源氏イラスト訳【若紫337】身勝手 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫337】身勝手

御文は、たびたびたてまつれたまふ。暮るれば、例の大夫をぞたてまつれたまふ。「障はる事どものありて、え参り来ぬを、おろかにや」などあり。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

たびたびたてまつれたまふ

訳)手紙頻繁に差し上げなさる

 

 

暮るれ例の大夫たてまつれたまふ

訳)日が暮れるいつものように惟光大夫お差し向けなさる

 

 

障はるどもあり参り来おろかになどあり

訳)差し障り がいろいろとあっ参上することができ ないのをいい加減な奴だとお思いなどと、伝言がある

 

 

【古文】

たびたびたてまつれたまふ暮るれ例の大夫たてまつれたまふ。「障はるどもあり参り来おろかになどあり

 

【訳】

手紙頻繁に差し上げなさる日が暮れるいつものように惟光大夫お差し向けなさる。「差し障り がいろいろとあっ参上することができ ないのをいい加減な奴だとお思いなどと、伝言がある

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【御―】…尊敬の接頭語(作者⇒光源氏)

■【文(ふみ)】…手紙

■【は】…取り立ての係助詞

■【たびたび】…頻繁に

■【たてまつれ】…ラ行下二段動詞「たてまつる」連用形

※【たてまつる】…「与ふ」の謙譲(作者⇒若紫)

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【暮るれ】…ラ行下二段動詞「暮る」已然形

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【例の】…いつものように

■【大夫(たいふ)】…五位以上の官職の者。ここでは、惟光をさす

■【を】…対象の格助詞

■【ぞ】…強意の係助詞

■【たてまつれ】…ラ行下二段動詞「たてまつる」連用形

※【たてまつる】…「遣る」の謙譲(作者⇒若紫)

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【障(さ)はる】…差し障る

■【―ども】…複数の接尾語

■【の】…主格の格助詞

■【あり】…ラ変動詞「あり」連用形

■【て】…単純接続の接続助詞

■【え~(打消)】…~できない「え」は陳述の副詞

■【参り来(こ)】…カ変動詞「参り来」未然形

※【参り来(く)】…参上する

■【ぬ】…打消の助動詞「ず」連体形

■【を】…対象の格助詞

■【おろかに】…ナリ活用形容詞「おろかなり」連用形

■【や】…疑問の係助詞

■【など】…引用の副助詞

■【あり】…ラ変動詞「あり」終止形

 

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◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

☆本日の『源氏物語』☆

 

光源氏は、こうして惟光を来させるだけで、

正式な「妻」としての待遇をしてきません。

 

これは、光源氏の「メンツ」ともいえるものだったでしょうか?

 

しかし、

手紙はたびたび贈って、

「誠意がないと思われたら困る」

と書いているのですね。

 

なんと、身勝手な……。

 

笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 


 

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