【夕顔372-3】古文単語「耳かしがまし」
GWも、ラスト2日となってしまいましたねぇ;
源氏物語イラスト訳 重要古語
古文単語は、
1.古今異義語(現代の意味と違う)
2.古典特有語(現代死語・使わない)
3.古文常識語(現代にない慣習)
があります。
この記事でプラスαの知識を身につけてね♪
【今回の源氏物語】
耳かしかましかりし砧の音を、思し出づるさへ恋しくて、「正に長き夜」とうち誦じて、臥したまへり。
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今回出てきた古文単語
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■【耳かしがましかり】…シク活用形容詞「耳かしがまし」連用形
※【耳かしがまし】…耳にやかましく聞こえる
■【し】…過去の助動詞「き」連体形
■【砧(きぬた)の音】…冬着の準備として秋の夜長の仕事として行う布をたたく音。夕顔の住んでいた五条の邸で聞こえてきた
■【を】…対象の格助詞
■【思し出づる】…ダ行下二段動詞「思し出づ」連体形
※【思(おぼ)し出(い)づ】…「思ひ出づ」の尊敬(作者→光源氏)
■【さへ】…添加の副助詞
■【恋しく】…シク活用形容詞「恋し」連用形
■【て】…単純接続の接続助詞
■【正(まさ)に長き夜】…漢詩集『白氏文集』の「聞夜砧」の一節
■【と】…引用の格助詞
■【うち誦じ】…サ変動詞「うち誦ず」連用形
※【うち誦(ずん)ず】…(漢詩を)ふと口ずさむ。吟ず
■【て】…単純接続の接続助詞
■【臥し】…サ行四段動詞「臥す」連用形
※【臥(ふ)す】…横になる
■【たまへ】…ハ行四段動詞「たまふ」已然形
※【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)
■【り】…完了の助動詞「り」終止形
◇ 今回は「さへ」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「耳かしがまし」 ☆
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耳かしかましかりし砧の音を、思し出づるさへ恋しくて、「正に長き夜」とうち誦じて、臥したまへり。
問)傍線部の説明として最も適当なものを、次の中から1つ選べ。
1.耳の中で遠く聞こえた懐かしい砧の音
2.耳にずっと残っていた砧の音
3.耳にさわるやかましかった砧の音
4.耳に入ってくる遠くから響いてきた砧の音
5.耳に入れたくはないほど不気味だった砧の音
重要古語は
② 漢字やイメージで覚える語
③ 文脈判断で決める語
の3つを使い分けて覚えるべきです。
今回の古語は
「かしがまし」という重要古語の変形。
たぶん、もう頭に入ってる単語ですよね?
【耳囂し(みみかしがまし)】
【形容詞:シク活用】
…耳にやかましく聞こえる。うるさい
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
(๑˘ ³˘๑)~♡
【答え】…3
耳かしかましかりし砧の音を、思し出づるさへ恋しくて、「正に長き夜」とうち誦じて、臥したまへり。
● 過去記事リンク
■たまへり
■たまふ
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