源氏イラスト訳【若紫336】迎ふ | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫336】迎ふ

大夫も、「いかなることにかあらむ」と、心得がたう思ふ。

参りて、ありさまなど聞こえければ、あはれに思しやらるれど、さて通ひたまはむも、さすがにすずろなる心地して、「軽々しうもてひがめたると、人もや漏り聞かむ」など、つつましければ、「ただ迎へてむ」と思す。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

軽々しうもてひがめたると、もや漏り聞か

訳)軽率にも風変わりなことをしていると、世間の人それとなく聞くかも知れない だろう

 

 

などつつましけれ

訳)などと遠慮されるので

 

 

ただ迎へと思す

訳)いっそ迎えてしまおお考えになる

 

 

【古文】

軽々しうもてひがめたると、もや漏り聞かなどつつましけれ、「ただ迎へと思す

 

【訳】

軽率にも風変わりなことをしていると、世間の人それとなく聞くかも知れない だろうなどと遠慮されるので、「いっそ迎えてしまおお考えになる

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【軽々しう】…シク活用形容詞「軽々し」連用形ウ音便

■【もて―】…語調をととのえる接頭語

■【ひがめ】…マ行下二段動詞「ひがむ」連用形

※【ひがむ】…ゆがめる。風変わりなことをする

■【たる】…存続の助動詞「たり」連体形

■【と】…引用の格助詞

■【人】…世間の人々

■【もや】…~かもしれない

※【も】…強意の係助詞

※【や】…疑問の係助詞

■【漏り聞く】…それとなく聞く

■【む】…推量の助動詞「む」連体形

■【など】…引用の副助詞

■【つつましけれ】…シク活用形容詞「つつまし」已然形

※【つつまし】…遠慮される

■【ば】…順接確定条件の接続助詞

■【ただ】…ただひたすら。いっそのこと

■【迎へ】…ハ行下二段動詞「迎ふ」連用形

■【て】…強意の助動詞「つ」未然形

■【む】…意志の助動詞「む」終止形

■【と】…引用の格助詞

■【思(おぼ)す】…「思ふ」の尊敬(作者⇒光源氏)

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

「迎ふ」というのは、

妾(めかけ)として、女を自分の手元に「据え置く」という意味です。

 

 

当時の結婚形態は、

妻の元に男が通っていく「通い婚」が主流でしたが、

 

こうして、自邸へ「迎え入れる」事実上の結婚形態もありました。

 

 

現在の感覚でいうなら、

後者のほうが、格の高いようにも思うのですが、

 

実は、平安当時は、

「通い婚」のほうが、礼儀にかなった、正式な結婚形態だったのです。

 

 

 

光源氏は、若紫を、正式な結婚相手とは考えておらず、

事実上の「妾」として、囲いたかったようですね。

 

ショボーンショボーンショボーン

 


 

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