今夜は江戸時代の画家のお話です。
柴田是真という方をご存知でしょうか。
僕は以前板橋区立美術館で柴田是真展を観に行きました。
簡単にご紹介すれば、是真は幕末から明治にかけて存在した画家でもあり、蒔絵絵師でもありました。
ご存知のように英語圏で「漆芸」のことはlacquerとは言わず、「Japan」と呼ばれます。
漆絵ですね。同じようなものを若いころ実物を見たことがあります。
展覧会だったのか店で扱ったのか忘れましたが、精緻な造形と大胆なデフォルメが感動的でした。
これも素晴らしい作品です。
ただ四条派の絵画を学んだ彼は絵にも優れた作品があります。
黒の部分には一部漆を用いることが、是真の真骨頂。
デザイナーとしての力量も並々ならぬものがあります。
この重箱のデザインは今の平成の世でも十分に新しく、モダンです。
それにこんな絵も
なんですかね、この雀のお宿みたいな絵は。滑稽画を書くような画家ではありませんが、頓知画(トンチ絵)にも並々ならぬ才能を発揮します。
ついに画像は見つけられなかったんですが、以前見に行ったときには「徳若に御萬歳(ばんざい)」という掛け軸がありました。
時の徳川の若君の生誕を祝い描いた絵なのですが、なんとそこには亀が五匹紅白の紐に括られていて、それをガザミ(ワタリガニ)のような蟹が結び目を解こうとしている絵でした。
これは鶴は千年亀は萬年といいますので、五匹で五萬年(歳)、それを「解く」は「蟹」と言うわけです。「解くは蟹五萬歳」となるわけです。
あ!ありました。これですこれ!
ガザミじゃなくて沢蟹みたいな蟹でした。紐も紅白じゃないし。記憶違いでしたね(^O^;)
光格上皇が京都の絵師らに対し゛徳若に御万歳゛という言葉を絵で表せと命じたそうな。
と、当時上洛中だった柴田是真がこの絵を献上したとの逸話が残っております。
江戸の粋、まさにここに現れたり。そんな江戸っ子の気概を感じさせます。
こんなタブローもあります。素晴らしいデッサン力。
なんというか江戸時代の凄さが分かります。
鎖国という状況の中、商人が政治力を持ってきます。それにより都市部では貨幣の流通が盛んになるとともに、それまでの「パトロン」だった皇族や武士に加え大きな商人が加わり始めました。
優れた絵画や造形を作り出せる職人は、それらのパトロンの庇護のもと芸術と文化の磨き上げに邁進できた、爛熟の時代。
民衆も売買を行うという行為が一般的になり、黄表紙や浮世絵などを購入するということも珍しく無いという時代。
明治6年のウイーン万国博覧会に出展された「富士田子浦蒔絵額」
進歩賞牌という賞を受賞した作品です。
幕末から明治へと続く激動の時代に漆絵を愛した是真。まさに「Japan]ではないかと思う次第です。
今夜のブログは「江戸の粋」という題名にしました。だから是真がすき。また明日(^.^)/~~~
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