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支離滅裂

『引き裂かれたカーテン』を観ました。

 

科学者が集まる学術会議に向かうマイケルとサラ。

結婚も控え仲睦まじい二人だったが、ある伝言を受けた時からマイケルの態度は一転。サラに帰国しろと言う。

納得できないサラは、マイケルが乗るドイツ行きの飛行機にこっそり搭乗する。

東ベルリンに着いたマイケルは、それまで研究していたミサイル技術を評価しないアメリカを捨てドイツへの亡命を発表する。

サラに売国奴となじられながらも、マイケルには真の目的があり……といったお話。

要約すると、ドイツに潜り込んで技術を盗もうとするスパイの話です。

 

アルフレッド・ヒッチコックさんの監督作品です。

この頃は主人公が国家間を行き来するような、まるで007を意識しているかのような作品が続きます。いわゆるスパイものですね。次作『トパーズ』も似たような感じだし。

 

主役はマイケルとサラのカップルで、唐突に絶縁(に近い)宣言するような薄情な男と、捨てられまいと必死で付いていく女の追いかけっこが前半で描かれます。

マイケルが何か極秘の任務を背負っているのは早めに分かりますが、それに気付けず、ひたすらマイケルを追うサラにはホンッット〜にイライラします。

愛する人に捨てられそうになっても一途に着いて行こうとする健気さを描きたいんだろうけど、お節介やら監視やら、ああまで行くとただただ邪魔で鬱陶しい女です。人のスマホを勝手に覗くタイプと見たよ(笑)。

ヒロインは必ず魅力的に見せるのもヒッチコックさんの作風ですが、ヒッチ作品群の中でもズバ抜けて煙ったいヒロインです。

サラの存在がなければ、もう少しスパイ映画としてピリッとした緊張感を出せただろうになぁ。

 

本がどうこうという暗号に始まるマイケルの意味深長な行動、そして“π”が表す意味とは…?といった感じの、いかにもスパイ映画って感じの雰囲気がいいんです。

でありながら、マイケルに任務を与える組織やら指令の内容は詳しく描かれません。

あればいいけど、なくても差し支えはない情報は潔くカットするのもヒッチコックさんらしい作風。おそらく最近の客は、こういうディテールを省略するとブーたれるんだろうね。

 

スパイ映画と聞くとOO7シリーズを連想する人は少なくないと思います。

あちらと違い、本作のスパイ=マイケルはもう少し凡人に近いというか、あまりヒーローヒーローしていません。唯一ある格闘シーンと言えばドイツの監視役グロメクと戦うところくらいで、これが泥臭いというか、手際が悪いところが生々しいんですよ。

ドイツ人に対しああいう殺し方をするのも、なかなかに意味深…。

 

後年、ヒッチコックさんは主演のポール・ニューマンさんのギャラが高すぎたとボヤいていたそうですが、あまりヒットしなかった恨み節なのかな(笑)? これに懲りて、以降の作品は大スターの起用は止めるようになったとか。

悪くはないけど、確かにニューマンさんにハマる役ではなかったかもね。

 

マイケルとサラがメインキャラですが、ヒッチコック作品には味があるというか、やけにインパクトを残すサブキャラも少なくありません。

本作で言うところのそれは、舞台女優のプリマドンナとアメリカに行きたがっている婆さん。

二人とも、まず見た目が強すぎる(笑)ところから始まり、マイケルとサラに少なからずの影響を与えます……が、正〜直、時間増しのための登場としか思えなくてね。

この二人とサラの出番を総カットすれば90〜100分くらいに収まったのでは?

 

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Blu-ray版は映像特典満載です。

『パトリオット・ゲーム』を観たなら、『今そこにある危機』も続けて観たくなるよね。

 

前回の鑑賞記はコチラ

 

当時はハリソン・フォードさんが出ているだけで面白いと思い込んでいた前作=『パトリオット・ゲーム』。

いい歳になり、ハリソン補正(?)も薄まった今に再見してみると、ジャック・ライアンシリーズってこんなだったっけ?とチト違和感を抱くようになってしまいました。

なら、その続編はどうだろう?と今作を再見してみると、格段に面白くなりましたね。

初見ではキャラ相関が複雑に思えたものの、2回ほど観て、その辺が分かってくると面白みが増すと思います。

 

今作の何が良かったのかと言えば、ジャックの家族人としての一面を激減させている点じゃないかと。

ぶっちゃけ、この手の内容で一家団欒のシーンなんか要らないじゃないですか(笑)?

滅私奉行というか、家族の安全を守るのはそこそこに、まずは母国の危機を回避するための働きを見せるのが前々作『レッド・オクトーバーを追え!』の時のジャックに戻ったようで好きなんですよ。

 

ならジャック・ライアンってどんなキャラなんだよ?と訊かれれば、国家間の緊張を緩和させるネゴシエーター、もしくは戦争を回避するために東奔西走するエージェントみたいな役割を果たす人というのが俺ッチの解釈です。ちょっとしたジェームズ・ボンドとでもいうか。

 

余談ながら、今作と前作の内容を鑑みると、タイトルは逆の方が相応しく思えます

前作の方が危機が身近にあったし、今作の方がよっぽど”愛国者”してるじゃないですか?

 

今作でのライアンの敵は麻薬カルテルですが、真の黒幕はそんなのより比べ物にならない強敵で、あまりにデカすぎてとどめを刺せないくらい。

黒幕はホワイトハウスの中にいるってのが生々しくあり、それが現実に近いと感じさせるほどに“今そこにある危機”なんでしょう。

真っ先に保身を考える(ように見える)のは、政治屋としての防衛本能なんでしょうかね、どこの国でも。

 

今作にはウィレム・デフォーさんも出演。90年代を代表する悪役俳優の1人で、個人的に好きな俳優です。

今作でも悪役……かと思いきや、終盤でのジャックとの共闘は熱くなりますね。

 

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また『パトリオット・ゲーム』を観ました。

 

前回の感想はコチラ

 

このところ、ジャック・ライアンシリーズ(と便宜的に呼ぶ)としての前作『レッド・オクトーバーを追え!』が、ずいぶん面白いと感じるようになりましてね。

そう思うようになった後で本作を観ると、つまんないとまでは言わないにせよ、そんなノリだったっけ?とチト違和感を抱くんですよ。

前作でライアンは妻子持ちである事が語られますが、一緒に過ごしているシーンは(確か)ありません。

これに対し、今作でのライアンはCIAの仕事は二の次に、あくまで家族ファーストな優等生の亭主となっています。世界の平和より家族の安全を優先する男に成り下がってしまった(?)のがどうもね…。

90年代、ライアンを演じるハリソン・フォードさんは、アクションヒーローにも感情はあるし愛する家族だっているはずだと常々言っていましたが、体を動かしてばかりではない、人間味のある役を演じたいという欲求から出た言葉なんでしょうね。90年代にハリソンさんが演じる役の多くには家族がいるのが、その証左です。

家族水入らずのシーンなんて要らない、前作のような純粋なスリラーorサスペンス映画を楽しみたい人にとっては無粋な要素かもしれません。

 

前作でのライアンはアメリカとロシアの間に生じる軋轢、ひいては戦争にまで発展しかねない状況を回避するため奮闘するような役で、作品としてもポリティカル・サスペンスの様相を呈していました。

それに対し、今作のライアンはIRA内の過激派の一人=ショーンに付け狙われる役で、ポリティカル=政的要素は薄くなっているんですよね。

あくまで個人同士の報復合戦というか、犯人に狙われる男のお話が中心になっていて、ジャンルすら違う感じがします。

ジャック・ライアン感に欠けるというか。

 

それ故か、ショーンが属していたIRA過激派の壊滅も、衛星からのサーモグラフをモニターで見てるだけで終わるという淡白な描かれ方で終わります。

が、神妙な面持ちでこれを見届けるライアンの表情には様々な感情が含まれているようで、これが秀逸。

実際に戦っている状況が定点カメラ等で映されるのではなく、生身の人間の命のやり取りが古いテレビゲームのような画面で記号的に表されるのは寒々しさすら感じます。ライアンもそんな風に思ってたのかなぁと。

 

ひたすらジャックへの復讐に燃えるショーンを演じるショーン・ビーンさん(ややこしい!)の悪役ぶりもいいですね。

個人的に、ゲイリー・オールドマンさんやウィレム・デフォーさんらと並ぶ、90年代を代表する悪役俳優だと思います。

 

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『機動戦士ガンダムGQuuuuuuX』を観ています。

 

宇宙世紀0079年。

ジオン公国を名乗るスペースコロニー群のサイド3は、地球連邦からの独立を求め宣戦を布告。ジオン軍のシャアによる連邦軍の最新鋭機ガンダムの強奪は大きく戦局を変え、ジオン公国の勝利を以て戦争は終結した。

終戦後のサイド6。高校生のアマテ=マチュは運び屋のニャアンと知り合い、届け先のジャンク屋に行き着く。そこではクランバトルという、モビルスーツ同士が戦う非合法賭博が行われていた。

そんな折、コロニー内に侵入した赤いモビルスーツと軍警の戦闘に巻き込まれたマチュは、ひょんな事からモビルスーツ=ジークアクスに搭乗し軍警を撃退する。

正体を隠しクランバトルに参加するようになったマチュ。そしてジオンのシャリア・ブルは、マチュのパートナーになった赤いガンダムを追い……といったお話。

 

ガンダムシリーズ最新作です。

ご存知、元祖『機動戦士ガンダム』のお話と言えば、最終的にはヒーロー側が所属する地球連邦が勝利して終戦を迎えます。

が、本作では地球連邦が敗北し、ジオン公国が勝利した世界の話というのが衝撃的、かつ新鮮です。

ここで“衝撃的”というワードを使いましたが、そんな極私的な妄想=二次創作を(ほぼ)リメイクとして公式に映像化できてしまうのって、やっぱり衝撃以外の何物でもないじゃないですか。

続編やら番外編ではない、俺版としての元祖『~ガンダム』を作りたい人ってスゲー多いと思うんですよね。福井晴敏さんは悔しがってるんじゃないかな(笑)。

そんな本作には”換骨奪胎”という言葉がよく似合います

 

これが許されるどころか歓迎されるのは、ガンダムファンは宇宙世紀に弱いという土壌があるからです。

宇宙世紀の話でーすというひと言さえあれば、あんなタイムボカンシリーズみたいなキャラが宇宙世紀の住人でも受け入れられるんだから、まぁチョロいよね。

それどころか、キャラデザに関する不満があまり見えないのは、よっぽど達観した大人が多いのかな。

個人的に、最近のガンダム作品のキャラは見た目=デザインが嫌いです。

 

得てして、ガンダムの名が付く作品には常に賛否両論があるもので、本作も例外ではありません。

が、俺ッチがその手のサイト見ていないために気付いていないせいか、今作に限っては否定的な意見があまり見えず、肯定派の意見が圧倒的に多く見られます。

普段は否定派の意見には、何言ってんだコイツ的に感じるものですが、今作の場合は肯定派というか擁護派のヨイショっぷりが本っっ当~にキモく思えてね。本作を誉める事で、何かもらえるキャンペーンでもやってるんかいな?と思うくらいです(笑)。

当ブログではガンダムは学問であると捉えていますが、ここまで来るとガンダムは宗教に、関連作品は教典にまで昇華したと断言せざるを得ません。

ネット上の喧々諤々なやり取りも、宗教に根差した戦争ばっかやってる中東諸国を連想しますし。

 

庵野秀明さんが少々絡んでいる時点で、実質上の“シン・ガンダム”という揶揄も見えますが、それどころか“シン・∀ガンダム”と呼ぶ方が正確なんじゃないかと個人的に感じます。

探せばもっとありそうだけど、モビルスーツ同士の対戦とか、魔女がどうとかとか、not宇宙世紀ガンダムのエッセンスも感じますし(チト穿ちすぎかな?)。

 

まだ7話くらいまでしか観れてませんが、ここから最終回まで、どういう風に着地させるのか気になりますね(おそらく最終回の脚本は庵野さんが担当すると予想)。

個人的に、女子が主役のガンダム作品はやっぱり熱くなれないなぁと感じているものの、ただ一つだけ確信できるのは『〜水星の魔女』よりは面白いかな。

 

そういえば、本作は日本テレビの深夜に放送されましたが、バラエティ番組と同じ枠に含まれ、テレビの番組表で見つけにくいという不満がちょっと話題になりました。

もちろんバカな番組編成だなとは思いましたがね、何話か放送されてこのネタがネットニュースになった際、番組表に出なかったから録画できなかったの何だのと、いつまでもグダグダ言ってるヤフコメ民に失笑したものです。

放送開始日は分かっているんだし、自分が興味を持っているものなんだから最初からチェックすればいいだろうと。

前半の番組が要らなかったとしても、だったらチャプターサーチすりゃいいし、そんな機能も付いていないほどヘボいレコーダーでも使ってるのかよと。

同じ局&同じ時期&同じ形態で放送されていたにも関わらず、少なくともネットニュースにはならなかったんだから、『霧尾ファンクラブ』の視聴者は民度が高いなと羨ましい気持ちにすらなりましたよ。

巷では悪評の高い『HGUC 1/144 百式』を組んでいます。

いわゆるリバイブ版ね。

 

どーでも話として、このリバイブ版の商品名は『HGUC 1/144 百式』

リバイブ前の、

こっちは『HGUC 1/144 NSN-100 百式』』のようです。

商品名が被らないための小さな努力が垣間見えますが、例えば“Re:HG”みたいにリニューアル版専用のブランドでも起ち上げればいいんだよな。乱立して収拾がついてない1/100スケールみたいに。

 

それはさておいて、キットの話。

本品も関節等の可動部にはKPS材を多用しています。普通に塗装もできるし、可動部の保持力はポリキャップ以上なのはKPSの良いところです。

まぁ、KPSでも関節がユルくなる事はありますが、それについてはまた今度。

 

そんなKPSも、よろしくない点はあります。

表面が傷付きやすいとか、ペーパーでヤスるとすぐ目詰まりするとか、ヤスッた端面が毛羽立ちすぎるとか、凹モールド追加のためのケガキが彫りにくいとか、パーツ点数が激増する(ゲートなんか2ヶ所でいい!)とかね。

そして、このところ思うのは精度が悪いという点です。

 

KPS材のパーツでパーティングライン=PLがなかなか消えない事って、ままありませんか?

PLの段差が大きく、かなり削ってもツライチにならないんですよね。だからって、粗い番手で削るのは弾性がないに等しいKPSには厳禁だし。

1パーツ内にあるPLですらそんな感じだから、合わせ目消しなんてさらに骨が折れます。

精度が出てないせいで、パーツの勘合もイマイチです。

これら、通常のPS材ならもう少し合いも良いんじゃないかなぁ?と。2枚目の芯ズレなんて、ふざけんなレベルでしょ。

クレイバズーカの砲口部は、最近の設計であれば別パーツで先端から被せる方式になるかな…?

 

ガンプラ特有の都合として、近似色のパーツは同一のランナーにまとまっていますが、可動部以外の外装にこれを使うのは勘弁して欲しい。

合わせ目消しが必須の武器関連なんて特にね(お得意の段落ちモールド芸でごまかして終わる)。

 

KPSの使用は最低限に、ポリキャップと似たような感じで軸受けパーツを集めたランナーにしてくれると助かるんですが……特に設計上の要望なんか取り入れるわきゃねっか(食玩部門の方が多少は期待できる)。

 

…と、ここまで読んで、何でそんな小っせー事が気になるの?と思う人には無駄な時間を取らせちゃいましたね。

目を肥やさずに、ただガチャガチャ動かして遊ぶに留めておく方が

幸せだから…。

『キー・ラーゴ』を観ました。

 

フロリダ半島沖にある列島の一つ、キー・ラーゴ。

兵役を終えたフランクがキー・ラーゴにやって来たのは戦友ジョージの死を報告するためだった。ジョージの父でありホテルを経営するテンプル、その娘でありジョージの妻だったノーラはジョージの訃報に肩を落とす。

やがてキー・ラーゴに嵐が近付いてきた頃、ホテルの客だったロッコとその一行はフランクたちに銃を突き付ける。ロッコの正体はギャングの大物で、ある取引の場所としてテンプルのホテルを選んでいたのだが、嵐により取引相手が足止めを食っている事に苛立っていた。

足が不自由ながらもロッコの脅しに屈しようとしないテンプルに対し、ロッコに懐柔されるばかりで無気力なフランクの姿にノーラは失望の色を隠せない。しかし、無抵抗な人々が次々とロッコ一味の犠牲になる光景を見るフランクは……といったお話。

要約すれば、嵐のためホテルに閉じ込められた主人公とギャング一味の話です。

 

映画がまだモノクロだった1940年代のクラシック俳優と言えば、個人的にはハンフリー・ボガートさん一択です。好きになったきっかけは何と言っても『カサブランカ』。

ボガートさん、いや、敢えてボギーと愛称で呼ばせてもらいますが、シニカルな口調で他人に執着しないドライな人に見えながら、実はハートは熱い人情家というキャラがよく似合うんですよ。これぞボギイズム!と勝手に命名。

逆を言えばそればっかなんですが(笑)。

ルックスに関しては世間での評価はだいぶ低いようですが、そんな役を演じているボギーを見てると、カッコ良く思えてくるんでしょうね。

ダンディズムを身に着けたいと思う人はボギーを見習えばいいんです(?)。

 

で、本作の話。

以前に観た『三つ数えろ』があまりにも難解な作品だったので(回を重ねて観ると理解が深まってくるけど)、それが頭の片隅に残っているせいでチト身構えてしまいましたが、こちらにそんな懸念は無用、気軽に楽しめる娯楽作です。

 

外は嵐で逃げようにも逃げられず、ホテルに閉じ込められた主人公たちとギャングたちのスリリングな一夜を描いた作品という事で、ちょっとした密室劇の様相。

4人の手下を従えた大物ギャングが相手とは言え、こっちにはボギーがいるんだ、そのうち痛い目に遭わせてやるぜ……と思いながら見るのが普通ですが、なかなか腰を上げてくれません。まさか本当にへぇこらするばかりのダメ男なんじゃ?とじれったくもなってきます。

もちろんそんな事はなく、悪事を見逃せない正義の心から来るものもあるんでしょうが、基本的に戦いたいという欲求がボギー演じるフランクを突き動かす衝動になっているのが新鮮です。まるでベトナム帰りみたいじゃない(笑)?

だからって、いきなりホテルのロビー等でバンバンやり合うのではなく、多勢に無勢である事を念頭に置いた上で、虎視眈々と隙を見計らうあたりに有能な軍人だった事を臭わせます。

 

そんなフランクと敵対するロッコは、金力に物を言わせて有力者を動かせるほどの大物ギャング。

躊躇いもなく人殺しができるなんて当たり前ながら、自分らに歯向かうフランクたちを生かしておくのは余裕の表れにも見えますね。

ほぼほぼ無抵抗なフランクたちをザコ視する反面、ホテルを襲う嵐に恐怖を感じるあたり、真に怖いものを分かっているのが面白いキャラです。

ちなみに、ロッコを演じているのはエドワード・G・ロビンソンさんという方。名前だけは見知りしていたんですがね。

で、このロビンソンさんとボギーはウン十年後に、そしてマイケル・ジャクソンさんを加えて再共演を果たす事に…!って、あんまマジに受け取らないで欲しいんですが。

何を言ってるのかと思う人は『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を見よう!

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そしてボギーの映画と言えば、女性とのロマンスも欠かせません。

相手役は『三つ数えろ』でも共演したローレン・バコールさん。本作の時点ではどうだったのか知らないけど、プライベートでは夫婦だったという話は割と有名です。

そんな蜜月な関係にあるんだから実生活に倣い、二人が結ばれてハッピーエンド……になるだろうけど、明確に描いていないのがいいですね。イチャつくシーンもほぼ皆無なのって地味に珍しい。

それ故、ムーディーなラブシーン等で水を差す事もなく、キチンとスリル&サスペンスを楽しめる良作でした。

 

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Blu-ray版は映像特典は予告編のみ、珍しく吹き替え版も収録しているのが嬉しいですね。

 

余談ながら……Blu-ray版のジャケット、俺ッチが買ったのと全然違うんですけど!

何だよ、この味気ない図柄はよぅ…!

例えば、既にラッカーで塗ってあるこんなパーツがあったとして、

刃の内側を違う色で塗りたいんですよ。

こんな風にね。

そこから刃全体をマスキングして柄の部分を塗ると。

 

こういう場合、こだわる人は先に内側を塗る→マスキング→刃を塗るんでしょうが、マスキングがメンド臭いから内側をエナメルで塗装して、ハミ出た部分をエナメル溶剤で拭き取ろうと考えています。

 

…が、以前、これに似たような事をした際、

ラッカーで塗った黄色の上にエナメルの黒を塗ったところ、これがペリペリ剥がれる現象が起きたんですね。溶剤はペトロールだったので、これがマズかったのかなとも思ったり。

完全に見えなくなる所だったからセーフだったんだけど、この件がチラつくので、ちょっと実験をしてみました。

塗装については塗料&溶剤は共にタミヤのものを使い、エアブラシで吹いています。

 

まず、既にラッカーで塗ってある物を用意。

境界線の←はツヤ有り、→はツヤ消しで塗ってあります。

この状態からエナメルを塗ります。

こんな感じ。

そこに、

マスキングテープを貼ります。

そして、これを剥がすと……

ツヤ有りの方の塗膜が持ってかれました…。

ツヤ消しの方は、着けて剥がしてを何回か繰り返しても問題ナシでした。

 

塗装前、脱脂の意味も兼ねてエナメル溶剤だけを吹いてみたところ、ツヤ消し部分は吹き付けた溶剤が染みていくような感じでしたが、ツヤ有り部は水玉状になって弾き気味でした。かつての疑問を自己解決っ。

もちろん本塗装時も似たような感じだったので、圧を下げたり距離を離したりして、一見まともに塗れているように見えましたが、やっぱりダメでした。

 

という事で、ラッカー塗装の上にエナメル塗装をする場所は、下地をツヤ消しにしておかねばならん!という結論です。

検索ワードの言葉が足りなかったのか、これについて言及しているページがなかなか見つからなかったんですが、こんな塗装法なんか誰もやってないのかな?

クリムゾンエッジ、どうやって塗ってるんだろう…。

『ダーティハリー3』を観ました。

 

相変わらず過剰なやり方で犯人を追い詰めるハリーは人事課に配置転換させられてしまう。

その頃、兵器工場に賊が侵入。数々の兵器を盗み出そうとする彼らを発見したフランクは、賊のリーダーであるボビーに殺されてしまう。

殺人課に戻ったハリーは、元相棒だったフランクの今わの際の言葉をヒントに捜査を開始するも、新たな相棒をあてがわれる。それはハリーが人事課で面接をした、女性ながらも刑事を志すムーアだった。

ボビーは人民革命軍を名乗り、サンフランシスコ市長に対し大金を要求。ハリーはメンバーの一人であるヘンリーを逮捕するが、ボビーらに捕らわれた市長はアルカトラズ島に連れ去られてしまい……といったお話。

要約すれば、ハリーが女の相棒と共にテロリストを追い詰める話です。

 

文字通りのシリーズ第3弾。

とは言え、前作&前々作の作風に変化が見られ、それまではしっかり“映画”になっていたのに、今作はテレビスペシャルのような雰囲気。

それなりに予算も割いているのは見て取れるし、どうしてだろう?とも思うんですが、これはBGM=劇伴に一因があるんじゃないかと。

ハリーとヘンリーによるビルの屋上の追いかけっこのシーンに顕著なんですが、音楽自体もテレビドラマ風味というかポップで軽い感じなんですよ。そもそも、これまでの作風であれば、ああいう音楽の使い方はしなかったんじゃないかなぁ。

 

さらに言えば、敵側のキャラやドラマが薄いのも原因でしょうかね。

敵の首領であるボビーも、冒頭のガス職員を殺すあたりの描写には光るものがあったんですが、結局は凡庸な“殺人犯”であって“殺人鬼”ではないんですよね。ベトナム帰りなんてワードに期待したんだけど…。

『~(1)』の“さそり”なんて遠く及ばず、ただ世の中の一部を困らせる程度のチープなテロリストで終わってしまったのは残念です。

 

今作の特徴と言えばムーア刑事。

あれほど硬派なシリーズだったのに、ハリーの相棒が女性ってんだから意外や意外。

女性でも男性と同等に云々とか言いたがるババアはこの頃から存在しているようで(面接のシーンに登場するグレイ女史はその象徴)、『ダーティハリー』というシリーズは時事ネタというか、当時の世相を作品に反映させるところがありますから、これを取り入れたんでしょう。

若い頃に本作を観た時には、ハリーの相棒が女なんて!と違和感は払拭できませんでしたが、いい歳になってから観直すと、これはこれで悪くないどころか、むしろ面白い組み合わせじゃないかと感じるのは本作のパロディ作品『俺がハマーだ!』に感化されすぎてるんだろうなぁ(笑)。

ハリーのような腕っぷしはないながらも、ムーアはハリーにできない(というか、やらない)ような側面から捜査をしたり、あくまで自分にできる範囲で協力して、どうにかハリーに食らい付こうとする姿が健気なんですよね。ハリーの物腰が柔らかくなっていくのは、ムーアを認める証でもあるんです。

それ故、今作で退場するのは勿体ない!

 

今作のクライマックスの舞台はアルカトラズ刑務所。

イーストウッドさんからすれば、帰ってきたぜアルカトラズ!と感慨深くなるんでしょうと思いきや、『アルカトラズからの脱出』は本作(=1976年)の後の話(=1979年)でした…。

 

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Blu-ray版の映像特典はドキュメンタリー系の映像集。

余談ながら、吹替版のムーアを演じるのは若かりし頃の戸田恵子さんというのもあって、よりムーアの初々しさを感じ取れるんじゃないかと思います。

 

 

 観た、『ダーティハリー』

 観た、『ダーティハリー2』

 観た、『ダーティハリー3』

 観た、『ダーティハリー4』

 観た、『ダーティハリー5』

ディープな所で話題になっている(チト旬は過ぎてるけど)、山田化学の『連結ディスプレイベース』を買いました。

130mm前後のロボットプラモに向けた、格納庫をイメージした飾り台です。

 

何が話題になってたのかと言えば、いわゆる100均で扱われている商品、つまり110円という値段でここまでのクオリティの物が買えるというのが、ちょっとした驚きだったようです。

そんな話題で盛り上がっているのは、2個3個どころか10個以上買っただの、お店に売ってるのを買い占めてきただのとハシャいでる連中ばかり。

まぁ、自分の他にも欲しい人がいるという想像ができないオモチャバカのモラルなんてそんなもんだよね。これがガンプラにすり替えた話だったら青筋立てて怒り狂うだろうに。

 

で、組み立ててみました。

おお、確かに110円の割には上出来じゃないですか。

背面のパネルやトラス状の支柱、材料節減=ローコストを実現するための肉抜きのデザインも、なかなかセンスがいい。

欲を言えば、もう10mmほど横幅があると、もう少しゆとりをもって置けるんだがなぁ。

 

110円という価格で頑張っているので、

昨今のプラモデルでは見れないような、こういうド派手なヒケは見逃してあげましょう(笑)。

 

個人的にツボだったのが、

床面パーツにある階段。

ロボットが置いてあるだけでなく、人間が作業をする場である事を想起させる小さな演出です。

RGに付属していたフィギュアと対比するに、想定スケールは1/144でしょうかね?

 

どうでもいい情報として、本品の素材はポリスチレンだそうです。

製品の体積もまぁまぁあるし、ちょっと削ってみた感じもABSっぽく思えたんですが…。

クレオスのセメントを使ってプラモのランナーのカスを接着したところ、キチンと固定できたので、一般的なプラモと同等に扱っても問題なさそうです。

 

これでMADE IN JAPANってんだから驚けるというか、安価でもやろうと思えばこの程度のプラモは作れるんだから、色々考えさせられます。

前にも少し綴ったけど、例えばロボダッチのような子供に向けたプラモコンテンツは、こういうメーカーにお願いしたいところです。

※無料画像どころか、中身に関する画像は一つも載っていませんよ~

 

新谷姫加さんの写真集、『ひめかわいい。』を買いました。

どうだい、女っ気なんかまるでない当ブログにこんな華やかな写真が載るなんて、乾ききった砂漠に花が咲いたかのようだろう?

 

不勉強ながら、新谷姫加さんという方を存じ上げていなかったにもかかわらず、ジャケ買いならぬ表紙買いしてしまいました。

こういう写真集を買わなくなって久しいですが、この表紙の画ヂカラにやられちまったものでね。

それほどまでにカワイイじゃないですか!

 

アイドル(系)写真集は多々あれど、表紙に使う写真を選ぶのってスゲー気を遣う作業だと想像します。商品として人目を引かなきゃならない使命(?)もありますしね。

多くは笑顔で、それらももちろん可愛いんですが、チト遠慮気味な笑い方なんですよ。いわゆる決め顔なんだろうけど。

それに対し、こちらの表紙の笑顔力は半端じゃなく、一瞬で可愛いと思えるのがいいんですよ。

写真集が数多く発売されている中、表紙部門なんてのがあれば断トツの1位ではないでしょうか?

個人的に、アンニュイな表情というかすまし顔を表紙に使った写真集って購買意欲が下がるんですよね。

 

中身に関しては、面積の少ない衣装が多めなものの、もちろんそうではない写真もあります。もういい歳なので露出度数に関しては度外視です(笑)。

衣装を問わず、晴天の下での笑顔が可愛くってね。

これを機に知った新谷姫加さん、ひっそりながら推させていただくぜ!

 

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普段、こういう商品の紹介は余興程度の感覚でしか紹介しないんだけど、これに関しては応援の意味を多分に込めて載せておきます。