過去の自分を超えて。 | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

※ピアノ話についてのおさらい

20年という長い空白期間を経て、2018年1月からピアノレッスンに通っています。

(登場人物)

 モネ先生=私の現ピアノの先生

 ドS先生=20年の空白期間を経て通い始めたピアノ教室の最初の先生

     (その時音大院生だったため、卒業&就職で退職。モネ先生の前任者)

 

 

上記記事でも書いたが、

シューマンのピアノソナタ2番全楽章、譜読みを始めて2年2ヶ月経った昨年末、

ようやく全楽章終了しました!

 

ほんとようやく…だよ。

ずいぶんかかかったなあ。

 

あれから約2ヶ月しか経っていないのに、私の中ではすでに大昔の出来事のよう。

今回はそんな苦労話を思い出せる限り書き散らしていきたい。

 

突然の発表会による中断が2回あった(中断期間を差し引くと1年半)とはいえ、なんかずっとやっていたイメージ。モネ先生には長期間お付き合いいただくこととなり、本当に申し訳なかった。そして第1楽章は2月の発表会で演奏するので、さらにもう少しお付き合いしていただくという恐ろしい事態…><

 

譜読みを始めた時に

「1年以上はかかるな、こりゃ」

と思っていて実際そうなったわけだが、期間はともかく

「時間をかけたところで、これ、本当に弾けるの?」

とたびたび不安にかられていた。

 

 ↓そもそも初っ端の第1楽章の譜読みからつまづく…

 

 ↓第4楽章(終楽章)の初っ端でつまづく…

 

↓第4楽章(終楽章)の仕上げ段階でもつまづく…

 

思い返せばつまづいてばかりのソナタであった。

それがまあ、なんだかんだで弾けるようになるもんですなあ。

モネ先生が「あもさんの弾ける曲しか選曲してませんよ」という言葉が改めて響く。

人間の成長ってコワイ!

 

なんとなく全楽章がまとまってきた。

…というところに再び発表会がぶち込まれて2度目の中断。

1度目の中断では、発表会終了後には全く弾けなくなっていたのだが(汗)、この2度目の中断は逆にいい効果を生み出した。

(1度目の中断は第1楽章の譜読みが終わった時点での中断だったので全く身についていなかったのが原因だと思われる)

 

↓ハッキリとした理由は分からないが、なんか音が急によくなったのだ。

 

音が良くなってきた=自分に合った正しいフォーム

が身についてきたのだろうか、そこから急成長を遂げたあもちゃん。

2023年の年末ごろにはおそろしく弾けるようになってきた(※当社比)

 

そしてとうとう

「どの楽章も仕上がりましたね。次のレッスンで一度軽く通してみましょうか。」

と言われる日がやってきた。

 

↓軽く通してみた挙句、返り討ちにあった様子はコチラ笑

 

↑いや、もう色々とヒドイ笑

何がヒドイって自分の浅はかさよ。

 

そして次のレッスンでは課題だった1楽章が急成長を遂げたものの、全体的な演奏については引き続きモネ先生に激しく詰められたり、宥めすかされたり。

 

モネ「3楽章のテンポのまま4楽章を想定より速く入って、途中からテンポを修正していたじゃないですか。変にコントロールしようとすると音楽的に空虚になりますから、速いテンポで入っちゃったらそのまま流れに乗った方がいいですよ。あもさんは速くても弾けますよ。」

 

空虚〜〜><

とかとかあれこれ細かく言われ、そして解散・・・になるわけがない!!!!

 

モネ「発表会の1楽章が気になるかもしれませんが、全然大丈夫。余裕で間に合いますからあともう1回!もう1回だけがんばりましょ!!ね!!ね!!あともうちょっとだから!!!」

 

モネ先生の「!」の数から断れない圧を感じたあもちゃん。

ここまで来たら最後までちゃんとやろうではないか、と腹を括った。

 

「・・・じゃあ、もう1週頑張ります!」

 

とこたえたが最後、そこから容赦ない千本ノック。

 

「ここからもう一度!」

「はい、もう一回。」

「手は大丈夫ですか?(私「手がダルイです~」)」

「ああ、痛くないなら大丈夫。じゃあここからもう一回。(私「ヒィィー!!!」)」

 

この千本ノックを通じてわかったことがある。

あ~練習ってこういう風にするんだ~・・と。←いまさら!!!

弾けたら終わり、じゃない。脳と指がつながるまで反復しないといけないんだ~。

 

思えば練習方法って誰も教えてくれなかったな。

ひたすら自分なりに繰り返し弾くだけだった。

・・・しかもそもそも「ひたすら」というほど練習してないし笑!

モネ先生が初めて色々な練習方法を教えてくれたのだ。

 

はぁはぁ…。

鬼(あ、違った、モネ先生だった笑)の千本ノックを受け、この日のレッスンは終了。

隠れていたあもちゃんのドM気質が首をもたげ、謎の充実感が身体中に広がる。

アドレナリン、ドパァ〜。


そこから次のレッスンまで、モネ先生の千本ノックをなぞりながら練習を重ねていた私。

ふとその時、急に頭の中に降ってきた思いが。

 

「あれ?…多分だけど今、若かった頃の自分を超えた気がする。」

 

表現力や音色などについてはとうの昔に超えていた(と思う)が、テクニックについてはどうしても肉体的ピークの若かりし頃の自分を超えることはできんよな~と思っていた。

だが、なんかふとこの瞬間にそう感じたのだ。

 

そういや似たようなことどっかで書いたような・・・

と検索しますれば。

 

↓シューマンのこのソナタかショパンのエチュードかで迷っていた頃の記事(2021.9.21)

 

>あの時の私には想像もつかなかったことだろう。今の私も驚いている。

>30年前の自分をもしかしたら今年、超えられるかもしれない。

 ↑演奏技術について。表現力は去年あたりで超えてる自信がある。

 

「今年」でなかったが、私がなんとなく

「シューマンのソナタを終えた時、過去の自分を超えられる気がする・・」

と思っていたことがそのまま実現した。

エスパーあも、降臨。

この予言者っぷり、これはもうノストラダムスかあもちゃんか。

 

その後、自分の手の形も変わっていることに気づいた。↓

 

 

その変化の実感が私の何かを後押ししたんでしょうね、

そういやずっとやってなかったけど、一度全楽章とおして録音してみようか。

という気になった。←はよやれや、とか言わない笑

 

でもな~。

先生はああ言ってくれてるけど、きっとロクでもない演奏なんだろうなあ。

いざ録音するとなるとやはり気が重かった。

(チキンのあもちゃん、自分の実力を常に直視したくないの。)

 

気が重くなるにはちゃんと理由がある。

というのも、何ヶ月か前に一度、4楽章だけを録音してみたことがあるのだ。

モネ先生がよく弾けてますよって言ってくれるから~。

ついうれしがって〜。

 

そしたら全然弾けてなかったのだ。

思った以上に弾けてなくてビビった。

辿々しいし、とてもとても音楽的云々語るレベルじゃない。

な~にがよく弾けてるじゃ!(モネ先生に八つ当たり笑)、全然弾けてないじゃんか!

 

そんな記憶を振り払いながら今回渋々録音し、憂鬱な気分で渋々確認すると・・・渋々渋々渋々…

 

私「あれ!?わりとちゃんと弾けてる!4楽章のミスはともかく、全体的にちゃんと弾けてる!ウッソだ〜!?」←自分で自分が信じられない

 

先生があと1回頑張ろうって言ってたのも嘘じゃなかったんだ…

ジーン…本当にようやくここまできたんだ…ジーン…

 

そして記念すべき最後のレッスン。

 

モネ先生はピアノの後ろの遠く離れた椅子に座り(3楽章に移動が大きい箇所があるので、華奢なモネ先生をぶん殴る可能性アリ笑)、

「いつでもあもるさんのいい時に始めて下さいね」

と声をかけて、無言で私の演奏を待つ。

 

これが最後になるかも、と思うとなんだか感慨深く………なる余裕もなく(笑)、今の私の思いの丈……というか持てるすべての力で演奏した。

 

ジャーン・・・・・・・♫♫

そして、あっという間の20分。

 

モネ「パチパチパチ。よき演奏でした。やっぱり前回合格にせずあと1回粘ってよかった。その分ちゃんと成長できてます。1週間でよくここまで成長できましたね。あもるさんの個性が生きた音でシューマンの音楽を表現できていましたよ。」

私「うう・・嬉しいよう(T_T)」

 

これが数週間前、シューマンをベートーヴェン的な?とか言って、モネ先生に光速で否定された人物と同じ人物だろうか。

 

レッスン終了後、ヘロヘロになりながら帰り支度をしながらモネ先生と雑談中のこと。

 

モネ「…今のあもるさんは、音大受けたときの私を超えてると思う。」

私「またまた~><」

 

それが本当かどうかはともかく(というか超えてるわけないやん笑!)、

今までそんなこと言われたことなかったし、しかも「過去の自分を超えたかも」と感じたタイミングとほぼ同時期だったので、確実にレベルアップしたことだけは間違いない。はず。

 

本当に長い道のりでありました。

20年のブランクを6年かけて取り戻し、ようやく追い越せそうという希望の光がさした2023年の終わりであった。

(その後、再びドツボにハマるのだが、そんなこんななお話はまた後日・・・)

 

というわけでレッスン終了記念に全楽章演奏をアップ!

(上記で書いた渋々撮った(笑)1回きりの録画なので、4楽章で思いっきりコケてますが、生温かい耳で聞いてやってください。)

 

 

ひっさびさに動画編集をやったので、やり方の何もかもを忘れていた><

動画アップを目的にしたので完全に手抜きです。

面白みもなにもないただの演奏動画です。

(本当は演奏に解説とかツッコミとか入れたかったのだが、そんなことやってたら完成までに1年以上かかりそうなので笑、そのまま演奏のみをアップしています。)

 

全楽章演奏では1楽章はゆっくり目に弾いていますが(4楽章まであるので体力温存w)、発表会ではテンポアップする予定。

モネ先生はソナタを全楽章弾かせる主義であり、なおかつ繰り返しもキッチリ演奏させる主義。

楽譜に忠実なんでしょうな(思えばドS先生も同じ主義だったな・・・遠い目)。

当たり前のことではあるが、案外難しい。正しい先生の姿であると思う。

これまでのピアノ人生、繰り返しを完全無視していたので最初は慣れなくて苦労した〜(笑)

 

↓ちなみに約1年前、ド素人が動画編集を頑張った記事(笑) こちらは繰り返しなし。