【夕顔265-3】古文単語「暮らす」
古文単語のムズかしい所は、
一語にひとつの意味とは限らないところ;;
特に、文脈判断に重きを置くきらいがあるので、
このブログで、がんばってセンス(古文目線)を磨いていきましょう。
源氏物語イラスト訳 重要古語
【古文単語の覚え方】
1.現代語から想像して覚える
2.漢字のイメージで覚える
3.ゴロを利用して丸覚えする
の3つのどれかで覚えます。
今回は、【漢字のイメージ】で覚えましょ♪
【今回の源氏物語】
「…その家なりける下人の、病しけるが、にはかに出であへで亡くなりにけるを、怖ぢ憚りて、日を暮らしてなむ取り出ではべりけるを、
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今回出てきた古文単語
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■【その】…指示連体詞
■【なり】…所在の助動詞「なり」連用形
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
■【下人(げにん)】…下働きの男
■【の】…同格の格助詞
■【病(やまひ)】…病気
■【し】…サ変動詞「す」連用形
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
■【が】…主格の格助詞
■【にはかに】…ナリ活用形容動詞「にはかなり」連用形
※【にはかなり】…急だ
■【出であへで】…出て行くことができないで
※【―あふ(敢ふ)】…すっかり~する。~しきる
※【で】…打消推量の接続助詞
■【亡くなり】…ラ行四段動詞「亡くなる」連用形
■【に】…完了の助動詞「ぬ」連用形
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
■【を】…対象の格助詞
■【怖(お)づ】…恐れる
■【憚(はばか)る】…遠慮する。気兼ねする
■【て】…単純接続の接続助詞
■【日を暮らす】…日が暮れるまで過ごす
※【暮らす】…日が暮れるまで時を過ごす
■【て】…単純接続の接続助詞
■【取り出で】…ダ行下二段動詞「取り出づ」連用形
※【取り出づ】…取り出す。持ち出す
■【はべり】…丁寧の補助動詞(光源氏⇒頭中将)
■【ける】…過去の助動詞「けり」連体形
■【を】…対象の格助詞
◇ 今回は「に」にも注意しましょ♪
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☆ 本日の古文単語「暮らす」 ☆
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「…その家なりける下人の、病しけるが、にはかに出であへで亡くなりにけるを、怖ぢ憚りて、日を暮らしてなむ取り出ではべりけるを、
問)傍線部の意味として最も適当なものを一つ選べ。
1.一日中、遺体を外にさらしておいた。
2.何日も経ってから、遺体を外に出した。
3.何日も日を重ねて、遺体をそのままにしておいた。
4.日中はそのままにしておき、日が落ちてから遺体を外に出した。
5.一日中、遺体を外に出さずに置いておいた。
古文単語、ほんとに難しいですよね~;;
「日を暮らし」といったら、
おそらく、ほとんどの受験生は、
「つれづれなるままに、日暮らし、硯に向かひて…」
という、『徒然草』の冒頭部分が思い起こされるのでは?
(;・`ω・´)
「日暮らし」というと、
「一日中」という意味ですが、
ここでは、「取り出で(=遺体を持ち出す)」につながっていくので、
この副詞の意味では、文脈上不自然ですよね;;
(ㆁωㆁ*)
【暮らす(くらす)】
【他動詞:サ行四段活用】
①日が暮れるまで時を過ごす。昼間を過ごす
②(年月・季節などを)過ごす。月日をおくる。生活する
※Weblio古語辞典より
…こういう文脈判断をともなう古文解釈が
センター試験などでは、しょっちゅう出てきます。
受験生のみなさんは、
こういう文脈上の古語判別に慣れていくしかありません。
【解答】…4
「…その家なりける下人の、病しけるが、にはかに出であへで亡くなりにけるを、怖ぢ憚りて、日を暮らしてなむ取り出ではべりけるを、
● 過去記事リンク
■~あへず
■にけり
■はべり
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