源氏イラスト訳【若紫401】対比 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫401】対比

さかしう心あり、何くれとむつかしき筋になりぬれば、わが心地も、すこし違ふふしも、出で来やと、心おかれ、人も恨みがちに、思ひのほかのこと、おのづから出で来るを、いとをかしきもてあそびなり。

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

さかしら心あり何くれとむつかしきなりぬれ

訳)小賢しい智恵身につき何やかやとうっとうしい関係なってしまう

 

 

わが心地すこし違ふふし出で来と、心おか

訳)自分の気持ち少し違う出て来るだろうと、用心せずにいられなくて

 

 

恨みがち思ひのほかこと、おのづから出で来る

訳)相手の女嫉妬しがちになり意外なもめ事が、自然と出て来るものなのに

 

 

いとをかしきもてあそびなり

訳)たいそうかわいい遊び相手である

 

 

【古文】

さかしら心あり何くれとむつかしきなりぬれわが心地すこし違ふふし出で来と、心おか恨みがち思ひのほかこと、おのづから出で来るいとをかしきもてあそびなり

 

【訳】

小賢しい智恵身につき何やかやとうっとうしい関係なってしまう自分の気持ち少し違う出て来るだろうと、用心せずにいられなくて相手の女嫉妬しがちになり意外なもめ事が、自然と出て来るものなのにたいそうかわいい遊び相手である

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【さかしら心】…小賢しい知恵。利口ぶった考え

■【あり】…ラ変動詞「あり」連用形

■【何くれと】…何やかやと。あれこれと

■【むつかしき】…シク活用形容詞「むつかし」連体形

【むつかし】…うっとうしい

■【筋(すぢ)】…関係

■【に】…変化の結果の格助詞

■【なり】…ラ行四段動詞「なる」連用形

■【ぬれ】…完了の助動詞「ぬ」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【わが】…自分の

■【心地(ここち)】…心持ち。気持ち

■【も】…強意の係助詞

■【少し】…副詞

【違(たが)ふ】…違っている

■【ふし(節)】…点。面

■【も】…強意の係助詞

■【出で来(いでく)】…出てくるカ変複合動詞

■【や】…疑問の係助詞

■【と】…引用の格助詞

■【心おか】…カ行四段動詞「心置く」未然形

【心おく】…気兼ねする。用心する

■【れ】…自発の助動詞「る」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【人】…ここでは、相手の女のこと

■【も】…添加の係助詞

【恨みがち】…嫉妬しがち。恨むことが多い状態

■【に】…状態の格助詞

■【思ひのほか】…意外。思いも寄らないこと

■【の】…連体修飾格の格助詞

■【おのづから】…自然と

■【出で来る】…カ変動詞「出で来」連体形

■【を】…逆接の接続助詞

■【いと】…たいそう

■【をかしき】…シク活用形容詞「をかし」連体形

※【をかし】…かわいい。趣深い

■【もてあそび】…相手として遊び、心を慰めること。遊び相手

■【なり】…断定の助動詞「なり」終止形

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

ここでの「さかしら心」は、

若紫のあどけなさと対比的に置かれています。

 

男女関係を結び、嫉妬するような関係になったら、

このように、光源氏がどこか(の女性の元)から帰ってきた翌日は、恨みのひと言も言ったりしますよね。

 

 

それに対し、若紫は、

何もそういう邪心がなく、

心から、真っ先に朝帰りした光源氏を出迎えてくれるんです。

 

 

滝汗滝汗滝汗

 


 

>>次へ

 

>>初めから読む