源氏物語イラスト訳【末摘花113】まうし | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏物語イラスト訳【末摘花113】まうし

「鐘つきてとぢめむことはさすがにて答へまうきぞかつはあやなき」

いと若びたる声の、ことに重りかならぬを、

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【これまでのあらすじ】

故常陸宮の姫君の噂を聞いた光源氏は、「零落した悲劇の姫君」という幻想に憧れと好奇心を抱き、大輔命婦に手引きを頼んでようやく逢瀬を迎えます。

 

【源氏物語イラスト訳】

 

つきとぢめことさすがに

訳)つい終了するようなことそうはいってもやはり、いたしかね…、

 

 

答へまうきかつあやなき

訳)でも、お答えするにも躊躇してしまうのが、一方で私にもわけが分かりません

 

 

いと若びたることに重りかなら

訳)とても若々しい格別重々しくないのを

 

【古文】

つきとぢめことさすがに答へまうきかつあやなき

いと若びたることに重りかなら

 

【訳】

つい終了するようなことそうはいってもやはり、いたしかね…、でも、お答えするにも躊躇してしまうのが、一方で私にもわけが分かりません

とても若々しい格別重々しくないのを

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【鐘(かね)】…鐘。つりがね

■【つき】…カ行四段動詞「つく」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【とぢめ】…マ行下二段動詞「とぢむ」未然形

※【とぢむ】…終了する

■【む】…婉曲の助動詞「む」連体形

■【は】…取り立ての係助詞

■【さすがに】…ナリ活用形容動詞「さすがなり」連用形

※【さすがなり】…そうはいってもやはり~だ

■【て】…単純接続の接続助詞

■【答へ】…ハ行下二段動詞「答ふ」未然形

■【まうき】…打消希望の助動詞「まうし」連体形

■【ぞ】…強意の係助詞

■【かつ】…一方で

■【は】…取り立ての係助詞

■【あやなき】…ク活用形容詞「あやなし」連体形

※【あやなし】…道理に合わない。わけがわからない

■【いと】…とても

■【若び】…バ行上二段動詞「若ぶ」連用形

■【たる】…存続の助動詞「たり」連体形

■【の】…同格の格助詞

■【ことに】…ナリ活用形容動詞「ことなり」連用形

※【ことなり】…格別だ

■【重(しげ)りかなら】…ナリ活用形容動詞「重りかなり」未然形

※【重りかなり】…重々しい

■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

■【を】…対象の格助詞

 

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

「若人」、つまり若い女房が、

末摘花の代わりに、光源氏への返歌を申し上げたようです。

 

 

チュー

 

「まうき(まうし)」というのは、打消の希望を表す助動詞です。

 

これは、希望の助動詞「まほし」が、「ま欲(ほ)し」と理解されたことから、その対義語を、「ま憂(う)し」とみなしたことから生まれた造語と言われています。

 

あまり用いないので、文法書には出てないと思います。

 

こういう助動詞は、大学入試では、注釈がつくと思いますが、

難関大学では、注釈がなく文脈判断を要する場合もあるので、出てきたものから覚えていきましょう!

 

 

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