ゴロリスト(=ゴロゴロする人)道を極めたあもちゃん、未だかつてこんなに余裕を持って結果発表の記事を書いたことがあっただろうか。いや、ない。(反語)
いつもこうでありたいものである。
選考会スタート時から候補作が揃わない、というアクシデント発生。
その後も色々差し迫っていたため、早めに終わらせておかねばと危機感をもっていたのが良かった。誰よりも私が自身を信じていなかったのが奏功した。
そもそも仕事もプライベートも色々とやること多くて、こんな茶番(オイ!)を繰り広げてる場合じゃないのよ。
野球見て、MBA見て、オールスターも見ないといけないしさあ。
エビアン選手権も見(=古江ちゃんとシブコを応援し)ないとだしさあ。
サッカー欧州選手権も見(=スペインを応援し)ないとだしさあ。
うん、ほぼプライベート。
しかし仕事も今週、仕事の遅いボスのせいでちょっと遠出してきます。つら〜。
あれほど言っておいたのになんでいつもギリギリなんだろう。…って人のこと言えないけど。
そんな募る愚痴はひとまず置いときまして。
では改めまして・・・
17日は第171回直木賞の発表日である。
(なんやかんやでもう明日じゃん!…余裕ってなんだっけ?)
全国に数人いるとかいないとかいう(どっちだ)コアなあもるファン、ならびに直木賞という単語に釣られてウッカリこの記事を開いちゃったその他大勢のあもるファンの皆様、大変お待たせしました。
万歳三唱のお時間が刻一刻と迫って参りました。胴上げの準備もよろしいですかな?
今回はナナナナナ、ナント!
4打席連続ホームランの記録がかかっているんですぞ。
皆々様、気合い入れて宇宙の果てまで胴上げであもちゃんを飛ばす準備をお願いします。
食べまくり大分旅行でチョイポチャになったあもちゃんをうっかり落とさないよう、しっかり筋トレしながらこれまでのあもる一人直木賞(第171回)選考会の様子を復習しておくように。
これまでのあもる一人直木賞(第171回)選考会の様子はこちら・・
↓
それではあもる一人直木賞選考会(第171回)の受賞作品の発表です!!!!!
はいっっ!ドラムロール、スタ~ト!!!!
ドロドロドロドロドロ~~~~~~
(ムムム〜)一瞬考える。
ドロドロドロドロドロ~~~~~~
ジャン!!!
▽一穂ミチ『ツミデミック』(光文社)
で〜す!
一穂さん、おめでとうございまーーーす!!!
いやーメデタイ!メデタイメデタイ!
前回、前々回の候補作から今作まで、目をみはるその成長っぷりにあもちゃん驚愕だった。
とはいえ3度目の候補で受賞。
ホップ・ステップ・ジャンプ!で見事な飛翔を見せてくれた一穂さん。
三度目の正直、とは昔の人はよく言ったもんだよ。
(6度目の候補のゆずあさはちょっと横においとこう)
タイトルだけで選ぶ直木賞では惜しくも受賞ならずだったが、あんなもんあってないようなもんよ。←ちなみに当てた時(かすった時ですら)は鬼の首取ったかの如く、エラソーに言うよ。
直木賞の候補作に挙げられる前にすでに読んでいたこの作品だったが、この時から
「やはり一穂さんは短編の能力がズバ抜けてるなあ」
と感心していた。
中には足を引っ張る短編もあったが、そのほかは秀作であった。
一穂さん以外の作品がいずれも出来栄えが私の期待値より下回っており、これはまさかの受賞作ナシか?と思いつつ、一穂さんの作品をざっと再読したところ、最初に読んだ時とその評価が全く変わらなかったことにちょっと感動。自分で自分の審美眼(?)を褒めてあげたいね。
それならやっぱりいい作品なんじゃない?
と自然と一穂さんが受賞の椅子に座ることとなった。
一穂さんにビビビと来た、そんな自分を信じよう。
冒頭に述べた「自分を信じなかったのが奏功」は一旦ここでは忘れてほしい笑
今回は受賞作ナシか一穂さんか、で迷っただけなので、一穂さんが椅子に座ってしまえばあとはすることもなく。
てなわけで毎度恒例、本物の選考会の様子について想像してみる。
(´-`).。oO モアモア〜ン
まずは
▽麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』(文藝春秋)
が落ちるでありましょう。
前記事で4位のゆずあさと同着としたが、さすがにゆずあさと同着ってことはないか〜と思い直しましてな。私の中でも5位に降着させてください。著者名の「競馬場」さんにかけて。
(どうでもいいけどギャンブル狂の汗かき夫がこの本を見て、「麻布競馬場?作家の名前なの?すごい名前だね(・_・;」と驚いていた。私だって驚いたよ笑)
新しい世代のことを書いているわりに話題やテーマは普通で、しかも物語の展開がオーソドックスでつまらない、と厳しい評価がされると思う。髙村薫さんから。
髙村さん、きびしぃからなあ〜><
そのあとは…
▽岩井圭也『われは熊楠』(文藝春秋)
が落ち、それに引き続いてほぼ同時に
▽柚木麻子『あいにくあんたのためじゃない』(新潮社)
が落ちると思います。
岩井さんについては下で詳しく書くとして、今回唯一の長編ということで期待しすぎたせいもあるかもだが、思った以上に作品に馬力がなくてちょっとガッカリ。時代小説に精通している浅田次郎さんから、時代小説とは〜というご高説を賜ることができるかと思います。
ゆずあさは、私の中では岩井さんより下なのだがそこにはほとんど差はなく、文章の書きっぷりはなかなかのベテランの余裕すら感じられたのでそこを評価して(本物の選考委員が)、岩井さんより上になるかな、という感じ。
あとはそうねえ…あ!そういや湊かなえをひそかに推しているという宮部みゆきさんが頑張って推したりして。そんなに頑張ってくれなくてもいいんだけど。
逆らうな、抗うな、うんたらかんたら〜(思考放棄)。←出典忘れた笑
宮部みゆきの作品ってどの作品も本当に素晴らしいのだが、こと直木賞選考会に関してはどうも好みが合わない模様。なのに宮部さんの作品は私は好きって世界七不思議の一つだと思う。残り6つは知らん。
レベルが高くて困りますなあ!って回はきっと選考委員もウッキウッキで白熱した議論を展開すると思うのだが、今回はきっと低空飛行なんじゃないか。
どの作品も受賞に相応しい!という時も選考に困るが、どれもこれも…って時はもっと困るだろう。
あっさり一穂さんが受賞に決まると思うが(そう信じたい)、もし決選投票があるとするなら
▽一穂ミチ『ツミデミック』(光文社)
▽青崎有吾『地雷グリコ』(KADOKAWA)
この2作で決戦投票ということになるだろう。
初ノミネートの青崎さんの頑張りを認める選考委員もいるとは思うが(京極さんとかどうかな!?)、全体的に年齢層高めの選考委員の顔ぶれ。ゲームの面白さがよくわかんなかった、とかありそう。私は男性にはこの作品を勧められるかな〜と言ったが、浅田次郎大先生に勧める勇気はない。そう考えると女性陣の評価の方がまだ高いか?
というか男性陣って二人しかいないんだっけ!?いつからそんなことに?って今更だけど。
(ここで突然、第171回直木賞選考委員のご紹介。って今w!?
浅田次郎・角田光代・京極夏彦・桐野夏生・髙村薫・林真理子・三浦しをん・宮部みゆき
です。)
あとどうしてもエンターテインメント以上に現実的な部分を見ると、それはありえないよね〜という部分もあるのでそこを突いてくる選考委員はいると思う。
とりあえずここでこの作品に直木賞受賞!とするのは結構な勇気が必要だし、躊躇われる。
青崎さんの他の作品も見てみたい、ってそりゃ言うよね。だって私も見てみたいもん。
純粋に次にどんな作品を書いてくれるのか、期待大!!!!!
あとあと、青崎さんの作品が米澤穂信さんに似てなくもない、とか言う選考委員いないかな。
1ミリほどそう感じたのは私だけかしらん?
似てるというか、テイスト?がウッスラそんな感じ。遠くから匂ってくる程度に。
一穂さんに関しては、もともと浅田次郎氏が初ノミネートの短編集で随分と推していたから、今回もきっと推してくるはず。しをんちゃん(三浦しをん)もきっと。
林のおばちゃんも推してきそうな気がする。
3人が強く推せば受賞作なしという事態はなんとか避けられる!ハズ!
頼む!私のために推してくれ。
一穂さんのためにも!←ついで。
ゆずあさは新コロをうまく扱えていなかったが、こちらの一穂さんは本当に上手に自然と作品に組み込んでいたところもきっと好印象!比較対象があると評価しやすいよね。
今でこそ新コロ騒動もおさまり、すっかり過去のものとなってしまったが(それはそれで怖くないか!?)、騒動勃発時はそれはもう世界がひっくり返ったからね。
そんな今までの常識を覆すような大事件をうまく扱う方が難しいわけで。
それをうまいこと見せてくれたのが一穂さん。短編の名手とお呼びしようかしら。
あとは髙村さんをどこまで説得できるか、それが勝負の分かれ目かと思います。
髙村さん、一穂さんの作品、お好きじゃなさそうだからなあ。完全にイメージ。
というわけで
以下、私の順位の発表を行っていく。※()内は出版社。
最終的な順位はこちら・・・
1位 一穂ミチ『ツミデミック』(光文社)
2位 青崎有吾『地雷グリコ』(KADOKAWA)
だいぶ離れまして〜…
3位 岩井圭也『われは熊楠』(文藝春秋)
4位 柚木麻子『あいにくあんたのためじゃない』(新潮社)
5位 麻布競馬場『令和元年の人生ゲーム』(文藝春秋)
最後に読んだ以下の岩井圭也『われは熊楠』以外の作品についての感想等は、上記の途中経過記事でご確認ください。
※以下、全体的に作品の内容に詳しく触れています!!!ネタバレ注意!!
◇◆
いや、なにこれ、伝記?
今回の候補作の中で唯一の長編小説ということで自ずと期待値が高まったのだが、途中からもう苦行でしかなく…。いや、ちょっと言いすぎた。
面白かったの、面白い部分はたくさんあったの。
幼少期に良き師に巡り合って知識欲を満たし、学問とは?と常に深く考えるようになっていく様子とか面白かった。
父親との跡取りについてグダグダ揉めるとことかも面白かったし。
南方熊楠について取り上げたこの作品、南方熊楠を「知の巨人」という認識しかなかった私は、書かれていること全てにへ〜っという感じで読んだ。
こんなことをした人なんだ〜とか、こういう人だったのか〜(表現に虚飾はあれど、描かれた事件そのものは本当のことを書いているだろうし)などなど、知らないことばかりであった。
そしてこれほど好感を持てない主人公がいるだろうか、というくらいクソみたいな人物でなんか笑ってしまった。
あ、クソみたいな人物、というのは令和という時代から見た評価で、きっとこういう人って戦前にはたくさんいたんだろうと思う。
朝井まかてさんの「類」に出てくる森類(森鴎外の息子)もなかなかのクソだったし。
お金持ちのボンボンって基本、こういう感じなんですかね。お金は降って湧いてくるものとでも思ってるんだろうか。
…話は逸れたが、いい感じにクソっぷりが描かれているのはいいのだが、学問だけに一直線!って風に書くのかと思いきや、そうでもなかったり、不思議ちゃんなのかと思いきや、誰よりも高い自分の知識で弟を言いまかして父の財産を受け取る権利を主張したり(ちなみに私は全力で弟さんを応援したぞ笑!)、とはいえ人間なのだから、一貫性ってのもあるようでないのも当然で、それはなんとか納得するとして、都合よくあの世の人物が登場しすぎなのが気になった。
しかも都合よく登場させたはいいが、あまりそれが次に生かされていないところがさらに気になる。特に父親!父親があの世から助言してくれたりするのだが、あまり生きていないし、しかも途中から出てこなくなるし。いや、なんで!!
突然男色の話になるし。南方熊楠は男色研究もしていたそう(作品内ではあまり触れられておらず、後で私が調べたよ。)なので男色の話自体は不思議でもないのだが、とにかく脈絡がなさすぎて戸惑った。
時代小説の難しいところは、出来事はリアルに点として存在していて、それらを自分で作った物語という線で繋げていかないといけないところ。
なんで主人公はそんな動きする!?と作者自身が思ってたとしても、事実がそうあるのだから曲げるわけにもいかず。その点と線の結び方が非常に粗くて残念。
象徴的なモチーフ(天狗とか仏様とかとか)が数多くあった割に話自体が割と平坦で、盛り上がりに欠けるところもあり、伝記?って思っちゃったんだよね〜。
でも一つ素晴らしい描写があって、息子の熊弥の精神がおかしくなり、熊弥が暴れまくって熊楠の研究や採取された無数の書類をビリビリに破って、ぱ〜って空に向かって撒いたところ。
その下で熊楠が這いつくばっていて、その体の上にちぎられた紙片や採取物が降りかかってくるところ、本当に素晴らしかったね。とても美しかった。状況は最悪な場面なのだが。
そんなわけで、南方熊楠という人物を取り上げたのは面白い視点だったがその点と線をうまく繋げることができておらず、残念ながら受賞とはならなかった。
◇◆
未だかつてないほど順調に進んだ選考会、開始直後は居並ぶ妙ちきりんなタイトルやら著者名やら表紙やらにタッジタジのドッキドキだったが、蓋を開けてみればなんのことはないオーソドックスな作品ばかりで、なんなら過去回の方が脳天ひっくり返るような作品があったように思う。
今回はとにかく手堅い作品多め、そんな印象。
でもでも一穂さんの受賞は納得だし、残念ながら2位となった青崎さんも次回に期待!と思わせる作品であった。
今回の順位は私の好きな順位、というより、私がみなさまにオススメできる順番って言ったほうが正しい気がする。
この記事を読んでくれた全国に数人いるとかいないとかいうコアなあもるファンの皆様、そしてファンでもなんでもないけどたまたま通りかかって最後まで記事を読んでくれた奇特な方々、受賞作である一穂さんの作品を、そして受賞作以外の一穂さんの作品も読んでほしい。
あ、他の候補作なら青崎さんのもオススメします。ゲーム好きなら…。この作品、多少人を選んじゃうんだよな〜。
さ、明日になれば結果が判明するが、今回もあんまりドキドキしないなあ〜。
以前は「新喜楽」にエア参加したいとか言っていたが、参加しなくても結果は事前にわかってるしね!
なんだかもう、当てるのがデフォルトになってるよね〜!!!←言うのはタダ。
奇跡(自分で言う笑)の4打席連続ホームランは確定なので、ささ、宇宙に向けて胴上げ準備。
宇宙の果てまで、イッテQ!
マイお箸の携帯もお忘れなく。