト大)、人間への悪影響は捨て置いたとしても、地球の生態系が狂うのは明らか。

そんな事態に、さすがに政府も介入せざるを得ず、恐竜の保護(やその他一切)をバイオシン社に委託する……というくだりから本作が始まるんですが、これまでシリーズを見続けてきた人は、今作の悪役はここかと予想できるくらいに鍛えられているよね(笑)。バイオシン社が大企業だからって、たった1社にしか権限を与えない時点でもう、ね。

つくづく、ジュラシックシリーズの世界には懐疑の精神がないというか、”もしも”とか”たられば”を唱える人っていないんですか(笑)? ジュラシック・パーク→ワールドになった際も恐竜を管理するためのセキュリティがガバガバだったり、そんな簡単な未来予想もできないのかよ?という事態が多すぎるせいで、事件が起きてからてんわんやしてばかりなんですよね。事件の後も、裁判だか公聴会を開いたところで黒幕や責任者は死んで不在だし(笑)。

そもそも、ジュラシック・パークであんだけの騒ぎを起こしてるのに、今度はちゃんとやるからと言ったところでジュラシック・ワールドの開園を政府が認可しちゃっていいんスか?ってところから始まるんですが…。

…といった低次元なツッコミの余地を残しているのもジュラシックシリーズの魅力です(笑)。

 

恐竜と人間が共存する世界、まさにジュラシック・ワールド!なんていうと聞こえは良いですが、やっぱり難しいよね。

オーウェンとブルーの関係を見るに、人間に依存せずに生きて行けない犬猫のような愛玩動物にはなり得ないし、人間と恐竜は天敵の関係になる予感しかありません。密売や違法飼育も横行しているあたり、警察や軍隊が忙しくなりそう。

 

ジュラシック・パークに関わりのある3人ばかりが目立ちますが、そこにもう一人、ヘンリー・ウーという遺伝子学者も加えてもいいんじゃないかと。

『ジュラシック・パーク(1)』にひっそりと登場、『~ワールド』シリーズでは皆勤賞(!)、恐竜のクローン化に成功したのはこの人のおかげでもあるんだから、陰の功労者です。

かつ、DNA弄りに没頭するあまり周りが見えず、上役の命令に従っていただけとは言え、事件の発端に深く多く関わった、実は最重要人物であり戦犯です。

でありながら、この人が1ミリも罪に問われないのもジュラシックシリーズのお優しい世界観です(笑)。インドミナス・レックスの開発は許されてええんかい…。

 

******************

******************

******************

Blu-ray版は映像特典に加え、劇場公開版より14分長いエクステンデッド版も収録しています。

今回は初見ゆえ劇場公開版を鑑賞しましたが、どこまで差異があるのか、次回鑑賞のための楽しみにしておきます。

 

 

==================

観た、『ジュラシック・パーク』

観た、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』

観た、『ジュラシック・パークⅢ』

観た、『ジュラシック・ワールド』

観た、『ジュラシック・ワールド/炎の王国』

観た、『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』