木も見えず、森も見えず。 | 感傷的で、あまりに偏狭的な。

感傷的で、あまりに偏狭的な。

ホンヨミストあもるの現在進行形の読書の記録。時々クラシック、時々演劇。

※ピアノ話についてのおさらい

20年という長い空白期間を経て、2018年1月からピアノレッスンに通っています。

(登場人物)

 モネ先生=私の現ピアノの先生

 

先月、無事ピアノの発表会を終え、次からレッスンで何をみてもらうか・・・である。

レッスン候補曲についてはこちら↓

 

 

候補曲は挙げてもらってはいたが、まずは途中やめになっていたグリーグの「ソルヴェイグの歌」を終わらせなければ前に進まない。

 

ほぼ仕上がった状態で先日のレッスンに臨みますれば

 

モネ「前半は言うことないですね。後半のこの部分はもっとメロディを明確に出して。ここは指示はないけどペダルを細かく踏みかえて。ここのスラーの後のフォルテは音を大きくするというよりスケールを大きくするイメージで、あと呼吸忘れず・・」

 

とかとか細かい指導を5点ほど受けたところで、レッスン終了5分前。

 

モネ「今言ったとこ、直して弾けますね?そこだけなので、よければオッケーにしましょう。」

私「ががが、頑張ります。」

 

ピロピロピ〜♪

 

モネ「すごくよかったです。この曲をネットリ重めに弾く人もわりといて、それはそれでアリなんですが、それとは正反対のあもるさんらしい爽やかな音色で曲を作っていて、その中でも北欧の独特の暗さも見せたり、とよく表現できていました。」

 

じぃぃぃ~ん。

なんか褒め言葉が具体的で嬉しい。

北欧の陰とかそんなこと全く意識してなかったけど(オイッ)、この曲について私は夕焼けと青空をイメージしていたので、それが晴れたり曇ったり・・とモネ先生の耳に届いたのであればそれはそれで!

 

モネ「次からは新しい曲になりますが、まだ日にちもありますから(※)すぐ決めなくても大丈夫ですよ。決めたら連絡くださいね。」

 ※発表会のためレッスン日を発表会直前にミッチミチに入れたのでしばしお休み。

 

私「あ、でも決めました。シューマンのソナタ第2番にしようと思います。」

 

ドMあもる、再び全楽章チャレンジ地獄に自ら足を踏み入れる!

 

シューマンのソナタ2番かショパンのエチュード数曲で迷っていたのだが、結局、モネ先生にシューマンを教えてもらいたいとずっと思っていたのでそちらを優先させることにした。

 

モネ「シューマンのソナタ、いい曲ですよね。あ、そうそう。毎回あもるさんは初回から譜読みをしっかりしてきてくれますが、とにかく第1楽章は譜読みが大変なんです。だからそんなに最初から頑張って譜読みをしてこなくていいですからね。

それに第3楽章は短いし、第4楽章も指さえ回ればほかは大して難しくなくて。

とにかく第1楽章が譜読みもテクニックも大変なので、ほんとに根詰めてやってこなくて大丈夫ですからね。」

 

第4楽章も指が回れば大して難しくないって、そら、指が回ればそらそうでしょうね!!!

 

というか第1楽章、そんなに譜読みが大変なの?

言ってもシューマンでしょ?

ある程度シューマンはやってきたけど、譜読みが大変だった記憶が全くないんだけどなあ。

昔すぎてそんな苦労も忘れちゃったのか!?

第1楽章が大変大変って念押しされまくって、まだ楽譜も買ってない状態ですでになんだか怖いんですけど・・

 

思えばピアノを再開してからの3年半で譜読みが大変だったのはラフマニノフの時だった。

参考記事↓

 

 

あの時はこれが発表会の曲だったので(=のんびりしている時間はない)、初回のレッスンで全く譜読みができてなかった状態にいつもお優しいモネ先生も流石に青ざめていた(笑)

 

いくらなんでもあのときほどではないよね・・・?

とレッスンを終えたその足で楽譜を買いに行った私。

 

今回レッスンしてもらうのはシューマンのソナタ第2番だが、ショパンのエチュードもラヴェルのソナチネや古風なメヌエットもいずれレッスンをお願いしますと、モネ先生を予約しておいたので(笑)、シューマンのソナタを見る合間にショパンもラヴェルも少しずつ見ていけたらいいなあ、とか嬉しがって楽譜を大量に買ってしまった。

 

 

がーーーーー!!!

いざシューマンのソナタの譜読みを始めると、合間だぁ〜?そんなもん1mmもなかったわ。

 

まず単純にその量。

第1楽章だけで12ページもある〜!!うへぇ。

 ※大曲ならそんなの大したことないのだろうが、私を怯ませるには充分。

(プロが)演奏したら(繰り返し記号を演奏しても)6分程度なのに・・ってすんごいテンポで演奏してるってことだよなあ。こわっっ。

 

シューマンと言えばアルゲリッチでありますが、こちらもまあ猛スピードで演奏しております。

人生何回やり直してもこのスピードで弾ける気がしない!!!!

 

ちなみに第1楽章のテンポが演奏者によってまちまちなのはシューマンの妙ちきりんな指示のせいであります。

 

wikiより

第1楽章 So rasch wie möglich

ト短調、4分の2拍子。ソナタ形式。演奏記号の通り「できる限り速く」演奏される。

演奏技術・音楽表現的に演奏者の考え方が問われており、多くの演奏者はプレスト楽章と同様の速さを基準にしている。

左手には10度音程が登場するなど演奏は難しく、4分の2拍子の楽章なら速度はどの程度が必要なのかは演奏者によって解釈が分かれる。

 

シューマンは先人ベートーヴェンに倣って演奏記号を母国語で記している。

so rasch wie möglich やnoch schneller wie möglich の意味は旋律に対する美的感覚も考慮して決められなければならない。

 

だそうです。

 

できり限り速く・・・って親切なんだか不親切なんだか。

ま、自分ができる範囲で速くすればいいって都合よく解釈することにしま〜す!

 

そんな速さはさておき、早速譜読みを始めるぞー!!!えいえいおー。

 

私「・・・・・ん?右は裏から入るのか。でその間に左が・・え?ここは交互じゃなくて同時なのか。ウゲーーーー!何がどうなってんのか全然わかんない!!!!」

私「いやいや、焦るな私。まずは片手ずつ・・・右が・・ん?アウフタクトだったり一拍目からだったりクソ忙しいなあ。あ、ここはタイなのか。・・・ムキッ(静かに怒る)」

 

もう気が狂いそう笑

 

楽譜をざっと見回したときは大したことなかったのに、いざ山の中に踏み入って葉っぱ一枚一枚を見ていくと、これがもう複雑怪奇。

木を見て森を見ずどころか、葉っぱも木も森もまるで見えてこないんですけど。

木を見て森を見ずだなんて、木が見えてるだけマシやないか。

たくさんの葉っぱを曇りなきまなこでじっくり見ているのに、どういう法則で枝についているのかさっぱり。

 

え〜?シューマンってこんなに譜読み大変でしたっけ〜?

昔の苦労は遠い記憶の彼方。

 

そんなとき、レッスンの日程調整についてモネ先生からメールが来たので、

待ってました!

とばかりに、その返信のついでにシューマンの譜読みが大変だと愚痴をこぼした。

 

 

モネ「シューマンは音読むの大変ですよね。見た目はそんなにごちゃごちゃしてないのに思うように進まないんですよね」

 

そうなんじゃ。

そのとおりなんじゃ。

 

モネ「なにしろ各声部に旋律が散りばめられていますからね。とりあえず初めはゆっくり、浅く入る音がないように丁寧に読んでいくことが重要です。弾き分けを考えなくてもテクニック的に普通に難しいところも多い曲ですしね。ゆっくりの状態でも抜けてしまう音があるままにすると、声部を弾き分けるのにめちゃくちゃ苦労します。」

 

とありがたいアドバイスをもらったのだが、うん、先生ごめん、私、そんなレベルで愚痴をこぼしたわけじゃないの。

今後もう少し前に進んだら参考にします・・・と黙ってスマホを置いた笑

 

兎にも角にもモネ先生も言っているようにゆっくりじゃ・・・

と片手ずつ見ていくうちに、3日目にしてようやく急に法則が見えてきた。そしてその法則に指と頭が馴染んできた。

 

うおっ!なんかわかった気がする!!!

1〜2頁の峠を越えると、その後の頁からは普通に読めるし、両手でも弾ける〜。

いきなり最初が難関だったとは。

最初の2頁に3日もかかるとはね(まさかとは思うが加齢のせいなんじゃ・・・汗)。

 

でもまあ、ラフマニノフなんて弾けるようになるまでに2週間かかってるのでまだマシ。

再現部(冒頭部分が途中で再度出現する箇所)にノロノロ到達した時は、残りあとわずかだ!と希望の光が胸に灯った。

 

第1楽章の最後まで弾き切った時は感動に咽び泣いた。あ、うそです。

ただ、森の形、そして山の形はこうなってたんだ〜と後ろを振り返り、今までたどってきた道を思い返し、新しい世界を見つめる思いであった。

 

それからまた葉っぱ一枚一枚、木々一本一本を見ていくと、今までとはまた違う視点でそれらを見ることができるようになった。

山全体が見えてくると、それらを構成する部品について1つ1つの細工が見えてくる。

あ、こんなとこにこんなメロディが隠されてる〜。

あ、この左手は右手とリンクさせてからの〜さようなら〜って別れてる〜。

とかとか。

やっぱりシューマンって愛おしいなあ。

世間におけるシューマンの評価の低さに私はド派手に反対する!!

 

何はともあれ、初回のレッスンに全然譜読みできませんでした状態で臨む心配はなくなったが、いきなり最初っからこんな感じなんで、全楽章を終えるまでには1年以上かかるだろう。

長い戦いの火蓋が、今、切られたのである。チョキーン。

 

シューマンの後にショパンのエチュードやラヴェルまで見てもらおうと思ったら、一体何年かかることやら。それこそ10年計画って感じ。

10年後の私・・・まさかの還暦前じゃないか!!!

赤いちゃんちゃんこがすぐそこに。

 

ピアノはきっと続けているだろうけど、モネ先生は10年後も私の先生でいてくれるかなあ。

今の教室辞めて別の教室に行ってもずっとついていくぞー!←ストーカー。

でも遠方にお嫁に行っちゃったら・・それでもついていくぞー!←ストーカー。

 

 

 

 

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最後にお知らせなのですが(と言ってもブログを直接読んでくださっている方には全く関係ないお知らせなのですが)、今までTwitterでもブログ更新のお知らせを投稿してきましたが、全くTwitterを使いこなせていない状態もどうなの?とずっと思っていて、その他Twitterの性質と私の性格が合わないということもあり、Twitterをやめることにしました。

 

やめると言ってもアカウントは削除せず(削除の仕方がよくわかんない笑)そのまま放置となりますが、この記事を最後にTwitterでの活動(何もしてないけど)は終了し、今まで通り細々とブログを更新していきます。

Twitterでフォローしてくださっていた方、本当にありがとうございました。

ブログは今後ともよろしくお願いします。