Side Street

郵便配達のジョーは出来心から200ドルを盗んだ。だが中身を空けると三万ドルだった。
その金は悪徳弁護士のバケットがロリソンという人物から脅し取ったものであった。
ジョーはバケットに金を戻すと言ったが、バケットの一味から命を狙われた。


映画関連目次(闇雲映画館)

製作年:1950、監督:Anthony Mann、脚本:Sydney Boehm


■ はじめに

◆ 登場人物(キャスト)

ジョー・ノーソン(ファーリー・グレンジャー) 郵便配達
エレン・ノーソン(キャシー・オドネル) 妻、妊娠中
Mrs.マルビー(エスター・サマーズ) エレンの母親
Mr.マルビー(ハリー・アントリム) エレンの父親

ニック・ドラマン(エドウィン・マックス) ジョーの友達、バーテン
ヴィクター・バケット(エドモン・ライアン) 弁護士
ルシール・コルナー(アデル・ジャーゲンス)
ジョージ・ガーセル(ジェームズ・クレイグ)
ハリエット・シントン(ジーン・ヘイゲン) 歌手
ラリー・ギフ(ハリー・ビレーヴァー) タクシー運転手
エミール・ロリソン(ポール・ハーヴェイ)

ウォルター・アンダーソン(ポール・ケリー) 警部
スタンレー・サイモン(チャールズ・マッグロー) 刑事

◆ 補足

ファーリー・グレンジャー(1925年7月1日-2011年3月27日:85歳)とキャシー・オドネル(1923年7月6日-1970年4月11日:46歳)は「(1948)夜の人々/They Live by Night」でも共演している。こちらもgood。私には二人とも好感度が高い俳優である。

他の推薦作としてファーリーは「(1951)密輸と犬とギャング/Behave Yourself」。共演はシェリー・ウィンターズ(1920年8月18日-2006年1月14日:85歳)で、新婚夫婦が誤解からギャングに付け狙われるとんでもないコメディ。

キャシーは「(1947)誰が殺されたのか?/Bury Me Dead」を推薦。自分を殺そうとした殺人事件が発生、だが別人が殺された。自分を殺そうとした犯人を探すストーリー。

チャールズ・マッグロー(1914年5月10日-1980年7月30日:66歳)は善役も悪役もこなす男優で、敵に回すと手強いような役を演じる。推薦作はなんと言っても「(1952)その女を殺せ/THE NARROW MARGIN」。裁判証人を護送するストーリーで狭い列車の中で必死の攻防が展開される。
 


■ あらすじ

◆ 郵便配達、金を盗んでしまった

ニューヨーク。ジョー・ノーソンの妻のエレンは妊娠中。

勤めていたガソリンスタンドが倒産して、郵便配達のアルバイトに就いた。

これではやっていけないので、今はエレンの両親と同居している。

配達で弁護士ヴィクター・バケットの事務所に行った。ドアは開いていたが留守である。

出来心から「200ドル」と書いてあるファイルを盗んだ。外に出て調べると三万ドルが入っていた。

◆ 悪徳弁護士ヴィクター・バケット

ジョーが盗んだ金の由来は、バケットがルシール・コルナーとジョージ・ガーセルを使って、エミール・ロリソンのセックススキャンダルをでっち上げて、ロリソンから脅し取っていたものである。

そしてガーセルはルシールを殺して遺体をイーストリヴァーに捨てた。

警察はルシールの日記にあったロリソンとバケットに事情聴取する。

◆ 子供が生まれ、金は預けた

さてさて、われらのジョーはどうしているのか?

高額の金なのでエレンに説明がつかない。金が少しだけ増えたことにして「いい仕事が見つかった」と説明した。

残りの金は包んで友人のニック・ドラマンに預かってもらった。ニックはバーのカウンタの後ろに隠す。

そしてエレンは男児を出産した。

◆ ニックは金を持って逃げた

根は善人のジョーはバケットに金を返そうとする。だが元々は怪しい金なので、バケットは「盗まれてない」と言い張った。

もちろんジョーのことを調べ始めた。

バケットはガーセルに命じてジョーを拉致してニックのバーに行った。

しかし金はなく、ニックが持ち逃げしたことが分かった。

◆ ジョーは殺人で手配された

ガーセルはニックを探して殺害した。さらに金を回収した。

そしてジョーはニック・ドラマン殺害容疑で手配された。

ジョーは逃亡しながら、まだ産院にいるエレンを訪ねて事情を説明した。エレンは自首を勧めたが、ジョーは拒否して姿をくらました。

◆ ジョーは拉致された

逃亡を続けながら、ジョーはバケットとガーセルのことを調べた。

そしてガーセルの恋人で歌手のハリエット・シントンと接触した。

うまくいったかに見えたがハリエットはガーセルに密告した。

ガーセルはタクシー運転手のラリー・ギフに命じてハリエットを絞殺し、さらにジョーを拉致した。

ジョーも殺して二人の死体を川に捨てるつもりである。

◆ ガーセルは捕まった

ジョーはラリーのタクシーに乗せられて走っていた。ガーセルが拳銃を突き付けている。

真相を掴んだ警察が追跡している。

しかしラリーは自分がやっていることに怖れをなしてタクシーを捨てた。ガーセルはラリーを射殺。

代わってジョーが運転させられた。

ジョーはわざと運転を誤って、車を横転させた。

ガーセルは車から抜け出して逃亡しようとしたが、警官に射殺された。

◆ ラスト

ケガをして倒れたジョーにエレンが駆け寄った。救急車が来てジョーを運んでいく。

バケットも逮捕されたのは当然のことである。
 


■ 出演作

◆ ファーリー・グレンジャー
(1948)夜の人々/They Live by Night
(1950)恐怖の一夜/Edge of Doom
(1951)見知らぬ乗客/Strangers on a Train
(1952)人生模様-賢者の贈り物/The Gift of the Magi
(1951)密輸と犬とギャング/Behave Yourself
(1950)われら自身のもの/Our Very Own
(1955)見守る愛/The Naked Street
(1954)夏の嵐/senso

◆ キャシー・オドネル
(1948)夜の人々/They Live by Night
(1947)誰が殺されたのか?/Bury Me Dead
(1951)賭博師は信用するな/Never Trust a Gambler
(1951)刑事物語/Detective Story
(1948)霊界魔人ミスターX:死亡した夫の声/The Amazing Mr. X/The Spiritualist
(1955)ララミーから来た男/The Man from Laramie
(1959)ベン・ハー/Ben-Hur

チャールズ・マッグロー
(1942)不死の怪物/The Undying Monster
(1946)殺人者/The Killers
(1947)真昼の暴動/Brute Force
(1951)替え玉殺人事件/HIS KIND OF WOMAN
(1952)その女を殺せ/THE NARROW MARGIN
(1971)ジョニーは戦場へ行った Johnny Got His Gun
(1958)手錠のままの脱獄/The Defiant Ones
(1947)Tメン/T-Men
(1951)血に飢えたデイヴ/Double Crossbones
(1949)脅迫:脱獄犯が刑事と歌手を拉致/The Threat
(1953)騎兵隊突撃/War Paint
(1949)恋人よ今一度/Once More, My Darling
(1960)シマロン/Cimarron
(1952)零号作戦/One Minute to Zero
(1958)手錠のままの脱獄/The Defiant Ones
(1947)殺人者/The Killers