源氏イラスト訳【若紫402】「若紫」完 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫402】「若紫」完

女など、はた、かばかりになれば、心やすくうちふるまひ、隔てなきさまに、臥し起きなどは、えしもすまじきを、これは、いとさまかはりたる、かしづきぐさなりと、思いためり。

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

YouTubeにもちょっとずつ「イラスト訳」の動画をあげています。

日々の古文速読トレーニングにお役立てください。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

などはたかばかりなれ

訳)自分のなどでも、はたまたこれほどの年なる

 

 

心やすくうちふるまひ隔てなきさまに、

訳)気安く振る舞い心のわだかまりない状態で、

 

 

臥し起きなどは、しもまじき

訳)寝起きなどは、とても することができそうにないけれど

 

 

これいとさまかはりたるかしづきぐさなりと、思いめり

訳)この子とても風変わりな大切な娘であると、お思いになっているようだ

 

 

【古文】

などはたかばかりなれ心やすくうちふるまひ隔てなきさまに、臥し起きなどは、しもまじきこれいとさまかはりたるかしづきぐさなりと、思いめり

 

【訳】

自分のなどでも、はたまたこれほどの年なる気安く振る舞い心のわだかまりない状態で、寝起きなどは、とても することができそうにないけれどこの子とても風変わりな大切な娘であると、お思いになっているようだ

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【女(むすめ)】…自分の娘

■【など】…例示の副助詞

■【はた】…はたまた

■【かばかり】…これほど

【ばかり】…程度の副助詞

■【に】…変化の結果の格助詞

■【なれ】…ラ行四段動詞「なる」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【心やすく】…ク活用形容詞「心安し」連用形

※【心安し】…安心する。気安い

■【うちふるまひ】…ハ行四段動詞「うちふるまふ」連用形

※【うち―】…語調をととのえる接頭語

【隔(へだ)て】…心のわだかまり

■【なき】…ク活用形容詞「無し」連体形

■【さま】…状態。様子

■【に】…状態を示す格助詞

■【起き臥(ふ)し】…寝起き

■【など】…例示の副助詞

■【は】…取り立ての係助詞

【え~(打消)】…陳述の副詞〈可能〉

■【し】…強意の副助詞

■【も】…強意の係助詞

■【す】…サ変動詞「す」終止形

■【まじき】…打消推量の助動詞「まじ」連体形

【を】…逆接の接続助詞

■【これ】…ここでは、若紫をさす

■【は】…取り立ての係助詞

■【いと】…とても

■【さまかはり】…ラ行四段動詞「さま変はる」連用形

※【さま変はる】…風変わりだ

■【たる】…完了(存続)の助動詞「たり」連体形

■【かしづきぐさ】…大切な娘

※【かしづき】…大切に世話をすること。手厚い保護を加えること

※【―ぐさ】…動作の素材や対象を表す接尾語

■【なり】…断定の助動詞「なり」終止形

■【と】…引用の格助詞

■【思い】…サ行四段動詞「思す」連用形イ音便

※【思す】…「思ふ」の尊敬語(作者⇒光源氏)

■【た】…完了(存続)の助動詞「tらい」連体形撥音便無表記

■【めり】…推定の助動詞「めり」終止形

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

「女」は、「むすめ」と読みます。

 

自分の娘であっても、

これほど心を許して、打ち解けたりしないだろうに、

 

この若紫は、「様変はり」たる「かしづきぐさ」だ、というわけですね。

 

 

 

さあ、ここまでが、第五帖「若紫」の巻でした。

 

次回から、第六帖「末摘花」が始まります。

 

「末摘花」とは、紅花のことです。

 

 

 

 

もちろん、ある女性の呼び名に使われます。

 

鼻の頭が赤らんでいたから、「末摘花」なんですって!

 

いったい、どんな女性なのでしょうか?

 

 

 

滝汗滝汗滝汗

 


 

>>次へ

 

>>初めから読む