『フットルース』を観ました。
田舎町のボーモントに引っ越してきたマコーミック一家。高校生のレンは、かつて暮らしていたシカゴとこの街との落差に動揺を隠せない。ショー牧師が主立ち、街ぐるみでロックやダンスを禁止しているというのだ。
理不尽とも言えるこの街の風潮も気にせず気ままに過ごすレンは、ウィラードやショーの娘であるエリエルらと親しくなり、ダンスの楽しさを伝える。
定期的に行われる町内の集会で、レンはダンス禁止令の撤回を要求。高校生の卒業プロムの開催を提案するが、保守的な大人たちはこれを却下し……といったお話。
80年代当時、アメリカでは流行歌と映像を組み合わせた、いわゆるMTV的な音楽映画がよく作られていました。『フラッシュダンス』とか『ストリート・オブ・ファイヤー』とかね(『サタデー・ナイト・フィーバー』はチト早い?)。
そして本作もその中の一つで、いかにも80'sな当時の流行歌=ポップスが全編に流れます。この作風は、映画自体がダメでも曲の力で惹き付けられるという秘策があるんだよね(笑)。
が、本作はそんなセコい真似はせずとも、もちろん曲の力も含めた上で、映画としても十分以上に楽しめます。
重厚なクラシック音楽ではない、流行歌ばかりを垂れ流すなんて若者向けの軽薄な映画だと思われがちですが、ところどころで鋭い切り口もあるんだから、年寄りでもそれなり以上には楽しめるんじゃないかな。
いつかは観たいと思っていた作品ですが、このところ大映ドラマにハマッているのが昂じて、それらの主題歌たるカバー曲の原曲が聞きたかったというのが真っ先の理由です。
まずはご存知、『スクール☆ウォーズ』の主題歌『ヒーロー HOLDING OUT FOR A HERO』の原曲、『ホールディング・アウト・フォー・ア・ヒーロー』。
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別名、アホに殴るヒロちゃんに遠慮がないやつ(笑)。ちなみに参考動画。
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レンとチャックの変なチキンレース(笑)で流れましたが、↑これが脳裏をよぎってしまって…。
そして『不良少女とよばれて』の主題歌『NEVER』の原曲、『ネヴァー』。
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閉鎖的な街で、よそ者の自分を受け入れてもらえないレンが、溜まりかねた鬱憤を解放させるシーンで使われるんですが、ここはいいですね。一番好きなシーンです。
これの前にも鉄棒のシーンがありましたが、君は体操でもやっていたのかね、レン君?
保守的な街、それを推し進める牧師である父ショーに嫌気が差しているエリエルは活発どころかお転婆、それを通り越してクレイジーな面も多々見せます。
並走する2台の車に跨ってフ~!とかやってハシャいだり、チャックとの別れ話が殴り合い(!)に発展して青タンまで作ってしまったり、チト手に負えません(笑)。
それもこれも、街の空気が息苦しいと感じている反動として、自分なりにストレスの捌け口を探しながら生きてきた証左なんでしょうね。街に新しい風を吹かせようとするレンに好意を抱くのは自然な流れです。
そんなエリエルを巡って、レンと恋のライバルになるチャック。
もちろんのごとく(笑)エレノアを奪われてしまい、ダンスにも理解のないチャックはレンに対し闘志メラメラ。
どうせ最後は仲良くなるんだろ?と思っていましたが、レンとの関係は最後まで変わらず終わってしまうのがチト引っ掛かりました。
ダンスも否定している時点で、チャックがレンと和解する理由はないんですよね。
こういうお話なんだから、どんだけご都合的であっても二人が和解してスッキリ&ハッピーに終わって欲しかったんだよね。終幕後には、またこの街で同じ悲劇が繰り返されそうな予感が…。
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Blu-ray版はレンを演じたケビン・ベーコンさんが出演する映像特典が多いのが嬉しいですね。音声解説を聞くのも楽しみ。
2011年頃に撮ったものらしく、もちろん当時よりは老けているものの余裕でカッコ良いです。
そして、この手の作品はサントラと抱き合わせで買うのが正解。
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大映ドラマ好きにもオススメできる(?)アルバムです。俺ッチも、近々買わねば!