源氏イラスト訳【若紫353】主語の確認 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫353】主語の確認

「…いかにはかばかしき御答へ、聞こえさせたまはむ」

とて、うち笑ひてゐたり。君、入りたまへば、いとかたはらいたく、

「うちとけて、あやしき古人どもの、はべるに」と聞こえさす。

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見るだけで楽に、古文の速読力が身についてきます。

おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

「…いかにはかばかしき答へ聞こえさせたまは

訳)「…どんなにしっかりした返事を、姫にお聞かせなさるのでしょ

 

 

とてうち笑ひたり

訳)言っちょっと笑っ座っていた

 

 

入りたまへいとかたはらいたく

訳)源氏の君は、入りなさるとてもきまり悪くて、

 

 

うちとけあやしき古人どもの、はべる聞こえさす

訳)くつろい見苦しい古参の女房たちが、そばにおりますのに申し上げる

 

 

【古文】

「…いかにはかばかしき答へ聞こえさせたまは

とてうち笑ひたり入りたまへいとかたはらいたく

うちとけあやしき古人どもの、はべる聞こえさす

 

【訳】

「…どんなにしっかりした返事を、姫にお聞かせなさるのでしょ

言っちょっと笑っ座っていた源氏の君は、入りなさるとてもきまり悪くて、

くつろい見苦しい古参の女房たちが、そばにおりますのに申し上げる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【いかに】…どんなに~か

■【はかばかしき】…シク活用形容詞「はかばかし」連体形

※【はかばかし】…しっかりした。はっきりした

■【御―】…尊敬の接頭語(少納言乳母⇒光源氏)

■【答(いら)へ】…返事。返答

■【聞こえ】…ヤ行下二段動詞「聞こゆ」未然形

※【聞こゆ】…「言ふ」の謙譲語(少納言乳母⇒若紫)

■【させ】…尊敬の助動詞「さす」連用形

■【たまは】…ハ行四段動詞「たまふ」未然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(少納言乳母⇒光源氏)

■【む】…推量の助動詞「む」連体形

■【とて】…~と言って

※【と】…引用の格助詞

※【て】…単純接続の接続助詞

■【うち―】…ちょっと~接頭語

■【て】…単純接続の接続助詞

■【ゐ】…ワ行上一段動詞「ゐる」連用形

※【ゐる】…座る

■【たり】…完了(存続)の助動詞「たり」終止形

■【君】…源氏の君

■【入り】…ラ行四段動詞「入る」連用形

■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形

※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【いと】…とても

■【かたはらいたく】…ク活用形容詞「かたはらいたし」連用形

※【かたはらいたし】…きまり悪い

■【うちとく】…気を許す。くつろぐ

■【て】…単純接続の接続助詞

■【あやしき】…シク活用形容詞「あやし」連体形

※【あやし】…みっともない。見苦しい

■【古人(ふるびと)】…古参の女房

■【―ども】…複数の接尾語

■【の】…主格の格助詞

■【はべる】…ラ変動詞「はべる」連体形

※【はべり】…「控ふ」の謙譲(光源氏⇒若紫)

■【に】…逆接の接続助詞

■【と】…引用の格助詞

■【聞こえさす】…「言ふ」の謙譲(作者⇒光源氏)

 

重要古語一覧はこちら

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

今回は、誰の行動なのかをきちんと押さえましょう。

 

「君入りたまへば」のあとで、主語が変わっています。

 

敬語をきっちりと捉えて

主語を確認していくべきですね。

 

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