【夕顔342-2】「けむ」の意味識別☆
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源氏物語イラスト解釈
【これまでのあらすじ】
天皇(桐壺帝)の御子として産まれ、容姿・才能ともすぐれていた光の君は、幼くして母(桐壺更衣)を亡くし、臣籍に降下、「源氏」姓を名のり、左大臣の娘葵(あおい)の上を正妻にもらいました。一方、帝の後妻である、亡き母によく似た藤壺宮(ふじつぼのみや)への恋慕、そして、中流の女空蝉(うつせみ)との一夜限りの情事、プライドの高い六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)との逢瀬…。光源氏は尽きせぬ恋を重ねていくのでした。
ただ今、「4.夕顔」の巻です。17歳の光源氏は、五条にひっそり住まう夕顔の君に恋をし、彼女を廃院に誘いますが、夕顔は物の怪に襲われ急死してしまいました。部下の惟光(これみつ)の助けを借りながら夕顔の葬儀を終え、光源氏は失意に沈んでいます。ある夕暮れ時、右近(夕顔の侍従)を呼び寄せて、亡き夕顔の話をします。
【今回の源氏物語】
「…またうち返し、つらうおぼゆる。かう長かるまじきにては、など、さしも心に染みて、あはれとおぼえたまひけむ。…」
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☆ 古文オリジナル問題~文法的意味の識別~☆
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「…またうち返し、つらうおぼゆる。かう長かるまじき⒜にては、など、さしも心に染みて、あはれとおぼえたまひ⒝けむ。…」
問)傍線部⒜⒝の文法説明の組合わせとして正しいものを、次の中から1つ選べ。
1.⒜断定の助動詞 ⒝過去推量の助動詞
2.⒜完了の助動詞 ⒝過去の原因推量の助動詞
3.⒜格助詞 ⒝過去の伝聞の助動詞
4.⒜完了の助動詞 ⒝過去の婉曲の助動詞
5.⒜断定の助動詞 ⒝過去の原因推量の助動詞
国公二次および私大一般入試でよく出て来る
古典文法の問題は、「に」の識別です。
今回の⒜のように、
「―にて」というつながりの場合、
「―であって」と訳せるならば、
基本的に断定の助動詞です。
ただし、形容動詞の連用形にはお気をつけを!
(-c_,-。)
かう長かるまじき⒜にては、
助動詞「まじ」の連体形に接続していますので、
この⒜「に」は、明らかに断定の助動詞です。
⒝について、
「けむ」の文法的意味は、以下の3つです。
1.過去推量(~ただろう)
2.過去の原因推量(どうして~たのだろう。~たからなのだろう)
3.過去の伝聞・婉曲(~たという。~たような)
「けむ」の識別でよく出題されるのは、
ただの過去推量か、過去の原因推量か、です。
これは、「らむ」の場合も同じ見分けなので、
セットで理解しておくといいですね!
ヽ(○・▽・○)ノ゙
目の前にない事実に対する、単なる推量なのか、
それとも、目の前にある事実の原因を推量しているのか、
という見分け方が原則です。
わかりやすいでしょ(〃^∇^)o
など、さしも心に染みて、あはれとおぼえたまひ⒝けむ。
特に、今回の場合は、
「など」という原因を示す疑問副詞がありますよね!
【など】
【副詞】
①なぜ。どうして
②なんで(~ものか)。どうして(~ものか)【反語】
*『全訳古語例解辞典(小学館)』より
さあ、解答できたかな?
【解答】…5